国家総合職「院卒区分」の倍率は1.4倍?試験内容や大卒との違いを解説
試験概要・合格戦略
【記事のポイント】
- 倍率:国家総合職(院卒区分)の対受験者倍率は1.4倍で、大卒程度・法律区分の19.1倍と比較して格段に低い水準です。
- 試験内容:筆記試験の難易度は大卒程度区分とほぼ同じ。学部時代に公務員試験対策の経験がある方は、その知識をそのまま活かせます。
- 採用の関門:採用試験合格後の官庁訪問の採用率は約35.7%で、官庁訪問対策こそが合否の最大の分岐点です。
- 大卒との違い:初任給は院卒区分の方が月額16,320円高く、年収ベースで約27.2万円の差がありますが、仕事内容・昇進スピードに差はありません。
- 対策時期:学部4年生〜修士1年からの早期スタートが両立の鍵。修士1年秋の大卒程度・教養区分受験も有効な戦略です。
「1.4倍」という倍率に、想像より受かりやすいと感じた方もいるはずです。ただし採用試験に合格した後、官庁訪問の採用率は約35.7%で、ここが最大の関門です。
採用後の仕事内容や昇進スピードは院卒・大卒程度で差はなく、院卒区分は「同じキャリアをより低い倍率で目指せる」試験ともいえます。
本記事では、人事院の公表しているデータや伊藤塾合格者の声をもとに、受験資格、試験内容、初任給差、対策を始めるべき時期などについて解説します。

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1. 国家総合職「院卒区分」とは?3つの特徴を紹介
院卒者試験は受験資格に学歴要件がありますが、採用試験の倍率は1.4倍と低く、筆記試験の難易度は大卒程度とほぼ同じである点が最大の特徴です。
国家公務員採用総合職試験「院卒区分」とは、大学院修士課程または専門職大学院の修了者(修了見込みを含む)を対象とした試験です。院卒者試験には専門に応じた9つの区分がありますが、法文系の大学院生が受験するのは「行政区分」です。
院卒者試験には、以下の3つの特徴があります。
- 受験資格に学歴要件がある(大学院修了者のみ受験可)
- 採用試験の倍率が大卒程度区分より格段に低い(1.4倍)
- 筆記試験の難易度は大卒程度区分とほぼ同じ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1. 受験資格に学歴要件がある
院卒者試験の最大の特徴は、受験資格に学歴要件があることです。
前提として、公務員試験は学歴不問で受験できる試験がほとんどです。大卒程度試験も「大卒程度」と名がついていますが、学歴要件はなく、大学を卒業していなくても年齢要件さえ満たしていれば受験できます。
しかし、院卒者試験だけは「大学院修士課程または専門職大学院の課程を修了している(修了見込みを含む)」ことが受験資格となっています。大学院を卒業した方でなければ受験できません。
| 区分 | 受験資格 |
| 院卒者試験 | 1996(平成8)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの (1)大学院修士課程又は専門職大学院の課程を修了した者及び 2027(令和9)年3月までに大学院修士課程又は専門職大学院の 課程を修了する見込みの者 (2)人事院が(1)に掲げる者と同等の資格があると認める者 |
| 大卒程度試験 | (1)1996(平成8)年4月2日~2005(平成17)年4月1日生まれの者 (2)2005(平成17)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの ア 大学(短期大学を除く。以下同じ。)を卒業した者及び 2027(令和9)年3月までに大学を卒業する見込みの者 イ 人事院がアに掲げる者と同等の資格があると認める者 |
出典:人事院「2026年度国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内」
1-2. 採用試験の倍率は1.4倍(大卒程度よりも格段に低い)
採用試験の倍率が低いのも院卒者試験の大きな特徴といえます。
2025年度試験では、院卒者・行政区分の対受験者倍率はわずか1.4倍でした。大卒程度・法律区分の19.1倍、教養区分の9.2倍などと比べても、大幅に低い水準です。
| 院卒者 (行政区分) | 大卒程度 (法律区分) | 大卒程度 (教養区分) | |
| 第1次試験受験者数 | 202人 | 5,185人 | 3,898人 |
| 最終合格者数 | 148人 | 271人 | 426人 |
| 対受験者倍率 | 1.4倍 | 19.1倍 | 9.2倍 |
出典:人事院「2025年度国家公務員採用総合職試験(春)の合格者発表」、「2025年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)教養区分の合格者発表」
もちろん倍率だけで試験の難易度は測れませんが、合格のチャンスは大卒程度区分よりも大きいといえるでしょう。
※公務員試験の合格率について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
1-3. 筆記試験の問題は「大卒程度」とほぼ同じ
筆記試験の問題は、院卒者・行政区分と大卒程度・法律区分でほぼ同じです。
基礎能力試験の問題は両区分で共通していますし、専門試験も同じ科目を選べば両区分でまったく同じ内容になります。
たとえば、院卒者・行政区分の専門試験(多肢選択式)で「選択Ⅲ法律系」を選んだ場合、出題されるのは大卒程度・法律区分と共通の問題です。専門試験(記述式)も、選択できる科目の種類こそ違うものの、同じ科目を選べば同じ問題が出題されます。
「院卒区分」と聞くと高度な専門知識が問われるように感じるかもしれませんが、試験の難易度に大きな違いはありません。
2. 国家総合職は「院卒者」と「大卒程度」で何が違う?
院卒者と大卒程度の違いは初任給(月額16,320円差)のみで、採用後の業務内容・昇進スピード・キャリアパスに実質的な差はありません。
院卒者試験と大卒程度試験で大きく異なるのは初任給です。入庁1年目の給与では月額16,320円の差があります。
一方で、採用後の仕事内容や昇給スピード、キャリア面には、院卒・大卒程度で大きな違いはありません。
2-1. 初任給は「院卒」の方が16,320円高い
院卒者試験と大卒程度試験では、採用時の初任給に差があります。どちらも同じ行政職俸給表(一)が適用されますが、スタートする号俸が異なるからです。
| 区分 | 初任給(月額) | 俸給表の級・号俸 |
| 総合職(院卒) | 317,520円 | 行政職俸給表(一) 2級11号俸 |
| 総合職(大卒) | 301,200円 | 行政職俸給表(一) 2級1号俸 |
※本府省業務調整手当及び地域手当を含む
出典:人事院「国家公務員の紹介|国家公務員試験採用情報NAVI」
大卒程度試験で採用された場合、2級1号俸からのスタートとなりますが、院卒者試験で採用されると大学院修了という学歴が号俸に反映されます。
「2級11号俸」からのスタートとなるため、初任給で月額16,320円、年収では賞与を含めて約27.2万円(※)ほど高くなります。
(※月額16,320円 ×(12ヶ月 + 賞与4.65ヶ月)= 約271,728円で算出)
※国家公務員の平均年収について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
2-2. 仕事内容や昇進スピード、キャリアに大きな違いはない
初任給には差がありますが、採用後に配属される部署や担当する業務には、院卒者試験・大卒程度試験による違いはありません。
これは、院卒者試験・大卒程度試験のどちらも「政策の企画及び立案又は調査及び研究に関する事務」をその職務とする係員の採用試験という位置づけだからです。
(出典:国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内)
どちらも将来の幹部候補として政策の企画立案を担う、いわゆる「官僚」を採用する試験であり、採用後の職務に区分による違いはありません。
国家公務員の仕事内容や昇進スピード、キャリアパスに差が生じるのは、「院卒」か「大卒程度」かではなく、「総合職」か「一般職」かによってです。因みに「総合職」と「一般職」は、受験案内でも異なる位置づけで定義されています。
- 総合職:政策の企画及び立案又は調査及び研究に関する事務をその職務とする係員の採用試験
- 一般職:政策の実行やフォローアップなどに関する事務をその職務とする係員の採用試験
「院卒」と「大卒程度」は同じ総合職として採用される以上、仕事内容や昇進スピード、キャリアに大きな違いはありません。
※官僚になるための試験から採用までについて詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
3. 国家総合職(院卒区分)の試験内容
院卒者試験は第一次・第二次の2段階構成で、配点比率の最も高い専門試験(記述式)が5/15と全体の3分の1を占めます。
院卒者試験は、第一次試験と第二次試験で構成されています。
《院卒者試験の試験種目と配点》
| 試験 | 試験種目 | 配点比率 |
| 第一次試験 | 基礎能力試験 (多肢選択式) | 2/15 |
| 専門試験 (多肢選択式) | 3/15 | |
| 第二次試験 | 専門試験 (記述式) | 5/15 |
| 政策課題討議試験 | 2/15 | |
| 人物試験 (個別面接) | 3/15 |
配点比率を見ると、専門試験(記述式)が「5/15」と最も高く、全体の3分の1を占めています。次いで専門試験(多肢選択式)が「3/15」、人物試験が「3/15」と続きます。
採用試験だけでいえば、他の国家公務員試験と同じく、筆記試験の配点が大きい試験と言ってよいでしょう。それぞれの試験内容を詳しくみていきます。
3-1. 第一次試験の内容
第一次試験では、「基礎能力試験」と「専門試験(多肢選択式)」の2科目が実施されます。
| 試験種目 | 配点 比率 | 試験科目 (選択Ⅲ法律系の場合) |
| 基礎能力試験 (多肢選択式) 30題 | 2/15 | 文章理解⑩、判断・数的推理⑭、 自然・人文・社会に関する時事・ 情報⑥ |
| 専門試験 (多肢選択式) 49題出題 40題 解答 | 3/15 | 必須:憲法⑦、行政法⑫、民法⑫ 選択:商法③、刑法③、労働法③ 、国際法③、経済学・財政学⑥の 18題から9題 |
出典:人事院「2026年度国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内」
基礎能力試験は院卒者試験・大卒程度試験ともに共通の問題で実施されます。文章理解・数的処理などの一般知能科目に力を入れて対策しましょう。
一方、専門試験(多肢選択式)は、行政区分の場合、4つの選択群(選択Ⅰ政治・国際系、選択Ⅱ人文系、選択Ⅲ法律系、選択Ⅳ経済系)から1つを選んで解答する形式です。
それぞれ大卒程度の「政治・国際・人文」「法律」「経済」に対応しており、対応区分と共通の問題が出題されます。
基礎能力試験、専門試験(多肢選択式)ともに、学部時代に公務員試験対策をしていた方であればその経験をそのまま活かせるでしょう。
3-2. 第二次試験の内容
第二次試験では、「専門試験(記述式)」「政策課題討議試験」「人物試験」の3科目が実施されます。
| 試験種目 | 配点比率 | 試験科目(選択Ⅲ法律系の場合) |
| 専門試験 (記述式) | 5/15 | 政治学①、行政学①、国際関係②、憲法①、 行政法①、民法②、民事訴訟法①、国際法①、 経済理論②、財政学①、経済政策① 等の 17科目から2題選択 |
| 政策課題討議試験 | 2/15 | 課題に対するグループ討議によるプレゼン テーション能力やコミュニケーション力など についての試験 |
| 人物試験 | 3/15 | 人柄、対人的能力などについての個別面接 |
出典:人事院「2026年度国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内」
専門試験(記述式)は、配点比率が全科目中最も高い試験です。
大卒程度(法律区分)よりも選択できる科目数が多いですが、憲法・行政法・民法・国際法・公共政策といった科目は、大卒程度(法律区分)と共通の問題が出題されます。
政策課題討議試験は、大卒程度・法律区分の「政策論文試験」に代えて実施されるプレゼンテーション試験です。まず、25分程度でレジュメを作成し、次に自分の立場について1人あたり2分程度で個別発表を行います。その後、6人1組でグループ討議を行い、最後に討議を経て自分の意見がどのように変わったのか(あるいは変わらなかったのか)を個別発表するという流れで実施されます。
人物試験は、受験者1人に対して3人の面接官で実施される個別面接です。事前に提出した面接カードをもとに質問がなされて、国家公務員としての適性が評価されます。
4. 「最終合格=採用」ではない(官庁訪問の採用率は35.7%)
採用試験に最終合格しても、官庁訪問での採用率は約35.7%※にとどまり、官庁訪問こそが国家総合職(院卒区分)の最大の難関です。
(※2024年度試験合格者の2025年4月1日時点採用状況に基づく。出典:人事院「2024年度国家公務員採用総合職試験(春)の合格者発表」、「府省等別・区分試験別採用状況(令和7年4月1日現在)」)
国家公務員採用総合職試験では、最終合格すれば必ず採用されるわけではありません。最終合格後に「官庁訪問」と呼ばれる各府省での選考を経て、はじめて採用が決まります。
そして、国家公務員採用総合職試験(院卒者試験)で最も難関なのが、この官庁訪問です。
院卒・行政区分の官庁訪問の採用率(採用人数÷最終合格者数)は約35.7%です(※2024年度試験合格者の2025年4月1日時点採用状況に基づく)。大卒程度・法律区分よりは高いものの、数字だけみれば、10人中6人以上が官庁訪問で内定を獲得できていない計算となります。
| 区分 | 最終合格者数 | 採用人数 | 採用率※ |
| 院卒 (行政区分) | 168人 | 60人 | 約35.7% |
| 大卒程度 (法律区分) | 296人 | 66人 | 約22.3% |
| 大卒程度 (教養区分) | 467人 | 209人 | 約44.8% |
※採用率=採用人数÷最終合格者数(官庁訪問で内定を獲得した割合)
出典:人事院「2024年度国家公務員採用総合職試験(春)の合格者発表」、「府省等別・区分試験別採用状況(令和7年4月1日現在)」
上記からも分かるとおり、国家総合職「院卒区分」は採用試験に最終合格すること以上に、官庁訪問で内定を獲得することが重要な試験です。採用試験の倍率が低いからといって油断するのは禁物です。
早期に試験対策をスタートさせて、筆記試験だけでなく官庁訪問に向けた省庁研究や面接対策にも十分な時間を確保しましょう。
5. 国家総合職(院卒区分)を目指すなら、学部4年生から対策を始めよう
国家総合職(院卒区分)を目指すなら、大学院入試が終わった後、学部4年生のうちに公務員試験対策を始めるのが最も合理的なタイミングです。
大学院に進学してからは、研究活動やゼミ、論文執筆などで想像以上に忙しくなります。公務員試験対策との両立は決して簡単ではないため、比較的時間に余裕のある学部4年生の後半から学習を始めておくと、大学院進学後の負担を大きく軽減できます。
伊藤塾で院卒区分に合格している方も、学部4年生から修士1年にかけて学習をスタートしているケースが多いです。
伊藤塾受講生 合格(内定)体験談
大学4年生の冬くらいから伊藤塾で学習を始めました。大学院の入試が終わったことや、卒論がひと段落したこと、大学院生活が忙しいことを聞いていたことなどがあり、早めに学習をスタートしようと思ってこの時期に始めました。今振り返ってみると、早めに始めることによって余裕を持った学習スケジュールを立てることができ、公務員の勉強以外の様々な予定や、大学の授業ともバランス良く両立することができたことが良かったと思っています。
(国家総合職 院卒行政区分合格 厚生労働省内定 T.Cさん)
また、院卒区分の受験に先立って、修士1年次の秋に実施される大卒程度・教養区分試験を受験するのも有効な戦略です。
【秋に実施される大卒程度・教養区分試験日程】
| 日程 | |
| 申込受付期間 (インターネット) | 2026年7月31日(金)〜8月24日(月) |
| 第一次試験日 | 2026年10月4日(日) |
| 第一次試験 合格者発表日 | 2026年10月21日(水) |
| 第二次試験日 (企画提案試験) | 2026年11月24日(火) 又は11月26日(木) |
| 第二次試験日 (政策課題討議 ・人物試験) | 2026年11月25日(水) 又は11月27日(金) |
| 最終合格者 発表日 | 2026年12月17日(木) |
教養区分で合格できれば、そのまま翌年の官庁訪問に臨むこともできます。仮に院卒区分を受け直す場合でも、教養区分で試験の雰囲気や時間配分を体感しておくことは、大きなアドバンテージになるでしょう。
※伊藤塾が公務員試験の受験生から選ばれる理由について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
6. 国家総合職(院卒区分)に関するよくある質問(FAQ)
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国家公務員採用総合職試験(院卒者試験)の試験日程はいつですか?
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2026年度(令和8年度)の試験日程は以下のとおりです。
日程 申込受付期間 2026年2月2日(月)〜2月24日(火) 第一次試験日 2026年3月15日(日) 第一次試験
合格者発表日2026年3月30日(月) 第二次試験日
(筆記試験)2026年4月12日(日) 第二次試験日
(政策課題討議
・人物試験)2026年5月7日(木)〜5月15日(金) 最終合格者
発表日2026年5月29日(金) 出典:人事院「2026年の国家公務員採用総合職試験(春)等の日程について」
2027年度(令和9年度)の試験日程は以下を予定しています。
※申込受付期間(インターネット)及び第1次試験合格者発表日以降の日程については、2026年11月中旬を目処に公表される予定です。日程 申込受付期間
(インターネット)2027年1月下旬〜2月上旬 第一次試験日 2027年2月28日(日) 第一次試験
合格者発表日2027年3月中旬 第二次試験日
(筆記試験)2027年3月21日(日) 第二次試験日
(人物試験等)2027年4月上旬〜4月下旬 最終合格者
発表日2027年5月下旬
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倍率1.4倍でも不合格になることはありますか?
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あります。倍率は対受験者倍率であり、最終合格ラインに達しない場合は不合格になります。さらに、採用試験に最終合格した後の官庁訪問での採用率は約35.7%であるため、「試験合格=採用」ではないことに注意が必要です。
(出典:人事院「2024年度国家公務員採用総合職試験(春)の合格者発表」、「府省等別・区分試験別採用状況(令和7年4月1日現在)」)
倍率が低いからといって対策を手抜きせず、特に官庁訪問に向けた省庁研究・面接対策に十分な時間を確保することが重要です。
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院卒者試験に合格した後に大学院修士課程等を修了できなかった場合はどうなりますか?
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採用されない可能性があります。人事院の受験案内にも「院卒者試験に合格した後に大学院修士課程等を修了できなかった場合には、採用されないことがあります」と明記されています。
(出典:人事院「2026年度国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内」)
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院卒ですが、大卒程度区分を受けることもできますか?
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年齢要件を満たしていれば受験できますが、倍率などを踏まえると、院卒区分で受験する方が有利だといえます。人事院の受験案内でも「院卒者試験の受験資格がある方は院卒者試験を受験することを推奨します」と明記されています。
(出典:人事院「2026年度国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内」)
ただし、これから大学院に進学する方は、修士1年次の秋に大卒程度・教養区分を受験して本番の経験を積み、修士2年の春に院卒区分を受験するという戦略は有効です。
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国家総合職(院卒区分)では、どのような試験区分がありますか?
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院卒者試験の試験区分と、2026年度の採用予定数は以下のとおりです。
試験区分 採用
予定数行政 約60人 人間科学 約25人 法務 約5人 デジタル 約15人 工学 約75人 数理科学・物理・地球科学 約25人 化学・生物・薬学 約60人 農業科学・水産 約40人 農業農村工学 約5人 森林・自然環境 約25人 ※法務区分は、2024年度及び2025年度試験の合格者名簿からの採用予定
出典:人事院「2026年度総合職試験 採用予定数」このうち、法文系の大学院生が受験するのは主に「行政」区分です。大卒程度試験における「政治・国際・人文」「法律」「経済」が「行政区分」1つにまとめられているようなイメージです。なお、大卒程度で主流になっている「教養区分」は院卒者試験には設けられていません(2026年5月時点)。
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法科大学院の修了者でも院卒区分で受験できますか?
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はい、受験できます。院卒者試験の受験資格は「大学院修士課程又は専門職大学院の課程を修了した者」と定められており、法科大学院は専門職大学院に該当します。
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司法試験合格者は院卒者試験の法務区分で受験できますか?
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いいえ。司法試験合格者を対象としていた院卒者試験「法務区分」は、2025年度より廃止されました。2025年度から、司法試験合格者は国家公務員採用試験(法務区分)を経ずに、各府省が独自に採用できる形に変更されています。
(出典:人事院「司法試験合格者の採用が変わりました!!」)
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院卒区分の受験にあたって、特に注意すべき点はありますか?
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「採用試験の倍率が低い=合格しやすい」と過信しないことが最重要の注意点です。最終合格後の官庁訪問の採用率は約35.7%で、10人中6人以上が内定を得られていません。筆記対策だけでなく、志望府省の研究・面接カードの準備・省庁説明会への参加など、官庁訪問対策を早期から計画的に進めることが求められます。
また、大学院の研究活動との両立が必要なため、修士2年の春に受験する場合は遅くとも修士1年の前半には学習をスタートするのが現実的です。
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官庁訪問に向けて、どのような準備が必要ですか?
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志望府省の政策・業務内容の研究、国家公務員として志望する理由の深掘り、面接カードの作成が主な準備事項です。採用試験の最終合格者発表(2026年度は5月29日)後から各府省への官庁訪問が始まるため、合格発表前から志望先の絞り込みと研究を進めておくことが重要です。
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院卒区分と大卒程度区分は同時に受験できますか?
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同時受験はできません。院卒者試験(春試験)と大卒程度・法律区分(春試験)は同じ日程で実施されるためです。ただし、修士1年次の秋に実施される大卒程度・教養区分を受験した後、翌年の修士2年次に院卒区分を受験するという戦略は可能です。院卒者試験の受験資格がある方には人事院も院卒者試験の受験を推奨しています。
(出典:人事院「2026年度国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内」)
7. 院卒区分は低倍率、大卒程度区分と同水準の筆記試験で国家総合職を目指せる
国家総合職(院卒区分)は、対受験者倍率が1.4倍と低く、筆記試験の難易度は大卒程度区分とほぼ同水準です。大学院修了という学歴を活かし、より合格しやすい経路で国家総合職を目指すことができます。
- 採用試験の倍率は1.4倍で、大卒程度・法律区分(19.1倍)より格段に低い
- 筆記試験の問題は大卒程度区分とほぼ共通で、学部時代の公務員試験対策が活かせる
- 初任給は大卒程度より月額16,320円高いが、仕事内容・昇進スピードに差はない
- 官庁訪問の採用率は約35.7%で、採用試験合格後の官庁訪問対策が合否を分ける
- 学部4年生〜修士1年からの早期学習スタートが研究活動との両立の鍵
2027年度 国家総合職(院卒区分)の受験を検討している方は、学部4年生のうちから学習計画を立てるところから始めましょう。すでに修士1年次にある方は、2026年度 秋の大卒程度・教養区分の受験も視野に入れて準備を進めるのが効果的です。
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