公務員と民間の併願はきつい?おすすめする理由や成功の秘訣を解説
試験概要・合格戦略
2024年05月31日

「民間企業を考えていたけど、実は公務員にも興味がある」
「公務員と民間、併願するのはきついんじゃないの?」
「併願することで、どんなメリットがあるの?」
就職活動を控えた学生の中には、このような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?
確かに「公務員」と「民間企業」を併願すると、やるべきことが増えるため、スケジューリングなどの工夫が必要になります。
しかし、計画的に勉強を進めていけば、「公務員」と「民間企業」両方の対策を進めていくことは、決して難しくありません。
実際、伊藤塾でも多くの受講生が、「公務員」と「民間企業」を併願して受験し、後悔のない選択をすることができています。
就職は人生の岐路。
せっかくなら、可能な限り多くの選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。
この記事では、
◉ 公務員と民間を併願するメリット
◉ 仕事内容や採用試験の違い
◉ 公務員と民間の併願を成功させるコツ
について詳しく解説します。
「公務員」と「民間企業」の併願で迷っている方は、是非ご一読ください。

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【目次】
1.公務員と民間は併願できる!迷うなら併願がおすすめ
「公務員」と「民間企業」のどちらを目指すべきか悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
・公務員が本命だけど、万が一に備えて、民間も併願したい
・公務員試験一本に絞るのは、少し怖い気がする
・公務員と民間で迷っていて、決めきれない
・民間企業に興味があるけど、公務員も捨てきれない
伊藤塾でも、数多くの受験生から、毎年こんなご相談をいただきます。
確かに、たった一度の大切な新卒カードを、難関試験といわれている公務員試験一本に賭けるのは、かなり勇気がいる行動かもしれません。
そんな方におすすめなのが、「公務員」と「民間企業」を併願するという選択肢です。
実は、「公務員」と「民間企業」を併願している受験生は少なくありません。
実際、伊藤塾でも、毎年数多くの受講生が「公務員試験」と「民間企業の就活」を併願して対策を進め、自分の納得のいく進路を選択することができています。
どちらの道に進むべきか迷っている場合は、併願することで、より多くの選択肢を得ることができるでしょう。
もちろん、併願するからには、「公務員試験の勉強」と「民間企業の就職活動」を同時に進める必要があるため、スケジュール管理が難しくなったり、肉体的にも精神的にもつらくなったりすることもあるでしょう。
しかし、公務員と民間を併願した経験は、社会人になってからも必ず役に立ちます。
「公務員」と「民間企業」の併願は、努力は必要ですが、それ以上に得るものが大きいと言ってよいでしょう。
「公務員と民間、どっちがいいんだろう…」と悩んでいる方は、ぜひ併願することをおすすめします。
2.公務員試験と民間企業を併願する4つのメリット
「公務員試験」と「民間企業の就職活動」を併願することには、大きく4つのメリットがあります。
◉ 視野が広がる
◉ 公務員の併願が民間の就活対策になる
◉ 併願した経験が就職後も役に立つ
◉ リスク分散になる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.視野が広がる
公務員と民間企業では、仕事内容や働き方、組織風土が大きく異なります。
両方の就職活動を行うことで、多様な業界や職種に触れることができ、自分の視野を広げることができるでしょう。
公務員志望だったけれど民間企業の魅力に気づいたり、民間志望だったけれど公務員の仕事にやりがいを感じたりと、新たな発見があるかもしれません。
伊藤塾でも、公務員と民間を並行して準備したことで、自分のやりたいことが見つかった受講生がたくさんいます。
併願を通じて視野を広げることは、自分の適性を見つける良い機会になるでしょう。
※併願のメリット・公務員試験対策が役立った点など先輩からのアドバイスをまとめました。
2-2.公務員の併願が民間の就活対策にもなる
公務員試験の対策は、民間企業の就職活動にも役立ちます。
詳細は後述しますが、公務員試験の筆記試験対策は、民間企業の適性検査(SPI等)で出題される問題の大多数をカバーしているからです。
公務員試験の勉強を進めておけば、民間企業の適性検査についても、問題なく突破することができるでしょう。
面接試験についても、基本的な考え方は同様です。
公務員試験対策を通じて自己分析を深め、自分の強みを的確に伝える訓練を積んでおけば、民間企業の面接にも、自信を持って臨むことができるはずです。
2-3.併願した経験が就職後も役に立つ
公務員と民間企業を併願した経験は、就職後も大いに役立ちます。
社会に出た後も、公務員と民間企業が接する機会は、意外に多いからです。
例えば、民間企業に就職した場合、行政とのやり取りが発生することがあります。その際、公務員の仕事や組織の特徴を知っていれば、始めから円滑なコミュニケーションを図ることができるでしょう。
逆に、公務員として働く場合も、民間企業との協働が求められる場面があります。民間企業の考え方や働き方を理解していれば、適切に連携することができるはずです。
説明会への参加や、省庁・自治体研究、面接経験などを通じて、双方の特徴について理解を深めておくことが、就職後のキャリアにも良い影響を与えるのです。
2-4.リスク分散になる
公務員試験は、決して簡単に合格できる試験ではありません。
受験指導校などを活用して地道に勉強を続けていけば、合格は決して難しいことではないものの、勉強の継続や大学生活との両立、倍率の高さに不安を感じることもあるでしょう。
特に、公務員試験の直前期は、民間志望者が内々定をもらい始める時期と重なっているため、精神的に不安を感じる受験生が少なくありません。
しかし、公務員試験と民間企業の就職活動を併願していれば、そうした不安を和らげることができます。リスクを分散させることで、試験に対する心理的な負担を軽減できるのです。
万が一に備えて、併願という選択肢を持っておくのは、賢明な戦略だといえるでしょう。
3.公務員試験と民間企業を併願する2つのデメリット
公務員試験と民間企業の就職活動を併願することに大きなメリットがあるのは前述のとおりですが、デメリットもいくつか存在しています。
◉ スケジュール管理が難しい
◉ 肉体的にも精神的にもきつい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1.スケジュール管理が難しい
公務員試験と民間企業の就職活動を併願する上で、最も大変なのがスケジュール管理です。
公務員試験の勉強と、民間企業の選考準備を同時に進めていく必要があるため、時間の使い方を工夫しないと、どちらも中途半端になってしまう恐れがあるからです。
特に、公務員試験の直前期は、過去問演習や面接対策に、多くの時間を割く必要があります。
一方で、民間企業の選考も佳境に入ってくるため、エントリーシートの作成や面接の準備にも力を入れなければなりません。
これらを両立させるためには、綿密なスケジュール管理が必要不可欠でしょう。
「公務員試験」と「民間企業の選考」、両方のスケジュールを見える化して、計画的に進めていくことが求められます。
3-2.肉体的にも精神的にもきつい
公務員と民間を併願することは、肉体的にも精神的にも、かなりの負担がかかります。
公務員試験の対策は、膨大な量の知識を学習するため、長時間の勉強が欠かせません。一方で、民間企業の選考でも、エントリーシートの作成や企業研究、面接の準備などが必要になります。
両方に取り組むとなると、睡眠時間を削ったり、休日を返上したりと、ハードなスケジュールになってしまうことも少なくありません。体力的な疲れが溜まれば、集中力が続かなくなり、勉強のモチベーションも低下してしまいます。
限られた時間の中で、効率的に学習を進めるためには、自分に合った学習方法を見つけることが重要です。
自分1人での対策に限界を感じたら、受験指導校を活用するのも一案でしょう。
受験指導校では、専門家のサポートを受けられるだけでなく、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境が整っています。
併願は、肉体的にも精神的にもきついと感じることがあるかもしれませんが、自分に合ったペースで着実に対策を進めていきましょう。努力は必ず報われます。
4.公務員と民間企業の違いは?
公務員と民間企業では、仕事内容や採用試験に大きな違いがあります。
ここでは、公務員と民間企業の違いについて、「仕事内容」、「筆記試験」、「面接試験」の3つの観点から説明します。
4-1.仕事内容の違い

公務員の仕事は、国民や住民の暮らしを支えることです。
「全体の奉仕者」として、国民や住民の暮らしを支えるために、必要な行政サービスを提供しています。活動するための資金(予算)も、営利活動によって生まれた資金ではなく、税金によって賄われています。そのため、国民・住民全体に対して責任が発生します。
一方で民間企業は、利益を上げることを目的に活動しています。
自社の商品やサービスを提供することで得た利益を元に活動しており、取り扱っている商品のターゲット層を主な顧客としています。
4-2.筆記試験の違い

公務員試験は、筆記試験の負担が比較的大きい試験です。
「一般知能」と「一般知識」からなる教養試験に加えて、法律系や経済系、政治系などの専門試験も出題されます。ただし、筆記試験さえ突破してしまえば、学歴や経歴に関わらず、誰でも人物試験に進むことができます。
一方、民間企業では、「適性検査」が筆記試験の中心です。
SPIや玉手箱など、方式は企業によって異なりますが、公務員試験ほどの知識量は要求されません。例えば、SPIで出題される「言語検査」「非言語検査」は、それぞれ公務員試験の「数的処理」や「文章理解」の勉強をすることで対応できます。公務員試験の対策を進めておけば、SPIについて時間をかけて対策をする必要性は低いでしょう。
ただし、民間企業では適性検査と並行して、エントリーシート等の書類審査が行われます。
場合によっては、筆記で高得点を記録しても、人物試験に進めない可能性があるので注意しましょう。
4-3.面接試験の違い

公務員試験と民間企業の面接では、評価のポイントに大きな違いがあります。
公務員試験の面接では、公務員としての適性や資質が重視されます。例えば、公平性や誠実性、責任感などです。地方公務員の場合は、志望する自治体に対する理解度も評価のポイントになるでしょう。
一方、民間企業の面接では、その企業や職種に合った人材かどうかが重視されます。企業の理念や文化への適合性が重視され、評価基準も企業によって大きく異なります。
それぞれの特徴を理解し、しっかりと対策を立てることが合格への近道となるでしょう。
とはいえ、どちらも人物試験であることに変わりはありません。
面接官は、受験生の価値観や考え方、これまでの経験などを通して、一緒に働くことできるかを確認しているのです。そのため、「自己分析を深める」「自己PRの練習を重ねる」など面接に向けた対策は共通しています。
公務員試験対策として模擬面接を重ねていくことにより、民間企業の面接でも力を発揮することができるでしょう。
5.公務員と民間の併願を成功させるための4つのポイント
公務員試験と民間企業の併願を、きついと感じる人もいるかもしれません。
しかし、適切な対策を行えば、併願を成功させることは十分に可能です。
ここでは、公務員と民間就活の併願を成功させるための4つのポイントを紹介します。

5-1.両方のスケジュールを把握する
公務員と民間の併願を成功させるためには、まずは両方のスケジュールを把握することが重要です。
公務員試験では、国家公務員や都道府県庁、政令指定都市等を中心に、4月前後から筆記試験が本格化します。その後、人物試験や官庁訪問を経て、8月中旬に最終合格が決定するケースが多いです。
一方、民間企業の場合、外資系やコンサルなど3年生夏~秋頃までに早めの選考を行うところもありますが、多くの企業では3月頃から選考活動が本格化します。3月といえば、まさに公務員試験の直前期。就職活動を行う企業をしっかり絞り込んだ上で、スケジュールとメンタル面の管理を行うことが重要です。
つまり、両立を成功させるためには、早い段階から情報収集を行い、計画的に準備を進めることが必要です。
公務員試験と民間企業、両方の全体像を掴んだ上で、優先順位をつけて戦略的に取り組んでいきましょう。
5-2.併願する民間の業界を絞る
公務員試験と民間を併願する際は、併願する民間企業の業界を絞ることも大切です。
自分の興味のある業界や、公務員と親和性が高い業界に絞って就活をすることで、効率的に対策を進めていくことができるからです。
また、業界を絞ることで、業界研究を深められるというメリットもあります。
併願する業界は、公務員に関連する業界や、自分の強みを活かせる分野を選べば準備負担が軽減されます。
5-3.公務員試験の対策を優先させる
公務員と民間の併願では、公務員試験の対策を優先させることが重要です。
公務員試験の科目は多岐にわたっており、早めの準備が必要不可欠だからです。
筆記試験の教養試験では幅広い知識が問われ、専門試験では法律や経済など専門的な内容が出題されます。また、論文試験や面接試験など、試験の形式も多様です。
公務員試験の対策を後回しにしてしまうと、十分な準備ができずに、試験に臨むことになりかねません。
一方、民間企業の選考は、筆記試験(適性検査)よりも面接重視になる傾向にあります。
筆記試験の比重が低い分、短期間で対策を立てることが可能です。また、公務員試験の対策で身につけた知識やスキルは、民間企業の選考でも活かすことができるでしょう。
公務員と民間を併願する場合、まずは公務員試験の対策を優先し、並行して民間企業の対策を進めていくのがおすすめです。
5-4.スキマ時間を活用する
併願では、限られた時間の中で効率的に対策を進める必要があります。
朝の通学時間や昼休みの時間など、スキマ時間を有効活用すると良いでしょう。
例えば、通学中にスマートフォンで講義動画を見たり、昼休みに仲間と面接練習をしたりするなど、工夫次第で効率的に時間を確保できます。スキマ時間を活用して、コツコツと対策を積み重ねていきましょう。
併願は大変な道のりですが、しっかりと対策を行えば、決して難しくはありません。
計画的に準備を進め、効率的な学習を心がけることで、必ず成果につながるはずです。
6.今すぐ決める必要はない!両にらみの対策がおすすめ
公務員試験と民間就活の併願を考えている人の中には、今すぐ決めなければというプレッシャーを感じている人もいるかもしれません。
しかし実際のところ、今すぐ決める必要はありません。むしろ、両方の対策を並行して進めていくことが賢明だと言えます。
公務員試験は、教養科目や専門科目の勉強が大変そうだと敬遠されがちですが、実はがんばった分だけ結果につながる、とても公平な試験です。運や出身大学に左右されることもありません。
また、公務員試験の勉強が、民間企業の就職活動に役立ったと感じている人もたくさんいます。法律の知識が企業の法務職につながったり、時事問題を扱う講義が面接での話題になったりと、相乗効果を実感しているようです。
ゴールが決まっていないからこそ、今から動き始めることに意義があります。
大切なのは、本当にやりたいことが見えてくるまで、選択肢を残しておくことです。
併願の過程で、社会に対する視野も広がっていくでしょう。
自分がやりたい仕事が、社会でどのような役割を果たしているのか、「民間」と「公務員」の両面から見つめることで、志望動機が明確になっていきます。
「周囲が既に始めているのは知っているから正直少し焦りはある。でも部活・サークル・アルバイトが忙しいから・・・何とかならない?」
「公務員と民間就職で迷っている、でも併願して試験対策を進めていく自信はない…」
「併願して、どっちも不合格になったらと思うと…不安で一歩が踏み出せない」
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7.まとめ
最後に、今回の記事で大切なポイントをまとめます。
◉「公務員」と「民間企業」は併願することができる
◉「公務員試験」の対策は、民間企業の就活でも活かせる
◉ 併願はつらい面もあるが、それ以上にメリットが大きい
◉ 迷ったら、最後まで選択肢を残しておくことがおすすめ
「公務員試験」と「民間」の両にらみの対策を続けることで、最終的に自分が後悔しない選択をすることができるでしょう。
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