弁護士と公務員のどっちを目指すべき?司法試験合格で「試験なし」で国家公務員総合職へ【2026年最新】

基本情報

2026年02月07日

2026年1月26日、人事院は司法試験合格者向けの「選考採用」制度を新設することを発表しました。

これにより、司法試験合格者は国家公務員採用試験を受けることなく、総合職(いわゆるキャリア官僚)として採用される道が開かれました。

「弁護士と公務員、どっちを目指すべきか迷っている」
「司法試験と公務員試験って両立できるの?」
「両にらみで勉強を始めたけれど、スケジュールはどうすれば?」
このような悩みをお持ちの方も多いでしょう。

結論からいえば、どちらの道を選ぶか決めきれない場合は、まず司法試験・予備試験の勉強から始めることを強くおすすめします。なぜなら、司法試験に合格すれば、弁護士への道はもちろん、試験なしで国家公務員総合職になる道も開かれるからです。

この記事では、2026年新設の選考採用制度の詳細から、司法試験と公務員試験を両にらみで勉強するメリット、具体的なスケジュールの立て方まで詳しく解説します。両方の試験の勉強を始め、見事合格を掴んだ先輩たちの声もご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

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【目次】

1. 【2026年最新】司法試験合格者向け「選考採用」制度とは

2026年1月26日、人事院は司法試験合格者向けの「選考採用」制度を新設すると発表しました。これは、弁護士と公務員の「両にらみ」で勉強している方にとって、極めて重要なニュースです。

1-1. 従来の「法務区分」との違い

これまで、司法試験合格者が国家公務員になるためには、「国家公務員採用総合職試験(院卒者試験)」の「法務区分」という司法試験合格者を対象にした採用試験に合格する必要がありました。

しかし、2026年度からは従来の「法務区分」は廃止され、新たな「選考採用」制度に移行します。この制度では、司法試験に合格していることが応募資格となり、国家公務員採用試験(筆記試験)を受けることなく、官庁訪問(面接)を経て採用される仕組みに変わります。

 従来
(法務区分)
新制度
(選考採用)
応募資格司法試験合格者司法試験合格者
筆記試験必要
(総合職試験)
不要
選考方法試験合格後
に官庁訪問
書類選考後
に官庁訪問
採用ポジション総合職相当総合職相当

出典:人事院「司法試験合格者向け『選考採用』を新設」(2026年1月26日)

1-2. 選考採用のスケジュール

人事院が発表した選考採用のスケジュールは以下の通りです。

 日程
申込受付
期間
2026年(令和8年)
3月16日(月)〜4月30日(木)
官庁訪問
(面接)
2026年(令和8年) 6月頃
採用時期原則として
2027年(令和9年) 4月

出典:人事院「司法試験合格者向け『選考採用』を新設」(2026年1月26日)

なお、採用予定のある省庁は2026年3月上旬〜中旬を目処に、人事院の「国家公務員試験採用情報NAVI」で公表される予定です。

1-3. この制度が意味すること

この新制度の登場により、「両にらみ」戦略の価値が飛躍的に高まりました。

従来は「両方の試験が無駄にならない」という消極的なメリットでしたが、新制度では「司法試験に合格すれば、試験なしで国家公務員総合職への道も開かれる」という積極的なメリットに変わったのです。

つまり、まだ進路を決めきれていない方こそ、司法試験・予備試験の勉強から始めることが、将来の選択肢を最大化する最善の戦略といえるでしょう。

2. 弁護士は国家公務員ではない—法曹三者の位置づけ

「弁護士と公務員」の話をする前に、まず弁護士の位置づけを正確に理解しておきましょう。結論からいうと、弁護士は国家公務員ではありません。

2-1. 法曹三者とは

司法試験に合格すると、弁護士・検察官・裁判官の、いわゆる「法曹三者」になることができます。このうち、検察官と裁判官は国家公務員ですが、弁護士は民間人という扱いになります。

法曹三者身分採用に必要な試験
弁護士民間人司法試験のみ
検察官国家公務員司法試験のみ
裁判官国家公務員司法試験のみ

2-2. 弁護士が公務員ではない理由

弁護士が国家公務員ではない理由は、その職責にあります。弁護士の業務には、警察や検察の仕事が適切に行われているかをチェックする役割が含まれています。

特に刑事事件では、検察官と弁護士は対立する立場に立ちます。もし弁護士が国家公務員であれば、国家権力をチェックするという本来の職責を十分に果たせなくなると考えられるため、弁護士は民間人として独立した立場を保っているのです。

2-3. 弁護士資格を持って公務員になることも可能

なお、弁護士資格を持ちながら公官庁・地方自治体で働く場合や、国会議員として働く場合には、その期間は公務員扱いとなります。

また、近年は弁護士の働き方も多様化しており、法律事務所に所属せず、一般企業に在籍する「インハウスローヤー(企業内弁護士)」として働く弁護士も増えています。弁護士資格があれば、さまざまなキャリアパスを選択できることも、司法試験の大きな魅力です。

3. 弁護士と公務員、どっちを目指すべきか

弁護士と公務員、どちらの道を目指すべきか迷っている方も多いでしょう。ここでは、両者のメリット・デメリットを比較しながら、選び方のポイントを解説します。

3-1. 弁護士と公務員の比較

 弁護士公務員
(国家総合職)
収入個人差大(年収400万
〜数億円)
安定(年収600〜
1,200万円程度)
働き方自由度高い・
独立開業も可
組織内・転勤あり
仕事内容法律を
「使う」仕事
法律を
「つくる」仕事
安定性景気・案件に左右
される
身分保障あり
社会貢献個人の依頼者
を救済
政策で社会
全体を変える

3-2. 迷っているなら「法律」から始めよう

どちらの仕事も魅力的で、簡単に選ぶことは難しいかもしれません。しかし、まだどちらにすべきか迷っているのであれば、司法試験・予備試験の勉強から始めることを強くおすすめします。

その理由は以下の3点です。

◉司法試験から始めるべき3つの理由
理由①:司法試験合格で、試験なしで総合職に採用される道が開かれる(2026年新制度)
理由②:司法試験の法律科目は公務員試験の法律科目を完全にカバーしている
理由③:進路が定まる大学3年からでは後れを取る可能性がある

特に2026年から始まった選考採用制度により、司法試験に合格すれば弁護士への道だけでなく、筆記試験なしで国家公務員総合職への道も開かれます。まさに「両にらみ」の最強戦略といえるでしょう。

4. 司法試験と公務員試験は両立できる

「司法試験と公務員試験、両方の勉強なんてできるの?」と不安に思う方もいるかもしれません。結論からいうと、司法試験と公務員試験は間違いなく両立可能な試験です。

4-1. 試験科目の重複が大きい

司法試験と公務員試験(国家総合職・法律区分)の試験科目を比較すると、法律科目の大部分が重複していることがわかります。

科目司法試験
・予備試験
国家総合職
(法律区分)
憲法◯(必須)◯(必須)
民法◯(必須)◯(必須)
刑法◯(必須)△(選択)
商法◯(必須)△(選択)
行政法◯(必須)◯(必須)
労働法△(選択)△(選択)

国家総合職試験「法律区分」では、法律科目の配点比率が50%以上を占めています。そして、その法律科目の範囲は司法試験・予備試験とほとんど重なるため、予備試験対策がそのまま公務員試験対策になるのです。

4-2. 試験日程が重ならない

予備試験・司法試験と国家総合職試験は、試験日程が重なることがありません。そのため、併願して受験することが可能です。

また、公務員試験は職種によって試験日程が異なるため、年に1度しかない司法試験と比べて、合格のチャンスが多いというメリットもあります。

4-3. 予備試験対策で公務員試験の法律科目は十分

公務員試験の法律科目は、司法試験・予備試験よりも易しいレベルで出題されます。予備試験受験生であれば、特別の対策をしなくても法律科目で高得点を取れるでしょう。

つまり、予備試験対策を中心に進めておけば、法律科目については万全の状態で公務員試験にも臨めるのです。

5. 司法試験の勉強をしながら目指せる公務員試験の種類

司法試験の勉強と両立できる公務員試験は、国家総合職だけではありません。ここでは、代表的な職種を紹介します。

5-1. 国家公務員(総合職)

国家公務員総合職は、いわゆる「キャリア官僚」と呼ばれる職種です。弁護士や検察官のように法律を「使う」場面も多いですが、どちらかというと法律を「つくる」立場にあります。

長期的な視点に立って国のグランドデザインを描き、それを実現するための法律案をつくって政策を具体化していくことが、国家公務員総合職の主な役割です。

前述の通り、2026年から司法試験合格者向けの「選考採用」制度が始まり、司法試験に合格していれば筆記試験なしで総合職に採用される道が開かれました。

5-2. 国家一般職・地方公務員

東京都庁や、道府県庁、市役所などに就職し、そこに住む人々の手助けをしたい場合には、地方公務員や国家一般職といった職種の試験を受けることになります。

これらの多くの試験でも、法律科目が出題されます。法律科目は出題数が多くて配点の高い重要科目である場合がほとんどですが、問題のレベルは司法試験・予備試験よりも易しく、予備試験受験生であれば特別の対策をしなくても高得点を取れるでしょう。

5-3. 裁判所事務官・検察事務官

自分が前面に出るのではなく、裁判官や検察官のサポートをしながら人助けがしたいと考える場合、裁判所事務官・検察事務官といった職種も選択肢になります。

これらの職種は、法律の知識を活かしながら、法曹を支えるエキスパートとして活躍できる仕事です。

5-4. 法科大学院進学後に目指す選択もできる

国家総合職試験や裁判所職員、東京都などの試験には、法科大学院に進学していることが活きる試験区分があります。そのため、大学から法科大学院までのどのタイミングでも、負担なく司法試験から公務員試験へシフトチェンジをすることができます。

6. 両にらみで勉強する具体的スケジュール

ここでは、司法試験・予備試験と公務員試験を両にらみで勉強する場合の具体的なスケジュールを紹介します。

6-1. 大学2年生から始めるスケジュール

国家総合職試験には、大学2年生(満19歳)から受験できる「教養区分」試験があります。秋に行われるこの試験に合格することができれば、余裕をもって翌年の予備試験に臨むことができます。

学年試験・イベント
大学2年9月国家総合職
(教養区分)1次試験
 11月国家総合職
(教養区分)2次試験
大学3年7月予備試験
短答式試験
 9月予備試験 論文式試験
/教養区分1次
 11月教養区分2次試験
 1月予備試験 口述試験
 2月予備試験 合格発表
大学4年3月国家総合職
(法律区分)1次試験
 4月国家総合職
(法律区分)2次試験
 6月官庁訪問
 7月司法試験
 11月司法試験 合格発表

6-2. 教養区分に先に合格するメリット

秋の教養区分に合格することができれば、進路に不安を感じることなく、予備試験の学習に集中できます。これは教養区分合格の大きなメリットです。

また、教養区分の対策はそのまま法律区分試験にも直結するので、無駄がありません。合格者名簿は数年間有効なので、大学在学中に試験に合格し、卒業後や大学院に進学後に官庁訪問して内々定を受けることも可能です。

6-3. 公務員試験で必要な対策

公務員試験に合格するために必要な対策を、科目別に整理します。

科目区分内容対策方法
法律専門
科目
憲法・民法・行政法が中心。
刑法・商法・労働法も出題
司法試験入門
講座で対策
法律以外の
専門科目
政治学・行政学・国際関係
・経済学など
公務員講座
で対策
教養
(基礎能力)
科目
数的処理・文章理解・
人文科学・自然科学など
公務員講座
で対策
面接・
一般論文
社会問題への関心、
公務員としての素質
公務員ゼミ
で対策

法律専門科目については、まず司法試験入門講座で法律の基礎を学ぶところから始めましょう。予備試験対策をしておけば、公務員試験の法律科目は万全です。

7. 両にらみで合格を掴んだ合格者の声

ここでは、司法試験と公務員試験を「両にらみ」で勉強し、見事合格を掴んだ先輩たちの声をご紹介します。

K.Tさん 早稲田大学政治経済学部卒業・早稲田大学法科大学院在学中
【法律区分合格(大学在学中)・中央省庁内定】【2020年司法試験予備試験合格】


司法試験入門講座では、大学3年生修了までに法律区分の試験範囲は十分に網羅できていたため、直前は一般教養や政策論文の対策にも充てられました。基礎マスターテキストを隅々まで理解することで、司法試験対策はもちろん、国総法律区分の試験範囲を十分に網羅できました。どちらも狙う方は基礎マスターテキストを徹底して読み込むことが重要ではないかと思います。

E.Nさん 東京大学
【衆議院事務局(総合職)合格・内定】


法科大学院に進学するか公務員になるかを比較して考えたときに、早く社会に出て働きたいと思ったことから公務員になる道を選択しました。司法試験に向けて法律を勉強していたことで憲法・民法・行政法という主要3科目を中心に法律の基礎を固められたので法律科目についての心配なく、その分行政科目や教養科目などほかの科目の対策に時間をあてることができました。

Sさん 大阪大学法学部在学中
【法律区分合格・厚生労働省内定】


司法入門講座を受講していたことで、国家総合職志望に変更するにあたって試験で落ちるという心配は一切ありませんでした。もし官庁訪問で失敗したとしても法科大学院に行って法曹になればいいという心の余裕にも繋がりました。さらに、論文マスターで培った論理的思考力は、公共政策を考える上でも役立ったので、与えられた課題の解決策を模索する力になりました。実際、官庁訪問でも人事の方から、問題を理解し、解決策を提示する能力があるという評価を得ることができました。

T.Hさん 早稲田大学在学中
【東京都、国家一般職(行政)、市役所 合格】【東京都庁、国家一般職、市役所 内定】

大学で始めた法律の勉強が楽しくて、仕事や資格につながればと、具体的なイメージはあまりないまま伊藤塾で勉強を始めました。3年生になった頃に福祉行政に興味を持ち、伊藤塾ではそのまま公務員へ進路を変更できたので、公務員を目指すことに決めました。同じ講師に繰り返し相談をすることで、性格などを踏まえたうえでアドバイスをもらうことができました。

2025年には司法試験合格者90.6%、公務員の内々定率83.3%の実績を持つ伊藤塾が詳しく解説しています。

8. 弁護士と公務員のどっちを目指すかに関するFAQ

Q. 司法試験合格者は公務員試験を受けなくていいのですか?

A. 2026年から新設された「選考採用」制度により、司法試験合格者は国家公務員採用試験(筆記試験)を受けることなく、官庁訪問(面接)を経て国家公務員総合職として採用される道が開かれました。ただし、この制度は国家総合職に限られますので、その他の公務員試験(地方公務員、国家一般職など)は従来通り受験が必要です。

Q. 弁護士資格を持ったまま公務員になることはできますか?

A. はい、可能です。弁護士資格を持ちながら公官庁・地方自治体で働いている方も多くいます。その場合、弁護士としての登録を維持するか、一時的に登録を抹消するかを選択することになります。また、近年は各省庁で「任期付き弁護士」として採用されるケースも増えています。

Q. 司法試験と公務員試験を両立するのは大変ではないですか?

A. 試験科目の大部分が重複しているため、「両方の試験勉強をする」という感覚よりも、「法律の勉強をしっかりやることで両方の試験に対応できる」という感覚に近いです。実際、予備試験対策をしている方は、公務員試験の法律科目で特別な対策をしなくても高得点を取れるケースがほとんどです。

Q. 法科大学院に進学してから公務員試験を受けることはできますか?

A. はい、可能です。国家総合職試験や裁判所職員、東京都などには、法科大学院修了者を対象とした試験区分があります。そのため、法科大学院に進学してからでも、負担なく公務員試験にシフトチェンジすることができます。

Q. 予備試験に合格してから公務員試験を受けることはできますか?

A. はい、可能です。予備試験の合格実績は、公務員試験の面接でも高く評価されます。予備試験に合格していれば、法律の実力は十分に証明されているため、面接では志望動機や政策への関心をしっかりアピールすることが重要です。

9. 弁護士と公務員のどっちを目指すかまとめ

本記事では、2026年に新設された「選考採用」制度の詳細から、弁護士と公務員を両にらみで勉強するメリット、具体的なスケジュールまで解説しました。

以下にポイントをまとめます。

  • 2026年から、司法試験合格者は試験なしで国家公務員総合職に採用される道が開かれた
  • 弁護士と公務員で迷っているなら、まず司法試験・予備試験の勉強から始めるのが最善の戦略
  • 司法試験と公務員試験の法律科目は大部分が重複しており、両立は十分に可能
  • 予備試験対策をしておけば、公務員試験の法律科目は万全
  • 両にらみで勉強を始めるなら、予備校の司法試験入門講座で効率よく学ぶのがおすすめ

法曹と公務員、どちらを目指すか決められないのであれば、まずは法律の勉強を始めることをおすすめします。大学生の時間は有限です。進路に迷っていて勉強を始めないと、早くから勉強を開始している他の受験生に置いていかれてしまう可能性があります。

実際に法律の勉強をしてみて初めて分かることもありますので、まずはとにかく早く勉強を始めることを心がけましょう。

また無料の体験受講や説明会も実施していますので、司法試験の受験に興味をお持ちの方は、ぜひ一度伊藤塾までお問い合わせください。

2025年 司法試験合格者1,581人中 1,432名(90.6%)※1
2025年 予備試験合格者 452人中405名(89.6%)※2
伊藤塾有料講座の受講生でした。
※1(講座内訳:入門講座640名、講座・答練321名、模試471名)
※2(講座内訳:入門講座228名、講座・答練130名、模試47名)

なぜ、伊藤塾の受講生は、これほどまでに司法試験・予備試験に強いのか?
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25年司法試験合格祝賀会

著者:伊藤塾 司法試験科

伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。