中小企業診断士で独立は本当に可能?年収・失敗理由・成功法則を解説

キャリア

2025年11月24日

中小企業診断士で独立を考えているあなたへ。「本当に食べていけるの?」「どのくらい稼げるの?」「失敗のリスクは?」といった不安を抱えていませんか?

結論から言うと、中小企業診断士の独立は十分に可能で、実際に多くの方が成功しています。

国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、中小企業診断士として開業独立した場合の平均年収は947万円となっていて、サラリーマンの平均年収460万円の2倍以上の水準を実現することが可能です。

ただし、「資格を取ったからすぐに成功」というほど甘くはありません。成功する人と失敗する人には明確な違いがあります。正しい戦略と段階的な準備を行えば、安定した収入を得ながら独立診断士として活躍することが可能です。

この記事では、独立を独立を検討している方が知っておくべき独立の実態、具体的な年収データ、失敗を避ける方法、そして成功するための5つのポイントを官公庁の1次データに基づいて詳しく解説します。読み終わる頃には、独立への道筋が明確になり、具体的な行動計画を立てられるようになるでしょう。

1.中小企業診断士の独立の現状とは?

1-1.現在の登録者数と現状

一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会の案内パンフレットによると、中小企業診断士の登録者数は年々増加傾向にあり令和6年では約14,000人にのぼります。

また「中小企業診断士活動状況アンケート調査」 の結果をみると、中小企業診断士として独立している人は、全体の47.8%にのぼります。

選択肢回答数構成比
中小企業診断士として独立904人47.8%
2年以内に独立したい140人7.4%
5年以内に独立したい161人8.5%
10年以内に独立したい142人7.5%
予定はない515人27.2%
無回答30人1.6%

将来独立を目指している人を含めると70%以上となり、中小企業診断士として独立することは珍しいことではありません。

この背景には、企業の経営課題が複雑化していることが挙げられます。グローバル化やデジタル化により、中小企業も高度な経営戦略が必要になり、専門家へのニーズが高まっています。

加えて、働き方の多様化が高まり、副業解禁や独立志向の高まりにより、診断士資格を活かした多様な働き方が注目されています。

2.中小企業診断士で独立開業すれば年収1,000万円も夢じゃない!

2-1.独立開業した中小企業診断士の年収実態

一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会が調査した「中小企業診断士活動状況アンケート調査 結果について」によると、コンサルティング業務を年間100日以上行っている診断士の年間売上(または年収)は以下の通りです。

年間売上
(または年収)
回答数構成比
割合
300万円以内83人14.3%
301~400万円51人8.8%
401~500万円58人10.0%
501~800万円124人21.4%
801~1,000万円66人11.4%
1,001~1,500万円89人15.4%
1,501~2,000万円39人6.7%
2,001~2,500万円25人4.3%
2,501~3,000万円16人2.8%
3,001万円以上28人4.8%
合計579人100%

出典:中小企業診断士活動状況アンケート調査 結果について

中小企業診断士の年間売上(または年収)の中央値は「501〜800万円」であり、最も多くの中小企業診断士がこの範囲に属しています(21.4%)。続いて「1,001〜1,500万円」が15.4%となっています。

また、回答者を大きく3つのグループに分けると、「500万円以下」が33.2%、「501〜1,000万円」が32.8%、「1,001万円以上」が34.0%となります。

回答者の3人に1人は年間売上(または年収)が「1,001万円以上」であることから、中小企業診断士は年収1,000万円を目指せる資格だといってよいでしょう。

さらに、年間売上(または年収)を「3,001万円以上」と回答した割合は4.8%であり、中小企業診断士は、実力次第で年収3,000万円も可能であると考えられます

「売上」と「年収」の違いについて説明すると、独立開業した中小企業診断士の場合、クライアントから受け取る報酬が「売上」となり、そこから事務所家賃、交通費、資料代などの「経費」を差し引いた金額が実際の「年収(所得)」となります。コンサルティング業は比較的経費の少ない業種であるため、売上の70-80%程度が年収として見込めるのが現実です。

3.中小企業診断士の独立後の具体的な仕事内容

3-1.中小企業診断士の主な収入源は3つ

①公的業務(安定収入の柱)

公的業務には主に3つの種類があります。

役所や商工会議所の経営相談員として、窓口での相談対応や電話相談を行います。市役所や商工会議所に設置されている「経営相談窓口」で、中小企業の経営者からの相談に答える仕事です。週1〜2回、決まった曜日に出勤するパターンが多く、時給3,000円〜5,000円程度が相場です。

専門家派遣制度での企業支援では、行政機関から派遣されて企業を直接支援します。「ミラサポplus」や各自治体の専門家派遣制度を通じて、中小企業に直接出向いてアドバイスを行います。1回の派遣で2〜3万円程度の報酬を得られます。

補助金・助成金申請支援では、事業再構築補助金、ものづくり補助金などの申請書作成をサポートします。国や自治体が提供する補助金の申請書作成をサポートします。成功報酬制の場合、補助金額の10〜15%程度を報酬として受け取ることが多いです。

この分野の特徴として、独立直後でも受託しやすく、安定収入源となることが挙げられます。実績がない初期段階でも「中小企業診断士」という資格があれば参加できるのが最大のメリットです。ただし、単価はそれほど高くないため、これだけで高収入を得るのは困難です。

②民間コンサルティング(高収益の可能性)

民間コンサルティングも大きく3つの分野に分かれます。

中小企業との直接契約では、企業と直接コンサルティング契約を結びます。公的機関を通さず、企業と直接契約を結んで支援を行います。この場合、報酬交渉も自分で行うため、高い単価設定が可能になります。

経営戦略立案支援として、中長期経営計画の策定をサポートします。会社の3年後、5年後を見据えた経営計画の作成をお手伝いします。経営者と密接に関わる仕事のため、信頼関係の構築が必要ですが、その分高い報酬が期待できます。

事業承継コンサルティングでは、後継者問題の解決支援を行います。中小企業の経営者の高齢化に伴い、事業承継の支援ニーズが高まっています。複雑な手続きや税務的な配慮が必要な分野のため、専門性の高い診断士に高額な報酬が支払われることが多いです。

この分野の特徴として、実績と信頼が必要ですが、高い報酬が期待できます。月額10万円〜50万円の顧問契約や、プロジェクト単位で100万円〜500万円の案件もあります。ここが年収アップの最も重要な鍵となります。独立診断士として成功するかどうかは、この民間案件をいかに獲得できるかにかかっています。

③講師・執筆業務

講師・執筆業務には主に3つの分野があります。

セミナー講師として経営セミナーや研修会での講演を行い、1回3万円〜10万円の謝礼を受け取ることができます。商工会議所や業界団体が主催するセミナーで講演を行います。1〜2時間の講演で3〜10万円程度の謝礼を受け取ることができます。人前で話すのが得意な方には適した収入源です。

企業研修では社内研修の講師として1日5万円〜15万円の報酬を得られます。企業の社員向けに「マーケティング研修」「財務研修」などを行います。1日がかりの研修の場合、5〜15万円程度の報酬が相場です。継続的に依頼されることも多く、安定収入につながります。

書籍・記事執筆では専門書の執筆や雑誌記事の寄稿を行います。経営関連の書籍を執筆したり、ビジネス雑誌に記事を寄稿します。直接的な収入はそれほど高くありませんが、知名度向上に大きく貢献します。

この分野の特徴として、知名度向上にもつながる重要な活動であることが挙げられます。直接的な収入だけでなく、「あの本を書いた先生」「テレビに出ていた専門家」として信頼度が高まり、新規顧客の獲得にも効果的です。長期的な視点で取り組むべき活動と言えます。

以下の表は、中小企業診断士の業務の平均的な報酬額を示したものです。

業務内容売上のうち公的業務の
割合がかなり高い
売上のうち民間業務の
割合がかなり高い
診断業務37.7千円/日98.3千円/日
経営支援業務37.5千円/日112.5千円/日
調査研究業務53.6千円/日89.7千円/日
講演
教育訓練業務
48.1千円/日119.0千円/日
執筆業務7.8千円/400文字6.4千円/400文字
その他29.5千円/日61.0千円/日

出典:日本中小企業診断士協会連合会 中小企業診断士活動状況アンケート調査 結果について

4.独立開業のメリット・デメリット

4-1.中小企業診断士として開業するメリット

◉収入面のメリット

成果が直接収入に反映されることが最大のメリットです。会社員の場合、どんなに成果を上げても給料の上昇幅には限界があります。しかし独立開業した中小企業診断士なら、良い成果を出せばクライアントから高い報酬を得られ、それがそのまま自分の収入になります。

年収1,000万円も十分可能であり、これは官公庁データでも裏付けられている現実的な目標です。厚生労働省のデータでも示されているように、独立開業した中小企業診断士の多くがサラリーマンの平均年収を大きく上回る収入を得ています。努力次第で到達可能な具体的な目標設定ができます。

複数の収入源を構築可能なため、リスク分散により安定性も確保できます。1つの会社からの給料に依存する会社員とは異なり、複数のクライアントから収入を得られます。1つの取引先がなくなっても、他からの収入でカバーできるため、実は会社員よりもリスクが低い場合もあります。

◉働き方のメリット

自分の裁量で業務を決められるため、嫌な仕事を断ることも可能です。会社員なら上司から理不尽な指示があっても従わなければなりませんが、独立なら自分の価値観に合わない仕事は断ることができます。やりがいを感じる仕事だけに集中できます。

時間と場所の自由度が高く、在宅ワークや好きな時間での勤務も可能です。朝の満員電車に乗る必要もなく、自宅やカフェなど好きな場所で仕事ができます。子育てや介護などの事情があっても、柔軟に働き方を調整できます。

やりがいのある仕事に集中可能であり、企業経営者と直接関われる貴重な体験ができます。中小企業の経営者と膝を交えて話し合い、会社の将来を一緒に考える仕事です。自分のアドバイスで企業が成長したり、雇用が生まれたりする様子を直接見ることができる、非常にやりがいの大きい仕事です。

4-2.中小企業診断士として開業するデメリット

◉収入面のリスク

初期は収入が不安定なことが最大のデメリットです。特に最初の1〜2年は収入の波が大きくなります。独立直後は顧客がいない状態からスタートするため、月によって収入が大きく変動します。月収50万円の月もあれば、10万円の月もあるといった状況が続くことがあります。

体調不良時の収入保証がないため、働けなければ即座に収入がゼロになるリスクがあります。会社員なら病気で休んでも給料は支払われますが、独立診断士は働かなければ収入はありません。健康管理が収入に直結するため、常に体調管理に気を配る必要があります。

営業・集客も自分で行う必要があり、コンサルティングスキル以外にも営業力が必要になります。会社員なら営業部門が顧客を連れてきてくれますが、独立開業した中小企業診断士は自分で顧客を見つけなければなりません。どんなに優秀な診断士でも、営業ができなければ仕事を獲得できません。

◉業務負担

確定申告などの事務作業を自分で処理する必要があります。会社員なら年末調整で済む税務手続きも、独立診断士は自分で行わなければなりません。帳簿の記録、領収書の整理、確定申告書の作成など、本業以外の事務作業に時間を取られます。

全ての責任を自分で負う必要があり、ミスやトラブルの責任も全て自分が負担しなければなりません。クライアントに間違ったアドバイスをしてしまった場合、会社員なら会社が責任を取ってくれますが、独立開業した中小企業診断士は全て自分で責任を負わなければなりません。場合によっては損害賠償を請求される可能性もあります。

人脈構築が必要であり、仕事は人からの紹介が多いため、継続的な人脈作りが必須となります。診断士の仕事の多くは「知り合いからの紹介」で生まれます。そのため、常に新しい人とのつながりを作り、既存の人間関係を維持する努力が必要です。人付き合いが苦手な方には負担になる場合があります。

5.独立開業で失敗する3つの典型パターン

5-1.独立コンセプトが曖昧

よくある失敗例として、「なんとなく独立したい」「今の職場が嫌だから」といった内向きの理由で独立してしまうケースがあります。

明確な目標がないと困難な時期に諦めてしまいやすく、顧客に対しても自分の価値を説明できません。「なぜあなたに依頼すべきなのか」を明確に答えられない診断士に、企業が貴重な時間とお金を投資することはありません。

効果的な対策としては、まず「なぜ独立したいのか」を明文化することから始めましょう。次に「どんな企業をどのように支援したいか」を具体化し、3年後、5年後のビジョンを描くことが重要です。この作業を怠ると、困難な時期に方向性を見失ってしまいます。

5-2.情報とネットワークの不足

典型的な失敗例は、同業者とのつながりがなく、業界動向も把握していない状態で独立してしまうことです。

この問題の深刻さは、中小企業診断士の仕事の多くが「人からの紹介」で生まれることにあります。また、一人で全ての業務をカバーするのは不可能なため、同業者との連携が不可欠です。人脈がないということは、仕事の入口を自ら塞いでしまうことと同じです。

具体的な対策方法としては、診断協会の勉強会やイベントに積極的に参加すること、養成課程の同期との定期的な交流を続けること、SNSでの情報発信と他診断士とのつながり構築に力を入れることが挙げられます。これらの活動は面倒に感じるかもしれませんが、独立成功の生命線となります。

5-3.経営者へのリスペクト不足

よく見られる失敗パターンは、上から目線でのアドバイスや現場理解の欠如です。

なぜこれが致命的な問題なのかというと、中小企業の経営者は日々厳しい環境で事業を続けている実践者だからです。理論だけで現場を理解していない診断士は信頼を得られません。「コンサルタントは机上の空論ばかり」という悪いイメージを持たれてしまうと、二度と仕事を依頼されることはありません。

改善のための取り組みとして、経営者の立場に立って考える姿勢を常に心がけ、現場に足を運んで実態を把握する努力を続け、謙虚な姿勢と継続的な学習を怠らないことが重要です。経営者から「この人は我々の気持ちをわかってくれる」と思われることが、信頼関係構築の第一歩です。

6.独立開業で成功のための5つのポイント

6-1.専門分野の明確化

まず専門分野を明確化することです。「何でも屋」では選ばれない時代になっており、専門性があることで高単価の案件を獲得しやすくなります。

クライアントは「経営全般に詳しい人」よりも「この分野のプロ」を求めています。例えば、IT化で悩んでいる企業は「IT導入の専門家」に依頼したいと考えます。専門性がないと、他の診断士との差別化ができず、価格競争に巻き込まれてしまいます。

具体的な専門化戦略として、まず前職の経験を活かした得意分野を特定しましょう。あなたがこれまで培ってきた経験は、他の診断士にはない貴重な財産です。元銀行員なら融資のことがわかり、元メーカー勤務なら製造現場のことがわかります。この経験を武器にしましょう。製造業出身なら生産性向上、金融業出身なら資金調達支援などの分野で差別化を図れます。

他資格とのダブルライセンス活用も効果的な戦略です。診断士+他の資格を持っていると、より幅広い支援ができます。例えば社労士の資格があれば、経営相談から人事制度設計まで一貫してサポートできるため、クライアントから重宝されます。社労士なら人事労務、税理士なら財務会計の専門性をプラスできます。

ニッチな分野での差別化として、今後需要が伸びそうな分野で早めに専門性を築くことをお勧めします。IT、DX、事業承継など成長分野での専門性構築に取り組むことで、競合が少ない状態で高単価の案件を獲得できます。例えば「DX専門の診断士」として確立できれば、大きなアドバンテージになります。

6-2.実務経験の蓄積

在職中にできる準備活動として、いくつかの重要な取り組みがあります。

社内プロジェクトでの実績作りでは、改善提案や新規事業企画などで数字で表せる成果を出すことが重要です。会社にいる間に、できるだけ多くのプロジェクトに関わりましょう。「売上を20%向上させた」「コストを30%削減した」といった具体的な実績は、独立後の営業で大きな武器になります。

また、副業での小さな案件経験から始めることをお勧めします。いきなり大きな案件に取り組むのではなく、友人や知人の小さな相談から始めてみましょう。無料でも構いません。実際にアドバイスをしてみることで、自分の得意分野や改善点が見えてきます。

実務補習での経験積み重ねも貴重な機会です。実務補習は「単なる資格取得の手続き」と考えず、実践経験を積む貴重な機会として捉えましょう。ここで出会った企業が、将来のクライアントになる可能性もあります。真剣に取り組むことで、多くの学びを得られます。

理論だけでなく「実際に成果を出した経験」があることで、顧客からの信頼を得やすくなります。クライアントは「本で読んだ知識」よりも「実際にやったことがある経験」を重視します。経験に基づく説得力のあるアドバイスができるかどうかが、成功の分かれ目となります。

6-3.人脈構築の戦略的実行

効果的な人脈構築の方法について、具体的なアプローチを説明します。

診断協会イベントへの積極参加をはじめとして、月1回以上は何らかの勉強会に参加することをお勧めします。各都道府県の診断協会では、定期的に勉強会や交流会が開催されています。面倒に感じるかもしれませんが、ここで知り合った先輩診断士から仕事を紹介してもらえることが非常に多いです。参加するだけでなく、積極的に話しかけることが重要です。

養成課程での人脈維持では、同期との定期的な情報交換会を開催しましょう。養成課程で一緒に学んだ同期は、同じ時期に診断士として歩み始める貴重な仲間です。定期的に集まって情報交換することで、お互いに仕事を紹介し合える関係を築きましょう。長期的な信頼関係が、大きな案件につながることがあります。

前職の人脈活用も重要な戦略です。元同僚や取引先との関係を維持し、独立したことを適切に知らせましょう。独立したことを隠す必要はありません。「診断士として独立しました」と連絡することで、思わぬところから仕事の依頼が来ることがあります。

重要なポイントとして、「ギブファースト」の精神を心がけましょう。まずは相手に価値を提供することから始めます。「何かお手伝いできることはありませんか?」という姿勢で接することが、良好な人間関係構築の第一歩です。見返りを求めずに貢献する姿勢が、最終的に自分にとってのメリットとなって返ってきます。

6-4.段階的な独立準備

推奨される独立ステップについて、リスクを最小限に抑える現実的なアプローチを説明します。

第1段階:在職中に副業として、週末コンサルや簡単な相談業務から経験を積むことから始めましょう。いきなり会社を辞めるのはリスクが高すぎます。まずは会社員として安定収入を確保しながら、週末や夜間に小さなコンサルティング案件を受けてみましょう。月5〜10万円程度の副収入から始めるのが現実的です。

第2段階:開業資金の準備として、6ヶ月〜1年分の生活費200万円〜300万円程度を目安に準備しましょう。独立直後は収入が不安定になるため、最低6ヶ月分の生活費を貯蓄しておきましょう。家族がいる場合は1年分あると安心です。この期間に焦らずじっくりと顧客基盤を築くことができます。

第3段階:顧客候補の確保では、独立前に2〜3社の顧客候補を見つけておくことが重要です。完全に見込みのない状態で独立するのは危険です。「独立したら相談したい」と言ってくれる企業を2〜3社は確保してから独立しましょう。これがあるだけで、精神的な安定度が大きく違います。

第4段階:完全独立への移行は、収入の目処が立ってから会社を辞める段階です。副業での収入が月20〜30万円程度に達し、さらに伸ばせる見込みが立ってから会社を辞めるのが理想的です。勢いも大切ですが、計画的な独立が成功の確率を高めます。

重要な考え方として、いきなり完全独立するのではなく、リスクを最小限に抑えながら段階的に進めることが成功の鍵です。「石橋を叩いて渡る」慎重さが、長期的な成功につながります。

6-5.継続的な学習とブランディング

独立診断士として活躍し続けるための動について長期的な成功のための取り組みを説明します。

専門知識のアップデートでは、法改正や新しいビジネストレンドの把握を継続的に行いましょう。ビジネス環境は日々変化しており、5年前の知識では通用しない場合があります。業界紙を読んだり、セミナーに参加するなど、常に最新情報をキャッチアップする習慣を身につけましょう。月1冊はビジネス書を読むことを習慣にするのがおすすめです。

ブログ・SNSでの情報発信により、専門性をアピールし、検索で見つけてもらえる状況を作りましょう。現代では、インターネットで検索されることが新規顧客獲得の重要な入口になっています。自分の専門分野に関する有益な情報を定期的に発信することで、「この分野の専門家」として認知してもらえます。週1回程度の更新から始めましょう。

セミナー・勉強会での登壇は、知名度向上と専門性の証明に大きく貢献します。人前で話すことに慣れ、専門性をアピールする絶好の機会です。最初は小さな勉強会での発表から始めて、徐々に大きなセミナーでの講演を目指しましょう。「セミナー講師も務める診断士」として、信頼度が大きく向上します。

長期的な視点の重要性について、これらの活動は即座に収入に直結しませんが、3年後、5年後の大きな差となって現れます。「今日植えた種が、3年後に花を咲かせる」という気持ちで、地道に継続することが重要です。成功している診断士の多くは、この地道な活動を怠らずに続けています。短期的な成果を求めすぎず、長期的な視点で取り組むことが成功の秘訣です。

7.よくある質問(FAQ)

Q.実務経験なしでも独立できますか?

A. 可能ですが、1年目の仕事獲得は困難になります。公的機関の相談員業務から始めて実績を積み上げることをお勧めします。

Q.開業資金はどの程度必要ですか?

A. 自宅開業なら10〜50万円程度。事務所を借りる場合は初期費用として100〜300万円程度を準備しておくと安心です。

Q.年収1000万円達成の目安は?

A. 官公庁データを見ると、5年目以降に達成する方が多いです。初年度から高収入を目指すより、実績作りを優先することが重要です。

Q.どんな人が独立に向いていますか?

A. 以下の特徴がある方は独立に向いています。

営業・人脈構築が得意な方は独立診断士として成功しやすいです。仕事の多くが人からの紹介で生まれるため、積極的にコミュニケーションを取れる人が有利です。

専門性を持っている方も独立に適しています。前職での経験や他の資格など、何らかの分野で深い知識や経験を持っていることが差別化につながります。

自己管理能力が高い方は独立後も安定して活動できます。スケジュール管理、健康管理、金銭管理などを自分でコントロールできることが重要です。

リスクを取れる環境にある方、つまり家族の理解があったり、十分な貯蓄があるなど、収入が不安定になっても乗り切れる環境が整っていることも大切な条件です。

Q.失敗した場合の再就職は可能ですか?

A. 中小企業診断士の資格とコンサル経験があれば、コンサル会社や一般企業への転職は十分可能です。独立失敗をリスクと捉えすぎる必要はありません。

8.中小企業診断士で独立に関するまとめ

中小企業診断士の独立は決して夢物語ではありません。官公庁の1次データでも、中小企業診断士として開業独立した場合の平均年収947万円で、サラリーマンの平均年収460万円の2倍以上を達成していることが裏付けられています。

成功の鍵となる要素は以下の3つです。

明確な専門性と差別化戦略を構築することが第一歩となります。「何でも屋」ではなく、特定の分野での専門家として認知されることが高収入への道筋となります。

段階的な準備と実績積み重ねにより、リスクを最小限に抑えながら確実に成長していくことが重要です。いきなり完全独立するのではなく、副業から始めて徐々にステップアップしていく戦略が成功確率を高めます。

継続的な人脈構築と学習を怠らないことが長期的な成功の基盤となります。診断協会での活動や情報発信を通じて、業界での存在感を高めていくことが必要です。

「独立か企業内診断士か」で迷っているなら、まずは副業から小さく始めてみることをお勧めします。実際に市場の反応を見てから、本格的な独立を判断すれば失敗のリスクを最小限に抑えられます。

中小企業診断士で独立については以上となります。

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伊藤塾 中小企業診断士試験科

著者:伊藤塾 中小企業診断士試験科

伊藤塾中小企業診断士試験科が運営する当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、中小企業診断士試験に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。