中小企業診断士の難易度は?合格率や攻略法を徹底解説!

難易度・合格率

2025年11月24日

経営コンサルタントの国家資格として有名な中小企業診断士。ビジネスマンからの人気が高く、AIに代替されにくい士業資格としても注目されています。

あなたは次のような悩みを持っていませんか?

「中小企業診断士ってどれくらい難しいの?」
「他の資格と比べて難しい?」
「働きながらでも合格できる?」
「合格までにどれくらい時間がかかる?」
「一発で合格する人の特徴は?」

この記事ではこれらの疑問を解決します。

中小企業診断士は合格率が5%程度ですが、一発で合格するためのポイントも紹介しますので、ぜひご覧ください。

1.中小企業診断士の試験概要

中小企業診断士資格ガイダンス~「中小企業診断士試験」について~

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1-1.中小企業診断士は経営コンサルタントの国家資格

中小企業診断士は「経営コンサルタントの唯一の国家資格」として知られており、経営全般を学べる資格として人気があります。

資格取得後は、経営コンサルタントとして独立したり、大手企業への転職や希望部署への異動、昇進など様々な活躍の場があります。

1-2.中小企業診断士試験は1次試験と2次試験がある

中小企業診断士試験は1次試験(マークシート方式)と2次試験(筆記試験・口述試験)があります。
1次試験は7科目、2次試験は4科目(事例)です。合格基準は「総合点が60%以上かつ40点未満の科目が無いこと」です。

1次試験では科目合格制度があり、60点以上を取得した科目は翌年度と翌々年度の1次試験を受験する際、申請により当該科目が免除されます。つまり3年間ですべての科目に合格すれば1次試験合格となります。

また1次試験合格の有効期間は2年間で、合格年度とその翌年度の2年間に限り2次試験を受験できます。つまり1次試験合格年度に2次試験が不合格であった場合でも、翌年は1次試験を受けずに2次試験を受けることができます。

※中小企業診断士試験の詳細については、こちらの記事で詳しく解説しています。
中小企業診断士試験とは?日程・科目・受験資格など試験内容を分かりやすく解説!

2.中小企業診断士試験の難易度

2-1.1次試験の合格率は30%〜40%

1次試験の合格率の推移は下の通りです。
かつて合格率が20%を下回る年度もありましたが、近年は30%〜40%程度で推移しています。

年度受験者数(全科目
を受験した者)
合格者数合格率
令和6年度
(2024年度)
18,2095,00727.5%
令和5年度
(2023年度)
18,7555,56029.6%
令和4年度
(2022年度)
17,3455,01928.9%
令和3年度
(2021年度)
16,0575,83936.4%
令和2年度
(2020年度)
11,7855,00542.5%

出典:中小企業診断協会 申込者数・合格率等の推移
出典:令和6年度 中小企業診断士第1次試験に関する統計資料

2-2.2次試験(筆記試験)の合格率は18%台

2次試験(筆記試験)の合格率の推移は下の通りです。
近年の合格率は18%台で推移しています。1次試験の合格者同士の中で上位18%に入る必要があるため、難しい試験となっています。

年度受験者数(全科目
を受験した者)
合格者数合格率
令和6年度
(2024年度)
8,1191,51618.7%
令和5年度
(2023年度)
8,2411,55518.9%
令和4年度
(2022年度)
8,7451,62518.7%
令和3年度
(2021年度)
8,7571,60018.3%
令和2年度
(2020年度)
6,3881,17418.4%

出典:中小企業診断協会 申込者数・合格率等の推移
出典:令和6年度 中小企業診断士第2次試験に関する統計資料

2-3.2次試験(口述試験)の合格率は99%

2次試験(口述試験)の合格率の推移は下の通りです。
合格率は99%台で推移しており、非常に高い合格率です。

年度筆記試験の
合格者数
口述試験の
合格者数
合格率
令和6年度
(2024年度)
1,5171,51699.9%
令和5年度
(2023年度)
1,5571,55599.9%
令和4年度
(2022年度)
1,6321,62599.6%
令和3年度
(2021年度)
1,6051,60099.7%
令和2年度
(2020年度)
1,1751,17499.9%

出典:中小企業診断協会 申込者数・合格率等の推移
出典:令和6年度 中小企業診断士第2次試験に関する統計資料

2-4.ストレート合格(一発合格)の確率は5〜8%

1次試験と2次試験の一回で合格する確率(ストレート合格率)は以下の通りです。
一般的に、1次試験と2次試験ともに合格率が20%程度のため、中小企業診断士試験のストレート合格率は20%×20%=4%と言われています。

令和2年以降の試験では、1次試験の合格率が高くなっていて、最近の中小企業診断士試験の合格率は5〜8%と言えるでしょう。

年度一次試験
合格率
二次試験
合格率
ストレート
合格率
令和6年度
(2024年度)
27.5%18.7%5.1%
令和5年度
(2023年度)
29.6%18.9%5.6%
令和4年度
(2022年度)
28.9%18.7%5.4%
令和3年度
(2021年度)
36.4%18.3%6.7%
令和2年度
(2020年度)
42.5%18.4%7.8%

出典:中小企業診断協会 申込者数・合格率等の推移
出典:令和6年度 中小企業診断士第1次試験に関する統計資料
出典:令和6年度 中小企業診断士第2次試験に関する統計資料

※1次試験合格率と2次試験合格率には複数年度受験生が含まれるため、ストレート合格率は低くなると考えられます。

以上のように、中小企業診断士は合格率が1桁パーセントのため、難関資格であるというイメージを持っている人が多いです。そのため、保有していると「すごい」と評価されることが多い資格です。

実際には、科目合格制度があるため、複数年あれば1次試験は合格しやすいです。
また、2次試験が不合格でも翌年は1次試験が免除され、再度2次試験を受験できます。
したがって、中小企業診断士は複数年かければ合格を目指しやすい資格と言えます。

3.他資格との難易度比較

中小企業診断士は難関資格と言われますが、他の試験と比べるとどれくらい難しいのでしょうか。法律系の士業と比較しました。

資格名勉強時間合格率
弁護士2,000~5,000時間30~40%
司法書士2,000~3,000時間4~5%
税理士2,000~3,000時間18~20%
中小企業診断士800~1,000時間5~8%
社会保険労務士800~1,000時間5~8%
行政書士600~1,000時間8~15%
宅建士400~600時間15%~18%

中小企業診断士は、勉強時間が800〜1,000時間と言われており、合格率が5〜8%程度です。そのため、弁護士・司法書士・税理士より簡単で、社労士と同じくらいの難しさと言えるでしょう。

社労士は労務の専門家であり、社会保険の手続きや就業規則の作成などを行います。

中小企業診断士は経営全般を学ぶため、汎用性が高いです。そのため、人事労務分野で独立しようと考えている人は社労士を選ぶ傾向があります。財務やマーケティングなどの分野で独立しようとする人や、キャリアアップのために勉強しようという人は中小企業診断士を選ぶ事が多いです。

4.勉強を始める前に知っておきたい合格のコツ

4-1.1次試験の難易度と攻略法

1次試験はマークシート方式で、60%以上を得点すれば合格となる「絶対評価方式」です。
2日間かけて7科目を受験します。

近年は合格率が30%〜40%程度で推移しています。しかし、絶対評価の試験のため、科目ごとに問題が簡単な年と難しい年で合格率がバラツキやすい特徴があります。1次試験を一発で合格するためのポイントは以下の通りです。

4-1-1.苦手科目を作らない

1次試験は7科目もあるため、得意な科目と苦手な科目がでてきます。得意な教科であれば勉強も楽しく、難なく60点を取ることができるでしょう。
しかし、合格するためには総合点で60%以上を確保し、かつ「1科目も40点を下回らないこと」が必要です。

毎年、総合点では60%を超えているのに、40点未満の科目があるため不合格となる受験生がいます。得意な科目で90点を取ったとしても、苦手科目で30点となれば1次試験は不合格です。そのため、苦手科目でも40点は得点できるように勉強計画を立てることが大切です。

4-1-2.理解重視の科目と暗記重視の科目がある

1次試験は7科目ありますが、理解重視の科目と暗記重視の科目があります。

理解重視の科目:企業経営理論、財務・会計、運営管理、経済学・経済政策
暗記重視の科目:経営情報システム、経営法務、中小企業経営・政策

①理解重視の科目のコツ

理論や仕組みを理解することが大切です。そのため、暗記よりも演習に時間をかけた方が、得点が伸びやすくなります。また、教科書や問題演習の解説を読んでも理解できない事があるため、困った時に質問できる先生や友人がいるとスムーズに勉強が進むでしょう。

理解重視の科目の中でも、企業経営理論、財務・会計、運営管理の3つは2次試験でメインテーマとなります。2次試験を見据えると、これらの科目は特に理解しながら学習を進めることが大切です。

②暗記重視の科目のコツ

暗記重視の科目は単語の意味を覚えるだけで得点に繋がる場合が多く、試験直前でも点が伸びやすいという特徴があります。しかし、暗記する用語が膨大なため、頻出テーマを中心に学習すると良いでしょう。あくまで60点を取れば合格ですので、100点を目指す必要はありません。

4-1-3.診断士の受験生仲間を作る

試験勉強を始めるにあたっては、同じ診断士の受験生仲間を作ることをオススメします。受験生同士で分からない問題を教えあったり、教材の情報交換や悩みを共有できます。
また、一人では勉強のモチベーションが上がらない時でも、互いに励まし合って勉強することができます。

毎年、合格者から予備校に通って良かった事として「勉強する仲間ができたこと」が挙げられます。近年はSNSなどでオンライン上でも知り合いが作れる状況です。リアルでもオンラインでも受験生の仲間を作ることで、質の高い勉強生活が送れるでしょう。

4-2.1次試験の科目別の難易度と攻略法

1次試験は7科目ありますが、難しい科目や簡単な科目があるのでしょうか。

ここでは各科目の合格率や、科目特有の難しさを紹介し、効率良く学習するための方法を紹介します。また、どんな知識を持っていたら有利か紹介しますので、どの科目から始めようか迷っている人は必見です。

①経済学・経済政策

経済学・経済政策の科目合格率は10%〜23%で推移しています。

年度科目
受験者数
科目
合格者数
合格率
令和6年度
(2024年度)
17,3832,48714.3%
令和5年度
(2023年度)
18,0722,36913.1%
令和4年度
(2022年度)
15,7521,66110.5%
令和3年度
(2021年度)
14,3733,02621.1%
令和2年度
(2020年度)
9,8492,31123.5%

出典:中小企業診断協会 申込者・合格者にかかる統計資料(第1次試験)
出典:令和6年度 中小企業診断士第1次試験に関する統計資料

【経済学・経済政策の難しさ】
経済学では、数学の考え方を用いた用語やグラフの出題が多いため、数学が苦手な人は少し大変な科目です。例えば「限界効用」や「弾力性」という用語がありますが、これらは数学の微分のように変化量を元にした考え方です。

【学習のコツ】
数式やグラフの持つ「意味」を理解することが大切です。グラフの横軸と縦軸の関係や、直線グラフの傾きの意味を読み取れるようになってくれば、得点は安定します。
簡単な数学の教科書をさらっとおさらいするのもおすすめです。

【有利な人の特徴】
・中学や高校で数学が得意だった人(主に一次関数、二次関数)
・経済学(ミクロ経済・マクロ経済)について学んだことがある人

②財務・会計

財務・会計の科目合格率は10%〜22%で推移しています。

年度科目
受験者数
科目
合格者数
合格率
令和6年度
(2024年度)
17,1082,58415.1%
令和5年度
(2023年度)
17,3622,48014.3%
令和4年度
(2022年度)
15,6602,08713.3%
令和3年度
(2021年度)
15,3863,44622.4%
令和2年度
(2020年度)
10,7831,16110.8%

出典:中小企業診断協会 申込者・合格者にかかる統計資料(第1次試験)
出典:令和6年度 中小企業診断士第1次試験に関する統計資料

【財務・会計の難しさ】
財務会計では勘定科目や仕訳のルールを覚えることが苦手な受験生が多いです。
初心者にとっては貸方や借方、貸借対照表や損益計算書など用語の多さとルールの煩雑さが難しいです。

【学習のコツ】
仕訳は手を動かさないと身につきません。そのため、演習量を確保することが大切です。
基本的な仕訳を中心に勘定科目の使い方を覚えていくことがオススメです。財務会計を通じて得た知識は診断士合格後も役に立つので、頑張ってください。

【有利な人の特徴】
・日商簿記3級や2級を持っている人
・経理や管理会計の仕事をしている人

③企業経営理論

企業経営理論の科目合格率は17%〜39%で推移しています。

年度科目
受験者数
科目
合格者数
合格率
令和6年度
(2024年度)
16,7736,69639.9%
令和5年度
(2023年度)
16,5943,29119.8%
令和4年度
(2022年度)
14,4722,49817.3%
令和3年度
(2021年度)
15,1175,25334.7%
令和2年度
(2020年度)
11,4622,22619.4%

出典:中小企業診断協会 申込者・合格者にかかる統計資料(第1次試験)
出典:令和6年度 中小企業診断士第1次試験に関する統計資料

【企業経営理論の難しさ】
企業経営理論は比較的用語の意味が覚えやすく、学習自体は難しくありません。しかし、問題が難しいです。マイナーな用語が出題されたり、思ってもいない切り口で出題されたりと、対策が難しい科目です。

【学習のコツ】
5フォースモデルやPPMなど頻出分野で点を確保する事が合格への鍵となります。
また、過去問演習を通じて用語の理解を深めたり、出題形式に慣れることが必要です。

【有利な人の特徴】
・経営企画部やコンサルなどで経営戦略や市場分析の経験がある人
・企業経営に興味がある人

④運営管理(オペレーション・マネジメント)

運営管理の科目合格率は8%〜26%で推移しています。

年度科目
受験者数
科目
合格者数
合格率
令和6年度
(2024年度)
17,4174,66326.8%
令和5年度
(2023年度)
16,8541,4708.7%
令和4年度
(2022年度)
16,0292,58016.1%
令和3年度
(2021年度)
15,1182,79618.5%
令和2年度
(2020年度)
9,7459129.4%

出典:中小企業診断協会 申込者・合格者にかかる統計資料(第1次試験)
出典:令和6年度 中小企業診断士第1次試験に関する統計資料

【運営管理の難しさ】
運営管理は生産管理や販売管理といった分野がメインとなりますが、幅広い知識が求められるため、勉強量が多く必要となります。JITのような生産方式、品質管理などの統計、都市計画法などの法律など、苦手な分野ができやすい科目です。

【学習のコツ】
自分が得意な分野から勉強を進めていくことが大切です。馴染みの無い分野であればYouTubeなどで工場の現場や、店舗のイメージを持つと用語の理解が深まるでしょう。

【有利な人の特徴】
・工場で生産管理や品質管理の仕事をしている人
・小売店に勤務する人・発注業務の経験がある人

⑤経営法務

経営法務の科目合格率は12%〜26%で推移しています。

年度科目
受験者数
科目
合格者数
合格率
令和6年度
(2024年度)
14,9761,98113.2%
令和5年度
(2023年度)
15,9274,07425.6%
令和4年度
(2022年度)
16,6424,47026.9%
令和3年度
(2021年度)
15,6832,01312.8%
令和2年度
(2020年度)
11,5681,39012.0%

出典:中小企業診断協会 申込者・合格者にかかる統計資料(第1次試験)
出典:令和6年度 中小企業診断士第1次試験に関する統計資料

【経営法務の難しさ】
法律に馴染みのない人にとっては独特の言い回しが難しいです。また、「議決権の2/3が必要」といった、数値を覚えることも難しい理由の1つです。

【学習のコツ】
あいまいな知識が10個あるよりも、しっかりとした知識を3個持っている方が得点に繋がります。教材を1つ決めて、覚え込みましょう。

【有利な人の特徴】
・法律関係の仕事をしている人
・法学部出身の人

⑥経営情報システム

経営情報システムの科目合格率は10%〜28%で推移しています。

年度科目
受験者数
科目
合格者数
合格率
令和6年度
(2024年度)
16,6992,60315.6%
令和5年度
(2023年度)
16,8341,91911.4%
令和4年度
(2022年度)
16,3053,01818.5%
令和3年度
(2021年度)
13,6951,45710.6%
令和2年度
(2020年度)
9,9852,86828.7%

出典:中小企業診断協会 申込者・合格者にかかる統計資料(第1次試験)
出典:令和6年度 中小企業診断士第1次試験に関する統計資料

【経営情報システムの難しさ】
プロトコルやドメインといった馴染みの無い言葉が多く、理解が難しいです。また、生成AIやキャッシュレス決済のような新たな分野の問題が追加されやすく、対策が難しいです。

【学習のコツ】
経営情報システムの用語は英語由来のものが多く、DNS(Domain Name System)のように英語の略称となっていることも多いです。そのため、用語の意味を覚える時に、英語での意味を関連付けて覚えると、覚えやすいです。

【有利な人の特徴】
・システム系の仕事をしている人
・パソコンや通信系の知識がある人

⑦中小企業経営・中小企業政策

中小企業経営・中小企業政策の科目合格率は5%〜20%で推移しています。

年度科目
受験者数
科目
合格者数
合格率
令和6年度
(2024年度)
16,1758995.6%
令和5年度
(2023年度)
18,2513,76520.6%
令和4年度
(2022年度)
17,3191,88810.9%
令和3年度
(2021年度)
15,4461,0937.1%
令和2年度
(2020年度)
11,6141,90516.4%

出典:中小企業診断協会 申込者・合格者にかかる統計資料(第1次試験)
出典:令和6年度 中小企業診断士第1次試験に関する統計資料

【中小企業経営・中小企業政策の難しさ】
中小企業白書のような統計データの数値を覚える事は難しいです。
また、補助金関連の出題も多く、全体像を捉えることが難しいでしょう。

【学習のコツ】
中小企業白書のような統計データが元となる問題は対策が難しいので、頻出テーマを得点できるようにしましょう。中小企業の定義は頻出です。

【有利な人の特徴】
・中小企業支援に関連する業務を行っている人(行政や金融機関など)
・情報処理能力に自信がある方

4-3.2次試験の難易度と攻略法

2次試験の合格率は約20%で推移しています。2次試験は模範解答がなく、採点基準も公表されていないため、相対評価の試験となっています。2次試験の受験生は一次試験の合格者のみですので、その中で上位20%に入ることは簡単ではありません。2次試験に合格するためのポイントは以下の通りです。

4-3-1.人に解答を見てもらう

2次試験は論述試験です。学生時代から論述試験は苦手だったという人は多いのではないでしょうか。自分の書いた解答が読みやすいか、意味が通っているか判断するためには他人に解答を読んでもらう事が大切です。そのため、2次試験の受験生は予備校の添削サービスを使うことも多いです。

他にも日々の勉強の中で、「解答を作成したら次の日に読み直す」という勉強法も効果があります。効果的な論述試験対策をしていきましょう。

4-3-2.字数制限内で端的に解答する

2次試験は解答の字数制限が厳しく、書きたい内容が字数制限に収まらない事がよくあります。したがって、解答する内容を端的に表現することが大切です。端的に解答するためには、上手な表現方法を覚える必要があります。

例えば、「モチベーションを向上させる」という文言を「士気を向上させる」にすれば5文字削減できます。このように意味を保ったまま、端的に表現する方法を覚えていくことで、限られた字数内で中身のある解答を作成する事ができます。

4-3-3.時間制限内で解くために速く書く

2次試験は4科目あり、1科目あたりの制限時間は80分です。長いと思うかもしれませんが、実際に解いてみると時間が足りないと感じる人が多いです。合格するためには制限時間内に全て解き終わることが目標となります。しかし、解答を作成するために問題文を読み直したり、情報を整理するために多くの時間が必要です。

そこで、解答を書く時間はなるべく短くしましょう。できるだけ速く、丁寧に解答を書くことが大切です。解答を「書いては、消しゴムで消す」を繰り返すと時間が無くなりやすいので、注意しましょう。

5.中小企業診断士に合格するために必要な勉強時間と勉強法

中小企業診断士試験の勉強時間は一般的に1,000時間程度が必要だと言われています。1次試験で800時間、2次試験で200時間が目安です。もちろん、皆さんのこれまでの知識量や経験によって勉強時間は増減するでしょう。

近年は質の高い教材が増えており、効率的に勉強ができる環境が整っています。いきなり1,000時間を確保することは難しいかもしれませんが、100〜200時間あれば科目合格が目指せます。

学んだ内容は一生役に立ちますので、まずは興味のある分野から科目合格狙いで始めてみてはいかがでしょうか。科目合格を活用して合格する受験生も多いです。

※中小企業診断士試験に合格するための勉強時間については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 中小企業診断士の勉強時間は1000時間?短時間で合格するコツを紹介!

6.中小企業診断士試験に関するよくある質問

6-1.合格まで何年かかる?

合格するまでに何年かかるかという公式なデータはありません。合格者に聞いてみると、1次試験を2回、2次試験を1〜2回で合格する人が多いです。したがって、独学だと2〜3年が目安となります。

6-2.働きながらでも合格できる?

受験生のほとんどが社会人であり、中小企業診断士の勉強を働きながらしている人が大半です。そのため、働きながらでも合格できる資格と言えます。もちろん、家族や職場の支援があった方が勉強に集中しやすいため、できるだけ応援して貰える関係性を作る事が大切です。

6-3.初心者でも大丈夫?

中小企業診断士試験は誰でも受験することができます。年齢や性別を問いません。そのため、大学を卒業していない人でも合格していますし、20才以下や60才以上の合格者もいます。

6-4.2次試験の科目別の合格率は?

中小企業診断士試験の1次試験では科目合格制度があるため、科目合格率が公表されています。一方で、2次試験は科目合格制度が無いため、科目ごとの合格率や受験生の得点の分布は公表されていません。

6-5.どんな人が有利?合格する人の特徴は?

中小企業診断士試験で有利な人、合格する人の特徴についてご紹介します。

①学生時代に複数教科を学習した経験がある
②国公立大学・難関大学を卒業
③大企業・金融機関・コンサル勤務
④弁護士・税理士・社労士などの士業
⑤診断士を取って独立したいという気概がある
⑥家族や周囲からのサポート、理解がある
⑦勉強時間を確保できる
⑧スキマ時間を使ってコツコツ勉強できる
⑨勉強内容を相談する相手がいる
⑩受験指導校を利用している

もちろん、勉強が得意な人は有利でしょう。しかし、合格者を見れば勉強が得意な人ばかりではありません。苦手科目でなんとか40点台を取って、得意科目で点数を稼いで合格した人も多いです。

合格するためには、あなたが得意な勉強方法や、すでに持っている知識や経験をふまえて勉強することが大切です。

もし、限られた勉強時間の中で無駄なく効率よく、できるだけ短期間での合格を目指したい場合には、中小企業診断士試験を知り尽くした受験指導校のカリキュラムを活用されることをおすすめします。

7.まとめ

最後に、今回の記事の要点をまとめます。

◉中小企業診断士の1次試験の合格率は30〜40%
◉科目合格制度を用いると1次試験は突破しやすい
◉中小企業診断士の2次試験の合格率は18%台
◉一発合格(ストレート合格)は5%程度と低い
◉中小企業診断士は社会保険労務士(社労士)と同じくらいの難易度
◉勉強時間の目安は800〜1,000時間

中小企業診断士試験は難しい試験ではありますが、正しく勉強すれば合格できる試験です。いかに質の高い学習を行えるかが、中小企業診断士試験合格のカギを握っています。

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伊藤塾 中小企業診断士試験科

著者:伊藤塾 中小企業診断士試験科

伊藤塾中小企業診断士試験科が運営する当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、中小企業診断士試験に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。