賃貸の仲介手数料の相場・計算方法を紹介!初期費用で損しないポイントとは

不動産の費用・お金

2026年02月11日

「この仲介手数料、相場より高くない?」
賃貸物件を借りるとき、そんな疑問を感じたことはありませんか。
実は、賃貸の仲介手数料の相場は家賃の0.5ヶ月〜1ヶ月分(税別)と幅があり、不動産会社によって金額が異なります。

さらに、本当に初期費用を抑えたいなら、仲介手数料だけを見ていては不十分です。
敷金・礼金、オプション費用、退去時の原状回復費用まで含めた「トータルコスト」で判断する必要があります。

この記事では、賃貸仲介手数料の計算方法や家賃別の早見表はもちろん、初期費用全体を賢く抑えるためのチェックポイントをわかりやすく解説します。賃貸契約で損をしないための知識を、ぜひここで身につけてください。

【目次】

1. 賃貸の仲介手数料の相場は「家賃0.5ヶ月〜1ヶ月分」

賃貸物件を借りるとき、不動産会社に支払う仲介手数料の相場は家賃の0.5ヶ月〜1ヶ月分(税別)です。「0.5ヶ月分」と「1ヶ月分」でかなり差がありますが、これは法律上のルールと実務上の慣行にズレがあるためです。

まず、仲介手数料の基本的な仕組みから確認しておきましょう。

1-1. 仲介手数料の基本的な仕組み

仲介手数料とは、賃貸借契約を仲介してくれた不動産会社に支払う報酬のことです。
物件探しから内見の手配、契約手続きのサポートまで、不動産会社が行う一連の仲介業務に対する対価であり、契約が成立して初めて発生する成功報酬です。つまり、物件を紹介してもらっただけ、内見しただけでは支払い義務は発生しません。

仲介手数料の上限額は、宅地建物取引業法(宅建業法)第46条に基づく国土交通大臣の告示で定められています。居住用の賃貸物件の場合、次のとおりです。

《 賃貸の仲介手数料ルール(居住用)》
 ● 貸主と借主の合計で、家賃1ヶ月分+消費税が上限
 ● 原則は、貸主・借主それぞれ0.5ヶ月分+消費税まで
 ● ただし、事前に承諾を得ていれば、どちらか一方から1ヶ月分+消費税を受け取ることも可能

つまり、法律上は「借主が負担する仲介手数料は、家賃の0.5ヶ月分」というのが原則となります。ただし、実務上は借主が契約時に1ヶ月分の支払いに同意する形が多く、結果として借主が「家賃1ヶ月分+消費税」の仲介手数料を負担するケースが多いです。

1-2. 仲介手数料の金額は仲介会社によって違う

法律が定めているのは仲介手数料の上限額だけなので、その範囲内なら自由に設定できます。そのため、実際には不動産会社ごとに金額が異なっており、大きく次の3パターンがあります。

①家賃1ヶ月分+消費税(上限額)を請求する会社
大手仲介会社をはじめ、もっとも多いパターンです。

②家賃0.5ヶ月分+消費税(法律上の原則どおり)を請求する会社
「仲介手数料半額」を打ち出す会社がこれに該当します。

③仲介手数料は原則無料の会社
貸主(オーナー)から広告料を受け取ることで、借主側の手数料をゼロにしている会社です。ただし、すべての物件が無料というわけではなく、実際には物件によって「無料〜0.5ヶ月分」と変動するケースがほとんどです。

「どこの不動産会社を通しても同じ物件なら同じ金額」と思いがちですが、実際には同じ物件でも仲介会社によって初期費用が数万円変わることがあるのです。

ただし、「仲介手数料が安い=トータルでおトク」とは限りません。この点は第3章で詳しく解説します。

1-3. 【早見表】家賃別の仲介手数料の相場

家賃ごとの仲介手数料の目安を一覧にまとめました。

家賃
(月額)
0.5ヶ月分
(+消費税)
1ヶ月分
(+消費税)
5万円27,500円55,000円
7万円38,500円77,000円
10万円55,000円110,000円
12万円66,000円132,000円
15万円82,500円165,000円

たとえば家賃10万円の物件であれば、仲介手数料は55,000円〜110,000円の範囲になります。0.5ヶ月分と1ヶ月分で55,000円の差です。
家賃が高くなるほどこの差は大きくなるため、仲介手数料がいくらなのかを契約前に必ず確認しましょう。

2. 賃貸の仲介手数料の計算方法

自分が支払う仲介手数料を正確に把握するには、計算式と「間違えやすいポイント」を押さえておく必要があります。

計算式はシンプルです。
ーーーーーーーーーーーーーーー

仲介手数料(税込)= 家賃(月額)× 0.5 or 1ヶ月分 × 1.1(※消費税10%の場合)

ーーーーーーーーーーーーーーー
ここで注意したいのが、次の2点です。

2-1. 計算のベースは「家賃」のみ。管理費(共益費)は含まない

たとえば「家賃8万円・管理費5,000円」の物件なら、計算のベースは8万円です。
仲介手数料が0.5ヶ月分なら44,000円(税込)、1ヶ月分なら88,000円(税込)となります。
管理費を足した85,000円で計算するのは誤りなので、見積もりを受け取ったときにチェックしてみてください。

2-2. 消費税がかかるのは「仲介手数料」に対して。家賃そのものではない

居住用物件の家賃は消費税が非課税です。
一方、不動産会社が受け取る仲介手数料は課税対象のため、ここに消費税10%が加算されます。「家賃に消費税がかかっている?」と混乱しやすいポイントですが、あくまで手数料に対する消費税なので、家賃自体に消費税が上乗せされているわけではありません。

2-3.【補足】2024年(令和6年)7月施行の「空き家等に関する報酬特例」について

2024年(令和6年)7月に告示が改正され、長期間使われていない空き家等の賃貸では、貸主側から受け取れる報酬の上限が引き上げられました(借賃の2.2倍まで)。
ただし、借主側の上限は従来と変わりません。居住用であれば、承諾なしで0.5ヶ月分+消費税、承諾ありで1ヶ月分+消費税のままです。「空き家の特例で借主の負担が増えた」ということはありません。

※こちらの記事も多くの方に読まれています。

3. 賃貸の初期費用は、仲介手数料以外にも確認すべきポイントが多い

賃貸契約でかかるお金は仲介手数料だけではありません。
敷金・礼金、各種オプション、さらには退去時の費用まで含めた「トータルコスト」で比較しないと、結局割高だった……ということになりかねません。
そこで3章では、仲介手数料以外に確認しておきたいポイントを紹介します。

3-1. 敷金・礼金の金額、敷引きの有無

まず確認したいのが、敷金と礼金です。
敷金は退去時に返還される「預り金」、礼金は返還されない「謝礼」と考えるとわかりやすいでしょう。入居時の支払額が同じでも、この内訳次第で実質負担は大きく変わります。

家賃が8万円のケースで比較してみましょう。
(※比較をわかりやすくするため、消費税や前家賃などは計算に含めていません。)

《物件A:敷金2ヶ月・礼金2ヶ月・仲介手数料無料》
● 入居時32万円→退去時16万円返還→実質負担16万円

《物件B:敷金1ヶ月・礼金2ヶ月・仲介手数料1ヶ月》
● 入居時32万円→退去時8万円返還→実質負担24万円

《物件C:敷金3ヶ月・礼金1ヶ月・仲介手数料無料》
● 入居時32万円→退去時24万円返還→実質負担8万円

このように、初期費用は同額でも、実質負担では大きな差が生まれます。仲介手数料が無料でも、礼金が高ければトータルで割高になることもあるのです。

なお、西日本では「敷引き」という商慣習がある地域もあります。
「敷金3ヶ月・敷引き2ヶ月」なら、退去時に返るのは差額の1ヶ月分だけです。特に九州で多いので、物件を探すときは敷引きの有無も確認しておきましょう。

3-2. その他のオプション費用

契約時の見積もりに、次のようなオプション費用が含まれていることがあります。

  • 消臭・消毒費用(相場:1万〜2万円程度)
  • 鍵交換費用(相場:1万〜2万円程度)
  • 24時間サポート・駆けつけサービス(相場:1万〜2万円程度/年)
  • 火災保険料
  • 事務手数料・書類作成費

これらは交渉によって外せる場合があります。
特に、消臭・消毒費用や24時間サポートなどは任意のサービスであることが多く、交渉によって数万円削減できるケースは珍しくありません。見積もりの各項目が必須なのか任意なのかを確認し、不要なものは契約から外しましょう。

また、実は火災保険料も見直しの余地があります。契約書で指定がなければ、自分で選んだ保険に切り替えられる可能性があるからです。

一般的に、入居時に加入する火災保険料は割高になるケースが多いです。同じ補償内容でも1万円以上安くなるケースがあるため、指定の有無を確認してみてください。

3-3. 退去時費用の計算方法・条件など

意外と見落としがちなのが、退去時にかかる原状回復費用です。
原状回復については、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しており、費用負担のルールが決められています。

《原状回復の費用負担ルール》
 ● 経年変化・通常損耗(日焼け、家具設置による床のへこみ等)→ 貸主負担
 ● 借主の故意・過失による損耗(タバコのヤニ汚れ、釘穴、ペットによる傷等)→ 借主負担

(※あくまでガイドラインなので、法的拘束力はありません。)

つまり、普通に暮らしていてできた汚れや傷の修繕費用は、毎月の家賃に含まれているというのが基本的な考え方です。
ただし、一部の物件では契約書に次のような特約が入っていることがあります。

「原状回復の範囲は、『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』にかかわらず、通常損耗・経年変化も含めて借主の負担とする」

こういった物件に入居してしまうと、退去時にクリーニング費用や壁紙の張替え費用などを全額請求され、敷金が全く返ってこないどころか追加で数万〜十数万円を請求されるケースもあります。

せっかく仲介手数料が安い物件を選んでも、退去時に10万円以上の費用がかかれば本末転倒です。仲介手数料の金額以上に、契約書の内容をしっかり確認しましょう

4. トータル費用を抑えるには「賃貸契約」に関する知識を持つことが大切

ここまで、仲介手数料、敷金・礼金、オプション費用、退去時の原状回復など、初期費用に関わるさまざまなポイントを解説してきました。
これらに共通するのは、「知っているかどうかで、支払う金額が変わる」という点です。

4-1. 賃貸契約以外にも、不動産に関わる場面は何度もある

人生の中で不動産に関わる場面は、賃貸契約だけではありません。契約更新、退去、将来のマイホーム購入や売却、相続など、何度も訪れます。
そしてそのたびに、大きな金額が動きます。賃貸なら数万円〜数十万円、売買なら数百万円の差が生まれることも珍しくありません。
不動産会社の説明を「そういうものか」と受け入れるのではなく、自分で判断できる知識を持つことが重要です。

4-2. こうした一生モノの知識を体系的に学べるのが宅建士試験

こうした不動産の基礎知識を体系的に学べるのが、宅建士(宅地建物取引士)の資格試験です。「宅建=不動産業で働く人の資格」と思われがちですが、実際に学ぶ内容は、部屋を借りる・家を買うといった日常の場面で使える知識も多く含まれています。

  • 仲介手数料の上限は法律でいくらまでか
  • 退去時に敷金はどこまで返ってくるのか
  • 契約前にどんな項目を確認すべきか
  • 借主や買主を守る法律にはどんなものがあるか など

この記事で紹介した知識は、宅建で学ぶ内容のほんの一部です。こうした知識を体系的に学ぶことで、不動産に関わるあらゆる場面で自信を持って判断できるようになります。すぐに不動産業界で働く予定がない人も、一生モノの知識として十分なリターンが得られるはずです。

※宅建士については、以下の記事で詳しく解説しています。

5. 宅建士資格を取得する3つのメリット

前章までで解説した通り、不動産契約には専門的な知識が欠かせません。こうした知識を体系的に学べるのが宅建士(宅地建物取引士)という国家資格です。
しかし、それだけではありません。宅建士資格を取得することは、単なる知識習得にとどまらない大きなメリットがあります。

5-1. 不動産業界からの高いニーズ

不動産会社には、従業員の5人に1人以上の割合で専任の宅建士を置くことが法律で義務付けられています。そのため、宅建士は常に高いニーズがあり、就職や転職において非常に有利に働きます。 また、月額1万円〜3万円程度の「資格手当」も期待できます。

5-2. 自分自身の住まい探しや投資において正しい判断ができる

宅建士の知識は、仕事だけでなくプライベートでも一生モノの武器になります。 今回のテーマである賃貸契約はもちろん、将来マイホームを購入したり、不動産投資を検討したりする際、契約書の落とし穴や相場の妥当性を自分自身で判断できるようになります。不動産会社と対等に渡り合える知識は、一生の財産になります。

5-3. 他の国家資格へのステップアップに最適

宅建士試験で学ぶ「民法」などの知識は、行政書士や司法書士、マンション管理士といった他の国家資格とも共通点が多いのが特徴です。宅建士をきっかけに学習習慣を身につけ、さらなる専門性を高めていく「資格の入り口」としても非常に人気があります。

6. 宅建士試験の合格を目指すなら伊藤塾がおすすめ

ここまでお読みいただいて、「宅建士に興味が出てきた!」「資格を取って、仕事や生活に役立てたいけれど、法律の勉強は難しそう…」 もし、あなたがそう感じたのなら、法律の専門校である伊藤塾の「宅建士合格講座がおすすめです。

宅建士試験は合格率約15〜17%という難関試験ですが、伊藤塾では知識ゼロの方が効率的に合格を勝ち取るための環境がすべて整っています。

YouTube thumbnail

6-1. 「合格の先」を見据えた、本質を理解する講義

伊藤塾の講義は、単なる丸暗記ではありません。「なぜそのような法律があるのか」という制度の趣旨から丁寧に解説するため、法律の初心者でも納得しながら学習を進められます。ここで得た知識は、試験合格のためだけでなく、実務や生活の場でもそのまま活用できる「生きた知識」となります。

6-2. 忙しい社会人でも続けられる学習システム

伊藤塾の講座はオンライン受講が中心となっており、スキマ時間を活用してスマホやPCからいつでも学習が可能です。1講義の構成も集中力が続くよう工夫されており、仕事や家事で忙しい方でも無理なく継続できるカリキュラムとなっています。

6-3. 圧倒的な情報量と分析に基づいた教材

毎年の試験傾向を徹底的に分析し、合格に必要なポイントを凝縮したオリジナル教材を使用します。「どこを重点的に学ぶべきか」が明確なため、限られた時間で最大限の効果を発揮できます。

宅建士の資格で、一歩先の安心とキャリアを手に入れませんか?
不動産の知識は、知っているだけで何十万円もの得をしたり、トラブルを未然に防いだりできる強力な武器になります。あなたも伊藤塾で、一生使える専門知識を身につけてみませんか

7.【まとめ】賃貸の仲介手数料の相場や計算方法と初期費用の抑え方

本記事では、賃貸契約における仲介手数料の仕組みや、初期費用を抑えるための判断基準について詳しく解説しました。
以下にポイントをまとめます。

  • 仲介手数料の相場は家賃の0.5ヶ月〜1ヶ月分(税別)
    法律上の原則は「借主負担は0.5ヶ月分」ですが、承諾があれば1ヶ月分となります。不動産会社によって金額が異なるため確認が必要です。

  • 「手数料が安い=お得」とは限らない
    仲介手数料が無料や半額でも、敷金・礼金が高ければトータルコストは割高になる可能性があります。必ず全体の見積もりで比較しましょう。

  • オプション費用や火災保険は見直しの余地あり
    消臭・消毒費用や24時間サポートなどは交渉で外せる場合があります。また、火災保険も指定がなければ自分で安いプランに加入できる可能性があります。

  • 退去時の費用負担(特約)を契約前にチェック
    原状回復費用に関するトラブルを防ぐため、ガイドラインと異なる「借主負担の特約」が契約書に含まれていないか確認することが不可欠です。

  • 正しい不動産知識は「一生モノの財産」になる
    知識があるだけで、不当な出費を防ぎ、数万円から数十万円単位で得をするケースも珍しくありません。

賃貸契約に限らず、マイホーム購入や相続など、人生において不動産とお金に関わる場面は何度も訪れます。そうした場面で、業者任せにせず自分で正しい判断を下すためには、体系的な法の知識が最大の武器となります。

「法律の勉強なんて難しそう……」
もしそう感じているなら、伊藤塾の「宅建士合格講座がおすすめです。

伊藤塾では、単なる暗記ではなく「なぜそうなるのか」という制度の趣旨から丁寧に解説するため、法律初学者でも納得しながら、実生活で使える「生きた知識」を身につけることができます。

忙しい社会人でも続けやすいオンライン学習システムと、合格に必要なポイントを凝縮した教材で、あなたのスキルとキャリアアップを強力にサポートします。

あなたも伊藤塾で、一生役立つ法律の知識を学び始めてみませんか。
まずは、無料体験講義からぜひお試しください。

伊藤塾 宅建士試験科

著者:伊藤塾 宅建士試験科

伊藤塾宅建士試験科が運営する当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、宅建士試験に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。