賃貸不動産経営管理士の難易度は?合格率や合格点・合格ラインを解説

試験詳細

2025年08月29日

2021年より​​国家資格となった賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の適正な管理のために必要な専門的知識を有する、賃貸住宅管理の専門家です。

賃貸住宅のニーズが年々高まっていることもあり、不動産関連の資格の中でも特に注目度の高い資格ですが、試験の難易度や合格点について、知らない方も多いと思います。

この記事では、賃貸不動産経営管理士試験の難易度を、合格率や合格点、合格ラインから徹底的に解説していきます。

どれくらいの勉強時間で合格できるのかも解説していくので、不動産業に携わっている方や不動産業に興味のある方、また現在賃貸不動産を所有している方や、これから賃貸不動産を所有しようとしている方にとって、資格取得を目指す参考になれば幸いです。

1.賃貸不動産経営管理士試験の合格ラインは?合格点・合格率の推移

賃貸不動産経営管理士試験の合格ラインは、全体の7〜8割です。ここでは、賃貸不動産経営管理士試験における過去5年間の合格点・合格率の推移をまとめました。

年度受験者数合格者数合格点得点率合格率
令和6年度
(2024年度)
30,194人7,282人35点
(50問中)
70%24.1%
令和5年度
(2023年度)
28,299人7,972人36点
(50問中)
72%28.2%
令和4年度
(2022年度)
31,687人8,774人34点
(50問中)
68%27.7%
令和3年度
(2021年度)
32,459人10,240人40点
(50問中)
80%31.5%
令和2年度
(2020年度)
27,338人8,146人34点
(50問中)
68%29.8%

令和2年度に問題数が40問から50問に増加してからは、合格点は34〜40点で推移しています。得点率でみると、7割弱〜8割程度が合格点となっていることから、他の受験生が落とさない問題については確実に得点する必要のある試験であることが分かります。

また、合格率は最低で24.1%、最高で31.5%となっており、概ね受験生の3割は合格できる試験となっています。

2.賃貸不動産経営管理士講習者(5問免除)の合格点・合格率の推移

賃貸不動産経営管理士試験には、実務上必要な専門知識に関する講習を事前に受けることで、試験50問のうち5問が免除になる「賃貸不動産経営管理士講習」という制度があります。ここでは、講習修了者の合格点・合格率の推移を確認していきます。

年度受験者数合格者数合格点得点率合格率
令和6年度
(2024年度)
11,763人3,489人30点
(45問中)
66.70%29.7%
令和5年度
(2023年度)
11,449人3,700人31点
(45問中)
68.90%32.3%
令和4年度
(2022年度)
11,306人3,475人29点
(45問中)
64.40%30.7%
令和3年度
(2021年度)
10,390人3,738人35点
(45問中)
77.80%36.0%
令和2年度
(2020年度)
8,671人2,925人29点
(45問中)
64.50%33.7%

合格率は講習を受けない場合と比べて若干高くなっているものの、それでも、依然として合格率はほぼ30%台となっています。講習手数料や時間もかかりますので、費用対効果をよく考えて講習を受講するかどうか検討されるとよいでしょう。

3.【令和7年(2025年)】賃貸不動産経営管理士の合格点予想は?

令和7年(2025年)11月16日(日)に行われる賃貸不動産経営管理士試験の合格基準点は、合格発表時に公表されるため、試験前の時点ではまだ何点取れば合格できるのか分かりません。

令和5年、6年と合格点・合格率にそこまで大きな変動はなかったことを考えると、令和7年(2025年)においても同水準の合格点・合格率になるのではないかと推測されます。令和7年に合格を目指すのであれば、全体の8割得点することを目指すと良いでしょう。

4.賃貸不動産経営管理士の難易度は?不動産四大資格(四冠)との合格点比較

不動産に関する国家資格にはさまざまなものがあり、宅建士やマンション管理士、管理業務主任者などが主な資格として挙げられます。「不動産資格四冠」とも呼ばれるこれらの資格は、同じ不動産系の資格でありながら、それぞれ資格取得に必要とされる知識の範囲が異なります。

ここでは、令和6年(2024年)に行われた不動産四大資格(四冠)の合格点を比較しながら、賃貸不動産経営管理士の難易度を探ってみましょう。

資格名受験者数合格者数合格点得点率合格率
賃貸不動産経営
管理士
30,194人7,282人35点
(50問中)
70%24.1%
宅建士241,436人44,992 人37点
(50問中)
74%18.6%
マンション
管理士
10,955人1,389人37点
(50問中)
74%12.7 %
管理業務主任者14,850人3,159人38点
(50問中)
76%21.3%

参照:
・令和6年度 賃貸不動産経営管理士試験の概要
・令和6年度宅地建物取引士資格試験結果の概要
・令和6年度マンション管理士試験の結果について
・令和6年度 管理業務主任者試験 結果報告

合格点は、どの試験も35〜38点で、得点率は70%強となっていますが、合格率でみれば、賃貸不動産経営管理士は、不動産関連の資格の中では狙い目の資格だと言えるでしょう。また、令和6年度の賃貸不動産経営管理士試験における合格者の平均年齢は42歳となっていることから、年齢に関係なく、働きながら合格を目指せる試験であることが分かります。

※不動産資格四冠については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 不動産資格の三冠・四冠とは?年収や仕事内容について解説

5.賃貸不動産経営管理士の合格までにかかる勉強時間

賃貸不動産経営管理士の合格までにかかる勉強時間は人によって異なりますが、概ね100〜250時間程度必要だと言われています。たとえば、1日2時間程度の勉強時間を確保できる方であれば、2〜4ヵ月程度で合格できる計算になります。記述式ではなく、四肢択一形式で出題されるため、不動産に関する他の資格を持っていたり、不動産に関する実務上の知識のある方であれば、短期間での合格も可能な試験です。

また、初学者が独学で勉強するよりも、受験指導校などを利用して効率よく勉強する方が、合格までにかかる勉強時間を短縮できる可能性が高いでしょう。

令和7年度の試験は11月16日(日)に行われるため、合格までに250時間の勉強時間を確保したい場合には、遅くとも7月くらいまでには勉強を始めておく必要があります。

6.効率良く計画的に最短での合格を目指すために

賃貸不動産経営管理士試験は独学でも合格可能な試験ですが、コンパクトに短い期間で合格したい方は、受験指導校を利用して効率良く学習することをお勧めします。自分1人で学習する場合、試験には必要のない分野に手をつけてしまったり、テキストを読んでもすぐに理解できないことがあるなど、非効率な勉強になってしまいがちです。

その点、受験指導校の講座を活用すれば、試験で必要な知識を網羅的に学べるだけでなく、出題され易いテーマなどについてアドバイスをもらえます。そのため、試験で効率良く得点するための知識を無駄なくスムーズに身につけることができ、コスパ的にも、タイパ的にも有益と言えるでしょう。

伊藤塾の「賃貸不動産経営管理士合格講座」なら、講義1コマ30分、全30時間とコンパクトにまとまっているので、仕事で忙しい方が短期間で資格を取得するために最適な講座となっています。合格後の実務まで考えた実践的な知識を身につけられるので、資格取得を目指す方はぜひご検討ください。

→ 賃貸不動産経営管理士 合格講座|伊藤塾

※こちらも併せてお読みください。
→ 宅建の通信講座はなぜ伊藤塾がおすすめなのか?宅建士合格講座の魅力を徹底解説

7.まとめ

賃貸住宅管理の専門家である賃貸不動産経営管理士は、2021年より国家資格となった比較的新しい資格です。他の不動産系の資格と比べても合格率が高く、効率良く学習すれば短期間での合格も可能な試験です。

令和6年度(2024年度)に行われた試験では、合格率が24.1%となっています。過去5年間の合格率推移を見る限り、今後も同水準の合格率で推移していくことが予想されます。

賃貸住宅の管理を委託するオーナーは増え続けており、賃貸不動産経営管理士への期待は年々高まっています。

不動産に関する業務の幅を広げたいと考えている方は、ぜひ賃貸不動産経営管理士の資格取得を目指してみましょう。

→ 賃貸不動産経営管理士 合格講座|伊藤塾

伊藤塾 宅建士試験科

著者:伊藤塾 宅建士試験科

伊藤塾宅建士試験科が運営する当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、宅建士試験に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。