
宅建の勉強スケジュールの組み方とは?いつから勉強を始めればいいのか解説
勉強法
2025年10月06日


宅建士試験を受験するに当たり、いつから勉強を始めるのがベストなのでしょうか。宅建士試験は毎年10月の第3日曜日に実施されており、いつから勉強を始めれば、その年の試験合格を目指せるのか、気になる方も多いと思います。
合格までに必要な勉強時間は人によって異なります。勉強スケジュールを組む際は、その勉強時間を確保できるようゴール(試験日)から逆算してスケジュールを組む必要があるでしょう。
ただ闇雲に勉強しているだけでは、試験当日までに必要な知識を身につけられない可能性もあるので注意が必要です。
この記事では、宅建の勉強スケジュールの組み方やいつから勉強を始めればいいかについて解説していきます。
【目次】
1. 宅建の勉強はいつから始めればいい?
宅建士試験合格を目指すのであれば、なるべく早く合格したいと思う方が大半だと思います。では、そもそも合格までに必要な勉強時間はどれくらいなのでしょうか?一般的に必要な勉強時間からベストな勉強開始時期を探ってみましょう。
1-1. 合格までに必要な勉強時間
一般的に、宅建士試験合格に必要な勉強時間は「300時間〜500時間」だと言われています。とはいえ、この数字はあくまでも目安となる勉強時間に過ぎず、人によって必要となる勉強時間は異なります。
例えば、法律初学者で独学での合格を目指す場合には、人によっては500時間以上の勉強時間が必要になることもあるでしょう。一方で、元々法律の勉強をしていて、かつ受験指導校の講義を活用して勉強する場合には、300時間もかからずに合格できるケースもあるでしょう。さらに、不動産業界で働いていれば5問免除制度を利用できるケースもあり、利用することで合格率を上げることができる場合もあります。
合格までに必要な勉強時間を過度に意識しすぎるのではなく、「自分が合格までに必要な知識を身につけるにはどれくらいの時間がかかるのか」を考える必要があると言えるでしょう。
1-2. いつから勉強を始めればいいかは人によって異なる
合格までに必要な勉強時間が人によって異なる以上、いつから勉強を始めればいいかも人によって異なります。一般的には試験を受ける年の6か月〜7か月前に勉強を開始するのがいいと言われていますが、それ以降に勉強を開始することが必ずしも遅すぎるとは言えません。仕事の状況や家庭の事情等からどれくらい勉強時間を確保できるかを把握し、時間があまり取れない場合にはより効率的に学習することを意識していく必要があります。自分のライフスタイルに合った勉強法を確立することが重要です。
※宅建士試験の合格に必要な勉強時間について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
→【500時間必要?】宅建士試験の合格に必要な勉強時間について徹底解説!
※宅建士試験に独学で合格することについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
→ 宅建士試験に独学で合格するための効率の良い勉強法とは?後悔しないための注意点も解説
2. 宅建の勉強スケジュールの組み方
勉強の開始時期を問わず、効果的な勉強スケジュールを組むことは非常に重要です。ただ闇雲に勉強していると、試験当日までに必要な範囲の学習を終えられない可能性があります。勉強スケジュールは、以下の5つの点に注意しながら組むことをお勧めします。
・自分に必要な勉強時間を把握する
・ゴールから逆算して勉強スケジュールを組み立てる
・計画倒れにならないようスケジューリングする
・当日までに過去問を繰り返し解けるだけの時間を確保する
・配点の大きい宅建業法や権利関係に時間をかける
以下、それぞれ詳しく解説していきます。
2-1. 自分に必要な勉強時間を把握する
宅建士試験合格に向けて勉強スケジュールを組む際は、まずは、試験本番で合格ラインを超える得点をするためには、どれくらいの勉強時間を確保すべきかを把握することから始めましょう。
一般的に言われている300時間〜500時間を目安にするのも良いですが、解くべき過去問や頭に入れるべき参考書の全体像を把握し、そこから逆算して計算するのがお勧めです。まずは過去問をいくつか見てみて、自分の立ち位置や出題される問題のレベルを確かめてみましょう。
2-2. ゴールから逆算して勉強スケジュールを組み立てる
勉強のスケジュールは、試験当日から逆算して組み立てるのがお勧めです。試験当日までに終わらせたい参考書の範囲や過去問の年度を確定し、そこから毎日何をやるべきかを確認しながらスケジュールを確定させます。
ポイントは、「試験当日までに終わらせたいこと」「今月までに終わらせたいこと」「今週までに終わらせたいこと」「今日中に終わらせたいこと」といくつかの段階に分けて計画を立てることです。
「今日中に終わらせたいこと」については、学習の進行具合によっては予定を変更しても問題ありません。終わらなかった分については、できる限りその週のうちに対応するよう心がけましょう。
一方で、「試験当日までに終わらせたいこと」「今月までに終わらせたいこと」については、確実に達成できる目標を立てるようにしましょう。ここがブレてしまうと、結局試験までに終わらせるべき範囲が終わらなくなってしまう可能性があります。
人によってスケジュールの組み立て方に合う合わないはありますが、自分の可処分時間に合わせて適切なスケジュールを組み立てましょう。
2-3. 計画倒れにならないようスケジューリングする
勉強スケジュールを組む際は、計画倒れにならないようくれぐれも注意してください。やる気があるのは良いことですが、張り切りすぎて無理のある計画を立てると、結局計画通りに行かずに必要な勉強が終わらない可能性があります。例えば、法律初学者で1日に2時間しか勉強時間が取れないにもかかわらず、過去問を1日3年分やろうと考えても困難であるケースがほとんどでしょう。
自分の生活状況から1日に取れる勉強時間を具体的に算出し、確実にこなせる数字を目標として設定しましょう。
また、計画がスムーズに行かなかった時のために、1週間に少なくとも1日は予備日を作っておくことをお勧めします。
2-4. 当日までに過去問を繰り返し解けるだけの時間を確保する
宅建士試験に合格するためには、インプット重視ではなくアウトプット重視の勉強をすることが極めて重要になります。参考書で基礎的な知識を学ぶことも必要ですが、それ以上に、過去問を解くことで、インプットした知識を使ってどのように正解を導くのかを学ぶことが大切です。
理解しにくい権利関係や法令上の制限などの科目を勉強すると、どうしても「教科書に書かれていること全て覚えないと合格できない」と錯覚してしまいがちです。
しかし、宅建士試験で出題される範囲はある程度決まっており、過去問を繰り返し解いていれば、出題形式や頻出分野をある程度把握することができます。満点を取らなければ合格できない試験ではないので、出題される範囲に絞って効率良く勉強すれば、法律初学者でも短期間での合格は十分に可能だといえます。
勉強スケジュールを組む際は、参考書をインプットする時間だけを取るのではなく、過去問を解く時間も十分取るようにしてください。また、「インプットを完璧にしてから過去問を解く」のではなく、インプットと並行して繰り返し過去問を解くようにすると、短期記憶から長期記憶として知識を蓄えることができるようになります。
2-5. 配点の大きい宅建業法や権利関係に時間をかける
宅建士試験の勉強スケジュールを組む際は、全ての科目に平等に勉強時間をかけるのではなく、配点の大きい宅建業法や理解に時間のかかる権利関係に時間をかけることをお勧めします。
宅建士試験における試験科目と出題数は、以下の通りです。
試験科目 | 問題数 |
権利関係 (民法等) | 14問 |
宅建業法 | 20問 |
法令上の制限 | 8問 |
税・その他 | 8問 |
試験形肢択一のマークシート形式で、配点は1問につき1点の50点満点です。つまり、主に民法などが出題される権利関係や宅建業法などの配点が高い科目については、しっかりと時間をかけて勉強しておくのがベストな勉強計画だと言えるのです。
特に宅建業法については、法律初学者でも比較的理解しやすい科目であり、出題される問題も基礎的な内容であるケースが多いです。できれば9割以上の得点を目指したい科目なので、他の科目よりも時間をかけて勉強するメリットは大きいと言えます。
また、権利関係で出題される民法を早い段階から学んでおけば、法律の考え方を学ぶことができます。この考え方は全ての法律で共通しているので、試験で未知の問題が出題された際に、法律の制度趣旨などから正しい解答を導きやすくなります。
※宅建の試験科目や内容について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
→ 宅建の試験科目や内容は?配点や科目別の難易度・5問免除制度を解説
3.おすすめの宅建士試験・勉強スケジュール表
人によってベストな勉強スケジュールの立て方は異なりますが、いざ自分で勉強スケジュールを組むとなるとわからないことも多いでしょう。ここでは、目安となるスケジュールを試験までの期間別にご紹介します。
3-1. 短期集中で合格を目指すケース|3か月
10月の試験に向けて8月から勉強を開始する場合、大まかな勉強スケジュールは以下の通りとなります。
【3か月間の宅建士試験に向けた勉強スケジュール例】
学習科目 | 学習範囲 | |
8月 | 権利関係 (民法等) | ・基本書や参考書を活用して、 試験範囲を一通り学習する。 ・図や表を活用し、なるべく1回 の勉強で暗記できるよう自分で 工夫しながら学習する。 ・権利関係や宅建業法から勉強を 始める。 ➡︎ひと通りのインプットを完了させる |
宅建業法 | ||
法令上の制限 | ||
税・その他 | ||
9月 | 権利関係 (民法等) | ・「過去問を解き、不明点があれ ば参考書に戻って確認する」を 繰り返し行う ・過去問を解きながら、何度も 間違える問題をピックアップして おく ➡︎アウトプット重視の勉強を行う |
宅建業法 | ||
法令上の制限 | ||
税・その他 | ||
10月 | 権利関係 (民法等) | ・試験まで過去問を繰り返し解く (少なくとも10年分は解けるよう 勉強時間を確保する) ・苦手な分野やピックアップした 間違えやすい問題を繰り返し解く ・試験当日に覚えるべきポイント や問題をまとめておく ➡︎過去問を繰り返し解くことで、 焼き直しで出題される問題を確実 に得点できるようにする |
宅建業法 | ||
法令上の制限 | ||
税・その他 |
勉強期間が3か月程度の場合、試験当日まで時間がないことから、一切の無駄を省いた勉強をする必要があります。試験範囲のインプットを早く終わらせ、いち早く過去問学習を始めることが大切です。初めのうちは過去問を解いてもほとんどわからないかと思いますが、繰り返し解いていれば回答のコツを掴むことができるでしょう。少なくとも8月中にはインプットを終わらせ、9月には過去問学習に入れるよう学習スケジュールを組み立てましょう。
また、過去問を解く際は、何度も間違える問題をピックアップしておきましょう。直前期にその問題だけを繰り返し解くことができるので、本番で苦手な問題を間違えてしまう確率を低くすることができます。
3-2. 無理せず自分のペースで合格を目指すケース|6か月
5月くらいから勉強を開始する場合、大まかな勉強スケジュールは以下の通りとなります。
【6か月間の宅建士試験に向けた勉強スケジュール例】
学習科目 | 学習範囲 | |
5月 | 権利関係 (民法等) | 参考書や基本書を使い、試験範囲 を丁寧に勉強する |
宅建業法 | 時間があれば、参考書や基本書を 使って試験範囲を勉強する | |
法令上の制限 | まだ手をつけなくてもいいが、 時間があれば参考書や基本書を 勉強する | |
税・その他 | ||
6月 | 権利関係 (民法等) | 過去問を解きながら、インプット で学んだ知識を定着させる |
宅建業法 | 参考書や基本書を使い、試験範囲 を丁寧に勉強する | |
法令上の制限 | まだ手をつけなくてもいいが、 時間があれば参考書や基本書を 勉強する | |
税・その他 | ||
7月 | 権利関係 (民法等) | 過去問を解きながら、インプット で学んだ知識を定着させる |
宅建業法 | ||
法令上の制限 | 参考書や基本書を使い、試験範囲 を丁寧に勉強する | |
税・その他 | まだ手をつけなくてもいいが、 時間があれば参考書や基本書を 勉強する | |
8月 | 権利関係 (民法等) | 過去問を解きながら、インプット で学んだ知識を定着させる |
宅建業法 | ||
法令上の制限 | ||
税・その他 | 参考書や基本書を使い、試験範囲 を丁寧に勉強する | |
9月 | 権利関係 (民法等) | ・試験まで過去問を繰り返し解く ・時間があるようであれば、過去 問以外の問題演習等を行うのもOK ・苦手な分野やピックアップした 間違えやすい問題を繰り返し解く ・試験当日に覚えるべきポイント や問題をまとめておく |
宅建業法 | ||
法令上の制限 | ||
税・その他 | ||
10月 | 権利関係 (民法等) | ・過去問を繰り返し解きながら、 試験当日に復習したい問題やポイ ントについてもまとめておく ・試験当日までに少なくとも5年 分は過去問を解けるようにしておく ・時間に余裕があったとしても、 新たな参考書などに手をつけない |
宅建業法 | ||
法令上の制限 | ||
税・その他 |
勉強期間が6か月だったとしても、3か月の場合とやるべきことは基本的に変わりません。
インプットをできるだけ早く終えて過去問に取り組むようにしましょう。ある程度時間に余裕があるからといって、インプットに時間をかけすぎないようにすることが、効率良く本番の得点力を身につけるコツになります。
勉強開始当初は、権利関係や宅建業法などの、試験での配点が高い分野から学ぶのがお勧めです。法令上の制限や税・その他の科目については急ぐ必要はありませんが、どのような問題が出題されるかも含めて、早い段階から過去問を解いておくのもよいでしょう。
3-3. 時間をかけて盤石な基礎力を身につけたいケース|1年
10月から来年の宅建士試験に向けて勉強を開始する場合、6か月の例を参考にしてスケジュールを組み立てるのがお勧めです。人によって確保できる勉強時間は異なりますが、遅くとも4月くらいまでには全科目のインプットを終えるように計画を立てるのがお勧めです。権利関係や宅建業法から勉強を始め、終わった科目から過去問に取り組むようにしてください。
注意点は、時間があるからといって様々な参考書に手を広げすぎないことです。市販されている参考書でどれを使えばいいか迷うことも多く、人によってお勧めする参考書も違います。試験への不安から「これだけじゃ足りないのではないか」と不安に思うこともありますが、手を広げすぎると、結局1冊も終えることができずに試験当日を迎えてしまう恐れがあります。
試験までに時間がある場合には、インプットだけではなくアウトプットに時間をかけるようにしてください。過去問、オリジナル問題集、予想問題集、模試で出題された問題などを繰り返し解き、回答だけでなくその周辺知識まで理解するようにすると、効率良く得点力を上げることができるでしょう。
4. 受験指導校なら300時間かけずに合格を目指せる!
宅建士試験に精通している受験指導校を活用すれば、今まで法律を学んだことがない方でも最短で合格を目指すことが可能です。人によっては300時間もかからずに合格を手にすることができるでしょう。
頻出分野の絞り込みや最新の法改正への対応、未知の問題が出題された時の対処法などについてサポートをしてもらえるのは、受験指導校を活用する大きなメリットの一つです。難解な法律を誰でもわかりやすく解説してくれるので、不安を感じることなく勉強を進めることもできるでしょう。勉強スケジュールの組み立て方についても、勉強の進捗度合いやその人の実力に合わせて適切なアドバイスをもらえます。
試験当日までモチベーションを保ちながら、「磐石な基礎力」と「解法スキル」を同時に養うことができるのが受験指導校の大きな魅力です。「勉強はしているのに得点が上がらない」という間違った勉強法にならないためにも、学習の初期段階から受験指導校を利用して合格を勝ち取りましょう。
※こちらも併せてお読みください。
→ 宅建の通信講座はなぜ伊藤塾がおすすめなのか?宅建士合格講座の魅力を徹底解説
5. まとめ
◉宅建士試験合格までに必要な勉強時間は人によるが、試験年の4月くらいまでに勉強を始めるのがお勧め
◉勉強スケジュールを立てる際は、ゴールから逆算し、時間に余裕を持って計画を立てる
◉インプット重視ではなく、アウトプット重視の勉強計画を立てる
宅建士試験合格までに必要な勉強時間は人によって異なるため、いつまでに勉強を始めるべきかも人によって異なります。自分の今の実力と勉強に使える時間、試験までの日数などから総合的に勉強スケジュールを立ててみましょう。
正しい方向の勉強を継続し、自分に合った勉強スケジュールを立てられるなら独学での合格も不可能ではありませんが、受験生全員が効率的な勉強をできるとは限りません。今後のライフプランを考えるのであれば、早い段階で合格できることに越したことはありません。もし、最短での合格を目指していたり、勉強スケジュールの組み立て方で悩んでいるのであれば、受験指導校の講義を活用することも検討してみてください。
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