弁護士になりやすい大学はどこ?司法試験と予備試験の合格者数からランキング形式で紹介

基本情報

2025年10月31日

予備試験や司法試験の合格者数・合格率は、大学ごとに大きな差があります。弁護士になりやすい、司法試験に受かりやすい大学はどこなのでしょうか。

この記事では、令和6年の予備試験・司法試験の結果をもとに、弁護士になりやすい大学をランキング形式で紹介します。合格者の多い大学や法科大学院を目指す上での注意点も解説しますので、大学や法科大学院を選ぶのに迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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1.弁護士になるための方法

弁護士になりやすい大学を紹介する前提として、弁護士になる方法について簡潔に説明します。弁護士になるには、次の2つのルートがあります。

◉予備試験ルート
◉法科大学院ルート

弁護士になるための司法試験を受験するには、予備試験に合格するか、法科大学院を修了(在学中受験も可能)しなくてはなりません。

予備試験には受験資格が一切なく誰でも受験することができますが、毎年の合格者数は450人ほどで合格率は3〜4%ほどの難関試験です。法科大学院の修了生の人数は、ここ数年は1300人ほどで推移しています。

令和6年の司法試験では、受験予定者数4,026人のうち、予備試験合格者が478人、法科大学院の修了生、在学中受験の受験生が3,548人で、法科大学院ルートの受験生が9割以上を占めるという結果でした。
参照:令和6年司法試験受験予定者|法務省

司法試験の受験生の割合から見ると、弁護士を目指す多くの人は、法科大学院ルートでの司法試験合格を目指していることがわかります。

ただし、司法試験の合格率は、予備試験合格者の方が圧倒的に高くなっています。令和6年の司法試験では、法科大学院出身者の合格率が34.8%であったのに対し、予備試験合格者の合格率は、92.8%でした。
参照:令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等|法務省

法科大学院ごとでも合格率に大きな差があるため、司法試験合格の可能性を高くするには、予備試験ルートや司法試験の合格率が高い法科大学院への入学を目指すべきです。

2.弁護士になりやすい大学ランキング

ここでは、令和6年の予備試験・司法試験の合格者数・合格率について、大学・法科大学院別のランキングを示したうえで、それぞれを併せた総合ランキングを紹介します。

弁護士になりやすい大学はどこなのかを判断するための1つの材料としてご活用ください。

2-1.予備試験の合格者数・合格率の大学別ランキング

令和6年の予備試験で(出願時)大学生の合格者数、合格率それぞれの上位10校は、次のとおりです。

順位大学名受験者数合格者数
1東京大学465人77人
2慶應義塾大学504人53人
3早稲田大学331人33人
4京都大学188人24人
5中央大学470人18人
6一橋大学113人17人
7大阪大学95人6人
8北海道大学67人5人
8上智大学53人5人
10明治大学105人4人
10同志社大学91人4人
10大阪公立大学72人4人

順位大学名受験者数合格率
1東京大学456人16.6%
2一橋大学113人15.0%
3大阪公立大学28人14.3%
4京都大学188人12.8%
5慶應義塾大学504人10.5%
6早稲田大学331人10.0%
7上智大学53人9.4%
8北海道大学67人7.5%
9大阪大学95人6.3%
10同志社大学91人4.4%

参照:令和6年司法試験予備試験受験状況(大学生)|法務省
※合格率の順位は合格者が4名以上の大学を選定

令和6年の予備試験結果について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
令和6年度(2024年度)司法試験予備試験の大学別合格率・合格者数まとめ

2-2.司法試験の合格者数・合格率の法科大学院別ランキング

令和6年の司法試験における合格者数、合格率それぞれの上位10校は、次のとおりです。

順位法科大学院名受験者数合格者数
1慶應義塾大法科大学院246人146人
2早稲田大法科大学院330人139人
3東京大法科大学院255人121人
4京都大法科大学院217人107人
5中央大法科大学院181人83人
6大阪大法科大学院177人72人
7一橋大法科大学院123人60人
8神戸大法科大学院136人51人
9同志社大法科大学院111人41人
10九州大法科大学院107人37人

順位法科大学院名受験者数合格率
1慶應義塾大法科大学院246人59.35%
2愛知大法科大学院9人55.56%
3京都大法科大学院217人49.31%
4一橋大法科大学院123人48.78%
5東京大法科大学院255人47.45%
6中央大法科大学院181人45.86%
7早稲田大法科大学院330人42.12%
8大阪大法科大学院177人40.68%
9神戸大法科大学院136人37.50%
10同志社大法科大学院111人36.94%

参照:令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等|法務省

司法試験の結果での法科大学院ランキングについては、こちらの記事をご覧ください。
【2025年度版】合格者数と合格率から見る法科大学院ランキング!法科大学院選びの注意点も解説!

2-3.総合ランキング

ここでは、予備試験と司法試験の合格者数、合格率を総合して、弁護士になりやすい司法試験に受かりやすい大学をランキング形式で紹介します。

順位は、予備試験の合格者数、予備試験の合格率、司法試験の合格者数、司法試験の合格率の4つの項目について、それぞれの順位の合計値が低い大学から順に並べています。

総合
順位
大学名予備試験
合格者数順位
予備試験
合格率順位
司法試験
合格者数順位
司法試験
合格率順位
合計点
1慶應義塾大学25119
2東京大学113510
3京都大学444315
4早稲田大学363719
4一橋大学627419
6中央大学5115627
7大阪大学796830
8同志社大学101091039
9上智大学87141443
10北海道大学88161749

参照:令和6年司法試験予備試験受験状況(大学生)|法務省
※予備試験合格率の順位は合格者が4名以上の大学を選定
参照:令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等|法務省

※各法科大学院の詳細はこちらよりお読みください。
東京大学法科大学院の入試情報は?出身大学や難易度、TOEICの点数についても解説 | 記事一覧 | 司法試験コラム

京都大学法科大学院の入試情報は?難易度や出身大学・過去問についても解説 | 記事一覧 | 司法試験コラム

北海道大学法科大学院(ロースクール)の入試日程は?難易度・過去問も解説 | 記事一覧 | 司法試験コラム

東北大学法科大学院(ロースクール)の入試情報は?難易度や出身大学、過去問についても解説 | 記事一覧 | 司法試験コラム

神戸大学法科大学院の入試情報まとめ|難易度や出身大学についても解説 | 記事一覧 | 司法試験コラム

大阪大学法科大学院の入試情報は?難易度や募集要項、過去問についても解説 | 記事一覧 | 司法試験コラム

慶應義塾大学法科大学院の入試情報は?難易度や学費・過去問についても解説 | 記事一覧 | 司法試験コラム

早稲田大学法科大学院の入試情報は?出身大学や入試日程、ステートメントについても解説 | 記事一覧 | 司法試験コラム

同志社大学法科大学院の入試情報は?日程や難易度、過去問についても解説 | 記事一覧 | 司法試験コラム

【2025年度】法科大学院(ロースクール)入試の難易度と対策を解説 | 記事一覧 | 司法試験コラム

3.合格者の多い大学・法科大学院を目指す上での注意点

合格者の多い大学・法科大学院では周囲に学習仲間が多く存在するため、司法試験を目指しやすいことは確かです。しかし、その大学・法科大学院に入学さえすれば、司法試験に合格するわけではありません。入学する大学や法科大学院を選ぶ際には、次の3つの点にも注意してください。

◉合格率や合格者数だけで大学・法科大学院を選ばない
◉大学・法科大学院の入学は最終目標ではない
◉大学在学中から司法試験対策を開始する

それぞれの内容について詳しく解説します。

3-1.合格率や合格者数だけで大学・法科大学院を選ばない

大学や法科大学院を選ぶ際には、合格率や合格者だけでなく、各大学のカリキュラムや特徴も考慮すべきです。

特に、法科大学院は、独自のカリキュラムを提供しているところも多くあります。定員が多い法科大学院と少人数制の法科大学院では、教授や学生同士の関係や学習環境などに大きな違いがあるでしょう。

どの大学・法科大学院で学ぶのが合っているのかは、人それぞれです。合格率や合格者数だけを見るのではなく、その大学での学習環境が自分に合っているのかも考えてみるようにしましょう。

3-2.大学・法科大学院の入学は最終目標ではない

弁護士を目指すのなら、大学や法科大学院への入学は通過点に過ぎません。大学・法科大学院で何をするのかという過程が重要です。

ランキングの高い大学に入学さえすれば司法試験に合格できるというものではありません。大学の学部や法科大学院の授業だけで司法試験に合格できる人は、ほとんどいないのが現実です。予備試験や司法試験に合格する人の多くは、授業のペースに合わせるのではなく、教科書や受験指導校などを利用して、法律の勉強を進めています。

良い大学に入学しても、入学しただけで満足していると予備試験や法曹コースでの進学を目指す受験生に置いて行かれてしまうでしょう。大学・法科大学院への入学はスタートラインと考えて、授業以外の学習にも力を入れるようにしてください。

3-3.大学在学中から司法試験対策を開始する

大学在学中の予備試験合格を目指す人は当然のこと、法曹コースやランキングの高い法科大学院を目指す人も大学在学中から司法試験対策を開始しましょう。

予備試験や司法試験対策は、法曹コースに重要な学部成績の向上や法科大学院の入試対策にも役立ちます。優秀な学部成績を残し法科大学院入試で好成績を出せば、特待生として法科大学院に入学できるので学費の負担も軽くなります。

必ずしも予備試験を受験する必要はありませんが、法科大学院進学者の多くが大学在学中に予備試験を目指して学習を進めています。予備試験受験生と同程度の学習をしなければ、法科大学院入学時点ですでに学力差がついてしまい、将来的な司法試験合格は厳しいものとなるでしょう。

司法試験に合格する人の多くは、法科大学院に入学してから司法試験対策を開始したのではなく、大学在学中から予備試験を目指すことにより、実質的に司法試験対策の学習を積み重ねています。大学在学中から予備試験に挑戦できるレベルの学習をして、法曹コースや法科大学院入試を簡単に通過できる状態になれば、周囲との学力の差をつけられることなく、司法試験受験時の合格の可能性は高くなるでしょう。

予備試験は難しいという理由で、法曹コースや法科大学院を逃げ道としてはいけません。予備試験を受験しない場合でも、大学在学中から司法試験対策を視野に入れ学習を開始して、法科大学院入学までには司法試験に向けたひと通りの学習を終えておきましょう。

4.まとめ

ランキングの高い大学に入学すれば、周りの学生と切磋琢磨して司法試験に合格する可能性も高くなるでしょう。ですが、ランキングの高い大学に入学しても、入学後の努力を怠れば司法試験の合格は難しくなります。

司法試験の合格を目指すなら、できる限り早くから司法試験対策を開始するのが重要です。目標とする大学に入学できなかった人でも、入学後の学習次第で逆転合格の可能性は十分にあります。

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※1(講座内訳:入門講座698名、講座・答練337名、模試401名)
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著者:伊藤塾 司法試験科

伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。