
人生に役立つ法律系資格とは?難易度ランキングと資格選びの3つのポイント
基本情報
2025年09月10日


「法律系資格に興味があるけれど、本当に役に立つの?」
「難易度はどれくらい?一番難しい資格は?」
こんな疑問をお持ちではありませんか?
一口に法律系資格といっても、司法書士や行政書士、宅建士など、数多くの資格が存在します。難易度も様々で、憧れだけで資格を選ぶと、「想像以上に難しくて挫折してしまった」「せっかく取得したのに、役に立たなかった」ということになりかねません。
そこでこの記事では、主な法律系資格について、合格率や勉強時間などを踏まえた難易度ランキングを紹介します。
さらに、「独立開業したい」「企業で活躍したい」「収入をアップさせたい」といった目標別に役立つ資格はどれなのか、そして資格選びの3つのポイントまで詳しく解説していきます。
あなたの人生に役立つ法律系資格を見つけるために、ぜひご一読ください。
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【目次】
1.法律系資格の難易度ランキング
主要な法律系資格をランキング形式にすると、以下のようなイメージになります。人によって前後する可能性もあるので、資格選びの参考としてご活用ください。
難易度 ランキング | 合格率 | 勉強時間 | 合格までの年数 (目安) |
(1位) 弁護士 | 予備試験:約4% 司法試験:約40% | 2,000〜5,000時間 | 2年〜6年 |
(2位) 司法書士 | 約4% | 3,000時間 | 1年〜3年 |
(3位) 中小企業診断士 | 一次試験:約30% 二次試験:約18% | 1000時間 | 1年〜2年 |
(4位) 社労士 | 約6〜7% | 800〜1000時間 | 半年〜2年 |
(5位) 行政書士 | 約12〜13% | 600〜1000時間 | 半年〜2年 |
(6位) 海事代理士 | 筆記試験:約50〜55% 口述試験:約60〜90% | 500時間 | 半年〜1年 |
(7位) 宅建士 | 約15〜17% | 300〜500時間 | 3ヶ月〜半年 |
1-1.ランキング1位|弁護士
弁護士は、法律系資格の中でも最難関に位置づけられる資格です。
司法試験の合格率は約40%と高めですが、これはそもそも受験するハードル自体が高いからです。具体的には、合格率約4%の司法試験予備試験に合格するか、法科大学院を修了すること(※一定の要件を満たせば在学中受験も可能)が求められます。どちらのルートを選択するにしても、数年単位の計画が必要です。
必要な勉強時間は2,000時間〜5,000時間、合格までに平均で2年〜6年かかるケースが通常です。合格は決して簡単ではありませんが、高い専門性と社会的信頼を得ることができる資格です。
※予備試験・司法試験の難易度については、次の記事で詳しく解説しています。
1-2.ランキング2位|司法書士
司法書士は、弁護士に次ぐ難易度を誇る法律系資格です。受験資格はありませんが、合格率は約4%と極めて低い水準です。
司法書士試験の大きな特徴は、「知識型の試験」であることです。
これが、司法試験や予備試験との一番の違いと言ってもよいでしょう。特に、民事系の科目は、司法試験や予備試験でも問われないような細かな知識が出題されることもあります。法的思考力も必要ですが、それ以上に膨大な知識量が要求されるのです。
とはいえ、コツコツと勉強すれば誰でも合格できるので、努力が報われやすい試験とも言われています。必要な勉強時間は約3,000時間、合格までに1年〜3年が目安です。
※司法書士の難易度については、次の記事で詳しく解説しています。
1-3.ランキング3位|中小企業診断士
中小企業診断士は、経営コンサルタントとしての唯一の国家資格です。
試験は一次試験(マークシート形式)と、二次試験(筆記および口述形式)に分かれています。一次試験の合格率は約30%、二次試験は約18%ですが、科目合格制度が採用されているので、複数年にわたって受験できます。
ストレート合格(一発合格)の確率は5〜8%とも言われており、難易度は高めです。必要な勉強時間は約1000時間、合格までの期間は1年から2年が目安となるでしょう。
法律系資格ですが、企業経営、財務・会計、運営管理といった経営の知識が問われるため、他の法律資格とは少し特性が異なります。
※中小企業診断士の難易度については、次の記事で詳しく解説しています。
1-4.ランキング4位|社労士
社労士(社会保険労務士)は、企業における人事労務管理や社会保険制度に関するスペシャリストとなる資格です。合格率は、毎年6〜7%前後です。
試験では、民法などの一般法ではなく、労働基準法、労働安全衛生法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法といった労働・社会保険関連の法律が幅広く問われます。
合格に必要な勉強時間は約800〜1000時間、合格までの期間は半年から2年が目安です。
※社労士の難易度については、次の記事で詳しく解説しています。
1-5.ランキング5位|行政書士
行政書士は、「街の法律家」とも呼ばれており、官公署に提出する書類作成や権利義務・事実証明に関する書類作成などを扱う国家資格です。本格的な法律系国家資格試験の中では、登竜門のような位置づけにあり、令和に入って以降、急激に人気が高まっています。
合格率は約12〜13%と低いですが、受験資格の制限がないため、様々なバックグラウンドを持つ人が受験しています。実質的な合格率は、12%よりもかなり高くなるでしょう。
勉強時間は約600〜1000時間、合格までの期間は半年から2年が目安です。難関資格に位置づけられますが、短期間でも挑戦しやすい資格です。
※行政書士の難易度については、次の記事で詳しく解説しています。
1-6.ランキング6位|海事代理士
海事代理士は、船舶登録・検査・登記などを扱う超ニッチな国家資格です。
筆記試験の合格率は約50〜55%、口述試験の合格率は約60〜90%と高めですが、数字ほど簡単な試験ではありません。
海事代理士試験には、受験者の多くが他の法律資格に合格していたり、海事代理士試験に役立つ何らかの経験を有しているという特徴があります。つまり、初学者が少ないため受験生全体のレベルが高く、その結果、合格率が高くなっているのです。
試験科目も、商法(海商法)、船員法、船舶法、船舶安全法など、海事に関する専門的な法律が中心です。法学部や他資格の勉強では全く触れない法律が大半なので、イチから勉強が必要でしょう。
合格に必要な勉強時間は、約500時間が目安とされています。専門性が高く、競合が少ない分野で活躍したい方におすすめの資格です。
※海事代理士の難易度については、次の記事で詳しく解説しています。
1-7.ランキング7位|宅建士
宅建士(宅地建物取引士)は、毎年20万人以上が受験する国内最大級の国家資格です。不動産に関する資格ですが、法律系国家資格の入口的な位置づけともなっています。
合格率は、例年15〜17%で推移しており、以前は「過去問だけすれば合格できる」とも言われていました。
しかし、ここ数年は問題が難化しており、特に「権利関係(民法)」では、かなり本格的な出題が目立ってきています。今後は、過去問の暗記に頼るのではなく、理解重視の試験対策が求められるでしょう。
勉強時間は約300〜500時間、合格までに3ヶ月から半年が目安です。
※宅建士の難易度については、次の記事で詳しく解説しています。
2.やりたいこと・方向性から選ぶ法律系資格
ここまで、主要な法律系資格の難易度ランキングを見てきました。
しかし、難易度だけで資格を選ぶことが、必ずしも人生で役立つとは限りません。難易度以上に、目標や人生で進みたい方向性に合った資格を選ぶことが大切です。
ここからは、以下のような目標・方向性別におすすめ資格を紹介します。
・独立開業したい人
・企業へ就職・転職したい人
・年収1000万以上を目指したい人
・40代・50代からキャリアチェンジしたい人
・やりたいことが決まっていない人
それぞれ詳しく説明します。
2-1.独立開業したい人
独立開業をしたい人は、以下の法律系資格がおすすめです。
これらの資格は、独立開業するまでのハードルが低いのが大きな特徴です。在庫を抱える必要がなく、大規模な設備投資も不要なため、比較的少ない資金で開業できます。
特に、社労士や行政書士は未経験から独立する人が多いです。会社に雇われず、自分のペースで働きたい人にとっては挑戦する価値があるでしょう。
2-2.企業へ就職・転職したい人
企業へ就職・転職したい人には、以下の法律系資格がおすすめです。
資格だけで就職できるわけではありませんが、選考で有利になる可能性は高いでしょう。
企業によっては、有資格者に対して月数万円の資格手当が支給されるケースもあります。会社員のまま年収アップを目指したい人にはおすすめの資格です。
2-3.年収1000万以上を目指したい人
年収1000万以上を目指したいなら、以下の法律系資格がおすすめです。
厚生労働省のデータによれば、弁護士や司法書士は、平均年収が1000万円を超えています。高い専門性と社会的信頼が、収入の高さにつながっているといえるでしょう。
行政書士や中小企業診断士も独立開業して実績を積めば、年収1000万円以上を目指すことは十分可能です。
いずれも難関資格ですが、年収1000万円以上を達成できる可能性が十分にある資格です。
2-4.40代・50代からキャリアチェンジしたい人
40代・50代からキャリアチェンジしたい人には、以下の法律系資格がおすすめです。
これらの資格は平均年齢が高く、合格者も「アラフォー世代」が過半数を占めています。
・司法書士(合格者平均年齢41.5歳)
・社労士(30代〜40代が過半数)
・行政書士(30代〜40代が過半数)
司法書士は、売り手市場が続いている業界です。40代未経験でも、求人に困るケースは少ないでしょう。同様に社労士や行政書士も、年齢に関係なく活躍できる資格です。これまでの社会経験が強みになるケースが多いでしょう。
2-5.目標が決まっていない人
目標が定まっていない人には、以下の法律系資格がおすすめです。
中小企業診断士は、経営全般を学べる資格なので汎用性が非常に高いです。
あらゆる業界に通じる「経営の基本」が学べるので、自分でビジネスを立ち上げる場合でも、会社員として働く場合でも活用できるでしょう。
行政書士も、やりたいことが決まっていない人におすすめの法律系資格です。
扱うジャンルが広いので、合格後、自分の興味にあわせて仕事の幅を広げていけるでしょう。例えば、語学力を活かして入管業務を扱う、介護の経験を活かして福祉系の分野に力を入れるなど、「好き・得意」を活かして活躍できます。
3.人生に役立つ法律系資格を見極める3つのポイント
資格選びで失敗しないためには、「何を基準に選ぶか」という軸を持つことが大切です。
「せっかく取得したのに役立たない」という失敗を防ぐ3つのポイントを紹介します。
・ゴールから逆算する
・自分の経験を活かせる資格を選ぶ
・第一線で活躍している法律家の話を聞く
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1.ゴールから逆算する
法律系資格を選ぶとき、まず考えるべきは「合格後にどうなりたいのか」というゴール設定です。多くの人は、「とりあえず資格を取る」ことを目標にしがちですが、本当に大切なのは合格後、「資格をどのように活用するか」だからです。
例えば、独立して自分の事務所を持ちたいなら司法書士や行政書士、法律の専門職としてキャリアを積みたいなら弁護士や司法書士、ビジネスに貢献したいなら中小企業診断士など、目標によって最適な資格は変わってきます。
ゴールを明確にするからこそ、「そのために必要なスキル・経験・資格」が見えてくるのです。
法律系の資格選びで迷ったら、まずは合格後の自分の姿を鮮明にイメージしてみましょう。自分が歩みたい人生を言語化し、そこから資格を絞り込んでいけば、自ずと自分に合った資格が見つかるはずです。
3-2.自分の経験を活かせる資格を選ぶ
法律系資格を選ぶときは、資格の知名度・難易度だけでなく、自分の経験を活かせるかも考えましょう。「自分の経験」と「法律の専門知識」を組み合わせることができれば、その後の人生で強力な武器になります。
中でも、自分の経験を強みにしやすい法律系資格の代表例が行政書士です。
行政書士は、士業の中でも特に扱う仕事のジャンルが広いので、様々な業界経験が役に立ちます。
★業界経験が役に立つ例
・建築業界の経験を活かして、建設業許可申請に特化する
・福祉業界の経験を活かして、成年後見業務に力を入れる
・CA(キャビンアテンダント)の経験を活かして、国際行政書士として活躍する など
一見すると法律と全く関係のない経験が、行政書士の仕事で大いに発揮されるのです。
もちろん、これは行政書士に限った話ではありません。法律系資格は業界ジャンルを問わず必要とされるため、あらゆる強み・経験と結びつけやすいです。
「法律系資格」と「自分の経験・強み」をうまく組み合わせることができれば、他の人にはない「独自の専門性」を持った法律のプロフェッショナルになれるでしょう。
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3-3.第一線で活躍している法律家の話を聞く
資格選びで後悔しないためには、ネットの情報だけで判断せず、現場で活躍している法律家のリアルな話を聞くことが大切です。表面的な情報(年収データ、業務内容など)だけでは、資格取得後の実態までは見えてきません。
実際には、資格ごとに「稼ぎづらい」「仕事が取りづらい」「想像以上のハードさ」などのギャップが存在します。だからこそ、実務で活躍している法律家の話を聞くことが、ミスマッチを防ぐ一番の方法なのです。
資格を持つ知り合いがいるなら直接会って話を聞いてみる、いないなら受験指導校が主催する対談や実務家レポートを見てみるなどの方法が効果的です。
「どうやって仕事を見つけているのか」「実際の収入はどの程度か」「やりがいや大変な点(理想と現実のギャップ)」といった点を聞いてみましょう。
※伊藤塾では、「合格後を考える」理念の元、様々な企画やイベントを用意しています。 第一線で活躍している実務家を招いて無料講演も実施していますので、法律系資格に興味がある方は、ぜひご視聴ください。
→合格後を考えた取り組み
4.法律系資格を取ろうと思ったときの主な選択肢
法律系資格を取ろうと思ったときは、次のような選択肢があります。
・予備校や受験指導校で学ぶ
・独学で勉強する
・法学部・法科大学院に通う
それぞれ解説します。
4-1.予備校や受験指導校で学ぶ
本気で法律系資格を取得したいなら、予備校や受験指導校で学ぶのがおすすめです。
受験指導校では、難関法律資格に合格するための方法論が確立されているため、最短ルートで資格取得を目指すことができます。予備試験や司法書士試験、行政書士試験といった難関試験に、働きながら合格できるのは、受験指導校ならではのメリットでしょう。
費用はかかりますが、合格すれば何倍ものリターンが得られます。1年〜2年かけて集中的に勉強し、難関資格を取得して人生を変えるのは、非常におすすめの選択肢です。
4-2.独学で勉強する
できるだけ費用をかけず、手軽に勉強を始めたいのであれば、市販のテキストや問題集を使い独学で勉強するのも良いでしょう。
ただ、弁護士や司法書士、行政書士などに独学で合格するのは難しく、法的思考力を身につけづらいという側面もあります。合格までに、ある程度の年数がかかることは覚悟しておきましょう。
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4-3.夜間の法科大学院に通う
弁護士(司法試験)を目指すなら、夜間の法科大学院に通うという選択肢もあります。
ただし、全国に4校しかなく、費用・時間などの面で難しさがあります。基本的には、受験指導校に通いつつ、予備試験を目指すのが良いでしょう。
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以上、3つの選択肢を紹介しましたが、本気で法律資格を取得したいなら、受験指導校で勉強することがおすすめです。
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5.受験指導校で法律資格を目指すなら伊藤塾がおすすめ
伊藤塾は、2025年で創立30年を迎えた、法律系資格専門の受験指導校です。1995年の開塾以来、多くの法律系資格で高い合格実績を維持してきました。
その一例として、最難関の法律資格試験といわれる司法試験や予備試験、そして司法書士試験の合格実績をご紹介します。
◉司法試験 :合格者1,592名中1,436名が伊藤塾を利用(占有率90.2%)
◉予備試験 :合格者449名中405名が伊藤塾を利用(占有率90.2%)
◉司法書士試験 :合格者737名中433名が伊藤塾を利用(占有率59%)
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6.まとめ
最後に、記事のポイントをまとめます。
1.法律系資格の難易度ランキング
(1位) 弁護士
(2位)司法書士
(3位)中小企業診断士
(4位)社労士
(5位)行政書士
(6位)海事代理士
(7位)宅建士
2.やりたいこと・方向性から選ぶ法律系資格
・独立開業したいなら「司法書士・社労士・行政書士・中小企業診断士」
・企業への就職・転職には「司法書士・宅建士・社労士・中小企業診断士」
・年収1000万以上を目指すなら「弁護士・司法書士・行政書士・中小企業診断士」
・40代・50代からのキャリアチェンジなら「司法書士・社労士・行政書士」
3.本当に役立つ法律系資格を選ぶためのポイントは3つ
「ゴールから逆算する」「自分の強み・経験を活かせる資格を選ぶ」「第一線で活躍している法律家の話を聞く」という3つの視点が大切です。特に業界経験を活かせる資格を選ぶと、他の人にはない独自の専門性を持った法律のプロとして活躍できます。
4.法律系資格を取得するなら伊藤塾がおすすめ
本気で資格取得を目指すなら予備校や受験指導校で学ぶのがおすすめです。中でも、伊藤塾は、法律資格専門の受験指導校として、確かな実績を誇っています。
以上です。
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