高卒でもOK!受験資格なしで目指せるオススメ国家資格8選まとめ

基本情報

2025年09月02日

「国家資格を取りたいけど、大学を出ていないから無理かも…」
「実務経験が必要な資格ばかりで諦めかけている…」

こんな風に思っていませんか?

実は、国家資格の中には学歴も実務経験も一切不要で、誰でも挑戦できる資格がいくつもあります。しかも、その中には司法書士や行政書士など、一般的に「社会的地位が高い」といわれ、年収1,000万円超えも目指せる士業資格も含まれています。

本記事では、受験資格なしで目指せる国家資格を一覧で紹介し、特におすすめの資格TOP3を詳しく解説します。

あなたの経歴は関係ありません。必要なのは「変わりたい」という気持ちだけです。この記事を読めば、きっとあなたにぴったりの資格が見つかるはずです。

【目次】

1.【一覧】受験資格なしの国家資格

受験資格不要の国家資格は、法律系から技術系まで幅広く存在します。

主な国家資格を以下にまとめました。

資格名分野難易度活かせる職種
司法書士法律系★★★★★司法書士事務所
企業の法務部
金融機関
行政書士法律系★★★★☆行政書士事務所
企業法務部
宅地建物取引士不動産系★★★☆☆不動産業
建設業
金融機関
マンション管理士不動産系★★★☆☆不動産会社
マンション管理会社
管理業務主任者不動産系★★☆☆☆不動産会社
マンション管理会社
賃貸不動産経営管理士不動産系★★☆☆☆不動産会社
マンション管理会社
ファイナンシャル・
プランニング技能士
(FP)
金融系★★☆☆☆金融業界
税理士・会計士事務所
気象予報士技術系★★★★★放送局
気象関連企業
電気主任技術者
(第三種)
技術系★★★★☆ビル管理
発電所
測量士技術系★★★☆☆測量会社
不動産会社
電気工事士(第二種)技術系★★★☆☆建設会社
鉄道関連企業
危険物取扱者
(乙種・丙種)
技術系★★☆☆☆製造業
化学工場
ガソリンスタンド
登録販売者医療系★★☆☆☆ドラッグストアなど
ITパスポートIT系★☆☆☆☆IT業界
事務職
ウェブデザイン技能士
(3級)
IT系★★☆☆☆Web制作会社
デザイン事務所
全国通訳案内士語学系★★★★☆観光業
訪日外国人向けガイド
中小企業診断士経営系★★★★★中小企業全般
コンサルティング会社
通関士貿易系★★★☆☆通関業者
貿易会社
旅行業務取扱主任者観光系★★★☆☆旅行会社

ご覧のように、多くの国家資格が受験資格なしで目指せます。

それでは、数ある国家資格の中でどれを選ぶべきなのか。次章では、特におすすめの国家資格を3つご紹介します。

2.受験資格なしのおすすめ国家資格TOP3

学歴や実務経験がなくても挑戦できて、しっかり仕事につながる国家資格を3つ厳選しました。

どれも収入アップにつながる、人生を変えるような可能性を秘めた資格ばかりです。

受験資格なしのおすすめ国家資格TOP3

資格名分野難易度
行政書士法律系★★★★☆
宅地建物取引士不動産系★★★☆☆
司法書士法律系★★★★★

2-1.行政書士

行政書士は、官公署に提出する書類作成や許認可申請を代理する国家資格です。

独立開業しやすく、学歴・経歴に関係なく挑戦できるため、キャリアチェンジを目指す方に人気があります。

扱える業務は驚くほど幅広く、9000種類以上の書類を作成できます。

会社設立、建設業許可、飲食店営業許可、外国人のビザ申請、相続手続きなど、社会のあらゆる場面で必要とされる仕事です。

さらに、時代の変化とともに新しいビジネスチャンスが出現するのも魅力です。最近も民泊の届出やドローンの飛行許可など、新しい分野の仕事が生まれています。

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◉行政書士の基本情報]

受験資格:なし
試験日:年1回(11月)
合格率:10~13%
必要な勉強時間:600~1,000時間
平均年収:約591万円

(出典:厚生労働省|職業情報提供サイトjob tag‐行政書士(うち年収については令和6年賃金構造基本統計調査を元に掲載))

2-1-1.行政書士試験の難易度

行政書士試験は難関試験ですが、きちんと対策すれば合格できる試験です。

合格率は10〜13%と低めですが、努力が結果につながりやすい試験と言われています。その理由は、300点満点中180点(6割)を取れば合格できる絶対評価方式の試験だからです。

他の受験生との競争ではなく、決められた基準点をクリアすれば必ず合格できます。つまり、出題範囲をコツコツと学習すれば、他の受験生のレベルに関係なく合格できる仕組みなのです。

出題科目は法令科目(憲法・民法・行政法など)や一般知識(政治・経済・情報通信など)が中心です。一般的な学習期間は約1年ですが、早ければ半年程で受かる人もいます。

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2-1-2.行政書士が向いている人

行政書士は、次のような人に向いている資格です。

・独立開業したい人
・これまでの職歴を活かしたい人
・学歴に関係なくキャリアアップしたい人

特に、独立開業したい人にはぴったりの資格です。開業までのハードルが低く、パソコンとプリンター程度の初期投資で始められます。事務所は自宅でも開設でき、従業員を雇う必要もありません。

さらに、会社員として働きながら副業で始められるのも大きなメリットです。リスクを抑えながら少しずつ顧客を増やし、軌道に乗ってから本業にする人もいます。

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2-1-3.【合格者体験記】まったくの法律初学者から働きながら超短期合格

行政書士試験は、法律の勉強が初めてでも短期合格を目指せる試験です。伊藤塾で学び、働きながらわずか3ヶ月で合格を果たした方を紹介します。

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2-2.宅地建物取引士(宅建士)

宅地建物取引士(宅建士)は、不動産取引の専門家として活躍できる国家資格です。不動産業界では必須の資格で、求人市場で高いニーズがあります。

宅建士が企業から求められる理由は2つあります。

1つ目は、不動産取引を行う会社には、「従業員5人に1人以上の宅建士を置く」義務があることです。つまり、会社が成長して人を増やすなら、必ず新しい宅建士も採用しなければなりません。この設置義務があるため、不動産業界への就職・転職で大きな強みになります。

2つ目は、宅建士に3つの独占業務があることです。①重要事項説明、②重要事項説明書への記名・押印、③契約書への記名・押印です。これらは不動産取引で必ず必要になる手続きで、宅建士にしかできません。

このように、法律による設置義務と独占業務があるため、多くの企業から求められています。

※宅建士はこちらの記事で詳しく解説しています。

◉宅建士の基本情報

受験資格:なし
試験日:年1回(10月)
合格率:15~17%
必要な勉強時間:300~500時間
平均年収:約618.3万円(資格手当:月1~3万円)

(出典:厚生労働省|職業情報提供サイトjob tag‐住宅・不動産営業(うち年収については令和6年賃金構造基本統計調査を元に掲載))

2-2-1.宅建士試験の難易度

宅建士試験は、国家資格の中でも挑戦しやすい試験として知られています。

合格率は15〜17%ですが、年間24万人以上が受けるマンモス試験のため、受験生のレベルにばらつきがあります。そのため、しっかりと対策をした人にとっては受かりやすい試験です。一般的な学習期間は3〜6ヶ月とされています。

試験科目は、権利関係(民法等)、宅建業法、法令上の制限、税・その他の4分野です。

全てマークシート方式で、4択から正解を選ぶ形式のため、完璧な知識がなくても消去法で解答できます。このため、法律の勉強が初めてでも取り組みやすいと感じる人が多いです。

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2-2-2.宅建士が向いている人

宅建士は、次のような人に向いている資格です。

・不動産業界に就職、転職したい人
・今の仕事で資格手当を得たい人
・比較的短期間で国家資格を取りたい人

まず、不動産業界への就職・転職を考えている人には必須の資格です。宅建士でなければできない独占業務があるため、採用で大きなアドバンテージになります。

すでに不動産業界で働いている人も、資格手当(月1〜3万円)による年収アップが期待できるでしょう。さらに実務経験を積めば、将来的に独立開業の道も開けます。

比較的短期間で取得できて実用性が高いため、初めて挑戦する国家資格として選ぶ人も多い資格です。

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2-3.司法書士

司法書士は、街の法律家として活躍できる国家資格です。受験資格がない国家資格の中では最難関ですが、その分、非常に高い専門性と社会的信用を得られます。

有資格者が不足しており、40代・50代未経験などのケースでも求人が豊富です。経験を積めば独立開業もできるため、人生逆転型の資格ともいわれています。

主な業務は、不動産登記、商業登記、供託手続き、成年後見業務、相続手続きなどです。さらに、認定司法書士になれば、訴額140万円以下の簡易裁判所管轄事件について、弁護士のような法廷活動もできます。

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◉司法書士の基本情報

受験資格:なし
試験日:年1回(7月筆記試験、10月口述試験)
合格率:5%前後
必要な勉強時間:約3,000時間
平均年収:約765万円

(出典:厚生労働省|職業情報提供サイトjob tag‐司法書士(うち年収については令和6年賃金構造基本統計調査を元に掲載))

2-3-1.司法書士試験の難易度

司法書士試験は最難関資格の1つであり、合格には相応の覚悟が必要です。合格率は毎年5%前後と極めて低く、必要とされる学習時間も約3,000時間が目安です。

ただし、司法書士試験の難しさは「質」ではなく「量」にあります。「超難問が出る」というよりは、「学習範囲が膨大で時間がかかる」といったイメージの試験なので、コツコツ勉強すれば誰にでも合格のチャンスがあります。学習期間は、1〜3年が目安になるでしょう。

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2-3-2.司法書士が向いている人

司法書士は、次のような人に向いている資格です。

・未経験から、法律家になりたい人
・新たなキャリアを一から築きたい人
・40代、50代から人生を変えたい人

司法書士の最大の魅力は、就職先に困らないことです。年齢や性別に関わらずキャリアチェンジがしやすく、40代・50代の未経験者でも問題なく就職できます。

さらに、社会の高齢化はもちろん、司法書士自体も高齢化が進んでいるため、これから益々人材不足が深刻化すると言われています。

実務経験を積んだ後は独立開業もできます。資格で新たなキャリアを築きたい人には、最適の資格といえるでしょう。

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2-3-3.【合格者体験記】小学校からの劣等生が司法書士になって人生逆転

司法書士は、学歴や過去の成績に関係なく、努力次第で人生を変えられる資格です。

実際に、劣等生だった過去を乗り越えて司法書士になり、人生を逆転させた合格者を紹介します。

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3.その他|受験資格なしのおすすめ国家資格

TOP3以外にも、受験資格なしで挑戦できる魅力的な国家資格があります。

それぞれ専門分野は異なりますが、どれも就職・転職に有利で、キャリアアップにつながる資格ばかりです。

◉受験資格なしのおすすめ国家資格

資格名分野難易度
中小企業診断士経営系★★★★☆
賃貸不動産経営管理士不動産系★★☆☆☆
登録販売者医療系★★☆☆☆
旅行業務取扱主任者観光系★★★☆☆
ファイナンシャル・
プランニング技能士(FP)
金融系★★☆☆☆

3-1.中小企業診断士 

中小企業診断士は、経営コンサルティングに関する唯一の国家資格です。中小企業の経営課題を診断し、改善策を提案する専門家として活躍できます。

経営戦略、財務・会計、マーケティング、人事など幅広い知識が身につくため、ビジネススキルを総合的に高めたい人に人気です。企業内での昇進や転職に有利なだけでなく、経営コンサルタントとして独立開業もできます。

◉中小企業診断士の基本情報

受験資格:なし
合格率:約4%
・1次試験 約20%
・2次試験 約20% 
必要な勉強時間:1,000~1,500時間
合格後のキャリア:経営コンサルタント、企業内での昇進

3-1-1.中小企業診断士試験の難易度

中小企業診断士試験は、1次試験(7科目)と2次試験(筆記・口述)があり、両方に合格する必要があります。

1次・2次を合わせた合格率は約4%ですが、これはあくまでも1回の受験で全科目に合格する人の割合です。実際には科目合格制度が設けられており、複数年かけて合格を目指せます。

1年目に4科目合格、2年目に残り3科目合格といった進め方ができるので、働きながらでも合格を目指しやすい試験です。

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3-1-2.中小企業診断士が向いている人

中小企業診断士が向いているのは、次のような人です。

・経営やビジネス全般に興味がある人
・会社の昇進に役立てたい人
・将来独立を考えている人

中小企業診断士は、経営に関する幅広い知識が身につくため、企業内でのキャリアアップを目指す人に最適の資格です。管理職への昇進や経営企画部門への異動に有利になるでしょう。

経験を積んでいけば、独立してコンサルタントとして活動する道も開かれています。

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3-2.賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の管理に関する専門家として、オーナーと入居者の間に立って賃貸経営をサポートする資格です。2021年に国家資格となったばかりの、まだ新しい資格です。

賃貸住宅管理業者には、事務所ごとに1名以上の業務管理者の設置が義務付けられており、賃貸不動産経営管理士はその要件となっています。

宅建士と比べると知名度は低いですが、その分有資格者の数も少ないです。参考までに、令和5年4月時点の有資格者は約8万8千人、宅建士(約118万人)の10分の1以下です。不動産業界での差別化につながりやすい資格ともいえるでしょう。

◉賃貸不動産経営管理士の基本情報

受験資格:なし
合格率:25~30%
必要な勉強時間:100~200時間
合格後のキャリア:不動産管理会社への就職・転職

3-2-1.賃貸不動産経営管理士試験の難易度

賃貸不動産経営管理士試験の合格率は25〜30%です。

現状、宅建士試験よりも簡単と言われていますが、国家資格になってから合格率が年々下がってきています。今後も難化傾向が続く可能性があるので、今が狙い目といわれています。

出題は全てマークシート方式で、賃貸管理に関する法律や実務知識が中心です。

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3-2-2.賃貸不動産経営管理士が向いている人

賃貸不動産経営管理士が向いているのは、次のような人です。

・不動産業界でステップアップしたい人
・宅建士とのダブルライセンスを探している人
・比較的短期間で国家資格を取りたい人

宅建士と並び、不動産業界では必須の資格となりつつあります。

すでに業界で働いている人にとっては資格手当が期待できるほか、宅建士を持っている人にとってもダブルライセンスで専門性を高められます。

国家資格の中では、比較的短期間で取得できるのも魅力です。

3-3.登録販売者

登録販売者は、一般用医薬品(第2類・第3類)の販売ができる専門資格です。ドラッグストアやコンビニエンスストアなど、医薬品を扱う店舗で必要とされています。

薬剤師不足を補う資格として創設され、全国どこでも需要があります。パート・アルバイトでも時給が高く、主婦や定年後の再就職にも人気です。

なお、登録販売者は都道府県が実施する試験なので、厳密には国家資格ではありません。しかし、「国が認めた公的資格」として広く知られています。

◉登録販売者の基本情報

受験資格:なし
合格率:約40~50%
必要な勉強時間:200~400時間
合格後のキャリア:ドラッグストア、薬局への就職

3-3-1.登録販売者試験の難易度

登録販売者試験の合格率は40〜50%、比較的取得しやすい資格に位置づけられます。

ただし、年・地域ごとのばらつきが大きく、合格率が20%台の県もあれば60%近い県もあります。合格のために必要な学習時間は100〜200時間程度が目安です。

医療系資格としては珍しく、学歴・実務要件などの制限がありません。そのため、これまでの学歴や職歴に関わらず、誰でも受験できます。

試験は全てマークシート方式で、医薬品の基礎知識、人体の働き、薬事関係法規などが出題されます。

3-3-2.登録販売者が向いている人

登録販売者が向いているのは、次のような人です。

・パートや再就職で安定収入を得たい人
・サービス業・販売職に就きたい人
・医薬品や健康に関心がある人

登録販売者は、基本的にサービス業・販売職に就くことを前提とした資格です。

仕事柄、お客様とのコミュニケーションや相談対応が多くなるので、人との関わりを楽しめる人に向いています。

3-4.旅行業務取扱管理者

旅行業務取扱管理者は、旅行商品の企画・販売するために必要な国家資格です。

国内旅行のみを扱う「国内旅行業務取扱管理者(国内)」と、海外旅行も扱える「総合旅行業務取扱管理者(総合)」の2種類があります。

旅行会社には、各営業所ごとに有資格者を配置する義務があるため、旅行業界での就職・転職に有利になります。

◉旅行業務取扱管理者の基本情報

受験資格:なし
合格率
・国内:30~40%
・総合:20〜25%
必要な勉強時間
・国内:100〜200時間
・総合:300時間
合格後のキャリア:旅行会社への就職・転職

3-4-1.旅行業務取扱管理者試験の難易度

国内旅行業務取扱管理者の合格率は30~40%で推移しており、国家資格としては易しめです。試験は3科目(旅行業法・約款・国内旅行実務)で構成され、各科目で60点以上が必要です。勉強時間は200時間が目安となります。

一方、総合旅行業務取扱管理者は旅行業界で最も難関とされる国家資格です。合格率は20〜25%とやや難しく、国内の3科目に加えて海外旅行実務も求められます。勉強時間は300時間が目安です。

国内を取得すると、総合の一部科目(「旅行業法」「国内旅行実務」など)が免除になるため、まずは国内から受験する人が多いです。

3-4-2.旅行業務取扱管理者が向いている人

旅行業務取扱管理者は、次のような人に向いています。

・旅行が好きで仕事にしたい人
・観光業界で働きたい人
・地理や文化に興味がある人

旅行会社での勤務はもちろん、ホテルや観光施設でも評価される資格です。インバウンド需要の回復により、特に総合旅行業務取扱管理者の価値が高まっています。

3-5. 3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)

3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)は、お金の基礎知識を体系的に学べる国家資格です。金融・保険・不動産・税金・相続など6分野を幅広くカバーしており、暮らしに密着した実用的な内容が特徴です。

受験者層は幅広く、学生から主婦、定年退職者まで様々です。金融業界への就職を目指す人だけでなく、家計管理や資産形成の知識を身につけたい人にも人気があります。

なお、「FP業務に従事している者、または従事しようとしている者」という受験資格がありますが、年齢・学歴・実務経験などの制限はありません。実質的にはほぼ誰でも受験できます。

◉FP3級の基本情報

受験資格:なし
合格率:約70%
必要な勉強時間:50~100時間
合格後のキャリア:金融業界への就職、2級へのステップアップなど

3-5-1.FP試験の難易度

FP3級は合格率約70%と、国家資格の中でも非常に取得しやすい資格です。初めて資格に挑戦する人でも無理なく合格を目指せます。

試験は学科試験と実技試験の2つがありますが、どちらもマークシート方式です。年3回の受験チャンスがあるため、不合格でもすぐに再挑戦できます。

標準的な学習時間は50〜100時間程度です。働きながらでも1〜2ヶ月あれば合格を目指せるため、忙しい社会人にも人気の国家資格です。

3-5-2.FPが向いている人

FP3級は、次のような人に向いています。

・将来のお金の不安を解消したい人
・銀行や保険会社で働きたい人
・FP2級にステップアップしたい人

金融業界への就職を目指す学生はもちろん、家計管理に悩む主婦、老後資金が心配な会社員など、幅広い層に人気です。2級、1級とステップアップすれば、将来的に独立系FPとして開業する道も開かれています。

4.国家資格は4種類に分けられる

ここまで様々な国家資格を紹介してきましたが、国家資格はその性質によって4つの種類に分類されます。それぞれの資格によって、「資格をとる意味」が異なるので、資格を選ぶ前に違いを理解しておきましょう。

以下にそれぞれの違いをまとめました。

※「業務独占資格かつ設置義務資格」など、複数に当てはまる資格もあります。

分類概要
① 業務独占資格資格がないとその業務をして
はいけない。
無資格で行えば違法となる。
② 名称独占資格資格がなくても業務はできる
が、資格名を名乗ることは禁
止されている。
③ 設置義務資格法律で、有資格者の配置が義
務付けられている。
④ 技能検定
(技能士)
一定の技能レベルを国が認定
する検定制度。
業務や名称の独占性はない。

4-1.業務独占資格

業務独占資格は、国家資格の中でも最も強い法的保護を受けている資格です。無資格者は業務自体ができないので、有資格者であること自体が強力なアドバンテージになります。

就職・独立に直結しやすく、高収入を得られる可能性も高い資格です。

ただし、その分難しい資格が多く、医師や弁護士、公認会計士など、難関資格と呼ばれる資格のほとんどが業務独占資格に該当します。

本記事でおすすめした資格の中では、以下が業務独占資格です。

・司法書士(登記業務など)
・行政書士(官公署への書類作成・提出など)
・宅地建物取引士(重要事項説明など)

4-2.名称独占資格

名称独占資格とは、資格を取得した人だけが、その名称(肩書き)を名乗ることが認められている資格です。資格を持っていない人は、その名称を使えず、無断で名乗ると罰則を受ける場合もあります。

ただし、業務そのものは資格がなくても行えます。たとえば、「社会福祉士」という名称独占資格の場合、無資格者でも相談業務は行えますが、「社会福祉士」と名乗れば違法になります。

本記事でおすすめした資格の中では、以下が名称独占資格です。

・中小企業診断士
・3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)

4-3.設置義務資格

設置義務資格とは、法律で定められた一定の施設・業務・職場において、必ず有資格者の「配置(設置)」が義務付けられている資格です。

「その仕事をするために必要」ではなく、「企業が体制として設置しなければならない」というイメージです。したがって、企業が採用するべき人材としての価値が高く、就職・転職で優遇されやすい資格といえるでしょう。資格手当などが支給されやすいのも、設置義務資格の特徴です。

本記事でおすすめした資格の中では、以下が設置義務資格です。

・宅地建物取引士
・賃貸不動産経営管理士
・旅行業務取扱管理者
・登録販売者

4-4.技能検定(技能士)

「技能検定」とは、働くうえで必要な技能(技術・知識)を、国が公的に認定する制度です。合格すると「〜技能士」という国家資格が付与されます。

技能検定は、業務や名称を独占する資格ではありません。しかし、実務スキルを示す資格として広く認知されており、企業や業界からの評価は非常に高い資格です。

製造業や建設業などの職人系に多く、令和7年2月4日時点で133職種があります。(出典:厚生労働省|技能検定制度について

本記事でおすすめした資格の中では、3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)が技能検定にあたります。

5.資格でキャリアチェンジしたい方におすすめなのは業務独占資格

ここまで多くの国家資格を紹介してきました。どの資格もそれぞれに魅力があり、選ぶのに迷ってしまうかもしれません。

そんなあなたに、一つアドバイスがあります。それは、資格でキャリアチェンジを目指すなら、業務独占資格を狙うことです。

業務独占資格には、登記(司法書士)、許認可申請(行政書士)といった、有資格者しか参入できない業務があります。そのため、資格を取ればその瞬間から「誰もができるわけではない仕事」が生まれます。これが就職・開業で大きな強みとなるのです。

学歴や職歴に自信がなくても、資格さえあれば専門家として認められる、これが業務独占資格の大きなメリットです。

業務独占資格には難易度が高い資格が多いですが、だからこそ価値があります。迷っているなら、まずは業務独占資格へ挑戦してみてください。

6.受験資格のない難関国家資格に挑戦するなら伊藤塾がおすすめ

業務独占資格をはじめとした難関資格に挑戦するなら、当コラムを運営する伊藤塾をおすすめします。伊藤塾は1995年の開塾から約30年にわたり、数多くの法律家を世に送り出してきた法律資格専門の受験指導校です。

司法試験や司法書士試験といった最難関資格において、業界トップクラスの合格実績を誇っています。

・司法試験   :合格者1,592名中1,436名が伊藤塾を利用(占有率90.2%)
・予備試験   :合格者449名中405名が伊藤塾を利用(占有率90.2%)
・司法書士試験 :合格者737名中433名が伊藤塾を利用(占有率59%)

さらに、これらの難関資格で培ったノウハウを他の資格試験にも活かして、宅建士、賃貸不動産経営管理士、社労士、中小企業診断士などでも次々と実績を伸ばしています。

資格によって人生を変えたいという方は、ぜひ伊藤塾の講座をチェックしてみてください。あなたの合格を力強くサポートさせていただきます。

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7.受験資格のない国家資格でキャリアチェンジを目指そう!

本記事では、学歴や実務経験に自信がない方でも挑戦できる、受験資格のない国家資格について詳しく解説しました。

ポイントを以下にまとめます。

◉受験資格なしで取得可能な国家資格は様々な分野で多数存在

◉特におすすめの国家資格TOP3

・行政書士:官公署への書類作成や許認可申請の代理を行う法律系の専門家で、9000種類以上の書類を扱え、独立開業しやすい点が魅力。
・ 宅地建物取引士(宅建士):不動産取引の専門家であり、不動産業界では「従業員5人に1人以上の宅建士を置く」設置義務があるため、求人ニーズが高い。
・司法書士:街の法律家として活躍でき、不動産登記や商業登記、相続手続きなどが主な業務。受験資格なしの国家資格の中では最難関ですが、専門性が高く社会的信用も高い「人生逆転型の資格」。

◉その他のおすすめ国家資格
・中小企業診断士
・賃貸不動産経営管理士
・登録販売者
・旅行業務取扱管理者
・ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)など

◉国家資格の4つの分類
・業務独占資格(資格がないと業務ができない)
・名称独占資格(資格名が名乗れない)
・設置義務資格(有資格者の配置が義務付けられている)
・技能検定(技能士)(一定の技能レベルを国が認定)

◉キャリアチェンジを目指すなら業務独占資格がおすすめ

業務独占資格である行政書士や司法書士、設置義務資格である宅地建物取引士(宅建士)、賃貸不動産経営管理士、名称独占資格である中小企業診断士、ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)資格など、受験資格なしの国家資格に挑戦するなら、圧倒的な合格実績を誇る法律資格専門の受験指導校「伊藤塾」がおすすめです。

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伊藤塾 行政書士試験科

著者:伊藤塾 行政書士試験科

伊藤塾行政書士試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの行政書士試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、行政書士試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。