海事代理士の年収は?実は稼ぎやすい?海事代理士の隠れた魅力を解説

基本情報

2025年09月03日

「海事代理士の平均年収はどのくらい?」
「海事代理士って儲かるの?」

このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「海の法律家」と言われている「海事代理士」ですが、ウェブ上に掲載されている情報は少なく、実態を知る人はあまり多くありません。しかし、グローバル化によって、ここ数年「海事代理士」の注目度は急増しています。

「行政書士」などの資格と組み合わせて、高年収を得る海事代理士も増えており、試験の受験者数も、年々増加しているのです。

本記事では

 ◉ 海事代理士の年収の実態
 ◉ 海事代理士が稼ぎやすい理由
 ◉海事代理士を取得することで大きく年収がアップする人の特徴

について、解説します。海事代理士に興味がある方は、是非ご一読ください。

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1.海事代理士の平均年収は500万?

海事代理士の平均年収は「500万円程度」と言われることが多いですが、公的なデータは存在しません。実際のところは「100万円から1000万円以上」と、人によって大きな差があるのが実情です。

その理由の一つとして、他の士業と兼業で働いている海事代理士が多いことが挙げられます。例えば、行政書士や司法書士が、クライアントからのニーズに応えるために、海事代理士の資格を取得して、売上が急増するケースは珍しくありません。

海事代理士は、士業の中でも特に個人差が大きい職種です。一般的な平均年収を算出するのは困難だといえるでしょう。

とはいえ、海事代理士は常に一定の需要がある仕事です。日本は海に囲まれた島国であり、海上輸送は、国内外の物流を支える重要な役割を担っているからです。「海の法律家」としての高度な専門性を活かして、しっかりとしたスキルと人脈を構築することができれば、高収入を得られる可能性は十分にあります。

2.海事代理士の仕事内容

海事代理士は、「海事法令のスペシャリスト」です。船舶の登録や申請、免許更新に必要な書類を作成し、行政機関への手続きを代行することを主な仕事内容としています。

例えば、新しく船を買った人から依頼を受け、行政機関に船の登録をしたり、定期的な船舶検査の手続きを代行したりすることが、具体例として挙げられます。

また、マリンスポーツを楽しむ人達から依頼を受けて、モーターボートやヨットの免許証の更新手続きを代行することも、海事代理士の仕事です。海事代理士は、船を所有する人や海で働く人と、行政機関との間に立ち、必要な書類を作成して、手続きをスムーズに進めていく役割を担っているのです。

海の安全を守るためには、「どんな人が、どこに、どんな船を持っているか」を行政機関が正確に把握し、船の安全性を確認することが必要不可欠です。そのための手続きの専門家として、海の安全を支えていくことが、海事代理士の役割だといえるでしょう。

※関連動画 「2024年 海事代理士の仕事とは?&講座の活用法」

3.海事代理士は儲かる?年収アップにつながる3つの理由

海事代理士は、実は、一般的に想像されている以上に稼ぎやすい職業です。ここでは、「海事代理士」資格の取得が、年収アップにつながる3つの理由を解説します。

3-1.競合が少なく、独占的に仕事を受注できるから

海事代理士は、全国でも登録者数が「2000人程度」しかいません。さらに、実際に業務を行っている人数は半数以下だとも言われています。士業の中では人数が少ないと言われている司法書士ですら「2万3000人」以上いることを考えると、海事代理士の競合の少なさは桁違いだといえるでしょう。

そのため、1つのジャンルで実績を作ると、比較的容易にそのジャンルでの独占的な地位を築くことができます。新規参入も少ないため、寡占状態になるケースも珍しくありません。特に、港湾の多い地域では、海事代理士の需要が高く、安定した収入を得られる可能性が高くなります。特定の分野で専門性を高めていけば、海事代理士として、大きな収益を上げていくことができるでしょう。

3-2.リピート率が高いから

海事代理士の仕事は、ひとたび軌道に乗ると、安定した経営を続けやすい特徴があります。これは、海事業界の慣習として、一度クライアントと信頼関係が構築されると、その後も長期にわたってリピートされる傾向があるからです。

例えば、船舶の登記や各種検査の手続き、許可申請などは、最初に代理人を務めた海事代理士に対して、2回目以降も継続して依頼が行われます。

船舶に関する手続きは、陸の手続き以上に複雑な場合が多く、海事代理士を変更して手続きが滞ると、莫大な損失に繫がるからです。

もちろん、顧客からの信頼を得るためには、高い専門性とサービス品質の担保が欠かせません。しかしこれらを実現できれば、海事代理士として、安定した経営基盤を築くことができるでしょう。

3-3.弁護士にもできない独占業務があるから

弁護士にできない独占業務を持っていることも、海事代理士の専門性の高さを裏付けている要因の1つです。8士業の中で、弁護士ができない独占業務を持っている士業は、わずか2つしかありません。その1つが海事代理士なのです。

船舶の登記については、弁護士、司法書士も行えます。しかし、その後の船舶国籍証書取得や船舶検査などは、船舶所有者または海事代理士のみが行うことのできる業務とされています。

これらの業務は、海事代理士の独占業務であり、弁護士を含む他の士業が行うことはできません。この独占業務の存在は、海事代理士の需要を支える大きな要因になっています。

4.海事代理士で大きく年収が上がる人の特徴

ここでは、海事代理士の資格取得が特に有利に働く人の特徴を2つ紹介します。

4-1.行政書士・司法書士・社労士などの資格保有者

行政書士、司法書士、社労士などの資格を既に保有している人にとって、海事代理士になることは、年収アップに直結します。海事代理士を取得することで、仕事の幅が広がり、他の士業と大きく差別化できるからです。

例えば、行政書士や司法書士の職務領域でも、実務上「海事代理士」の知識が無いと、スムーズに手続きが進まないケースがあります。

それゆえ、海事代理士は海事関連の企業から高く評価されています。海事代理士であれば、船舶や海運業界に特化した専門家として、企業も安心して業務を任せることができるのです。

海事代理士は「海に関する法律の専門家」であり、「陸の法律家」とは異なる領域の専門知識を持っています。そのため、海に関連する事案を扱う際は、他の士業の職務領域であったとしても、海事代理士の知見が非常に重宝されるのです。既に他の士業の資格を持っている人は、海事代理士の資格を取得することで、より専門性を高め、年収をアップさせることができるでしょう。

4-2.海や船に関わる仕事をしている人

海や船に関わる仕事をしている人も、海事代理士の資格を取得することで、大幅に年収をアップできる可能性が高いです。

例えば、船会社や港湾関連会社、造船所などで働いている人は、船舶や海運業界に精通しているため、海事代理士の業務にも役立つ実務経験や、ネットワークを持っています。

これらの人が海事代理士の資格を取得することで、副業として、海事代理士としての業務も行えるようになります。その結果、収入源を増やし、年収アップにつなげることができるのです。また、独立して海事代理士事務所を開業することも選択肢の一つです。本業で培った知識と人脈を活かして、海事代理士として開業することで、高い収入を目指すことができるでしょう。

5.【Q&A】海事代理士に関するよくある質問

5-1.海事代理士は海の近くでないと働けない?

海事代理士だからといって、必ずしも海の近くで働く必要はありません。

確かに、海事代理士の業務は、船舶や港湾に関連することが多いため、海の近くで働くことが多いのは事実です。しかし、現在ではインターネットの普及により、多くの業務をオンラインで進めることができます。そのため、必ずしも海の近くに事務所を構える必要はなく、都心部などでも十分に仕事をすることができます。

5-2.海事代理士の資格だけでも独立できる?

海事代理士の資格だけで独立し、生活している人もいます。海事代理士の業務は、船舶の登録や登記など、非常に専門性の高い仕事が多いため、実績を積んでいけば、一定の需要は見込めるでしょう。

ただし、海事代理士の仕事だけでは、案件数がそれほど多くないのも事実です。そのため、合格後すぐに開業するようなケースでは、収入面での不安定さは避けられません。

多くの海事代理士は「行政書士」や「司法書士」等とのダブルライセンスを取得して、仕事の幅を広げています。他の資格との相乗効果を発揮させていくことで、安定した収益を見込むことができるでしょう。

6.まとめ

最後に、要点をまとめます。

◉「海事代理士」は、海に関連する法律のスペシャリスト
◉「海事代理士」の年収は個人差が大きいが、中には1000万以上稼ぐ人もいる
◉ 競合が少なく、見かけ以上に稼ぎやすい資格
◉ 海事法令については、弁護士以上の専門性の高さを持っている
◉ 士業資格保有者や、海の仕事に関わっている人は、年収アップに直結する可能性大

「海の司法書士」「海の行政書士」とも言われる「海事代理士」。スケールの大きな巨大船舶に関する仕事から、身近なマリンスポーツに関わる仕事まで、海事代理士の仕事は多岐に渡っています。

日本が海に囲まれている島国である以上、「海事代理士」は、今後も重要な法律資格であり続けるでしょう。

「行政書士」「司法書士」などの仕事と組み合わせて、高い年収を得られる可能性も高く、「海で働きたい」「海に関わる仕事をしたい」という方にとっては、天職になるかもしれません。

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伊藤塾 行政書士試験科

著者:伊藤塾 行政書士試験科

伊藤塾行政書士試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの行政書士試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、行政書士試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。