【賃貸の退去費用のルール】払わなくていいものや居住年数による違いなど詳細解説
不動産の費用・お金
賃貸物件の退去が近づくと気になるのが、退去費用ですよね。
クロス(壁紙)の傷、エアコンの汚れ、水回りのカビ、畳の交換……後からどのような請求がくるのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、退去時に負担すべき費用は、国土交通省のガイドラインではっきりとルールが決められています。しかし、実際にはこのルールから外れた請求をされて、「高額な退去費用を払ってしまった……」というトラブルが後を絶ちません。
国民生活センターによれば、賃貸住宅に関する消費相談のうち約4割が退去費用に関するものだそうです。余計な費用を払わないためには、「どういった項目を、なぜ払わなくてよいのか」、しっかりと理論武装しておく必要があります。
そこでこの記事では、退去費用のうち払わなくていいものの具体例や、住んでいた年数によって負担がどう変わるのかを解説していきます。
法律に詳しくない方でも不当な請求を断れるように分かりやすくまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
【目次】
1. 退去費用に関する基礎的な法律知識
退去費用のうち「払わなくていいもの」を正しく判断するために、まず最低限おさえておくべき知識を確認していきましょう。
1-1. 退去費用とは「賃貸物件の原状回復に要する費用」
そもそも退去費用とは、賃貸物件を退去する際に発生する原状回復費用のことです。通常は敷金から差し引かれ、不足があれば別途請求されます。
原状回復にかかるルールは、国土交通省が策定した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に詳しくまとめられています。このガイドラインは法的な強制力を持ちませんが、裁判でも判断基準として広く参照されているものです。
1-2. 原状回復とは「賃借人が借りたときの状態」に戻すことではない
「原状回復」と聞くと、まるで「入居前の状態に戻すこと」のように感じますよね。しかし、実はそうではありません。
国土交通省のガイドラインでは、原状回復を以下のように定義しています。
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」
つまり、普通に生活していて自然に生じる汚れや劣化(経年変化・通常損耗)については、原状回復の対象ではないのです。こうした経年変化や通常損耗の修繕費用は毎月の家賃に含まれているため、賃借人(借主・借りた人)が退去時に重ねて負担する必要はありません。
2020年まではガイドラインのみで示されていましたが、2020年4月に改正された民法によって法律上も明文化されました。
(賃借人の原状回復義務)
第六百二十一条 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
2. 払わなくていい退去費用の具体例
では、どのような費用が通常損耗の範囲内として「払わなくていい費用」に該当するのか。国土交通省のガイドラインをもとに紹介していきます。
(出典:国土交通省|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版),原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に関する参考資料)
2-1. 冷蔵庫や家具の設置による軽微なへこみ
冷蔵庫やベッド、テレビ台などを置いていた場所にできるへこみや設置跡は、原則として修繕費を払う必要はありません。生活するうえで家具を設置することは避けられず、軽微なへこみ程度なら通常損耗にあたるからです。
なお、家具を引きずってできた深い傷などは、通常の使用を超えた損耗として賃借人の負担になる可能性があります。
2-2. 壁やクロスの変色、軽微な傷、エアコンの設置跡など
日照による壁紙の変色や、テレビ・冷蔵庫の裏にできる黒ずみ(電気ヤケ)の修繕費も、賃借人が負担するものではありません。画鋲やピンの穴などがあったとしても、通常の生活の範囲として賃貸人(貸主・大家さん)負担とされるのが一般的です。
同じように、エアコンを設置した際にできる壁のビス穴も、通常の生活に必要な設備の設置跡として、賃借人の負担にはなりません。
なお、タバコのヤニによる変色や臭い、ペットによる傷、子どもの落書きなどは通常の使用を超えた損耗にあたり、賃借人の負担となるので注意してください。
2-3. エアコンのクリーニング・内部洗浄
エアコンクリーニングも、原則として賃貸人が負担すべき費用です。
ただし、物件によっては契約書で、「退去時のエアコンクリーニング費用は賃借人の負担とする」といった特約が設けられているケースがあります。
この場合は特約に従うことが必要です。契約時に原状回復に関する条項を確認しておきましょう。
2-4. 水回り(浴槽・トイレなど)のカビ
浴室やトイレなどの水回りのカビも、日常的に清掃や換気を行っていれば、賃借人が負担する必要はありません。
もっとも、カビの発生を知りながら放置して被害を拡大させた場合は、手入れを怠ったことによる損耗の拡大として賃借人の負担になることもあるので注意しましょう。
2-5. 畳や網戸の張替え
日照による畳の変色や、網戸などの経年劣化も、賃貸人負担が原則です。
特約で定められていない限り、退去時に畳を新しいものに張り替えたり、網戸を交換したりする費用を賃借人が負担する必要はありません。
2-6. 家電・設備などの自然故障
備え付けのエアコンや給湯器、家電付き物件の家電などが故障した場合も、原則として賃借人が修理・交換費用を負担する必要はありません。経年劣化によって設備が故障するのは自然なことであり、その費用は賃貸人が負担すべきものだからです。
こうした設備が契約期間中に故障した場合も、原則として無償で交換・修理してもらえます。
3. 退去費用を払わなくていい年数の目安
「○年住めば、必ず退去費用がゼロになる」という年数はありません。ただし、一般的には住んでいた期間が長くなるほど退去費用は安くなります。
これは、多くの設備・内装には「耐用年数」が設定されているからです。
たとえば、クロス(壁紙)の耐用年数は6年です。入居時に新品だったクロスを3年後の退去時に汚損した場合、クロスの残存価値は50%。6年を超えると設備としての価値がほぼなくなるため、賃借人の負担はほぼゼロになります。多くの設備では、年数が経過するほど価値が下がるため、結果として賃借人の負担も小さくなるという仕組みです。
こうした経過年数の考え方を知っておくだけでも、退去時に提示された請求額が妥当かどうかを自分で判断する材料になるでしょう。
以下に、賃貸物件によくある設備・内装の耐用年数、つまり賃借人の負担がほぼゼロになるまでの目安年数をまとめたので参考にしてみてください。
| 設備等 | 耐用年数 |
| 畳床 | 6年 |
| クッションフロア | 6年 |
| クロス | 6年 |
| 流し台 | 5年 |
| 冷暖房機器 | 6年 |
| インターホン | 6年 |
| ガス機器 | 6年 |
| たんす、戸棚など | 8年 |
| 金属製器具 | 15年 |
| 便器 | 15年 |
| 洗面台 | 15年 |
| ユニットバス・下駄箱 | 19年〜47年 ※建物の耐用年数に準拠 |
出典:国土交通省|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版),原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に関する参考資料
4. ガイドラインより優先?「原状回復特約」が有効になる条件
ここまでの解説で、通常損耗(自然な劣化)の修繕費用は「賃貸人(大家さん)負担」が原則であることをお伝えしました。しかし、実際の賃貸借契約書には「退去時のハウスクリーニング費用は賃借人負担とする」といった特約が記載されていることが珍しくありません。
「特約があれば、ガイドラインの原則は無視されてしまうのか?」という疑問に対し、法律上の線引きを解説します。
4-1.「特約」は原則として有効だが、限界がある
民法には「契約自由の原則」があり、賃貸人と賃借人が合意していれば、ガイドラインとは異なるルール(特約)を定めることが可能です。しかし、賃借人が圧倒的に不利になるような不当な特約から消費者を守るため、裁判例(最高裁)では特約が有効になるための「3つの厳格な要件」を示しています。
1. 特約の必要性があること
その特約を設ける客観的・合理的な理由があること。
2. 内容が具体的であること
賃借人が負担する範囲や金額が契約書に明記されていること。(例:「一律〇万円」や「具体的な清掃箇所」の指定)
3. 賃借人が明確に認識し、合意していること
「本来は負担しなくていい通常損耗分を、自分が負担するのだ」ということを賃借人が理解し、納得して署名捺印していること。
つまり、「補修費用はすべて賃借人が負担する」といった曖昧で範囲の広すぎる特約は、無効とされる可能性が高いのです。
4-2. 消費者契約法によるチェック
賃借人が個人の場合、さらに「消費者契約法」という法律が適用されます。この法律の第10条では、「消費者の利益を一方的に害する条項は無効」と定められています。
そのため、たとえ契約書に記載があっても、相場を大きく逸脱した高額なクリーニング代や、次の入居者のためのリフォーム費用までを当然に負担させるような特約は、信義則に反するものとして否定される傾向にあります。
4-3. 特約の有効性は「書面」がカギ
通常損耗を賃借人負担とする特約は、単なる口頭の合意ではなく、「書面等で明確に合意されていること」が有効性の判断基準となります。なんとなく聞き流してしまいがちな契約時の重要事項説明の際にこの特約の内容を正確に確認することが、後のトラブル防止の大きな分かれ目となります。
5. 賃貸トラブルの約4割が「退去費用」に関するもの
ここまで解説してきたとおり、通常損耗や経年変化にあたる退去費用は、本来賃借人が負担する必要はありません。しかし、こうしたルールが十分に知られていないこともあり、退去費用をめぐるトラブルは後を絶ちません。
国民生活センターによれば、賃貸住宅に関する消費相談のうち、約4割が退去時の原状回復に関するものだそうです。
(出典:国民生活センター「住み始める時から、「いつか出ていく時」に備えておこう!-賃貸住宅の「原状回復」トラブルにご注意-」)
5-1. 実際に発生しているトラブル事例
実際に、国民生活センターには以下のような相談が寄せられています。
● 6年半居住した賃貸マンションを退去した。原状回復費用として、クロスの張替えなどの見積書が届いたが、高額で納得できない。
● 賃貸アパートの退去時、ペットが傷をつけたと言われ、クロスの張替え費用を請求された。傷の写真を見たが、ペットが付けた傷かはわからず納得できない。
● 賃貸マンションの入居時にルームクリーニング代を支払った際、「退去時のルームクリーニング代は不要」と言われたにもかかわらず、退去時に請求され納得できない。
● 賃貸アパートを退去後、原状回復費用の清算書が届いた。入居時から傷ついていた床等の原状回復も求められ納得いかない。
引用:国民生活センター「賃貸住宅の原状回復トラブル」
いずれも、1〜3章で紹介した基本的なルールを知っていれば「おかしい」と気づけるケースです。しかし実際には、知識がないまま請求額を受け入れてしまう人が少なくありません。
5-2. 余計な費用を支払わないためには法律の知識が必要
こうしたトラブルで余計な費用を支払わないためには、法律の知識を身につけておくことが必要です。
そもそも、不動産に関わるトラブルは退去費用に限った話ではありません。入居時の契約、毎年の更新、家賃の値上げ、敷金の返還など、賃貸生活のありとあらゆる場面で法律の知識が問われます。
実際、東京都では、家賃の値上げに関する相談件数が2年間で3倍以上に増加するなど、賃貸住宅を巡るトラブルが急増しているそうです。
➤ こちらで詳しく解説しています。

(出典:東京都「不動産取引に関する相談及び宅地建物取引業者指導等の概要」)
将来、マイホームを購入したり、不動産を相続したりといった場面に直面すれば、動く金額はさらに大きくなるでしょう。
しかし、こうした知識を体系的に学ぶ機会はほとんどありません。今回の退去費用のように、本来払う必要のない費用を、知識がないばかりに支払ってしまうケースは決して珍しくないのです。自分のお金を守るには、自分自身が法律の知識を持っておくしかありません。
6. 人生で損しないための知識を学べるのが宅建士資格
こうした、不動産に関わる法律知識を体系的に学べるのが宅建士です。
不動産業界で働くための資格だと思われがちですが、実は人生で役立つ実用的な知識の宝庫ともいえる資格です。業界を問わず、年間20万人以上が受験する人気の国家資格となっています。
6-1. 宅建士試験で勉強するのは実際に役立つ知識ばかり
宅建士試験の出題範囲には、この記事で取り上げたような原状回復ルールだけでなく、借地借家法、建築基準法、都市計画法など、不動産に関わる法律が幅広く含まれています。
こうした知識が身につくと、以下のような場面で自分自身で適切な判断・対処ができるようになります。
● 請求された退去費用が本当に払うべきものかを見極め、余計な出費を防げる
● 家賃の値上げを求められたときに、根拠をもって交渉できる
● 賃貸契約の更新時に、不利な条件が含まれていないかを自分でチェックできる
● マイホームの購入で、契約書や重要事項説明書の内容を理解し、納得したうえで判断できる
● 不動産を相続したとき、必要な手続きや注意点を把握したうえで対応できる
宅建士試験の勉強で身につく知識は、人生のさまざまな場面で実際に役立つものばかりです。
6-2. 就職や転職にも有利!年間30万以上の収入アップにつながることも
宅建士の知識は実生活で役立つだけでなく、就職や転職の場面でも強みになります。
宅建業法では、不動産会社の事務所ごとに従業員5人に1人以上の割合で宅建士を配置することが義務づけられています。この設置義務があるため、宅建士の需要は高く、「宅建有資格者歓迎」「資格手当あり」とされている求人も多いです。
資格手当の相場は月1〜3万円程度。年間にすると12〜36万円の収入増になります。
不動産業界に限らず、金融機関や建設会社など、不動産に関わる取引がある業界でも宅建士の資格は評価されています。
人生で損をしないための法律知識が身につくだけではなく、キャリアアップにも直結するのが宅建士資格の魅力です。
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7. 宅建士試験を目指すなら伊藤塾
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7-1. 現役宅建士による楽しい講義で、実際に使える知識が身につく
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8. 賃貸物件の退去費用に関するよくある質問
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タバコのヤニ汚れがある場合、耐用年数の「6年」を過ぎていれば負担はゼロになりますか?
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壁紙(クロス)自体の価値は1円(ほぼゼロ)になりますが、全額免除とはいかないケースがあります。タバコは「通常の使用を超える汚損」とみなされるため、クロスの貼り替え費用は抑えられても、別途「消臭費用」や「特殊清掃代」を請求される可能性があるためです。耐用年数はあくまで「モノの価値」に対する考え方であり、不適切な使用による損害すべてを免除するものではない点に注意しましょう。
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契約書に「退去時クリーニング代:一律5万円」という特約がありました。ガイドラインでは賃貸人負担のはずですが、支払いは拒否できますか?
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原則として、契約時に合意した「特約」は有効です。特に金額が具体的に明記されており、その内容が社会通念上不当(暴利)でなければ、ガイドラインの原則よりも特約が優先されます。宅建士が契約前に行う「重要事項説明」でも非常に重要なポイントになる項目ですので、入居時の契約内容を確認することが最大の防御になります。
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壁の一部分だけを傷つけてしまいました。部屋全体のクロスを張り替える費用を請求された場合、従わなくてはいけませんか?
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いいえ、原則として「汚損した箇所を含む最低単位(平米単位や壁一面単位)」の負担で足ります。他の壁との色を合わせるために部屋全体を張り替える場合の費用は、賃貸人が負担すべきものとされています。過剰な範囲の請求には、ガイドラインを根拠に交渉の余地があります。
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居住用マンションではなく、店舗や事務所として借りている場合も「6年で負担が減る」ルールは適用されますか?
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一般的に、事業用物件にはこのルールは適用されません。事業用契約では「100%入居時の状態に戻す(スケルトン戻し等)」という特約が結ばれることが多く、通常損耗(自然な劣化)という概念が認められないのが通例です。住居用と事業用で適用される法律や慣習が異なる点は、宅建試験でも頻出の重要論点です。
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入居時からあった傷の修繕を求められています。証拠(写真)がない場合、どうすればいいでしょうか?
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証拠がない場合は交渉が難しくなりますが、入居時に不動産会社と交わした「入居時チェックリスト」がないか再確認しましょう。もし無い場合でも、スマホの古い写真の背景に傷が写っていないか探す、あるいは「入居時期と傷の古さが一致すること」を主張する形になります。こうしたトラブルを防ぐための「書面での証拠残し」の重要性は、実務でも試験勉強でも強調される基本です。
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鍵の交換費用を請求されています。これも「払わなくていい費用」に含まれますか?
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ガイドライン上は「次の入居者を確保するための行為」として賃貸人負担が妥当とされています。しかし、実際には「賃借人負担」とする特約が結ばれているケースが非常に多いのが実情です。契約書にその旨の記載があるかどうかで、支払いの義務が決まります。
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台風で窓ガラスが割れてしまいました。これは入居者の負担になりますか?
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台風などの不可抗力(賃借人の責任ではない事由)による損傷は、入居者が負担する必要はありません。むしろ、大家さん(賃貸人)には「物件を適切に使用させる状態に保つ義務(修繕義務)」があるため、速やかに報告して直してもらうことができます。
9.【まとめ】退去時に払わなくていい費用など退去費用のルール
本記事では、退去時に払わなくていい費用など退去費用のルールについて詳しく解説しました。
以下にポイントをまとめます。
- 退去費用(原状回復費用)において、普通に生活していて自然に生じる汚れや劣化(経年変化・通常損耗)の修繕費は、賃借人が負担する必要はありません。
- 冷蔵庫などの家具による軽微なへこみ、日照による壁紙の変色、画鋲の穴、設備の自然故障などは、原則として払わなくていい退去費用(賃貸人負担)に該当します。
- クロス(壁紙)などの設備には「耐用年数」が設定されており(クロスは6年など)、長く住めば住むほど設備の価値が下がるため、賃借人の負担割合も小さくなります。
- 上記の原則よりも「特約」が優先されますが、有効となるには内容の具体性や賃借人の明確な合意が必要です。
- 賃貸住宅に関するトラブルの約4割が退去費用に関するものであり、不当な請求から自分のお金を守るためには、法律の知識を身につけておくことが不可欠です。
- 退去費用をはじめとする不動産の実用的な法律知識を体系的に学べるのが「宅建士」資格であり、実生活で役立つだけでなく就職や転職の武器にもなります。
本記事で解説した通り、トラブルを防ぐためには、ガイドラインという原則を知った上で、契約書の特約を細部まで確認することが大切です。
退去費用でのトラブル回避や、将来のマイホーム購入、不動産相続など、人生のさまざまな場面で「損をしないための知識」は宅建士の学習によってを身につけることができます。
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