行政書士×海事代理士で売上倍増?難易度・ダブルライセンスの魅力など解説
キャリア
行政書士と海事代理士は、どちらも行政手続きを代理する国家資格ですが、その立ち位置は真逆です。行政書士は業務範囲がトップクラスに広いオールマイティな資格、海事代理士は海の分野に特化した超ニッチな専門資格です。
立ち位置が真逆だからこそ、この2つの資格をかけ合わせると大きな武器になります。
当コラムを運営する伊藤塾の井内講師は、ダブルライセンスがきっかけで、1件の依頼で100万円近い売上の案件を受注したこともあるそうです。
この記事では、そんな行政書士と海事代理士それぞれの仕事内容・試験難易度の比較から、ダブルライセンスの具体的なメリットまで解説します。
すでに行政書士として活躍中の方は、「3. 行政書士から海事代理士のダブルライセンスをとるメリット」から読み進めてください。
【目次】
1. 行政書士・海事代理士の仕事内容
行政書士と海事代理士は、どちらも行政機関への手続きを代理する国家資格ですが、その立ち位置は真逆です。行政書士は士業のなかでもトップクラスに業務範囲が広い資格ですが、海事代理士は超ニッチな専門資格です。
1-1. 行政書士の仕事内容
行政書士は、官公署に提出する許認可申請書類の作成・提出代理を中心に、士業のなかでも特に幅広い業務を扱っています。
《主な業務》
● (許認可申請)建設業許可、宅建業許可、飲食店営業許可など
● (外国人関連)在留資格(ビザ)申請、帰化申請
● (法人設立)会社設立、各種届出・変更届
● (権利義務に関する書類作成)遺産分割協議書、各種契約書など
扱える書類の数は9,000種類を超えるともいわれており、業種を問わずさまざまな法人や個人から依頼を受けられます。
「行政書士=この仕事」という決まった代名詞があるわけではなく、許認可に強い人、外国人業務に強い人など、人によって専門としている領域が異なります。
1-2. 海事代理士の仕事内容
海事代理士は、「海の行政書士」「海の司法書士」「海の社労士」とも呼ばれています。海の分野における他士業の仕事をまとめて担っているようなイメージの国家資格です。
《主な業務》
● (司法書士的な業務)船舶の登記・登録
● (行政書士的な業務)海技免状の申請・更新、船舶検査の申請、内航海運業の登録、港湾運送事業の許認可
● (社労士的な業務)船員の雇用・労務に関する手続き など
知名度は低いですが、その分、資格者の数も限られています。行政書士のように多くの同業者と競合することが少ないため、価格競争に巻き込まれにくいという経営面のメリットもあります。
2. 行政書士試験・海事代理士試験の難易度の比較
行政書士と海事代理士の「どちらが難しいか」は、単純に比較できません。
行政書士は合格率の低さ、海事代理士は馴染みのない海事法令が多数出題されるなど、それぞれ別の難しさがあります。
2-1. 合格率
| 行政書士 | 海事代理士 | |
| 合格率 | 10〜15%程度 | 50%前後 (筆記50%前後・ 口述60〜97%) |
行政書士試験の合格率は、ここ数年10〜15%程度で推移しています。10人中1〜2人しか受からない狭き門であり、いわゆる難関資格の一つです。
一方、海事代理士試験の合格率は50%前後ありますが、受験者の多くがすでに法律系の資格を持っている人です。元船員など海事の実務経験者も多く、受験者のレベル自体がそもそも高めです。行政書士とのダブルライセンスで合格したような人に聞いても「合格率以上に難しく感じた」と話す人が多く、合格率の数字ほど簡単な試験ではありません。
2-2. 試験科目
| 行政書士 | 海事代理士 | |
| 科目数 | 6科目 | 20科目 |
| 主な出題分野 | 憲法・行政法・民法・商法 ・基礎法学・一般知識等 | 憲法・民法・船舶法・船舶 安全法・船員法・海上運送 法など |
行政書士試験で出題される法令等科目は、憲法・行政法・民法など、法律を学ぶうえで基本となる科目が中心です。
一方、海事代理士試験は船舶法・船舶安全法・船員法・海上運送法など、馴染みのない海事法令が中心となります。全20科目と科目数が多く、法律の学習経験者でも戸惑いを感じることが多い試験です。
2-3. 合格に必要な勉強時間
| 行政書士 | 海事代理士 | |
| 勉強時間 | 800〜1,000時間 | 300〜600時間 |
行政書士試験の合格に必要な勉強時間は、800〜1,000時間が目安とされています。1日2〜3時間の学習で1〜2年かかる計算です。
一方、海事代理士試験は300〜600時間が目安とされています。
ただし、どちらの試験にも共通しているのは、勉強時間の長さよりも「正しい方法で勉強できるかどうか」が合否を分けるということです。誤った方法では、いくら時間をかけても合格できませんが、正しい方法で勉強すれば、平均よりはるかに短い期間で合格することもできます。
3. 行政書士から海事代理士のダブルライセンスをとるメリット
行政書士と海事代理士は、片方だけでも十分に活用できる資格ですが、ダブルライセンスの相性も抜群です。
3-1. 他の事務所との差別化につながり、報酬が高くなる
ダブルライセンスの最大のメリットは、行政書士だけでは踏み込めない海事分野を自分の専門領域にできることです。「海と陸の両方をカバーできる事務所」は、それだけで他にはない強みになります。
一例ですが、当コラムを運営する伊藤塾の井内講師(行政書士・海事代理士ダブルライセンス取得者)も、産業廃棄物処理の許認可(行政書士業務)を受けたことがきっかけで、船舶運送に関する手続き(海事代理士業務)の依頼につながり、それだけで100万円近い売上になったことがあるそうです。
行政書士と海事代理士、2つの専門性を持っている人は少ないため、報酬も自然と高くなります。
3-2. ワンストップ対応によって、顧客からの信頼獲得につながる
海事代理士の業務だけではカバーしきれない手続きを、行政書士の業務として一括で対応できるのもダブルライセンスの魅力です。
たとえば、船の売買では、船舶の所有権移転登記(海事代理士の業務)に加えて、無線局の名義変更手続き(行政書士の業務)が必要になるケースがあります。海事代理士の資格だけでは無線局の手続きを受任できませんが、行政書士の資格があればワンストップで対応できます。
依頼者からすれば、別々の専門家に依頼する手間がなくなるため、「この人に頼めば全部やってもらえる」という信頼につながります。
3-3. 試験対策上もアドバンテージが大きく、短期間で合格を目指せる
行政書士の学習経験がある人にとっては、試験対策上のアドバンテージも大きいです。
行政書士試験で学んだ憲法・民法は海事代理士試験でも共通科目として出題されますし、行政法の知識(許可・特許・認可の区別など)も海事法令の理解に直接役立つからです。
初めて触れる海事法令であっても、条文の読み方や過去問の解き方など、法律学習のロジック自体は共通しています。行政書士試験を乗り越えた経験があれば、ゼロから法律を学ぶ人よりもはるかに短い時間で合格を狙えるでしょう。
4. 行政書士・海事代理士を目指すなら伊藤塾がおすすめ
ここまで読んで「行政書士を取りたい」「海事代理士にも挑戦してみよう」と思った方は、ぜひ当コラムを運営する伊藤塾の講座を検討してみてください。
伊藤塾は1995年の開塾から約30年にわたり、数多くの法律家を世に送り出してきた法律資格専門の受験指導校です。司法試験や司法書士試験といった最難関資格において、業界トップクラスの合格実績を誇っています。
- 司法試験:合格者1,592名中1,436名が伊藤塾を利用(占有率90.2%)
- 予備試験:合格者449名中405名が伊藤塾を利用(占有率90.2%)
- 司法書士試験:合格者737名中433名が伊藤塾を利用(占有率58.8%)
さらに、これらの難関資格で培ったノウハウを活かして、行政書士試験や海事代理士試験などの講座も開講しており、行政書士試験では累計6,000名以上の合格者を輩出しています。
市販の教材がほとんどなく、対策が難しいと言われている海事代理士試験についても、受験指導校としてはいち早く本格的な合格講座を開講し、多くの合格者を輩出しています。
行政書士試験の合格を目指す方も、ダブルライセンスで海事代理士を目指す方も、伊藤塾が合格まで力強くサポートします。
合格者の声
海事代理士試験 合格者 鈴木 裕満 さん
行政書士業務と関連して海での仕事もしたく受験しました。伊藤塾の講座の教材だけで間違いなく合格点まで持っていけます。さらにアウトプット講義と模試で十分な演習も行うことができました。
独学での習得を目指したこともありますが雲をつかむような感じで、何をしたらいいかわからず早々に断念しました。このような難解な試験を体系的に学習できる機会は大変貴重なものと思います。
5. 行政書士と海事代理士に関するよくある質問
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行政書士と海事代理士が統合されるという噂は本当ですか?
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いいえ。業務の一部が重なることから出ている噂ですが、資格制度の統合には法改正が必要です。具体的な議論が進んでいる事実もありません。
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海の近くに住んでいなくても海事代理士の仕事はできますか?
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はい。船員法関連の手続きや内航海運業の登録などは場所を問わず対応可能です。電子申請も増えており、立地によるハンデは以前より小さくなっています。
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行政書士と海事代理士はどちらがおすすめですか?
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人によって異なります。どちらか一方だけなら、業務範囲が広い行政書士の方が活用の幅は広いです。ただし、海が好きだったり、海に関わる仕事がしたいという人は、海事代理士の方が向いているケースもあります。合格後に自分がどうなりたいかを考えたうえで選びましょう。
もし迷われているなら、ぜひ伊藤塾までお気軽にご相談ください。

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ダブルライセンスを目指す場合、どちらの試験から先に受けるのが効率的ですか?
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基本的には「行政書士試験」から先に、あるいは並行して学習することをおすすめします。
理由は、行政書士試験で学ぶ「憲法・民法・行政法」という法律の基礎体力が、海事代理士試験(筆記)の共通科目と重なっているためです。
海事代理士試験の独自科目である「船舶法」や「船員法」などは非常に専門的ですが、土台となる行政法の考え方が身についていれば理解が格段に早まります。11月の行政書士試験を目指して基礎を固めつつ、9月の海事代理士試験で法律学習の成果を試す、といったスケジュールを組むと、1年で効率よくダブル合格を狙うことが可能です。
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海事代理士の資格取得後、どのように仕事を見つければよいですか?
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既存の行政書士業務の顧客リストからアプローチするのが最も効率的です。
海事代理士の業務は「海」に関わるものですが、実は陸上の建設業者や運送業者が、資材運搬のために船舶を所有していたり、レジャー用のボートを持っていたりするケースは少なくありません。
まずは、すでに信頼関係のあるクライアントに「海事手続きも対応可能になった」と案内を送るだけで、思わぬ相談が舞い込むことがあります。また、地元のマリーナや漁業協同組合、造船所などは海事代理士の希少性が高いため、行政書士としての専門性と掛け合わせて営業を行うことで、独自のポジションを築きやすくなります。
6. 【まとめ】行政書士×海事代理士の難易度とダブルライセンスの魅力
本記事では、行政書士と海事代理士それぞれの特徴や試験の難易度、そしてダブルライセンスを取得するメリットについて解説しました。
以下にポイントをまとめます。
- 「広範な行政書士」と「特化型の海事代理士」
行政書士は業務範囲が非常に広くオールマイティな資格ですが、海事代理士は海の分野に特化したニッチな専門資格という違いがあります。
- 試験の難易度と特性
行政書士は合格率10〜15%程度の難関試験です。一方、海事代理士は合格率が50%前後と高めに見えますが、法律資格の保有者などレベルの高い受験者が多いため、数字ほど簡単な試験ではありません。
- ダブルライセンスによる差別化と報酬アップ
両方の資格を持つことで「陸と海」の手続きをワンストップで対応できる希少な存在となり、競合との差別化や報酬単価の向上が期待できます。
- 学習経験を活かした短期合格
行政書士試験で学んだ憲法・民法などの知識は海事代理士試験でも活かせるため、初学者よりも有利に学習を進められ、短期間での合格が可能です。
行政書士×海事代理士の確実な合格を目指すなら、ぜひ伊藤塾にお任せください
伊藤塾は、司法試験をはじめとする難関法律資格で圧倒的な実績を持つ受験指導校です。
行政書士試験はもちろん、学習教材の少ない海事代理士試験においても本格的な講座を開講しており、質の高い教材と講義で多くの合格者を送り出しています。
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