行政書士試験に働きながら合格は無理?合格者が実践した秘訣とは?

勉強法

働きながら行政書士試験に合格することは無理なのでしょうか?

「仕事が忙しくて、勉強時間が取れない」
「仕事、家事、育児とトリプルでこなすのは無理」

こういった状況で、行政書士試験を諦めかけている人もいるでしょう。
しかし、働きながら合格することは決して不可能ではありません。

そもそも、行政書士試験の受験生の大半は社会人です。仕事や家事に追われながら、見事合格を勝ち取っている人が少なくありません。

大切なのは、限られた時間を有効活用し、効率的に学習を進めていくことです。平日は1〜2時間の勉強でも十分です。スキマ時間を活用したり、朝型生活を実践したりと、工夫次第で忙しくても時間を確保できるでしょう。

本記事では、働きながら行政書士試験に合格する方法を、具体的に解説します。

◉この記事を読んで分かること
 ・働きながら合格するための秘訣
 ・勉強時間を確保する方法
 ・働きながら合格した人の実例

行政書士試験を目指している方は、是非ご一読ください。

1. 行政書士試験は働きながら合格できる

実は、行政書士試験に合格する人の大半は、働きながら勉強しています。

仕事内容や職種、勤務時間は人それぞれ異なりますが、十分な勉強時間が確保できたと話す人はほとんどいないのが実情です。

・残業続きの中で、朝1時間だけ早起きして勉強にあてた人
・仕事が忙しくても、通勤時間・お昼休みなどを使って勉強した人
・仕事、家事、育児を同時にこなしながら、スキマ時間を活用した

行政書士試験に「働きながら合格する」というのは、決して特別なことではありません。

むしろ思いどおりに時間を使えない中で、様々な工夫を凝らして合格した人が大多数を占めています。限られた時間でも、やる気と工夫次第で誰でも合格できるのが、行政書士試験の大きな特徴です。

1-1. 受験生の大半は働きながら勉強している

そもそも、行政書士試験の受験生は、そのほとんどが社会人です。

2025年度(令和7年度)の受験者データを見ると、受験者のうち最も多い年代は「50代」で、約4分の1を占めています。さらに、受験者の約70%は「30代から50代」の年齢層に集中しています。

つまり、多くの受験生が働きながら、なんとかして勉強時間を捻出しているのです。確かに、仕事をしながらの受験勉強は簡単ではありません。しかし、決して特別なことでもないのです。

・通勤時間を利用して勉強する
・早朝や終業後の時間帯を活用する
・休日にまとめて勉強する

このように、自分に合ったスタイルを見つければ、働きながらでも十分に合格できます。
(出典:令和7年度試験結果分析資料(受験者)|(一財)行政書士試験受験センター

1-2. 平日の勉強時間は1〜2時間で十分

働きながら勉強をする場合、もっとも不安に感じるのが、1日に必要な勉強時間でしょう。実際のところ、平日の勉強時間は「1日2時間」も取れれば十分だと言われています。

仮にこれ以上の勉強を計画しても、急な残業、出張、取引先とのトラブルなどで、十分な時間が確保できない日が必ず出てきます。

最初から無理なスケジュールを立てるべきではありません。

伊藤塾の合格者から話を聞いても、「1日1時間〜1時間半程度しか勉強できなかった」というケースが大半を占めています。大切なのは、とにかく長い時間勉強することではなく、短い時間でも集中して効率的に学習することです。

限られた時間でも、メリハリをつけた学習計画を立てることができれば、必ず合格への道は開けるはずです。

2. 働きながら行政書士試験に一発合格する秘訣

働きながら行政書士試験に合格するためには、いくつかの重要なポイントがあります。
ここでは、その中でも特に押さえておきたい3つのポイントを解説します。

・正答率50%以上の問題を取りこぼさないこと
・インプットとアウトプットは並行して進めること
・下手なプライドは捨てること

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1. 正答率50%以上の問題を取りこぼさない

行政書士試験では、難易度の高い問題が数多く出題されます。しかし、実はこれらの難問をマスターする必要はありません。

正答率50%以上の基本的な問題に確実に正答するだけでも、十分に合格できるからです。
実際にデータで確認してみましょう。

正答率50%以上の問題でどのくらい得点できるのか?

出典:働きながら行政書士試験に短期合格するコツ!~試験制度・試験傾向分析から見た合格戦略~|伊藤塾 行政書士試験

これは正答率50%以上の問題に正答するだけで、何点取れるかを計算したデータです。択一式のみのデータですが、ほとんどの年で「180点(合格点)」近くまで達していることが分かります。

実際には、これに記述式の点数(60点満点)が加算されるため、全ての年で合格水準に達していると言えるでしょう。

限られた時間での合格を目指すなら、難しい問題にこだわる必要はありません。代わりに、基本的な問題を確実に得点することを目指しましょう。正答率50%以上の問題を取りこぼさないことこそが、合格への近道となるはずです。

2-2. インプットとアウトプットは同時並行で進める

限られた時間で効率的に学習するには、インプットとアウトプットを同時並行で進めることが不可欠です。1つの分野を学習したら、すぐに過去問に取り組むことを徹底しましょう。

【良い例】
◯ 1つの分野が終わったら、すぐに過去問に取り掛かる
◯ すぐに解けなくても、出題のポイントが分かれば良いと割り切って進めていく
◯ テキストと過去問を何度も往復しながら勉強している

【悪い例】
✕ 民法全体を勉強してから、過去問に取り掛かる
✕ 民法、行政法、憲法とインプットだけ終わらせて、直前に過去問に取り組む
✕ 過去問が解けないからといって、インプットばかりしてしまう

民法や行政法全体のインプットが終わってから過去問に取り組むのではなく、各分野が終わったタイミングで、すぐに過去問を解いてみることが大切です。

正解が分からなくても、出題のポイントを押さえながら進めていけば問題ありません。

1,テキストでインプットをする
2.過去問で、出題のポイントを確認してみる(問われ方や頻出度など)
3.解きながら、分からない点はテキストに戻って確認する
4.過去問で漏れている分野は、テキストで補っていく

こういった往復作業を繰り返していけば、勉強の効率は格段にアップします。
インプットとアウトプット、どちらかに偏ることなく、バランスよく勉強していきましょう。

2-3. 下手なプライドは捨てる

下手なプライドを捨てることも、合格に必要なポイントです。

人によっては、社会人としての経験やプライドから、「解けない」「分からない」と素直に認めることができず、何年も不合格になるケースがあるからです。

もちろん、プライドを持つこと自体は悪いことではありません。しかし、行政書士試験に合格するには、今まで学んだことがない内容を「理解」することに注力しなければなりません。

間違った問題は、「なぜ不正解なのか」「どのように考えるべきなのか」を徹底的に追求する必要があります。そのためには、「分からない」ことは「分からない」とはっきり認め、「できる・できない」の判断を甘くしないことが重要なのです。

実際には理解できていないのに「分かったこと」にして、目を背けてはなりません。模試の成績が悪かった場合は、それを隠さずに、素直に相談することも必要でしょう。

間違いを恐れず、積極的に弱点と向き合うことが、合格への一歩につながるはずです。社会人としてのプライドに捉われず、謙虚な姿勢で学習に取り組んでいきましょう。

3. 合格者はどうしてた?働きながら勉強時間を確保する方法

では、具体的にはどのように勉強時間を捻出していけばよいのでしょうか。ここでは、働きながら行政書士試験に合格した方々の実践例をもとに、勉強時間を確保する方法を紹介します。

・スキマ時間を活用する
・朝1時間だけ早起きする
・1日5分でも勉強する習慣を付ける

それぞれ見ていきましょう。

3-1. スキマ時間を活用する

働きながら行政書士試験に合格するには、スキマ時間を活用することが欠かせません。
毎日忙しい…時間が無い…と思っていても、1日の中には意外とスキマ時間が潜んでいるものです。

・電車での通勤時間
・会社のお昼休み
・家事や育児の合間
・トイレに入っている時間 など

このようなスキマ時間の活用で意識したいのが、時間の長さによる使い分けです。

一口に「スキマ時間」といっても、実は2つに分けられます。「20〜30分以上の時間があるスキマ時間(通勤中、お昼休みなど)」と「本当の意味でのスキマ時間(短めの時間)」です。

この「スキマ時間の使い分け」は、是非意識して欲しいポイントです。例えば、次のようなイメージです。

◉長めのスキマ時間の活用例

・乗り換えのない長時間の通勤電車(座れる場合)
・会社のお昼休み など
→ 比較的集中しやすいため、テキストを読んだり、講義を見たりしてインプットする

◉短めのスキマ時間の活用例

・乗り換えの多い電車の中
・仕事と仕事の間のちょっとした空き時間
→ 一問一答など、短時間でも取り組める教材で、アウトプットする
・家事や育児の合間
→ 耳だけなら空いているので、講義の音声を聞き流しておく
・トイレに入っている時間
→ 時間は短いが、回数が多いため、壁に暗記用の教材などを貼って、繰り返し目に付くようにしておく

上記は一例ですが、合格者も人によって様々な工夫をしていました。時間のない社会人にこそ、是非試していただきたい方法です。

3-2. 朝1時間だけ早起きして勉強する

合格者の中には、生活を朝方に切り替えて勉強したという人も多くいます。朝1時間早起きして、1日の始まりに集中して勉強に取り組むことで、効果的に知識を身につけることができるのです。

例えば「朝5時半に起きて、民法の過去問を10問終わらせる」など、はっきりと目標を決めて取り組みましょう。

朝の時間は、脳の働きが最も活発で集中力も高まると言われています。最初は少し辛いかもしれませんが、朝型の生活リズムに慣れていけば、大変だと感じなくなるでしょう。

また、朝の時間は急なトラブルや残業に左右されにくいため、時間の調整がしやすいというメリットもあります。

前述した「スキマ時間の活用」と「早朝の有効活用」を実践するだけでも、かなりの勉強量が確保できるはずです。

合格者の声

奥村 多恵子さん

仕事や家事の両立は永遠のテーマですが、そんな中でも、合格者がいる。ということを強く意識しました。
帰宅後の勉強を何度試みても、超直前期でもない限り、睡魔には勝てませんでした。
だから、朝活へとシフトを変え、2時間確保。
昼休みは、1人で素早く摂るようにしました。この時間に講義を聞き終えたり、テキストを回転させたり、確認したいことにあてました。
ただ、グタグタしてしまう帰宅後の家事終わりに、テキストの目次を眺めたり、Googleカレンダーのリマインダーから送られる問題やテキストのコピーを見る程度はしていました。

3-3. 1日5分でも勉強する習慣を付ける

結局、最も大切なのは、勉強を習慣化することです。最初は1日5分でも構いません。毎日コツコツと勉強を積み重ねていきましょう。

コツは、毎日の歯磨きと同じように、「勉強を1日の日課として組み込む」ことです。毎日、同じ時間に、決まった場所で勉強をするルーティンを作りましょう。

1日5分からでも、徐々に時間を延ばしていけば、自然と勉強時間が確保できるようになります。

習慣が身に付けば、逆に「勉強しなければ気持ち悪い」という状態になる人も多いです。短い時間でも続けていけば、少しずつ知識が定着し、学習効果が現れてくるでしょう。

毎日コツコツと積み重ねることが、働きながらの受験勉強には欠かせません。習慣化することを意識して、着実に学習を進めていきましょう。

※行政書士試験の勉強法について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。

4.【合格事例】働きながら通勤時間を使って行政書士に一発合格!

最後に、働きながら一発合格を果たしたKさんの合格事例をご紹介します。

行政書士試験のわずか半年前、5月から勉強をスタートしたKさん。毎日の勉強量を決めて、1時間かかる通勤電車の中で時間を確保しながら、勉強を進めていったそうです。

とにかく耳から覚えて、法律の体系を意識した勉強をすることで、見事合格を勝ち取りました。

この合格事例から、時間を上手にやりくりし、メリハリをつけて学習に取り組めば、働きながらでも十分に短期合格ができることを実感していただけるのではないでしょうか。

【2023年度行政書士試験合格】通勤時間で学習!初回合格ができた理由は

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5. 働きながらの行政書士試験に関するよくある質問(FAQ)

働きながら行政書士に合格するには1日どのくらい勉強すればよいですか?

平日は1日1〜2時間が一つの目安です。行政書士試験は300点満点中180点(法令等科目122点以上・基礎知識科目24点以上)が合格ラインで、限られた時間でも毎日の積み上げで到達を目指します。

働きながらだと行政書士の合格まで何年くらいかかりますか?

合格までの年数に決まりはありません。半年ほどで合格する人もいれば、数年かける人もいます。2025年度の合格者平均得点は197点で、合格基準の180点を超えれば受験回数に関わらず合格できます。期間の長さより、基本問題を確実に得点する学習の質が結果を左右します。社会人でも短期間で合格した例は珍しくありません。

働きながら目指すなら独学と通信講座のどちらがよいですか?

どちらでも合格は可能です。独学は費用を抑えやすい一方、学習計画の管理や法改正への対応を自分で行う必要があります。学習時間が限られる社会人は、要点を絞った教材で効率を優先する選び方もあります。自分が確保できる時間と、計画管理を自力で続けられるかを基準に選ぶと、働きながらでも無理なく続けられます。

働きながら取れる国家資格として行政書士はどうですか?

行政書士は受験資格に年齢や学歴の制限がなく、在宅で学習を進めやすい国家資格です。2025年度の合格率は14.54%で、受験者の多くが社会人です。基準点を満たせば合格できる絶対評価のため、対策を立てやすい資格といえます。

主婦や50代でも働きながら行政書士に合格できますか?

合格できます。行政書士試験に年齢・学歴・性別の制限はありません。2025年度の受験者は50歳代が最多で全体の約4分の1を占め、30歳代から50歳代で約7割に達します。家事や仕事と両立しながら挑戦する人が多数派です。受験者の年代分布が示すとおり、幅広い世代が働きながら受験しています。在宅で学習しやすい点も両立の助けになります。
出典:行政書士試験研究センター「令和7年度試験結果分析資料(受験者)

会社員が働きながら行政書士試験を受けるのに勤務先の許可は必要ですか?

受験そのものに勤務先の許可や届出は不要です。行政書士試験は受験資格の制限がなく、誰でも自由に受験・合格できます。勤務先の就業規則が関係するのは、合格後に行政書士として開業や副業をする場合に限られます。試験合格と行政書士登録は別の手続きです。働きながらの受験は私的な学習活動にあたり、在職のまま挑戦できます。

働きながら行政書士に合格するのは無理だと言われますが本当ですか?

無理ではありません。2025年度の受験者は約7割を30歳代から50歳代が占め、その多くが仕事や家事と両立しています。合格ラインは300点満点中180点で、難問より基本問題を取りこぼさない戦略なら社会人でも到達可能です。行政書士試験は基準点を満たせば合格できる絶対評価です。限られた時間を演習中心に使うことが合格への近道になります。
出典:行政書士試験研究センター「令和7年度試験結果分析資料(受験者)

行政書士はやめとけと言われますが働きながら目指す価値はありますか?

価値があるかは目的次第です。やめとけと言われる背景には、合格率の低さ(2025年度14.54%)や開業後の競争があります。一方で受験資格の制限がなく在宅で学べるため、働きながら法律知識を身につける目的では挑戦する意義があります。 合格して知識を得たいのか、開業したいのかで評価は変わります。目的を先に定めてから判断するとよいでしょう。

働きながらの学習スケジュールはどう立てればよいですか?

平日と休日で役割を分けるのが基本です。平日は1〜2時間でインプットと一問一答を進め、休日にまとめて過去問演習と復習にあてます。試験日から逆算し、月ごとの到達目標を置くと進捗を管理しやすくなります。2025年度の試験は11月9日に実施されました。例年11月のため、直前期に演習時間を多めに残す配分が現実的です。

働きながら学習するならどの科目から手をつけるべきですか?

配点の大きい行政法と民法を優先するのが効率的です。この2科目は法令等科目の中心を占め、合格ライン180点(300点満点)到達の土台になります。学習時間が限られるほど、この2科目に集中する価値が高まります。 基礎知識科目は24点の基準点割れ(足切り)の回避を最優先にし、満点を狙わず確実に基準を超える配分が現実的です。

6. 働きながら行政書士試験に合格する秘訣まとめ

最後に、今回の記事のポイントをまとめます。

  • 働きながら行政書士試験を目指すのは、特別なことではない
  • 実際、ほとんどの合格者は働きながら勉強している
  • 合格するためのポイントは次の3つ
  • 正答率50%以上の問題を取りこぼさないこと
  • インプットとアウトプットを同時並行で進めること  (過去問に早めに取り組む)
  • 下手なプライドは捨てて、「解けない・分からない」と素直に認めること
  • 合格者が実践していた勉強時間を確保する方法
  • スキマ時間の有効活用
  • 朝の時間帯に集中して勉強(1〜2時間)
  • 勉強する習慣をつける(1日5分からでもOK)

以上です。

行政書士試験は、決して簡単な試験ではありません。

しかし、働きながらでも、コツコツと勉強していけば必ず合格できる試験です。

仕事や家事・育児との両立は大変かもしれませんが、諦めずに頑張りましょう。

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伊藤塾 行政書士試験科

著者:伊藤塾 行政書士試験科

行政書士資格を保有する講師・合格経験者で構成された専門チームが監修・執筆しています。合格率約14%の行政書士試験について、出題傾向・効率的な学習法・他資格とのダブルライセンス戦略まで、法律系資格指導約30年の実績をもとに正確にお届けします。