
司法書士のバッジ「五三桐」に込められた意味とは?着用の理由や入手方法も解説
基本情報
2025年10月02日


弁護士や行政書士と同様に、司法書士にもバッジがあります。
「司法書士バッジには、どのような意味が込められている?」
「なぜ必要なの?つけないとどうなる?」
「バッジはいつもらえる?」
こういった疑問をお持ちの方も多いかもしれません。
司法書士のバッジは、豊臣秀吉の家紋でもある「五三の桐」がデザインされた重厚なバッジです。中には、バッジに憧れて、司法書士に興味を持ったという人もいることでしょう。
この記事では、司法書士バッジについて詳しく解説します。
・バッジに込められた意味
・司法書士にバッジが必要な理由
・司法書士バッジの入手方法 など
司法書士バッジに興味がある方は、是非ご一読ください。
【目次】
1.司法書士バッジに込められた意味
司法書士のバッジ(徽章:きしょう)には、「五三の桐」と呼ばれる紋章がデザインされています。
五三の桐は、古来より皇室や将軍など格式の高い人物が家紋として使用してきた由緒ある紋章です。足利尊氏や豊臣秀吉なども五三の桐を家紋に用いていました。
五三の桐が司法書士のバッジに採用されているのは、司法書士の「厳正さ」を表現するためだと考えられます。
司法書士は不動産登記など、国の根幹をなす「土地」に関する業務を主に扱う士業です。
そのため、公正な立場で厳格に業務を遂行することが求められます。
五三の桐の紋章は、司法書士が公正中立な姿勢で業務に取り組む決意と、それを支える品格の高さを表しているのです。
2.司法書士バッジはなぜ必要?
司法書士バッジは、司法書士にとって欠かせないアイテムです。
では、なぜ司法書士にはバッジが必要なのでしょうか。主な理由は次の3つです。
・会則で着用義務があるから
・司法書士としての身分を証明できるから
・気持ちが切り替わるから
それぞれ見ていきましょう。
2-1.会則で着用義務があるから
司法書士には、業務中にバッジを身に付けることが義務付けられています。
これは各司法書士会の会則で決まっています。例えば、東京司法書士会では、次のように定められています。
(会員証の携行及び司法書士徽章の着用義務)
第112条 司法書士会員は、業務を行うときは、会員証を携行し、かつ、司法書士徽章を着用しなければならない。
ただし、バッジ着用に罰則が設けられているわけではありません。そのため、全ての司法書士が常に着用しているわけではありません。
とはいえ、会則で義務付けられている以上、できる限り着用するよう心がけることが求められます。
2-2.司法書士としての身分を証明できるから
司法書士バッジは、司法書士としての身分を証明するための大切なアイテムです。
顧客から相談を受ける際や、重要な取引の場に立ち会う際など、バッジを着用することで司法書士としての信頼を獲得できる場面は、少なくありません。
また、裁判所に入庁する際も、バッジを着用していれば手荷物検査が免除されます。手荷物検査なしで裁判所に入れるのは、司法書士バッジや弁護士バッジ、裁判所職員バッジ等を身に着けている限られた人だけです。
これはまさに、司法書士に対する社会からの信用の高さの表れと言えるでしょう。
バッジは司法書士の身分を対外的に証明し、業務をスムーズに進めるために不可欠なアイテムなのです。
2-3.気持ちが切り替わるから
バッジによって、司法書士としての自覚が生まれ、気持ちが切り替わると感じる人も多いです。司法書士バッジを付けた瞬間に、「身が引き締まる」「法律職としての自覚が生まれる」といった声が、多くの司法書士から聞かれます。
これは、司法書士の仕事に求められる高い緊張感と責任感の表れでしょう。
司法書士は依頼者の大切な財産を扱い、不動産取引の安全を守る重要な役割を担っています。
時には、司法書士の活躍によって、不動産詐欺などの犯罪が未然に防止されるケースもあるのです。
司法書士バッジの重さは、わずか5グラム程度しかありません。
しかしながら、その軽い小さなバッジが、司法書士の心構えを支える大きな存在となっているのです。
3.司法書士バッジはいつもらえる?
司法書士バッジを手にできるのは、司法書士試験に合格し、司法書士会に登録したタイミングです。つまり、司法書士としてのキャリアをスタートするタイミングで、バッジを得ることができるのです。
ただし、司法書士バッジは、司法書士個人の所有物ではありません。
あくまでも、所属する司法書士会から貸与(レンタル)されるアイテムです。
バッジの貸与費用は、所属する司法書士会によって異なりますが、おおむね6,500円から7,000円程度が目安です。
そして、司法書士の登録を抹消する際、つまり司法書士を辞めるタイミングで、バッジは司法書士会に返還しなければなりません。
さらに、司法書士バッジには、一つ一つに固有の番号が振られており、厳格に管理されています。万が一紛失してしまった場合、始末書の提出が必要になるケースもあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
司法書士バッジは、司法書士としてのキャリアの始まりを飾る大切なアイテムです。
しかし同時に、責任の重さを感じさせる存在とも言えるでしょう。
4.司法書士バッジのサイズと重さ
司法書士のバッジのサイズは、直径約13mm、厚さ約3〜4mm、重さ5.5g程度です。
弁護士や行政書士と比較すると、わずかに小さめのサイズです。
直径 | 厚さ | |
司法書士バッジ | 約13mm | 約3~4mm |
弁護士バッジ | 約18mm | 約5mm |
行政書士バッジ | 約16mm | 約3mm |
しかし、小さいながらも、五三の桐の部分には「18金」が使用されており、他の部分にはプラチナが使用されています。
サイズ感は控えめでありつつも、国民の権利を擁護するという司法書士の使命の重さが表現されているのです。
5.【Q&A】司法書士バッジのよくある質問
5-1.司法書士バッジのモチーフとなっている花は?
司法書士バッジには「桐」の花がモチーフとなった「桐紋」がデザインされています。
バッジの中央には、皇家や格式ある武家などで用いられてきた「五三桐」がデザインされており、司法書士の果たす役割の大きさが表現されています。
5-2.司法書士バッジをつけないとどうなる?
司法書士バッジをつけなくても、罰則などはありません。
ただし、司法書士会の会則で着用が義務付けられています。
5-3.司法書士バッジは販売されている?
一般向けに販売はされていません。
司法書士バッジを手に入れるには、司法書士試験に合格して、司法書士会へ登録することが必要です。
6.まとめ
最後に、今回の記事のポイントをまとめます。
◉ 司法書士のバッジには、「五三の桐」と呼ばれる桐紋がデザインされている
◉ 皇家や武家でも使用されている、格式ある紋章
◉ 司法書士としての身分を証明する役割を持っている
◉ バッジは、試験合格後、登録時に司法書士会から貸与される
◉ 司法書士を辞めるタイミングで、返還が必要
司法書士を目指す方にとって、バッジの存在は大きな目標であり、モチベーションになるでしょう。
実際に、バッジをつけた自分の姿を想像してモチベーションを保ち、無事合格を手にした受講生の体験談をご紹介します。
M.Tさん
司法書士になれたらどんなに素敵だろう、と想像したり、司法書士バッジの画像を見て想像したりしてモチベーションを保ちました。
また過去の合格者の方々の合格体験記を読み、自分が合格できたら…と想像したりもしました。 また「諦めなければ必ず合格できる」と自分に言い聞かせていました。 どうしてもモチベーションが保てない時は、集中できなくてもとりあえず勉強しました。 モチベーションが低い時はテキストを読んでも全然頭に入って来ないので、ひたすら過去問を解き、モチベーションが戻るのを待ちました。科目を変えたりたまに記述を解いたりして気分転換するのも良かったです。
司法書士試験は簡単ではありませんが、諦めずに継続すれば、誰でも合格できる試験です。
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