予備試験短答式試験の合格点は何点?何割で受かるかを2025年度の結果で解説

予備試験

短答式試験の合格点のイメージ

法科大学院を経由せず司法試験を目指すなら、まず予備試験の短答式試験に合格する必要があります。ただ科目数が多く、合格点が何点で、何割取れば通過できるのかがつかみにくい試験です。一般教養科目にどこまで手をつけるべきか迷う方も少なくありません。

この記事では、2025年度(令和7年度)の短答式試験の合格点と得点率を起点に、直近の合格点の推移、科目別の目標点の設計、科目別足切りの有無、一般教養が0点でも合格できる仕組みまでを整理します。合格ラインを正しく把握し、自分の目標点を設計するための材料としてお使いください。

1. 予備試験短答式試験の合格点は何点か

予備試験の短答式試験は、直近の2025年度で合格点159点、270点満点の約6割が合格ラインの目安です。

2025年度の予備試験短答式試験の合格点は、各科目の合計得点159点以上(270点満点)でした。得点率にすると約59%で、例年おおむね6割前後がボーダーです。合格者数は2,744人、合格者の平均点は175.8点です。

出典:法務省「令和7年司法試験予備試験短答式試験の結果」 

短答式は、憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法の法律7科目(各30点)と、一般教養科目(60点)の合計8科目で構成されます。配点は次のとおりです。

科目区分満点
憲法法律基本科目30点
行政法法律基本科目30点
民法法律基本科目30点
商法法律基本科目30点
民事訴訟法法律基本科目30点
刑法法律基本科目30点
刑事訴訟法法律基本科目30点
一般教養科目選択解答60点
合計270点

短答式に合格すると、9月の論文式試験に進めます。予備試験では短答式の得点が論文式以降の合否に持ち越されないため、短答式は「その年のボーダーを超えられるか」に集中して設計できます。なお、最新年の速報値や合格率の詳細はこちらの記事で扱っています。

2. 合格点は何割取れば受かるのか

得点率でみると合格ラインは約6割ですが、実際の合格者は平均で約65%を取っており、ボーダーちょうどより一段高い水準に位置します。

予備試験短答式の合格ラインは、270点満点に対して約6割(2025年度は159点=約59%)です。ただし合格者の平均点は175.8点(約65%)で、ボーダーより約17点高い水準にあります。「6割で通過」を最低ラインとしつつ、目標は65%前後に置くのが現実的です。

出典:法務省「令和7年司法試験予備試験短答式試験の結果」 

ここで注意したいのが、「合格点イコール目標点」ではないことです。合格点は合格した人の最低ラインであり、実際の合格者はもっと上に分布しています。ボーダーちょうどを狙う設計は、本番のわずかな失点で不合格に転びます。目標は合格点そのものではなく、合格者平均の水準に置くほうが安全です。

予備試験に複数回挑んだ合格者からは、短答式を論文学習の延長で押し上げたという声が多く聞かれます。大学在学中に予備試験に合格した一橋大学法学部3年C.Eさんは、論文対策を先行させることで短答対策も並行して行えたと振り返っています。基礎知識の土台が厚いほど、短答の得点は安定して伸びます。
出典:予備試験合格体験記

2-1. 合格点ぎりぎり狙いが危険な理由

短答式をボーダー通過で済ませても、その先の論文式・口述式を突破しなければ最終合格にはなりません。短答式で余力を持って通過できる実力は、そのまま論文式の土台になります。短答式を6割ぎりぎりで組み立てると、知識の穴が論文式で表面化しやすくなります。合格点の少し上、合格者平均の水準を目標にすることが、最終合格から逆算した合理的な設計です。

3. 合格点の推移

合格点は年によって上下しますが、直近3年は159点から168点の範囲に収まり、合格者は毎年ボーダーより約15〜17点高い水準で通過しています。

直近3年の合格点は、2023年度168点、2024年度165点、2025年度159点でした。いずれの年も合格者の平均点は合格点を約15〜17点上回っています。

次の表は、法務省の短答式試験結果を原文確認して作成した推移です。右端の「安全圏ギャップ」は、合格者平均点から合格点を引いた独自指標で、ボーダーからどれだけ上に合格者が分布しているかを表します。

年度合格点合格者数合格者平均点全体平均点安全圏ギャップ
2025年159点2,744人175.8点124.5点+16.8点
2024年165点2,747人181.1点129.2点+16.1点
2023年168点2,685人183.4点134.5点+15.4点

出典:法務省「令和7年司法試験予備試験短答式試験の結果令和6年司法試験予備試験短答式試験の結果令和5年司法試験予備試験短答式試験の結果」 

読み取れるのは2点です。第一に、合格点は問題の難易度で毎年調整され、ボーダー自体を狙い撃ちする学習は成り立ちません。第二に、安全圏ギャップが3年連続で15点以上あることから、合格者はボーダーより一段上で通過しているとわかります。ボーダーより15点上、つまり2025年度基準なら175点前後を目標に置くと、難易度が動いても通過できる余裕が生まれます。

なお試験開始以来の長期でみても、合格点はおおむね156点から170点の範囲で推移しています。年ごとの細かな上下に振り回されず、6割を安定して超える得点力を作ることが対策の軸になります。
出典:司法試験予備試験の結果について

3-1. 次年度の合格点予想

合格点は難易度で調整されるため、特定の点数を断定することはできません。過去の分布から幅で見積もると、次年度も160点前後(おおむね156点から168点のレンジ)に収まる可能性が高いと考えられます。予想値ではなく、レンジの上限を超える実力づくりを目標にするのが安全です。

4. 科目別の配点と目標点の設計

法律7科目はいずれも各30点で差がなく、特定科目に頼らず全科目で8割(各24点)を積み上げる設計が、合格ラインを安定して超える近道です。

法律7科目は各30点満点です。2025年の科目別平均点は各12.9点から15.3点で、得点率にすると43%から51%にとどまります。合格ラインを安定して超えるには、各科目で平均を大きく上回る8割(各24点、7科目で168点)を目標に置くのが有効です。

次の表は、2025年度の科目別平均点と、8割を狙う場合の目標点を並べたものです。

科目満点2025年度平均点得点率目標点(8割)
憲法30点13.6点45%24点
民法30点15.3点51%24点
刑法30点14.0点47%24点
商法30点13.7点46%24点
民事訴訟法30点15.3点51%24点
刑事訴訟法30点13.7点46%24点
行政法30点12.9点43%24点
法律7科目計210点98.5点47%168点
一般教養科目60点25.9点43%優先度低

出典:法務省「令和7年司法試験予備試験短答式試験の結果」 

全科目の平均をそのまま足すと124.5点で、合格点159点には届きません。平均点を取るだけでは合格できない試験だとわかります。差を埋める鍵は、法律7科目の底上げです。平均の約47%から8割(各24点)へ引き上げれば、法律科目だけで168点となり、合格ラインを一般教養に頼らず超えられます。

4-1. 一般教養科目の位置づけ

一般教養科目は60点満点で、総得点270点の約22%を占めるにすぎません。出題範囲が広く、対策の費用対効果が低いため、多くの合格者は法律科目に時間を集中させています。得点効率でみても、一般教養に時間を割くより、法律科目を1科目あたり数点上積みするほうが合格ラインに近づきます。

5. 足切り(科目別基準点)はあるか

予備試験の短答式には科目別の足切りがなく、8科目の合計得点だけで合否が決まります。ここが司法試験の短答式との大きな違いです。

予備試験短答式には、科目ごとの最低基準点(足切り)はありません。合否は8科目の合計得点のみで判定されるため、ある科目が0点でも、合計で合格点を超えれば合格です。一方、司法試験の短答式には各科目に最低ラインがあり、1科目でも下回ると不合格になります。

出典:法務省「令和7年司法試験予備試験短答式試験の結果」(合格点を各科目の合計得点で定義)

両者の違いを整理すると次のとおりです。

項目予備試験 短答式司法試験 短答式
科目数8科目
(法律7+一般教養)
3科目
(憲法・民法・刑法)
満点270点175点
科目別足切りなし(合計点
のみで合否)
あり(各科目で満点の
4割未満は不合格)
合否判定短答単独で完結論文式と合算して判定

この足切り(科目別基準点)なしという制度が、後述する一般教養0点戦略を成立させます。苦手科目や捨て科目を作っても、合計で合格点を超えれば通過できるためです。予備試験の短答式は、司法試験の短答式より戦略の自由度が高いといえます。

6. 一般教養0点でも合格できるか

足切り(科目別基準点)がないため、一般教養が0点でも、法律7科目だけで合格点を超えれば短答式は合格できます。多くの合格者が採る現実的な戦略です。

一般教養0点でも合格できます。予備試験短答式は合計得点のみで合否が決まり、一般教養に足切りはありません。2025年度の合格点159点なら、一般教養0点でも法律7科目210点満点中159点(各科目約23点)で通過できます。安全圏を狙うなら法律科目で8割(168点)が目標です。

次の表は、一般教養を0点と仮定した場合に、法律7科目で必要な得点を示したものです。

前提法律7科目で必要な得点各科目換算
2025年度の合格点159点を
一般教養0点で超える
159点 / 210点(約76%)各約22.7点
安全圏(8割=168点)を狙う168点 / 210点(80%)各24点

出典:法務省「令和7年司法試験予備試験短答式試験の結果

一般教養科目は、人文・社会・自然科学・英語など広い分野から出題され、大学卒業程度の難度とされます。範囲が広く得点が安定しにくいため、多くの合格者は一般教養の対策を最小限にとどめ、法律科目に学習時間を寄せています。一般教養の難易度は年ごとに変動しますが、そこに振り回されず「法律科目で8割」を軸にすることが、安定した合格設計になります。

大学在学中に予備試験に合格した大阪大学法学部4年D.Iさんは、短答は半年以上前から1日30問から50問のペースで過去問を解き続け、直前に詰め込まない形で仕上げたと述べています。
出典:予備試験合格体験記
一般教養に時間を奪われず、法律科目の反復に資源を集中させた例といえます。

7. 合格点を確実に超える学習戦略

短答式の得点は、論文学習で基礎を固めたうえで過去問を反復することで安定します。目標点から逆算し、法律科目で8割を狙う設計が有効です。

短答式で問われる知識の多くは、論文式の学習で扱う基礎知識と重なります。まず論文の勉強で法律の考え方と基礎知識を固め、そのうえで短答式特有の細かい知識(いわゆる短答プロパー)を過去問演習で補うのが効率的です。過去問は、正答率の高い問題を確実に取れるようにし、自分の正答率が十分に上がるまで繰り返すのが基本です。年数を絞る場合は直近7年分や正答率の高い問題に集中させると、論文学習との両立がしやすくなります。

※短答式試験の勉強法について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。

学習の進め方では、合格者の工夫が参考になります。大学在学中に予備試験に合格した九州大学法学部4年B.Gさんは、短答の演習を伊藤塾の学習支援システムで進め、学習支援システムの問題をを10周以上繰り返したうえで、わからない問題は基礎マスターテキストに戻って確認したと述べています。演習と基礎知識の往復を徹底したことで、短答の得点が安定したといいます。出典:予備試験合格体験記

伊藤塾では、「盤石な基礎」と「合格後を考える」を指導理念に、基礎から短答・論文・口述までを一貫して支える体制を整えています。短答式を安定して超える土台づくりから、合格後の活躍まで見据えたサポートを提供しています。

▶︎伊藤塾の予備試験 対策講座の詳細はこちらをご覧ください。

8. 予備試験短答式試験の合格点に関するよくある質問(FAQ)

予備試験短答式試験の合格点は何点ですか。何割取れば合格できますか。

2025年度の合格点は、各科目の合計得点159点以上(270点満点)で、得点率にすると約59%でした。例年おおむね6割前後がボーダーです。ただし合格者の平均点は175.8点(約65%)で、ボーダーより約17点高い水準にあります。
最低ラインは6割ですが、目標は65%前後に置くのが安全です。
出典:法務省「令和7年司法試験予備試験短答式試験の結果」 

予備試験短答式試験の合格点は科目別に決まっていますか。

科目別には決まっていません。合否は法律7科目と一般教養科目を合わせた8科目の合計得点のみで判定されます。2025年度なら合計159点以上が合格です。
各科目の目安として8割(各24点)を置くと、合計168点となり合格ラインを安定して超えられます。合格点は年により156点から170点程度で変動します。

予備試験短答式試験の合格点は毎年どのくらい変動しますか。

直近3年は2023年度168点、2024年度165点、2025年度159点で、9点の幅があります。問題の難易度に応じて毎年調整されるためです。
試験開始以来の長期でみても、おおむね156点から170点の範囲に収まっています。特定の点数を狙うより、6割を安定して超える力を作ることが重要です。

予備試験短答式試験に科目別の足切り(最低基準点)はありますか。

ありません。予備試験短答式は合計得点のみで合否が決まり、ある科目が0点でも合計で合格点を超えれば合格です。
一方、司法試験の短答式には各科目に満点の4割という最低ラインがあり、1科目でも下回ると不合格になります。この違いにより、予備試験短答式は捨て科目を作る戦略が成り立ちます。

予備試験短答式試験と司法試験短答式試験は何が違いますか。

予備試験短答式は法律7科目に一般教養を加えた8科目・270点満点で、短答単独で合否が完結します。司法試験短答式は憲法・民法・刑法の3科目・175点満点で、論文式と合算して合否が決まります。
また、司法試験には科目別の足切りがありますが、予備試験にはありません。両試験は同日に実施され、一部で共通問題が出題されます。

一般教養科目が0点でも予備試験短答式に合格できますか。

合格できます。科目別足切りがないため、法律7科目だけで合格点を超えれば通過できます。2025年の合格点159点なら、一般教養0点でも法律科目210点満点中159点(各科目約23点)で合格です。
安全圏を狙うなら、法律科目で8割(168点)を目標にします。多くの合格者が一般教養の対策を最小限にする戦略を採っています。

予備試験短答式試験で目標点は何点に設定すべきですか。

合格点そのものではなく、合格者平均の水準(近年は175点から183点)を目標に置くのが安全です。合格点はあくまで合格した人の最低ラインで、実際の合格者は約15〜17点上に分布しています。
ボーダーちょうどを狙うと本番の失点で不合格に転びやすいため、法律科目8割(168点)を軸に、余力を持った得点計画を立てることが有効です。

予備試験短答式試験の合格点を超えるには、いつから対策すべきですか。

論文式対策と並行し、本試験の半年から1年前に短答プロパーの知識固めを始めるのが目安です。論文の基礎学習だけでも一定の短答得点は確保できますが、合格点に届かせるには過去問演習の時間が別途必要です。
直前期は過去問の反復に絞り、正答率を高く保つ学習に集中する受験生が多くみられます。

予備試験短答式は過去問だけで合格点に届きますか。

過去問演習は最も有効な対策で、過去問中心で合格を狙うことは現実的です。論点は形を変えて繰り返し問われるため、解説を読み込み知識を体系化することで応用力が身につきます。
時間が取れない場合は直近7年分や正答率の高い問題に絞り、自分の正答率が十分に上がるまで反復するのが効果的です。基礎知識の確認とセットで進めることが前提になります。

2026年から予備試験短答式はCBT方式になりますか。

なりません。2026年の予備試験でCBT方式(パソコン受験)が導入されるのは論文式試験のみで、短答式試験は従来どおりのマークシート方式です。合格点や配点の仕組みに変更はありません。
司法試験の本試験は短答式・論文式の両方がCBT方式になる点と扱いが異なります。
出典:法務省「司法試験及び司法試験予備試験のデジタル化について」 

9. 予備試験短答式試験の合格点は6割が目安、目標は合格者平均に置く

予備試験短答式試験の合格点は、2025年で159点、270点満点の約6割が合格ラインの目安です。ただし合格者の平均点は175.8点で、ボーダーより約17点高い水準にあります。ボーダー通過を最低ラインとしつつ、目標は合格者平均に置くのが安全な設計です。

最後に要点をまとめます。

  • 合格点は例年156点から170点程度で変動し、直近3年は159点から168点
  • 科目別足切りはなく、8科目の合計得点のみで合否が決まる
  • 一般教養が0点でも、法律7科目で8割(168点)を取れば合格ラインを超えられる
  • 全科目平均では合格点に届かず、法律科目の底上げが差を埋める鍵
  • 2026年度の予備試験は論文式のみCBT方式で、短答式は従来方式

これから短答式に挑む方は、まず論文学習で基礎を固め、法律科目で8割を狙う目標設計から始めてください。すでに短答式に合格した方は、その得点力を土台に9月の論文式へ切り替えましょう。合格点そのものより一段上を狙う設計が、最終合格への確実な道になります。

伊藤塾では、無料の体験受講や説明会も実施しています。予備試験の学習の進め方に関心をお持ちの方は、一度お問い合わせください。

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著者:伊藤塾 司法試験科

1995年の創立以来、司法試験・予備試験指導の専門機関として約30年の実績を持つ伊藤塾の司法試験科が監修・執筆しています。2025年度の司法試験合格者占有率は業界トップクラスの90.6%。現役弁護士を含む専門講師陣が、予備試験ルート・法科大学院ルートの両方に精通した正確な情報をお届けします。