【2025年版】公務員試験の合格率はどれくらい?最新データと合格対策を解説

試験概要・合格戦略

2025年10月29日

「公務員試験って、実際どのくらいの人が合格しているの?」

公務員を目指す方なら誰もが気になる合格率。実は、試験種によって10%〜60%まで大きな幅があります。

なかには、国家総合職のように合格率15%前後の試験もありますが、東京都のように合格率が60%を超えている試験もあります。試験種によって難易度は大きく異なるのです。

この記事では、最新のデータをもとに、国家公務員・地方公務員の合格率を詳しく解説します。さらに筆記試験と人物試験それぞれの合格率や、合格率を高めるための対策ポイントも具体的な数字とともに紹介します。

公務員試験の「リアルな合格率」を知って、効率的な対策を始めましょう。

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1.公務員試験の合格率は10〜60%

公務員試験の合格率は、試験種によって大きく異なります。

高いところでは60%以上、低いところでは10%以下になる場合もあります。公務員試験全体では受験者は減少傾向にあり、競争率も下がり続けています。

国家公務員試験・地方公務員試験に分けて、主要な試験種の合格率を紹介します。

1−1.国家公務員試験の合格率

国家公務員試験の2024年度の合格率は以下のとおりです。

受験者数最終合格者数合格率対受験者倍率
国家公務員採用総合職試験(大卒程度)
(「教養」区分を除く)
10,141人1,285人13%7.9倍
国家公務員採用総合職試験(大卒程度)
「教養」区分
3,092人467人15%6.6倍
国家公務員採用一般職試験(大卒程度)17,463人7,557人43%2.3倍
財務専門官採用試験1,277人527人41%2.4倍
国税専門官採用試験8,555人3,358人39%2.5倍
労働基準監督官採用試験1,377人431人31%3.2倍
裁判所職員採用試験8,355人1,979人24%4.2倍
(出典:人事院|2024年度国家公務員採用試験実施状況

国家公務員試験では、「合格率=採用率」ではない点に注意しましょう

最終合格は、あくまでも「採用候補者名簿」に名前が記載された状態にすぎません。そこからさらに、最終合格者を対象にした選考活動が行われます。

たとえば、総合職試験や一般職試験では、採用試験と並行して、官庁訪問という民間企業の就職活動のような選考が行われます。官庁訪問で内定を獲得できなければ、国家公務員として働けません。参考までに、2024年国家総合職の場合、合格者全体の内定率は35.7%です。

他の試験種でも「合格=採用」ではなく、最終合格後に採用面接があるケースが大半です。

「合格率が高い=受かりやすい」とはいえないので、試験種の特徴をよく理解して受験しましょう。

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1−2.地方公務員試験の合格率

地方公務員試験の2024年度の合格率は以下のとおりです。

地域(試験区分)受験者数最終合格者数合格率対受験者倍率
東京都(Ⅰ類B・行政・一般方式)1,413人932人66%1.5倍
東京特別区(Ⅰ類一般事務)6,868人3,035人44%2.3倍
愛知県(行政Ⅰ)1,087人295人27%3.7倍
名古屋市(第1類・行政)983人368人37%2.7倍
大阪府(行政・大学卒程度)1,657人185人11%9.0倍
大阪市(事務行政・22-25)974人308人32%3.2倍
福岡県(Ⅰ類・行政)296人45人15%6.6倍
(出典:東京都東京特別区愛知県名古屋市大阪府大阪市福岡県

地方公務員試験では、国家公務員試験と異なり、「最終合格=採用」となることがほとんどです
したがって、上記の合格率がそのまま「採用率」だと考えてよいでしょう。

★チェックポイント

「新しい試験形式は合格率が低くなりやすい」

地方公務員試験では、各自治体がさまざまな形式の試験を実施しています。なかでも増えているのが、民間企業と同じ「SPI形式」の試験を実施している自治体です。

この形式は学習負担は軽めですが、現時点においては、従来の公務員試験と比べて合格率は低くなりやすい傾向が見られます。たとえば、2024年度の広島市職員採用試験で比べてみましょう。

受験者数最終合格者数合格率対受験者倍率
行政事務(SPI枠)365人11人3%33.2倍
行政事務(一般枠)316人135人43%2.3倍
(出典:広島市|令和6年度 採用試験実施結果

同じ広島市職員の採用試験であるにもかかわらず、合格率に大きな開きが出ています。

準備のハードルが低い試験ほど受験者数は増えますが、採用枠は少なめに設定されています。そのため合格率も低くなりやすいのです。

本気で公務員を目指すなら、これまで通りの公務員試験対策(筆記試験対策)を進めて、一般枠で受験したほうが「合格しやすい」と考えておきましょう。

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2.【試験種目別】公務員試験の合格率

公務員試験は一般的に、筆記試験(第1次試験)と人物試験(第2次試験)の2段階で実施されます。具体的な内容は試験によって異なりますが、基本的な流れはおおむね同じです。

試験内容
筆記試験(第1次試験)・基礎能力試験・専門試験・一般論文試験 など
人物試験(第2次試験)・個別面接・集団面接・グループディスカッション など
※一部の自治体では第3次試験まで実施する場合もあります。

かつては、「公務員試験=筆記試験が難しい」というイメージでしたが、最近は人物試験重視の試験が増えています。筆記試験、人物試験に分けて合格率を紹介します。

2−1.筆記試験(第1次試験)の合格率

2024年度の公務員試験における筆記試験(第1次試験)の合格率は以下のとおりです。

試験種(区分)受験者数合格者数合格率対受験者倍率
国家公務員採用総合職試験(大卒程度)
(「教養」区分を除く)
10,141人2,553人25%4.0倍
国家公務員採用総合職試験(大卒程度)
「教養」区分
3,092人804人26%3.8倍
国家公務員採用一般職試験(大卒程度)17,463人10,823人62%1.6倍
裁判所職員採用試験8,355人4,942人59%1.7倍
東京都(Ⅰ類B・行政・一般方式)1,413人1,248人88%1.1倍
東京特別区(Ⅰ類一般事務)6,868人6,323人92%1.1倍
愛知県(行政Ⅰ)1,087人624人57%1.7倍
名古屋市(第1類・行政)983人857人87%1.1倍
大阪府(行政・大学卒程度)※1,657人367人22%4.5倍
大阪市(事務行政・22-25)974人492人51%2.0倍
※大阪府は第2次試験までを筆記試験としてカウント

筆記試験(第1次試験)の合格率は、多くの試験種で50%を超えています。

特に、地方公務員試験では東京特別区の92%、東京都の88%など、非常に高い合格率となっています。国家公務員試験でも、一般職は62%と半数以上が合格しており、国家総合職でも4人に1人は筆記試験を突破しています。

かつては筆記試験の対策に膨大な時間が必要だった公務員試験ですが、最近は受験者数の減少によって、以前より受かりやすくなっているのです。

2−2.人物試験(第2次試験)の合格率

人物試験(第2次試験)の合格率は以下のとおりです。

試験種(区分)受験者数合格者数合格率対受験者倍率
国家公務員採用総合職試験(大卒程度)
(「教養」区分を除く)
1,858人1,285人69%1.4倍
国家公務員採用総合職試験(大卒程度)
「教養」区分
719人467人65%1.5倍
国家公務員採用一般職試験(大卒程度)9,138人7,557人83%1.2倍
裁判所職員採用試験4,466人1,979人44%2.3倍
東京都(Ⅰ類B・行政・一般方式)1,139人932人82%1.2倍
東京特別区(Ⅰ類一般事務)4,965人3,035人61%1.6倍
愛知県(行政Ⅰ)※1624人295人47%2.1倍
名古屋市(第1類・行政)※1857人368人43%2.3倍
大阪府(行政・大学卒程度)※2311人185人59%1.7倍
大阪市(事務行政・22-25)427人308人72%1.4倍
※1:愛知県、名古屋市は第1次試験合格者を第2次試験受験者としてカウント
※2:大阪府は、3次試験をカウント

人物試験(第2次試験)の合格率を見ると、国家公務員試験では一般職が83%、国家総合職も65〜69%と高い合格率です。ただし、国家公務員試験の場合、これで採用が決まるわけではありません。最終合格後にさらに官庁訪問があり、そこでも集団面接や個別面接が行われます。つまり、国家公務員試験では実質的に官庁訪問が合否を左右するのです。

一方、地方公務員試験では、人物試験に合格すればほとんどの場合採用となります。ただし、愛知県47%、名古屋市43%のように人物試験で大きく絞り込む自治体もあるので油断は禁物です。

筆記試験が受かりやすくなった今、面接対策の重要性がますます高まっているといえるでしょう。

※多くの受験生が苦手意識を持つ面接・官庁訪問対策は、徹底した個人指導で内定率83.3%(※2025年度国家総合職試験における伊藤塾本科講座 受講生の実績)を誇る 伊藤塾「公務員試験対策講座」をぜひご活用ください。

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3.公務員試験の合格率を高めるための対策ポイント4つ

では、具体的にどのように対策を進めていけば、合格率を高められるのでしょうか。公務員試験に合格するための対策ポイントを4つ紹介します。

・早期に試験対策をスタートする
・出題数の多い科目に力を入れる
・過去問演習を繰り返し行う
・人物試験対策に力を入れる

3−1.早期に試験対策をスタートする

まず大切なのは、早期に試験対策をスタートすることです。

特に、国家公務員を目指す方は、できる限り大学1〜2年時から試験対策をスタートすることをおすすめします。勉強の開始が早いほど受験チャンスが増えるからです。

たとえば国家総合職の場合、「教養区分」なら19歳(大学2年)から受験できるため、春・秋合わせて最大5回のチャンスがあります。そのため、最近は大学2〜3年で「教養区分」合格を目指し、リスクヘッジとして大学4年の春試験(法律区分など)対策も進めるのがスタンダードな受験プランとなっています。国家一般職でも、2025年度から「教養区分」が新設され、大学3年から受験できるようになりました。

つまり、勉強のスタートが早ければ2回・3回と受験できるため、それだけ合格率が高くなるのです。大学2〜3年で公務員試験に合格して、残りの大学生活を存分に楽しむということもできます。

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3−2.出題数の多い科目に力を入れる

次に大切なのが、出題数の多い科目に力を入れることです。

公務員試験では30近い数の科目が出題されますが、実はどの試験でも配点の高い科目は共通しています。具体的には、以下の科目です。

【公務員試験でメインとなる科目】

・数的処理
・文章理解
・憲法
・民法
・行政法
・ミクロ経済学
・マクロ経済学
・政治学

基本的にはこれらの科目を中心にしつつ、並行して時事対策を進めていけば、国家公務員、地方公務員問わず、ほとんどの試験種に対応できます。各科目の特徴や具体的な対策については、以下の記事で詳しく解説しています。

3−3.過去問演習を繰り返し行う

公務員試験の対策では、過去問演習を繰り返し行うことが効果的です。

なぜなら、公務員試験の出題は、実は過去問の焼き直しがほとんどだからです。まったく新しい問題は少なく、多くが過去問の論点を別の角度から問い直したものです。つまり、過去問を徹底的に分析すれば、本番でも「あ、これ見たことある」という問題ばかりになるのです。

もっとも、ただやみくもに解いて覚えればよいというわけではありません。焼き直しといっても、出題の切り口は毎回変わります。そのため、「なぜその答えになるのか」という理屈まで理解しておかないと、少し問われ方が変わっただけで対応できなくなります。

3−4.人物試験対策に力を入れる

最後に大切なのが、人物試験対策に力を入れることです。

前述したとおり、最近の公務員試験では、国家・地方問わず、人物試験の重要性が急激に高まっています。

人物試験対策で大切なのは、「コンピテンシー評価」と呼ばれる、公務員試験の面接の評価方式を把握したうえで対策を進めることです。具体的には、以下のような評定項目に沿って採点がなされます。

【人物試験の評定項目】

・積極性(意欲、行動力)
・社会性(他者理解、関係構築力)
・信頼感(責任感、達成力)
・経験学習能力(課題の認識、経験の適用)
・自己統制(情緒安定性、統制力)
・コミュニケーション力(表現力、説得力)

したがって、これらの項目で高評価を得られる自分だけの「エピソード」を準備しておくことが効果的です。過去の経験や成果を言語化して、面接官に伝えるトレーニングを繰り返し行っておきましょう。

もし、「面接で使えるエピソードが見つからない…」「人物試験対策に自信がない…」という方は、ぜひ伊藤塾の個別カウンセリング(無料)でご相談ください。

次章では、当コラムを運営する伊藤塾の公務員試験対策講座について、最新の合格率データとともに紹介します。

4.合格率の高さで選ぶなら伊藤塾の公務員講座がおすすめ

確実に公務員試験に合格したいなら、伊藤塾の公務員試験対策講座をおすすめします。

伊藤塾は、難関と呼ばれている国家総合職で圧倒的な合格率を誇っている受験指導校です。単なる「試験合格」ではなく、「内定獲得」にこだわった指導で、毎年多くの受験生を各省庁・行政機関へ送り出しています。

【国家公務員採用総合職試験の結果】

  • 2024年教養区分:最終合格率53.7%(平均の5.4倍)
  • 2025年法律区分:最終合格率42.9%(平均の9.6倍)
  • 2025年官庁訪問の内定率:83.3%(平均の2.3倍)

【国家一般職採用一般職試験の結果】

  • 2025年行政区分

  1次合格率:89.5%

  2次(最終)合格率:93.7%

  • 2025年教養区分(3年次から受験可)

  1次合格率:88.4%

  2次(最終)合格率:94.6%

前述のとおり、2025年国家公務員採用総合職試験の合格者全体の内定率は36.0%でしたが、伊藤塾受講生の内定率は83.3%と、2倍以上の差をつけています。これは、講義やゼミ、面接カードの添削、模擬面接など、一人ひとりに寄り添った個別指導の成果です。

国家一般職試験や地方公務員試験、裁判所職員採用試験でも同様に高い合格率を維持しており、筆記試験から人物試験、そして内定獲得まで受験生を力強くサポートしています。

5.まとめ

本記事では、公務員試験の合格率について、国家公務員試験と地方公務員試験、筆記試験と人物試験に分けてデータを基に詳しく解説したうえで、合格率を高めるための対策についてもご紹介しました。

以下にポイントをまとめます。

  • 国家公務員試験では、最終合格は「採用候補者名簿」に記載された状態にすぎず、「合格=採用」ではありません。最終合格後に官庁訪問などの選考活動が行われ、そこで内定を獲得できなければ国家公務員として働くことはできません(2025年国家総合職の内定率は36.0%)。
  • 地方公務員試験では、国家公務員試験と異なり、ほとんどの場合「最終合格=採用」となります。ただし、民間企業と同じ「SPI形式」のような新しい試験形式は、学習負担が軽い一方で合格率が低くなる傾向が見られます。
  • 公務員試験は一般的に筆記試験(第1次試験)と人物試験(第2次試験)の2段階で実施されます。
  • 筆記試験(第1次試験)の合格率は多くの試験種で50%を超え、特に地方公務員試験では90%前後の高い合格率の試験種もあり、近年、筆記試験(第1次試験)は合格しやすくなっている状況です。
  • 人物試験(第2次試験)の合格率も国家一般職で83%、国家総合職で65〜69%と高いですが、国家公務員試験ではその後の官庁訪問が合否を実質的に左右します。地方公務員試験でも自治体によっては人物試験で大きく絞り込むため、面接対策の重要性がますます高まっています。
  • 公務員試験の合格率を高めるための4つの対策ポイント
  1. 早期に試験対策をスタートすること(特に国家公務員は大学1〜2年次から)
  2. 出題数の多い主要科目に力を入れること
  3. 過去問演習を繰り返し行い、理屈まで理解すること
  4. 人物試験対策に力を入れること(コンピテンシー評価を把握し、高評価を得られるエピソードを準備)

本記事で解説したように、近年の公務員試験は筆記試験(第1次試験)が合格しやすくなった反面、人物試験(第2次試験)の重要性が増しています。

人物試験は独学での対策が難しいことから、多くの受験生が受験指導校のサポートを受けています。

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著者:伊藤塾 公務員試験科

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