予備試験の勉強時間はどれくらい?大学生と社会人の目安

予備試験

予備試験の勉強時間のイメージ

「予備試験に挑戦したいけれど、合格までに何時間勉強すればいいのか見当がつかない」「働きながら、あるいは学業と両立しながら本当に間に合うのか」。予備試験を志す多くの方が、まず勉強時間の不安に突き当たります。年単位の長い学習になるだけに、必要量の全体像が見えないまま走り出すのは心細いものです。

予備試験の勉強時間に唯一の正解はありません。学習開始時の知識量や1日に使える時間で、必要な合計時間も合格までの年数も変わるからです。大切なのは、時間の長さそのものより、限られた時間をどう配分し、どの教材に集中するかという学習の質です。この記事では、必要な勉強時間の目安と科目別の配分、独学の可否、効率的な学習計画の立て方までを、最新の公的データと合格者の声をもとに整理します。

1. 予備試験の合格に必要な勉強時間はどれくらいか?

予備試験の勉強時間は個人差が大きく、学習開始時の知識量と1日に確保できる時間で必要量が変わります。

1-1. 勉強時間の目安と幅が大きい理由

合格までに必要な勉強時間は、一般的な目安として2,000〜5,000時間とされています。法学部出身か初学者か、1日にどれだけ時間を確保できるかで、合計時間も合格までの年数も大きく変わります。

この数字は法務省などが公表する公的統計ではなく、受験指導校や合格者の経験則にもとづく目安です。予備試験は法律基本科目を中心に出題範囲が広く、最終合格率も2025年度で約3.6%と、必要量を一律に定めにくい試験です。
出典:法務省「令和7年司法試験予備試験の結果について

ただし、時間はあくまで目安にすぎません。同じ2,000時間でも、方向の正しい学習を続けられたかどうかで到達度は大きく変わります。

1-2. 平日と休日で考える学習時間のモデル

1日に確保できる時間から逆算すると、合計2,000時間なら平日3時間・休日8時間で2年弱に到達する計算です。現実的な目安は、大学生で1〜2年、社会人で3〜5年です。

合格者の年齢層を見ると、2025年度予備試験で合格率が最も高いのは20〜24歳の7.27%で、全体(約3.6%)を上回ります。合格者の約7割を20代が占めており、学業に時間を割きやすい層ほど合格率が高い傾向がうかがえます。
出典:法務省「令和7年司法試験予備試験

なお、社会人は可処分時間が限られる分、短い時間の使い方が成否を分けます。伊藤塾の合格体験記にも、次のような声があります。

合格者の声

会社員 F.Lさん(働きながら合格)
働きながらと子育て中の受験だったので、終業後と休日に短時間でも集中した勉強時間を確保するなど、メリハリをつけながら学習しました。
出典:伊藤塾「予備試験合格体験記

2. 科目別に勉強時間をどう配分するか?

科目別の配分に公式の正解はありませんが、配点と出題量の大きい法律基本科目に学習時間の大半を充てるのが基本です。

2-1. 法律基本科目に時間の大半を充てる

予備試験は、憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法の法律基本7科目が学習の柱になります。なかでも民法は範囲が広く論文でも厚く問われるため、もっとも時間を割きたい科目です。

論文式はこの7科目に法律実務基礎科目(民事・刑事)と選択科目が加わり、短答式ではさらに一般教養科目が入ります。出題範囲の広さは、2025年度論文式の合格率17.44%という数字にも表れています。
出典:法務省「令和7年司法試験予備試験論文式試験の結果

もっとも、配点の小さい科目に深入りすると全体が崩れます。基本科目で平均点を確保する設計が、合格点への近道です。

2-2. 短答対策と論文対策の時間バランス

学習全体は論文対策を中心に据え、短答対策は直前期を除き全体の2割程度にとどめるのが目安です。短答でしか問われない細かい知識を追いすぎないことが、配分の要点になります。

2025年度の短答式合格率は22.1%、論文式は17.44%で、論文式が合否を分ける主戦場です。短答を突破しても、論文で問われる答案作成力がなければ最終合格には届きません。
出典:法務省「令和7年司法試験予備試験の結果について

なお、過去問演習は時間効率が高い学習です。短答・論文とも、伊藤塾コラムの全過去問集過去問の使い方総まとめを活用しましょう。

3. 予備試験は独学で合格できるか?

独学での合格は不可能ではありませんが、論文の添削や出題傾向の分析を独力で補う必要があり、難度は上がります。

3-1. 独学が難しいとされる理由

独学が難しい最大の理由は、論文式の答案を客観的に評価する手段がない点にあります。自分の答案が合格水準かを独力で見極めるのは難しく、誤った方向の学習に気づけないまま時間を費やすリスクがあります。

2025年度の論文式合格率は17.44%で、短答合格者でも多くが論文で不合格になります。答案の型や論点の優先順位づけは独学で身につけにくく、ここが独学者の壁になりやすい部分です。
出典:法務省「令和7年司法試験予備試験の結果について

ただし、独学が向く方もいます。独学の現実的な可否は、予備試験はやめとけと言われる理由を整理した記事もあわせて確認してみてください。

3-2. 独学で進める場合の工夫

独学で進めるなら、教材を絞り、過去問を学習の中心に据えることが重要です。基本書や問題集を1冊に絞り、繰り返し回すことで、限られた時間でも知識を定着させやすくなります。

予備試験は満点を求める試験ではありません。2025年度の論文式は500点満点中240点以上が合格ラインで、満点でなくとも基本論点を押さえれば合格に届く設計です。範囲を広げるより、頻出論点を確実に固める学習が合格点に直結します。
出典:法務省「令和7年司法試験予備試験論文式試験の結果

なお、完全独学にこだわらず、答練や模試だけを単発で利用して客観評価を補う方法もあります。

4. 効率的な学習計画はどう立てるか?

効率的な学習計画は、最終目標から逆算し、量より質を意識して日々の学習に落とし込むことが核になります。

4-1. ゴールから逆算して計画を立てる

学習計画は、まず合格時期を決め、そこから短答・論文の対策期間を逆算して組み立てます。1日に確保できる時間を把握し、月単位・週単位の中間目標へ分解すると、進捗を管理しやすくなります。

予備試験は年1回の実施で、2025年度の最終合格率は約3.6%と狭き門です。長期戦になるため、行き当たりばったりの学習では範囲を終えられないまま受験を迎えるリスクが高くなります。
出典:法務省「令和7年司法試験予備試験の結果について

なお、計画は固定せず、模試や答練の結果で随時修正します。具体的な立て方は学習計画・スケジュールの記事もあわせて参照してみてください。

4-2. 量より質を意識した学習へ切り替える

勉強時間は合格率に単純には比例しません。長時間学習しても方向を誤れば合格は遠く、効率的な学習なら短い時間でも合格水準に届きます。インプット偏重から、早めにアウトプット中心へ切り替えましょう。

法律の学習は、知識を覚えるだけでなく具体的な事案に当てはめて答案にする力が問われます。アウトプットを通じて知識を使うほうが定着しやすく、インプット2対アウトプット8程度の配分が一つの目安です。

なお、具体的な答案の書き方や論点抽出の鍛え方は、予備試験の論文式の勉強法を解説した記事で詳しく扱っています。あわせて確認してみてください。

5. 受験指導校をどう活用するか?

受験指導校は、学習範囲の絞り込み・答案の客観評価・計画のペース管理を一度に補える点で、時間効率を高めやすい選択肢です。

5-1. 受験指導校を使うメリット

受験指導校を使う利点は、合格に必要な範囲が整理された教材で迷いを減らせること、答練や模試で自分の位置を客観的に確認できること、そして長期戦のペースメーカーになることです。

予備試験合格者の司法試験合格率は、2025年度で90.68%に達します。難関の予備試験を突破した層が司法試験でも高い実績を残しており、予備試験の段階で確かな実力を養う価値は大きいといえます。
出典:法務省「令和7年司法試験の結果について

もっとも、指導校に通うだけで合格できるわけではありません。教材を絞り、自分で手を動かす学習があってはじめて効果が出ます。予備校選びの記事もあわせて参照してみてください。

5-2. 合格者に学ぶ時間の使い方

時間が限られる社会人や在学生ほど、短い時間に集中し、教材を絞る工夫が合格を引き寄せています。伊藤塾の合格者インタビューからも、時間の使い方に共通点が見えてきます。

自営業として働きながら合格した北郷さんは、両立の鍵に「時間割」を挙げています。

合格者の声

非法学部卒 北郷さん(働きながら合格)
仕事のときは仕事に集中し、勉強のときは勉強に集中する。口で言うと結構簡単な感じもしますが、やってみると気が散ってしまうので、あえて考えないように時間割を決めたことが、とても影響しました。やるべきこととやらないことをしっかり決めることも大切だと思います。
出典:伊藤塾「司法試験合格者インタビュー

2025年司法試験合格者インタビュー北郷さん

インタビューを見る
https://www.itojuku.co.jp/shiken/shihou/feature/2025shihou_movie/25030.html

在学中に短期合格した大富さんは、週単位で予定を割り切る工夫を語っています。

合格者の声

慶應義塾大学法学部3年生 大富さん(大学在学中合格)
1週間にできる勉強時間には限界があると思っていたので、この日はアルバイト、この日は友達と遊ぶと割り切ることで、残された時間で逆にメリハリをつけて効率的に勉強を進められました。
出典:伊藤塾「司法試験合格者インタビュー

2025年度司法試験合格者インタビュー大富さん

インタビューを見る
https://www.itojuku.co.jp/shiken/shihou/feature/2025shihou_movie/25012.html

公務員として働きながら合格した佐野さんは、限られた可処分時間との向き合い方を語っています。

合格者の声

公務員 佐野さん(働きながら合格)
学生に比べると社会人は可処分時間がかなり限られますが、その点に配慮したカリキュラムが整っていたので、安心して学習できました。社会人合格者の声を聞き、自分も同じように頑張ろうと思えたことも支えになりました。
出典:伊藤塾「司法試験合格者インタビュー

2025年度司法試験合格者インタビュー佐野さん

インタビューを見る
https://www.itojuku.co.jp/shiken/shihou/feature/2025shihou_movie/25028.html

いずれも、限られた時間をどう区切り、何に集中するかを自分なりに設計した点が共通しています。

6. 予備試験の勉強時間に関するよくある質問(FAQ)

予備試験の合格に必要な勉強時間はどれくらいですか?

一般的な目安として2,000〜5,000時間とされています。これは公的な統計ではなく、受験指導校や合格者の経験則にもとづく数字です。学習開始時の知識量や1日に確保できる時間で大きく変動するため、一律の基準ではありません。法学部出身者や法務経験者は、上記より短い時間で合格に届くケースもあります。

1日何時間勉強すると何年で合格できますか?

合計2,000時間を基準にすると、1年合格なら1日あたり約5〜6時間、2年合格なら1日あたり約2.5〜3時間が目安です。大学生は平日3時間・休日8時間で1〜2年、社会人は平日2〜3時間・休日中心で3〜5年が現実的な期間とされます。短期合格にこだわりすぎず、自分の生活時間に合う目標設定が大切です。

独学と受験指導校ではどちらが効率的ですか?

時間効率の面では、受験指導校の活用が有利とされます。範囲が整理された教材で迷いを減らせること、論文答案を客観評価できることが理由です。独学は教材選定や学習順序の試行錯誤、論文添削の不在で遠回りになりやすく、合格まで長期化する傾向があります。費用と時間のどちらを優先するかで選び方は変わります。

予備試験と司法試験で必要な勉強時間は違いますか?

両試験は出題範囲が大きく重なるため、予備試験合格までに養った実力は司法試験にそのまま生きます。予備試験合格者は新たなインプットをほとんど必要とせず、司法試験対策の負担が小さい点が特徴です。実際、2025年度の司法試験では予備試験ルートの合格率が90.68%(法務省)に達しています。

法律を学んだことのない初学者でも合格できますか?

初学者でも合格は可能です。多くの合格者が、法律知識ゼロの状態から基礎を積み上げて合格しています。重要なのは出発点ではなく、基礎を確実に固めて過去問演習を繰り返すことです。初学者の場合は、基礎固めの期間を長めに見積もり、早い段階からアウトプットを取り入れる学習が有効です。

働きながら予備試験に合格するのは現実的ですか?

可能です。会社員や公務員など職業を持つ合格者も毎年一定数います。週20時間前後の学習を3〜5年継続することで、社会人でも合格水準に届く設計です。ただし、早朝・通勤時間・休憩時間などの隙間時間の活用と、休日のまとまった学習が前提になります。家族や職場の理解を得ておくことも継続の鍵です。

独学では合格できないのでしょうか?

独学でも合格は不可能ではありませんが、論文式の答案を客観評価する手段がない点が最大の壁です。自分の答案が合格水準かを独力で判断するのは難しく、誤った方向に時間を費やすリスクがあります。完全独学にこだわらず、答練や模試で客観評価だけを補う折衷的な進め方も検討に値します。

勉強時間が長いほど合格しやすいのですか?

比例しません。長時間学習しても方向を誤れば合格は遠く、効率的な学習なら短い時間でも合格水準に届きます。細かい知識を詰め込むより、基礎的な知識を使って制限時間内に答案を書き切る力を鍛えることが重要です。インプット偏重に陥らず、早めにアウトプット中心へ切り替えましょう。

学習計画はどのように立てればよいですか?

まず合格時期を決め、そこから短答・論文の対策期間を逆算します。1日に確保できる時間を把握し、月単位・週単位の中間目標に分解すると進捗を管理しやすくなります。計画は固定せず、模試や答練の結果をふまえて随時修正することが、長期戦を乗り切るうえで効果的です。

苦手科目はどう克服すればよいですか?

苦手科目こそ過去問を中心に、頻出論点から優先的に手をつけるのが効果的です。全範囲を完璧にしようとせず、合格点に必要な基本論点を確実に押さえることを優先します。配点の大きい法律基本科目で苦手を作ると全体に響くため、早い段階で基礎へ立ち返り、繰り返し演習で底上げを図りましょう。

7. 予備試験の勉強時間と学習法のまとめ

予備試験の合格に必要な勉強時間は、一般的な目安として2,000〜5,000時間とされています。ただし公的な統計はなく、確保できる時間と学習の質で合格までの道のりは変わります。量より質を意識し、アウトプット中心で過去問を回すことが合格への近道です。

最後に、今回の記事のポイントをまとめます。

  • 必要な勉強時間は2,000〜5,000時間が目安で、公的統計は存在しません
  • 大学生は1〜2年、社会人は3〜5年が現実的な期間の目安です
  • 論文対策を中心に、短答は直前期を除き全体の2割程度にとどめます
  • 独学は論文の客観評価が壁になりやすく、答練や模試で補います
  • ゴールから逆算し、量より質を意識した計画を立てます

これから学習を始める大学生は1〜2年での合格を視野に計画を、働きながら目指す社会人は隙間時間の使い方を軸に3〜5年の計画を立てるとよいでしょう。論文対策や学習計画の詳細は、関連記事もあわせて確認してみてください。

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(講座内訳:入門講座35名、講座・答練41名、模試7名)
出典:伊藤塾「合格実績」

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著者:伊藤塾 司法試験科

1995年の創立以来、司法試験・予備試験指導の専門機関として約30年の実績を持つ伊藤塾の司法試験科が監修・執筆しています。2025年度の司法試験合格者占有率は業界トップクラスの90.6%。現役弁護士を含む専門講師陣が、予備試験ルート・法科大学院ルートの両方に精通した正確な情報をお届けします。