中小企業診断士の将来性と需要は高い!「独占業務がない」が強みとなる理由を解説

キャリア

「中小企業診断士の将来性ってどうなんだろう?」
これから目指そうとしている方なら、気になるポイントではないでしょうか。
難関資格だからこそ、「本当に目指す価値があるのか?」はしっかりと確認しておきたいところですよね。

結論からいうと、中小企業診断士の将来性は高いといえます。
主な理由は以下の通りです。

現役診断士へのアンケートにおいて、61%が「今後も需要は伸びる」と回答しており、将来性を悲観している人はわずか1割程度にとどまりました。

コンサルティング業務はAIに代替されにくい領域です。

事業承継、DX推進、人手不足など、中小企業が抱える課題は山積みで、それを支援できる中小企業診断士へのニーズは今後も続くと見られています。

● 将来性がある新領域として、事業再生、医療、福祉、介護、企業の海外展開支援などが注目されています。

この記事では、中小企業診断士の将来性が高い理由と、今後伸びる分野について詳しく解説します。
自分ならどんな領域で活躍できそうか、ぜひイメージしながら読んでみてください。

1. 中小企業診断士は将来性・需要ともに高い資格

インターネットやSNSでは「独占業務がないから食えない」といったネガティブな意見も散見されます。しかし、実際には中小企業診断士は将来性・需要ともに高い資格です。

代表的な理由としては、以下が挙げられます。

● AIでは代替できない業務領域であること
● 支援先となる中小企業の数が膨大であること
● 活躍できるフィールドに制限がないこと

詳しくは後述しますが、需要は間違いなく高く、将来性に不安を感じて迷っている方こそ、挑戦してみることを強くおすすめします。

1-1. 現役の中小企業診断士も61%が「今後、需要が伸びる」と考えている

現役診断士へのアンケートでも、将来性の高さを裏付けた結果が出ています。

日本中小企業診断協会連合会が実施した調査によると、今後のコンサルティング需要について、「伸びる」「徐々に伸びる」と回答した診断士の割合は合計61.0%に達しました。

《Q.あなたは今後、中小企業診断士のコンサルティング需要がどのようになると考えますか。》

 回答数構成比
伸びると思う59832.0%
徐々に伸びると思う54229.0%
変わらないと思う53828.8%
徐々に減少すると思う1447.7%
減少すると思う442.4%

出典:「中小企業診断士活動状況アンケート調査」結果(令和3年5月)

一方で「減少する」と回答した人は合計10.1%にとどまっており、将来性を悲観している診断士は少数派であることがわかります。

上記はあくまでも「コンサルティング需要」についてのアンケート結果ですが、診断士の活躍の場は独立コンサルだけではありません。企業に勤めながら経営企画や新規事業開発に携わる「企業内診断士」も多く、資格を活かせるフィールドは幅広いです。

2. 中小企業診断士の将来性が高い理由3つ

2章では、中小企業診断士の将来性が高い理由を3つ解説します。

● コンサルティング業務はAIでは代替できない
● 中小企業診断士の支援を必要とする企業は増え続けている
● ブルーオーシャンと言われるような市場も残されている

2-1. コンサルティング業務はAIでは代替できない

近年、多くの職業がAIに取って代わられる可能性が議論されています。

しかし、中小企業診断士が行うコンサルティング業務はAIに代替されにくい領域です。企業が抱える経営課題は、AIによるデータ分析だけで解決できるものではないからです。

実際のコンサルティングでは、経営者の感情や人間関係、その企業固有の歴史や文化といった複雑な背景に寄り添うことが求められます。自分で現場を見て、経営者と対話し、その会社に合った解決策を一緒に考える。こうした人間にしかできない「伴走型の支援」こそが、診断士の仕事の本質といってもよいでしょう。

AIは画一的な回答は得意でも、企業ごとの文脈を理解して独自の解決策を導くことは苦手です。この先、さらにAIが進化しても、経営者が「この人に相談したい」と思える存在であり続ける限り、中小企業診断士の需要はなくなりません。

2-2. 中小企業診断士の支援を必要とする企業が増えている

中小企業診断士の支援を必要とする企業は、年々増えています。

この背景にあるのが、人手不足という社会課題です。少子高齢化の影響で人材確保に苦しむ企業は増え続けており、経営者自身の高齢化も進んでいます。後継者が見つからず廃業を選ぶケースも少なくありません。

こうした課題に対しても、中小企業診断士は幅広く支援することができます。たとえば、採用戦略の立案、事業承継の計画策定、生産性をアップするためのDX推進などが挙げられます。こういった問題を自力で解決できる企業は少ないため、専門家の力を借りたいというニーズは今後も高まっていくでしょう。

日本企業の99.7%は中小企業とされており、支援を必要とする企業の母数も膨大です。診断士の需要が縮小する見込みはありません。

2-3. 「ブルーオーシャン」と言われるような市場も残っている

中小企業診断士の世界には、まだ競合が少ない「ブルーオーシャン」と呼べる市場が残っています。

たとえば、美容室やエステ、ネイルサロンといった女性経営者が多い業種。こうした業種では、「同性の診断士に相談したい」「女性ならではの視点でアドバイスがほしい」というニーズが確実に存在します。

しかし現状、女性診断士の割合は全体の約1割にとどまっています。つまり、女性診断士にとってはライバルが少なく、希少価値を発揮しやすい市場なのです。

これはあくまで一例ですが、自分ならではの強みを活かせる領域は他にも無数に存在します。
「診断士は飽和している」という声もありますが、自分の強みを活かせる領域が見つかれば、可能性はいかようにも広がります。

3.「独占業務がない」はデメリットではないと言い切れる理由

中小企業診断士には、弁護士や司法書士のような「独占業務」がありません。そのため、「独占業務がないから将来性がない」と言われることがあります。

しかし、独占業務があれば将来が安泰かというと、そうとは限りません。なぜなら、「独占業務がある」ということは、「その業務でしか稼げない」ということでもあるからです。限られた市場を、同じ資格を持つ人たちで奪い合う構図になりやすいのです。

一方、中小企業診断士には業務の制限がありません。
IT、人事、マーケティング、製造現場など、どのような業界・業種の課題解決に関わっても法的に問題がありません。そのため、ご自身のこれまでのキャリア(前職の経験)と診断士の知識を掛け合わせることで、「〇〇業界に強い診断士」として唯一無二のポジションを築くことができます

業務範囲が法律で決められていないからこそ、自分の得意分野で勝負ができ、結果として年収の上限(キャップ)も決まっていません。 

実際、コンサルタントとして独立して3年目で年収2,500万円に到達するような診断士もいらっしゃいます。(参考:【明日の中小企業診断士講座】第2回 稼げる診断士の秘訣~年収3,000万円はこのように実現した~

「独占業務がないから不安」ではなく、独占業務に縛られないからこそ、自由なキャリアが描ける。これこそが、中小企業診断士が持つ大きな魅力なのです。

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4. 現役診断士が「これから需要が伸びる」と予測する二大分野

ここからは、現役診断士へのアンケート結果を元に、「これから需要が伸びる」と言われている分野を2つ紹介します。
(出典:「中小企業診断士活動状況アンケート調査」結果(令和3年5月)

● 事業承継・M&A
● DX推進・IT化

それぞれ見ていきましょう。

4-1. 事業承継・M&A

アンケートで第1位(33.6%)に挙げられたのが、事業承継・M&Aです。

経営者の高齢化が進む中、後継者問題は多くの中小企業にとって避けられない課題となっています。後継者が見つからず廃業を選ぶケースも増えており、第三者への事業譲渡(M&A)を検討する企業も珍しくありません。

こうした場面で、診断士は承継計画の策定からM&A後の統合プロセス(PMI)まで幅広く支援することができます。事業承継ニーズの高まりとともに、診断士への期待は今後さらに高まるでしょう。

実際に診断士がM&Aを支援した事例として、企業診断ニュースで以下のようなケースが紹介されています。

【事例紹介】中小企業診断士が飲食店の事業譲渡をサポート

中小企業診断士が飲食店オーナーから相談を受けたケースです。
オーナーは、飲食店3店舗を経営しており、うち洋食専門店2店舗を手放したいと考えていたそうです。そこで、診断士がアドバイザリーとして対応し、買い手候補を4社発掘。そのうち2社から意向表明を受け、現在は1社と基本合意を結んで最終段階を進めているそうです。

参照:企業診断ニュース 別冊 Vol.8

4-2. DX推進・IT化

アンケートで第2位(24.1%)に挙げられたのが、DX推進・IT化です。
業務効率化や生産性向上のために、ITツールの導入やデジタル化を進めたい中小企業は増えています。しかし、「何から始めればいいかわからない」「導入したが使いこなせていない」という企業も少なくありません。

診断士は、単なるツール導入の支援にとどまらず、業務プロセス全体を見直した上で最適なIT活用を提案できます。経営視点を持ったDX支援ができる点が強みです。

少し古い事例ですが、実際に診断士が中小企業のDX推進・IT化を支援した事例として以下のようなケースが、中小企業庁のHPで紹介されています。

【事例紹介】「業務プロセスモデル」と「ITカイゼン」手法を活用したビジネスモデル変革

中小企業診断士が、3拠点で生産を行う工場から相談を受けたケースです。
同社は、リーマンショック後に脱下請けを目指してオーダーメイド事業へ舵を切りましたが、業務の属人化やアナログ管理の限界により、現場が混乱状態に陥っていたそうです。
そこで、診断士2名が支援に入り、「業務プロセス改善」、「ITカイゼン」の2つのプロジェクトを推進。業務フローの見える化とともに、社員が自らシステムを作る体制を構築したそうです。その結果、人員はほぼ横ばい(30名→31名)のまま、5年間で売上高は約1.6倍に拡大するなど、大幅な経営改善を実現したそうです。

出典:平成27年度「中小企業診断士の活用成功事例

5. さらに将来性がある新領域

4章で紹介した分野以外にも、診断士の需要が高まると期待される領域があります。
以下の3つは、社会課題の変化や政策の後押しを受けて、今後さらに成長が見込まれる分野です。

● 事業再生
● 医療・福祉・介護
● 企業の海外展開の支援

それぞれ見ていきましょう。

5-1. 事業再生

経営改善や事業再生の支援ニーズも、今後さらに高まることが見込まれる分野です。

ニーズが高まっている理由のひとつに、コロナ禍で多くの中小企業が利用した「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」の返済開始があります。これに物価高騰が重なり、資金繰りに苦しむ企業が増加。コロナ借換保証などでなんとか資金繰りをつないでいるものの、今後、本格的に返済が始まる企業の増加が見込まれています。

こうした企業に対して、診断士は経営改善計画の策定や金融機関との交渉支援、収益改善策の提案などを行うことができます。厳しい環境にある企業を立て直す仕事は難易度が高い一方、やりがいも大きい分野です。

5-2. 医療・福祉・介護

高齢化が進む日本において、医療・福祉・介護分野は市場拡大が続いており、診断士の活躍が期待される領域です。

この分野の特徴は、診療報酬や介護報酬といった公定価格によって売上の上限がほぼ決まっている点です。一般的なビジネスであれば「単価を上げる」「客数を増やす」といった打ち手がありますが、この業界ではそれができません。人員配置基準などの規制もあり、受け入れられる利用者数にも限界があります。

だからこそ、制度に精通した上で、業務効率化や生産性向上によって経営改善を図るアプローチが重要になります。業界特有の知識が求められる分、経営と現場の両方を見渡せる診断士へのニーズが高い領域です。

5-3. 企業の海外展開支援

円安やインバウンド需要の回復を背景に、海外展開に再挑戦する中小企業が増える傾向にあります。海外への販路開拓や輸出支援は、診断士が活躍できる分野のひとつです。

具体的には、海外市場の調査、現地パートナーの開拓、輸出に必要な手続きのサポート、越境ECの立ち上げ支援などが挙げられます。「海外に売りたいが、どこから手をつけていいかわからない」という企業は多く、伴走しながら支援できる診断士の存在は貴重です。

各地の診断士協会でもこの分野への取り組みが進んでおり、埼玉県協会では清酒業界の海外展開をテーマに県内酒蔵32社を調査するなど、実践的な活動が行われています。

グローバル化の流れは今後も続くため、語学力や海外経験を持つ診断士にとっては大きなチャンスとなるでしょう。

6. 中小企業診断士を目指すなら伊藤塾

ここまで見てきたとおり、中小企業診断士の将来性は高く、活躍できるフィールドは今後も広がっていきます。ただし、需要があっても資格を取得しなければ始まりません。

そこでおすすめしたいのが、受験指導校の活用です。中小企業診断士試験は難関資格であり、独学で合格を目指すのは簡単ではありません。

伊藤塾の「中小企業診断士合格講座なら、働きながらでも最短ルートでの合格を目指せます。

6-1. 「専門家集団」による指導で、最高効率の学習を実現

中小企業診断士は、学ぶべき範囲の広さがネックになりやすい試験です。科目ごとに、いかに効率よく理解・記憶につなげられるかが勝負になります。

伊藤塾では各科目に、それぞれの科目特性を理解したスペシャリストを配置しました。
「わかりやすく」「網羅性の高い」講義で、最高効率の学習を実現します。

6-2. 安心と充実のフォロー体制

社会人で勉強を続ける方は、学習内容や勉強法について相談しづらく、これが学習継続を妨げる要因になりがちです。

伊藤塾では、講師・合格者に勉強法を相談できる「カウンセリング制度」、学習内容の疑問を解消できる「質問制度」、少人数で2次試験対策を行う「ゼミ」、勉強仲間と一緒に学べる「オンライン勉強会」など、複数のサポート体制を用意しています。

6-3. 合格後を見据えた同窓会の存在

伊藤塾では、合格後のキャリアも見据えた支援を行っています。

OB・OGからなる同窓会では、中小企業診断士だけでなく、弁護士・司法書士・行政書士など他の士業との繋がりを提供しています。

診断士として活動する中で、各士業と連携する場面は少なくないため、合格後の人脈づくりという点でも、伊藤塾で学ぶメリットは計り知れません。

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7. 中小企業診断士の需要に関するよくある質問

Q. 地方でも需要はありますか?

A. はい。日本企業の99.7%は中小企業であり、地方にも支援を必要とする企業は数多く存在します。むしろ地方では診断士の数が少ないため、希少価値を発揮しやすい環境ともいえます。地域密着型の支援や、自治体と連携した経営支援など、地方ならではの活躍の場もあります。

Q. 社労士と中小企業診断士、将来性が高いのはどちらですか?

A. どちらも将来性のある資格ですが、活躍の仕方が異なります。社労士は労務管理や社会保険手続きなど専門領域に特化しており、診断士は経営全般を幅広くカバーします。自分がどの分野で活躍したいかによって選ぶのがよいでしょう。ダブルライセンスで強みを掛け合わせる人もいます。

Q. 中小企業診断士の資格がなくなることはありますか?

A. 現時点でなくなる見込みはありません。中小企業診断士は中小企業支援法に基づく「国家資格」であり、国の中小企業政策と密接に結びついています。事業承継やDX推進など、中小企業の課題は増え続けており、診断士の役割はむしろ拡大しています。

Q. 転職に有利ですか?求人は多いですか?

A. 資格単体で転職が有利になるとは限りませんが、経営全般の知識を持つ証明として評価されることは多いです。特に金融機関やコンサルティング会社では評価されやすい傾向があります。資格に加えて実務経験や専門性を掛け合わせることで、転職市場での価値は高まります。

8.【まとめ】中小企業診断士の将来性と需要

本記事では、中小企業診断士の将来性が高い理由や、今後需要が伸びる分野について解説してきました。以下にポイントをまとめます。

  • 中小企業診断士の将来性は非常に高い
    現役診断士の約6割が「需要の増加」を予測しており、公的なアンケート結果からも市場価値の高さが裏付けられています。

  • 中小企業診断士の「伴走型支援」はAIに代替されない
    経営者に寄り添い、複雑な背景を理解して解決策を考える業務はAIには難しく、今後も人間ならではの価値が求められます。

  • 中小企業診断士の支援を必要とする企業は増加
    日本の企業の99.7%を占める中小企業が抱える課題は深刻さを増しています。中小企業診断士は、中小企業を支える重要な存在であり、その需要がなくなることはありません。

  • 「独占業務がない」はむしろ「強み」
    業務範囲に法的な制限がないため、自身の強みを活かして活動領域や収入を無制限に広げることができます。

  • 需要が拡大する有望分野
    「事業承継・M&A」や「DX推進」といった喫緊の課題に加え、「事業再生」「医療・福祉・介護」「海外展開支援」といった新領域でも活躍の場が広がっています。

日本の中小企業の現状は厳しさを増しており、中小企業診断士の活躍の場は確実に増えています。

このような将来性ある中小企業診断士になって活躍するためには、まず難関試験を突破する必要があります。独学での合格は容易ではありませんが、伊藤塾の「中小企業診断士合格講座であれば、働きながらでも最短ルートでの合格を目指すことができます。

伊藤塾では、科目ごとのスペシャリストによる講義で「最高効率の学習」を実現できるほか、講師や合格者に勉強法を相談できるカウンセリング制度など、充実したフォロー体制で学習継続を支えます。

さらに、合格後は弁護士など他士業の合格者や実務家とつながることができる同窓会に参加でき、将来の人脈づくりという点でも大きなメリットがあります。

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伊藤塾 中小企業診断士試験科

著者:伊藤塾 中小企業診断士試験科

中小企業診断士資格を保有する講師・合格経験者で構成された専門チームが監修・執筆しています。1次試験7科目・2次試験4事例という複合構造を持つ本試験について、ストレート合格率約4〜8%の難関資格を突破するための学習戦略・独立開業の実態・他資格との相性まで、実務経験豊富な専門チームが正確にお届けします。