
行政書士は仕事がない・食えないは嘘?業界の実態と成功の秘訣を伝授
基本情報
2025年09月10日


「行政書士になっても仕事がない…」
「合格しても、食っていけない…」
ネットやSNSでこんな噂を目にして、不安になっていませんか?
結論から言うと、これは大きな誤解です。
実際のデータを見ると、行政書士の廃業率はわずか4.6%、市場規模は10年間で2倍以上に拡大しています。
では、なぜ「仕事がない・食えない」と言われるのでしょうか。そして、どうすれば成功する行政書士になれるのでしょうか。
本記事では、行政書士業界の実態をデータで明らかにし、成功する行政書士と失敗する行政書士の違いを解説します。さらに、伊藤塾で実務家として活躍する井内講師が語る「成功する行政書士の5つの視点」も取り上げました。
これから行政書士を目指す方は、ぜひ最後までお読みください。
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【目次】
1.行政書士は「仕事がない・食えない」は嘘
行政書士は「仕事がない・食えない」という噂を耳にすることがあります。
しかし、これは間違いです。行政書士の廃業率は非常に低い水準にとどまっており、市場規模も急激に拡大しています。
1-1.行政書士の廃業率は4%
まず注目したいのが、行政書士の廃業率がわずか4%にとどまっている点です。
【行政書士の廃業率】
令和5年度当初における登録者数 | 51,041人 |
令和5年度中の廃業届の提出者 (第1項2号該当者) | 2,064人 |
令和5年度の廃業率 | 4% |
(出典:総務省|行政書士の登録状況(令和5年度))
もし本当に「仕事がない」「食えない」資格であれば、もっと多くの人が廃業しているはずです。
しかし実際には、96%の行政書士が事業を継続できています。
1-2.市場規模(売上)は2倍以上に拡大している
さらに、行政書士の市場規模が着実に拡大している点も見逃せません。
行政書士事務所の売上は、ここ10年間で2倍以上に増加しており、行政書士一人当たりの売上も急増しています。
年度 | 2012年 | 2021年 | 市場成長率 |
(百万円) 売上金額 | 30,802 | 62,260 | 2倍 |
事業所数 | 3,984 | 6,717 | 1.7倍 |
(百万円) 1事業所あたり 売上 | 7.73 | 9.27 | 1.2倍 |
従業者数 | 8,554 | 13,320 | 1.6倍 |
(百万円) 1人当たり売上 | 3.6 | 4.67 | 1.3倍 |
(出典:総務省統計局|平成24年・令和3年 経済センサス-活動調査を加工して作成)
伊藤塾出身の実務家の中では、年収1000万円を超えるような行政書士も多数いらっしゃいます。
「仕事がない」「食えない」という評判とは裏腹に、チャンスが広がっている業界なのです。
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2.なぜ行政書士は「仕事がない・食えない」と言われるのか
では実際は稼げる資格なのに、なぜ「仕事がない」「食えない」と言われるのでしょうか?
その背景には大きく3つの理由があります。
・士業の中では人数が多いから
・仕事内容が分かりにくいから
・事務所への就職が難しいから
それぞれ詳しく説明します。
2-1.士業の中では人数が多いから
行政書士が、「仕事がない」と言われる最大の理由は登録者数が多いことです。
現在、全国には約5万人もの行政書士が登録されています。これは税理士に次ぐ人数で、他士業と比べても多い数字です。
※参考【士業の人数】
税理士会の会員数:81,538人
(※日本税理士会連合会 令和7年4月末日現在)
行政書士会の会員数:52,734人
(※日本行政書士会連合会 令和7年4月1日現在)
弁護士会の会員数:47,072人
(※日本弁護士連合会 2025年5月1日現在の会員数)
社会保険労務士会の会員数:45,401人
(※社会保険労務士白書 2024 年版)
司法書士会の会員数 23,387人
(※日本司法書士会連合会調べ 2025年4月1日現在)
士業の中でも人数が多いことが、「すでに飽和しており、仕事がない」というイメージにつながっているのです。
ただし、あくまでもイメージの問題です。実際には、第1章で見たように、行政書士一人あたりの売上も年々増加しており、まだまだチャンスが広がっています。
「人数が多い=飽和している」ということではありません。
2-2.仕事内容が分かりにくいから
仕事内容が一般の人にとって分かりにくいことも、行政書士の「食えない」と言われる理由の一つです。
弁護士や税理士と違い、行政書士が何をする人なのか、多くの人はよく分かっていません。「官公署に提出する書類の作成」と言われても、具体的にどのような場面で必要になるのかがイメージしづらいからです。
そのため、本当は事務所の近くに行政書士を必要としている人がいるのに、「相談してみよう」という発想に至らないケースがありえます。結果として、需要はあるのに仕事として結びつかず、「仕事がない」という状況に陥ってしまう可能性も考えられます。
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2-3.事務所への就職が難しいから
行政書士は本来、独立開業を前提とした資格です。
しかし実際には、「いきなり独立するのは不安」と感じて、まずは事務所への就職を希望する人が多くいます。ところが、行政書士事務所の多くは個人事務所なので、そもそも従業員を必要としていません。求人数が少ないため、結果として「資格を取っても仕事がない」というイメージにつながっているのです。
ただし、最近は行政書士法人の求人もあるため、実務を学ぶ機会は確実に増えています。さらに、行政書士は知名度の高い資格なので、一般企業への就職でも評価されやすいです。行政書士になることで、選択肢は確実に広がるでしょう。
※行政書士の就職については、次の記事で詳しく解説しています。
3.「仕事がない・食えない」行政書士の特徴
とはいえ、実際に「仕事がない・食えない」行政書士がいることも事実です。
この章では、仕事が獲得できず、廃業していく行政書士に共通する3つの特徴を説明します。
・開業準備が不足している
・営業努力をしていない
・安さを売りにしている
それぞれ見ていきましょう。
3-1.開業準備が不足している
まず挙げられるのが、「開業準備が不足している」という点です。
資格があれば自然と仕事が来ると思っている人もいますが、現実はそう甘くありません。どの分野を専門にするのか、どこで開業するのか、初期費用はどれくらい必要なのか、こうした計画を立てずに開業すると、スタートから躓きます。
成功している行政書士は、開業前から綿密に準備をして事業展開しています。
少なくとも、自分の強みを活かせる分野を調べて、その分野のニーズがある地域で開業するなどの戦略は必要でしょう。建設業許可なら建設会社が多いエリア、外国人関連なら国際色豊かな地域、といったイメージです。開業後はすぐに収入を得られるとは限らないため、生活費も半年分は確保しておきましょう。
準備に時間をかけることを「遠回り」と感じるかもしれません。しかし、この期間にどれだけ真剣に向き合えるかが、開業後の成功を左右するのです。
※行政書士の独立開業については、次の記事で詳しく解説しています。
3-2.営業努力をしていない
次に見られるのが「営業努力をしていない」という点です。
行政書士の資格を取得しても、待っているだけでは仕事はきません。成功している行政書士は、常に自分の存在をアピールし、お客と接点を作る努力を続けています。
たとえば、地域のイベントに顔を出したり、商工会議所へ参加するなどの方法が考えられるでしょう。ホームページ・SNSを活用した情報発信も効果的です。ブログで専門分野の知識を分かりやすく解説したり、事務所の日常を発信したりすることで、親しみやすさと専門性をアピールできます。
最初は慣れないかもしれませんが、少しずつでも行動していけば、必ず道は開けてきます。営業というと敷居が高く感じるかもしれませんが、自分の専門性を求めている人に出会うための活動だと考えてみてください。
3-3.安さを売りにしている
安さを売りにしていることも、失敗する行政書士の特徴です。
開業当初は、実績作りのために価格を抑えることも必要です。しかし、いつまでも低価格で仕事を受けていると、忙しいのに利益が出ないという悪循環に陥ります。
大切なのは、適正な報酬を設定し、価格に見合った価値を提供することです。依頼主に満足してもらえるサービスを提供できれば、最安値である必要はありません。価格の安さではなく、「この人に頼んで良かった」と思ってもらえるサービスを心がけましょう。
良いお客は、必ず良いお客を連れてきてくれます。信用が積み重なった結果、依頼主が「あの行政書士は信頼できる」と周りに紹介して、自然と仕事が増えていく。これが理想的な集客の形です。目先の利益にとらわれて安売りするのではなく、一人一人の依頼主に誠実に向き合いましょう。
4.行政書士はAIに代替されて仕事がなくなる?
「AIの進化で行政書士の仕事がなくなるのでは?」という不安を持つ人も多いでしょう。
しかし、行政書士の仕事がAIに完全に奪われることはありません。行政書士の仕事は、単なる書類作成代行ではないからです。
たとえば、許認可申請の相談を受けたとき、AIは「必要書類一覧」を提示することはできても、その会社の内情に合わせた受け答えはできません。「御社の状況なら、まず△△をするべきです」といった実践的なアドバイスは、経験豊富な行政書士にしかできないのです。
さらに、依頼主の多くは、「うちの会社でも許可は取れるの?」「もし不許可になったらどうすればいい?」といった不安を抱えています。こうした不安に寄り添い、安心感を与えることも行政書士の仕事です。時には話をじっくり聞いた上で、依頼主が抱えている本当の悩みを引き出す「カウンセラー」のような役割が求められることもあります。このような「相談業務」は、AIには代替できません。
むしろ、AIが発展すれば行政書士の価値がさらに高まっていくでしょう。定型的な仕事をAIに任せれば、その分、依頼主との面談時間を増やしたり、複雑な案件に時間をかけたりして、仕事の質を高められるからです。AIは、行政書士の仕事を奪う存在ではなく、強力なパートナーだと考えておきましょう。
5.行政書士が成功するための5つの視点
ここまで、行政書士は十分に食べていける資格であることを説明しました。しかし、単に資格を取得しただけで安泰というわけではありません。
ではどうすれば行政書士として成功できるのか、伊藤塾・行政書士合格講座の井内講師が意識している「5つの視点」を踏まえて解説します。
5-1.経営者として必要な5つの視点
行政書士の成功に必要なのは、単なる「専門家」ではなく「経営者」として生きることへの発想の転換です。現役実務家として活躍している井内講師によると、これからの行政書士には次の「5つの視点」が求められるそうです。
1. リーダーシップ
2. 理解あるスタッフ
3. 依頼主の心を読む力
4. 計画に沿った行動力
5. ユニークさ(素直さ)
5-2.中でも大切なのが「リーダーシップ(=提案力)」
5つの視点の中でも、井内講師が特に重要視しているのが「リーダーシップ」です。
行政書士にとってのリーダーシップとは、ズバリ「提案力」。
依頼主の多くは経営者であり、誰にも相談できないような悩みを抱えています。言われたことを単にこなすのではなく、積極的に提案し、困難な道を一緒に開拓していける行政書士を求めています。
このような「5つの視点」を持った行政書士になるには、試験勉強の段階から、実務を意識した取り組みが必要です。そして、その学びの場としてオススメなのが当コラムを運営する伊藤塾です。
6.食いっぱぐれない行政書士になるなら伊藤塾がおすすめ
伊藤塾は1995年の開塾以来、累計5,800人以上の行政書士を輩出してきた法律資格専門の受験指導校です。司法試験の合格占有率90.2%、司法書士試験でも合格者の62%が利用するなど、法律系難関資格で圧倒的な実績を誇っています。
伊藤塾の最大の特徴は、合格のための指導に留まらず、「実務家として考える力」を養うための指導と機会の提供に努めていることです。合格のための知識やノウハウのみならず、人材育成を目的として受験指導にあたっていることが、他の指導校にはない大きな特長です。
さらに合格後も、2,800人以上の実務家が会員となっている同窓会「i.total(秋桜会)」を設立しています。第一線で活躍する行政書士から直接話を聞ける「明日の行政書士講座」も開催しており、合格後も継続的に学び、成長できる環境が整っています。
伊藤塾出身の行政書士は、様々な分野で活躍しています。こうした先輩たちの姿を見ながら、自分の将来像を描けることが伊藤塾の大きな魅力です。
7.【Q&A】よくある質問
Q1.行政書士は開業しても仕事がないですか?
A.いいえ、廃業率はわずか4%で、96%の行政書士が事業を継続しています。準備と営業努力をしっかりと行えば、十分に仕事を獲得できます。
Q2.行政書士の仕事は将来なくなりますか?
A. むしろ、市場規模は10年間で2倍以上に拡大しており、今後も成長が期待できます。
行政書士の本質的な価値は、依頼主の実情に合わせた提案や相談業務にあるため、AIに代替されることも考えにくいです。
※行政書士の将来性については、次の記事で詳しく解説しています。
Q3.行政書士は就職先がないと聞きましたが本当ですか?
A. 個人事務所からの求人は少ないですが、最近は行政書士法人の求人も増えています。
知名度が高く、一般企業でも評価されやすい資格なので、合格すれば選択肢は確実に広がるでしょう。
※行政書士の就職については、次の記事で詳しく解説しています。
Q4.行政書士の年収はどれくらいですか?
A. 令和6年賃金構造基本統計調査によれば、平均年収は591万円です。
ただし、年収1000万円を超える行政書士もおり、努力次第で高年収を目指せる資格です。
※行政書士の年収については、次の記事で詳しく解説しています。
8.まとめ
最後に、記事のポイントをまとめます。
1.行政書士は「仕事がない・食えない」は間違い
行政書士の廃業率はわずか4%、96%の行政書士が事業を継続できています。さらに市場規模はここ10年で2倍以上に拡大しており、行政書士一人当たりの売上も急増しています。
2.「仕事がない・食えない」と言われる3つの理由
・士業の中では人数が多いこと
・仕事内容が分かりにくいこと
・事務所への就職が難しいこと
が原因です。ただし、これらはあくまでイメージの問題で、実際にはチャンスが広がっています。
3.「仕事がない・食えない」行政書士の3つの共通点
失敗する行政書士には、以下の3つの特徴があります。
・開業準備が不足している
・営業努力をしていない
・安さを売りにしている
成功するためには計画的な準備と継続的な努力が必要です。
4.行政書士の仕事がAIに仕事を奪われる可能性は低い
行政書士の本当の価値は単なる書類作成ではなく、依頼主の実情に合わせた提案や相談業務にあります。むしろAIを活用することで、より質の高いサービスを提供できるようになります。
5.実務で活躍できる行政書士になるなら伊藤塾がおすすめ
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