
司法書士試験は過去問だけで合格できる?何年分解けばいい?過去問&解答も無料掲載
試験詳細
2025年10月02日


資格試験では、過去問が最良の問題集だと言われることがありますが、司法書士試験においても、過去問学習は合格のために重要な問題集だと言えます。
司法書士試験にいち早く合格することを目指しているのであれば、過去問を解いて自分の理解度をチェックしたり、学習の進行具合をチェックするための資料として活用することが重要です。
では、合格のために過去問学習が重要だとしても、何年分の過去問を解けば合格できるのでしょうか。
この記事では、司法書士試験における過去問学習の重要性や活用法について詳しく解説していきます。
法務省で公開されている、過去5年分の過去問と解答のリンクも掲載していますので、司法書士試験にチャレンジしようと考えている方は、一度過去問を解いてみて、どんな問題が出題されるのかをチェックしてみることをおすすめします。
【目次】
1.司法書士試験は過去問だけで合格できる?
司法書士試験において過去問学習は重要ですが、過去問を解くだけでは、合格に必要な基礎力を身につけることはできません。
たしかに、過去問を解けば、出題傾向や出題形式を把握することができますし、時間を測って解くことで、実践感覚を養うこともできます。
また、過去問を解くことで自分の理解度を確かめることができるため、学習スケジュールの進行度合いを確認することもできるでしょう。
しかし、受験指導校などの講義を受けたり、インプットのための教材を使うことなく、過去問の知識だけで司法書士試験に合格できるかと言われると、かなり困難であると言えます。
過去問だけを解いた場合と、受験指導校などの講義を活用して、しっかり法的思考を身につけたうえで過去問を解くのでは、1問ごとに得られる知識が異なります。
過去問を解く目的は、どんな問題が出題されても対応できるような基礎力・応用力を身につけることであり、全く同じ問題が出題された時にだけ解答できる力を身につけたいわけではありません。
つまり、司法書士試験において、過去問学習は重要度が極めて高いものにはなりますが、初学者が過去問だけで合格するのは極めて困難であることを、まずはしっかり認識しておく必要があります。
※司法書士試験に合格するための勉強法については、こちらの記事も併せてご覧ください。
2.司法書士試験の過去問は何年分解けばいい?
結論から言うと、司法書士試験の過去問を何年分解けばいいのかは人によって異なるため、一概には言えません。
受験指導校の講義を活用して効率良くインプットができているのであれば、5年分の過去問学習で十分な方もいますし、逆に、アウトプットを重視してとにかく過去問学習を重視する勉強法であれば、10年から30年分の過去問を解いておくべきだと考える方もいるでしょう。
そのため、実際に何年分の過去問を解くべきかは、自分の勉強の進み具合や理解度、可処分時間から逆算して決めるべきだと言えます。
専業受験生に比べて勉強時間が満足にとれない社会人受験生であれば、過去問を30年分解くのは現実的ではありませんし、1つ1つの問題に対する理解が甘くなってしまい、効率の悪い勉強になってしまうおそれがあります。
もし、過去問学習を効率良く進めたいのであれば、受験指導校が提供する過去問講座や厳選過去問集を活用して勉強することをおすすめします。
参考:択一過去問ブラッシュアップ講座|伊藤塾
参考:2026年合格目標 司法書士 択一式厳選過去問集-2025ver – |伊藤塾
2-1.司法試験や行政書士試験の過去問も解くべき?
法律系資格試験ではよく耳にすることですが、司法書士試験の過去問を解くうえで、試験科目が被っている司法試験や行政書士試験の問題まで解くべきか迷う方もいるかもしれません。
しかし、よほど時間が余っている場合でない限り、司法書士試験以外の過去問にまで手を広げるべきではありません。
たしかに、司法試験や行政書士試験の過去問まで勉強することで、より幅広い理解ができるようになるかもしれません。
しかし、司法書士試験の過去問だけでも膨大な量があるにもかかわらず、他の資格試験の過去問にまで手をつけようとすると、それぞれの知識を100%身につけることができなくなり、結局本番では得点に結びつかない曖昧な知識が増えるだけになってしまうおそれがあります。
なるべく多くの知識を身につけたい気持ちはわかりますが、あまり手を広げすぎず、司法書士試験の過去問や問題演習を繰り返し解く方が、効率の良い勉強だと言えるでしょう。
3.司法書士試験で過去問が重要な理由
司法書士試験で過去問学習が重要な理由は、主に次の3つです。
◉出題傾向や出題形式を把握できる
◉インプットとアウトプットの繰り返しで知識を定着させられる
◉焼き直しで問題が出題されることもある
過去問学習を効果的なものにするためにも、司法書士試験における過去問学習の重要性を確認しておくようにしましょう。
3-1.出題傾向や出題形式を把握できる
過去問を解くことで、実際の試験でどのように問われるのか、どういった問題形式で出題されるのかを把握することができます。
司法書士試験では、インプットした知識がそのままの形で問われるのではなく、具体例と絡めた問題が出題されます。
過去問で出題傾向や出題形式を把握しておけば、本番の試験でどのような出題をされたとしても、慌てずに対応できるようになります。
また、出題傾向が把握できれば、インプットの際にメリハリをつけて学習できるようになります。
11科目もある司法書士試験で効率良く学習を進めるためには、力を入れて勉強するところと、そうでないところをしっかり意識して学習することが重要になります。
※試験科目ごとの学習のポイントについては、こちらの記事をご覧ください。
3-2.インプットとアウトプットの繰り返しで知識を定着させられる
インプットとアウトプットを繰り返すことで、合格に必要な知識を定着させることができます。
インプットだけでは理解できなかった知識も、実際に問題を解くことで理解できるようになるケースもありますし、逆に、過去問でわからなかった部分は、その都度インプット教材に戻ることで、より深い理解ができるようになります。
なお、過去問は全く同じ問題が2度出題されることはありません。そのため、過去問の解答を暗記するのではなく、なぜその解答になるのか、その法的思考を学ぶよう心がけてください。
3-3.焼き直しで問題が出題されることもある
司法書士試験では、過去に出題された問題と全く同じ問題は出題されませんが、同じ論点が、形を変えて再度出題されることがあります。
過去問を繰り返し解いておけば、焼き直し問題に対応できるようになるため、本番での得点力アップに繋がります。
過去でも繰り返し問われている知識問題については、合格者は落とさずに得点してくる可能性が高いため、確実に得点する必要があります。
4.司法書士試験に合格するための過去問の活用法
司法書士試験に合格する確率を上げるためには、過去問の使い方について、次の4つの点に気をつけるようにしましょう。
◉なるべく早い段階から過去問に取り組む
◉繰り返し解く
◉メリハリをつけながら学習する
◉記述式の過去問は基礎が身についてから
以下、それぞれの活用法について詳しく解説していきます。
4-1.なるべく早い段階から過去問に取り組む
過去問は、なるべく早い段階から取り組むことを心がけてください。
勉強法は人それぞれで、なかにはインプットが完璧に終わってから過去問に取り組もうと考えている方もいるでしょう。
しかし、インプットで得た知識を、短期記憶から長期記憶として定着させるためには、インプットとアウトプットを繰り返し行なうことが重要です。
受験指導校の講義や参考書で得た知識が、本試験の問題ではどのように問われるのかを知っておくことで、効率良くインプットを行うことができるようになります。
そのため、ある程度インプットが進んだら、並行して過去問演習も始めることをおすすめします。
4-2.繰り返し解く
過去問は、1回解いたら終わりではなく、繰り返し解くことを心がけてください。
繰り返し解くことで、基礎知識を定着させられるだけでなく、最初解いた時には理解できなかったことが、2回目以降に解くタイミングでは理解できるようになることもあります。
法律の勉強は、他の法律科目を勉強したあとに戻ってくると、すんなり理解できるようになっているケースも珍しくありません。
1つ1つの選択肢に回答するための法的な思考回路を学ぶためには、何度も繰り返して問題を解く必要があるのです。
本番までに過去問を何回解くかは、人によって見解が異なりますが、試験本番までの残り期間と自分の可処分時間から逆算して決めるようにしてください。
4-3.メリハリをつけながら学習する
過去問は、メリハリをつけながら解いていくことをおすすめします。
過去問を何年分解くかは人それぞれですが、それなりの量をこなそうとすると、効率良く問題を解かなければ試験本番までに過去問を繰り返すことができません。
解答するためのプロセスまでわかる選択肢については、繰り返し解く対象から外すことで、2回目以降に解く分量を減らすことができます。
また、出題傾向を把握したうえで、繰り返し出題されている分野の過去問を重点的に解けば、本番での得点力を効率良く伸ばすことができます。
4-4.記述式の過去問は基礎が身についてから
司法書士試験で出題される記述式の問題にいつから取り掛かれば良いのか迷う方も多いと思いますが、それぞれの勉強の進み具合で始める時期を決定する必要があります。
記述式の過去問を解いておけば、傾向を把握して効率的な対策が可能になるだけではなく、本番で出題される論点を把握することで、出題論点や出題パターンに備えることができます。
また、従来、不動産登記・商業登記の「2問で70点満点」だった記述式の配点が、令和6年度(2024年度)以降の筆記試験から「2問で140点満点」に変更されます。
そのため、記述式の対策をしっかり行っておくことが、司法書士試験合格のためには重要なポイントになってきます。
ただし、あまりにも古い問題では出題傾向が異なるため傾向把握に向いておらず、また、最新の問題では焼き直しでの出題の可能性が低くなることから、論点把握には向いていません。
もし、必要十分な過去問演習を行ないたいのであれば、下記のような記述式の厳選過去問集を利用して、効率良く学習を進めてみてはいかがでしょうか。
参照:2026年合格目標 司法書士 記述式厳選過去問集-2025ver|伊藤塾
5.司法書士試験の過去問と解答は無料で公開されている
司法書士試験の過去問と解答は、法務省より無料で公開されています。
ここでは、公開されている過去5年分の過去問と解答のリンクを掲載しておきますので、司法書士試験学習にお役立てください。
令和6年度 (2024年度) | 午前の部 | 午後の部 | 解答(多肢択一式) | 出題の趣旨(記述式) |
令和5年度 (2023年度) | 午前の部 | 午後の部 | 解答(多肢択一式) | 出題の趣旨(記述式) |
令和4年度 (2022年度) | 午前の部 | 午後の部 | 解答(多肢択一式) | 出題の趣旨(記述式) |
令和3年度 (2021年度) | 午前の部 | 午後の部 | 解答(多肢択一式) | 出題の趣旨(記述式) |
令和2年度 (2020年度) | 午前の部 | 午後の部 | 解答(多肢択一式) | 出題の趣旨(記述式) |
参照:司法書士試験|法務省
なお、過去問の中でも重要な学習効率の高い問題だけをセレクトして解くことで、無駄な労力をかけることなく過去問に取り組みたいと考えるのであれば、伊藤塾で提供している厳選過去問集を使って効率良く過去問演習を行ってみてはいかがでしょうか?
参照:2026年合格目標 司法書士 択一式厳選過去問集-2025ver – |伊藤塾
6.受験指導校を利用すれば効率良く過去問学習ができる!
過去問演習は、司法書士試験の学習において重要な位置づけになるのは間違いありませんが、過去全年度分の問題に触れるのは多大な労力となり、決して効率の良い学習とは言えません。
また、独学では、解説を読んでもよくわからなかったり、本番で得点するためには不要な勉強を重ねてしまったりと、間違った方向で勉強を進めてしまうケースもあるでしょう。
その点、伊藤塾では、初めて法律を学習する方に向けた入門講座から、すでにある程度勉強を進めている中・上級者向けの講座までバリエーションに富んだ講義が提供されており、着実に実力をつけることができます。
また、電話やZoomで、直接、講師に質問・相談ができるカウンセリング制度を利用すれば、テキストのわからない部分について質問できたり、学習スケジュールについてアドバイスをもらうことができるため、正しい方向で勉強を進めることができます。
限られた時間の中で効率良く勉強を進めたいのであれば、伊藤塾の講座を利用して効率良く勉強を進めてみてはいかがでしょうか?
→「法律学習経験0」から毎年多数の短期合格者を輩出し続けている伊藤塾の司法書士入門講座
7.まとめ
司法書士試験に合格するうえで、過去問が重要な位置付けになることは間違いありません。
しかし、初学者が過去問”だけ”で合格できるほど、司法書士試験は甘い試験ではありません。
アウトプットを効率よく行うためには、質の高いインプットを行うことも重要になるのです。
インプットと並行して過去問を繰り返し解くことで、合格に必要な知識を長期記憶として定着させることができるため、なるべく早い段階から過去問に取り組むようにしましょう。
もし、限られた時間の中で効率よく過去問学習をしたいのであれば、合格に特化した受験指導校の質の高い講義を利用することをおすすめします。