
働きながら司法書士合格は無理じゃない!社会人合格者の勉強法を解説
勉強法
2025年10月02日


・司法書士は働きながら目指せる?
・働きながら試験に合格した人はいる?
こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
法務省のデータによれば、令和5年度司法書士試験合格者の平均年齢は約41歳です。
多くの受験生は、社会人として働きながらチャレンジし、仕事や家庭との両立に悩みながらも、粘り強く勉強して合格しているのです。
本記事では
◉ 実際に合格した人の勉強法や体験談
◉ 働きながら勉強するメリットや注意点
◉ 合格に必要な勉強期間
について取り上げました。
仕事や家庭と両立しながら、司法書士試験にチャレンジしたい方は、是非ご一読ください。
【目次】
1.働きながら司法書士試験に合格することは無理?
司法書士試験に働きながら合格することは、本当に無理なのでしょうか?
確かに、仕事と勉強の両立は容易ではありません。しかし、社会人として働きながら司法書士試験に合格する人はたくさんいます。
ここでは、実際に働きながら合格した人の体験談を紹介します。
1-1.残業の多いフルタイム勤務で、働きながら合格した人の体験談
今回ご紹介するのは、社会人受験生として、不動産会社に勤務しながら司法書士試験に合格した男性です。
残業の多いフルタイム勤務として働かれていたため、仕事との両立に悩む機会も多かったそうですが、見事3回目の受験で合格されました。
限られた時間の中で、どのように勉強を進めたのか、働きながら合格するためのノウハウを紹介します。
※参考動画
→2022年司法書士試験合格~3回目で合格、残業多いフルタイム勤務だって合格できる!忙しい社会人にお薦めの学習法をお話します。
1-1-1.Q.司法書士試験を受験したときの仕事を教えて下さい。
不動産会社のフルタイムで、営業として働いていました。
しかし、人事異動で契約審査の部署に異動になったので、民法や不動産登記法などの法律を学び直したいと思って、受験を決意しました。
1-1-2.Q.司法書士試験の勉強をするのは初めてでしたか?
実は、20年前に一度司法書士試験を目指したことがありました。
当時は不合格となってしまい、そのまま受験を断念していたのですが、人事異動をきっかけに「どうせ法律を学び直すなら…」と思い、再チャレンジすることにしました。
もちろん20年前のことですので、当時の知識を思い出すことすら難しかったです。
最初の本試験では、記述式で「10点」しか取れませんでした。
1-1-3.Q.フルタイムで働きながら勉強してみてどうでしたか?
仕事をしながらの限られた学習時間では、講義に付いていくのが精一杯でした。
本試験が、仕事の繁忙期と重なってしまい、体調を崩してしまった年もありました。
合格できた年も、家庭の事情で学習時間があまり取れなくなってしまい、全くスケジュール通りに勉強することはできませんでした。
1-1-4.Q.日々の勉強時間は、どのようなスケジュールで確保していましたか?
最初は、仕事が終わった後に勉強をしていました。
会社から帰宅するのは、21時前後になることが多く、それから食事と入浴を済ませて勉強していたので、1日に取れる勉強時間は、せいぜい2時間程度でした。
もちろん効率よく勉強できるはずもなく、講義を聞きながら寝ていたことも数え切れませんでした。
そこで、このままではマズイと思い、途中から勉強に充てる時間を変えることにしました。
朝の時間や、通勤中などのスキマ時間を勉強に充てて、帰宅後の勉強は1時間程度に抑え、早めに寝ることにしたのです。頭がクリアな朝の時間帯に勉強することで、良い流れが生まれたように思います。
週末も、休みたいときは休むようにして、体調を崩さないようにしていました。
1-1-5.Q.忙しい中でも、合格できたのは何故だと思いますか?
日々の学習の積み重ねで基礎力が付いていたことと、基礎力をベースとした応用力が養われていたからだと思います。
限られた学習時間でも、伊藤塾の入門講座テキストや、記述式ドリルを反復して何度も繰り返したことで、盤石な基礎力を身につけることができました。
伊藤塾の講師が、講義の中で
「やるべきことを淡々とやっていれば、気づいたら合格レベルに到達している」と仰っていましたが、まさにその通りでした。
1-1-6.Q.働きながら司法書士試験を目指している人にメッセージをお願いします。
司法書士試験は、「大人の試験」と言われるように多くの社会人が受験する試験です。
難関試験ではありますが、決して受からない試験ではありません。
明日の自分を築くのは今の自分しかいないので、最後まで諦めずに頑張ってください。
2.働きながら司法書士試験を目指す人は急増している
前述のとおり、働きながら司法書士試験に合格する人はたくさんいます。
実際、最近の司法書士試験では、合格者の平均年齢も「41歳以上」とかなり高めになっています。
これは、受験生の多くが社会人として、仕事を続けながら司法書士試験の合格を目指しているためです。
特に最近は、別業種からのキャリアチェンジを考える人も増えており、合格者の平均年齢は、直近20年間で「10歳」以上もアップしています。
司法書士試験合格者の平均年齢と最高年齢
2003年度試験 | 2023年度試験 | |
平均年齢 | 31歳 | 41歳 |
最高年齢 | 62歳 | 82歳 |
参照:平成15年度司法書士試験の最終結果について(資料)
参照:令和5年度司法書士試験の最終結果
仕事と勉強の両立は大変ですが、合格者に共通しているのは、粘り強く努力して合格を勝ち取っていることです。
司法書士は、年齢に関係なく活躍できる魅力的な職業です。働きながらでも、諦めずに合格を目指す価値は十分にある資格だといえるでしょう。
3.司法書士試験を働きながら目指すメリット
仕事と両立して司法書士試験を目指すことは、決して簡単ではありません、
しかし、働きながら勉強するからこそのメリットも大きいです。ここでは、働きながら勉強するメリットを3つ解説します。
【働きながら目指すメリット】
・経済的に安定する
・メンタル面のバランスを保てる
・本業との相乗効果がある
それぞれ見ていきましょう。
3-1.経済的に安定する
働きながら司法書士試験の勉強をすることで、安定した収入を維持しつつ、資格取得を目指すことができます。
経済的な不安を感じること無く、夢に向かって着実に歩みを進めることができるのは大きなメリットだといえるでしょう。
なお、司法書士試験合格の研修や、独立開業する際も一定の資金は必要となります。
働きながら貯蓄をすることで、開業資金も確保しやすくなるでしょう。
必要な費用を本業で稼ぎつつ、同時進行で試験にチャレンジすることは、非常に合理的な選択です。
3-2.メンタル面のバランスを保てる
司法書士試験の勉強は、自分との戦いでもあります。
モチベーションを維持するためには、メンタル管理も重要な要素となってくるでしょう。
例えば、仕事を辞めて勉強に専念する場合、「もしも試験に落ちたらどうしよう」という不安に襲われる瞬間が、必ずやってきます。
そのような状況に陥ると、精神的に不安定になり、勉強に集中できなくなってしまうかもしれません。
もちろん、働きながら勉強する場合も、同様の不安を感じることはあります。しかし、本業がリスクヘッジとなるため、精神的なバランスを保つことができるのです。
3-3.本業と相乗効果がある
司法書士試験の勉強で身につける知識は、本業でも大いに役立ちます。
例えば、司法書士試験では「民法」や「商法」といった法律科目を学びます。これらの知識は、ビジネスシーンでも様々なシーンで活用できます。
契約書の作成やリーガルチェック、トラブル対応など、法律の知識があれば、仕事の幅が広がるでしょう。
また、司法書士試験の勉強は、本業でのモチベーション管理にもつながります。
仕事で失敗してしまった時も、「司法書士試験の勉強を頑張ればいい」と前向きに考えられるようになるからです。さらに、勉強を通して、粘り強さや論理的思考力も鍛えられます。
このように、司法書士試験の勉強と本業の仕事は、互いに良い影響を与え合います。
働きながら司法書士試験を目指すことが、仕事のスキルアップにもつながるのです。
4.働きながら司法書士試験を目指す注意点
働きながら司法書士試験を目指すメリットは多いですが、当然、注意点もあります。
ここでは、注意するべきポイントを3つ解説します。
【注意するべきポイント】
・勉強時間の確保
・本業への影響
・受験期間の長期化
それぞれ見ていきましょう
4-1.勉強時間の確保が難しい
働きながら司法書士試験を目指す上で、最も大きな注意点は「勉強時間の確保が難しいこと」です。仕事と勉強の両立は容易ではありません。
特に、仕事が繁忙期に突入すると、スケジュール通りに学習を進めることが難しくなります。
勉強時間が取れないせいで、思うように学習が進まず、モチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。
しかし、例えば「毎日5分、テキスト1ページでも学習を継続する」などの簡単なルールを決めるだけでも、勉強を習慣化することができます。僅かな時間でも、積み重ねることで大きな力となるのです。
勉強時間の確保が難しいからといって、諦める必要はありません。大切なことは、自分なりのペースで、コツコツと学習を継続することです。
苦しい環境の中でも、粘り強く学習を継続した経験は、司法書士になってからも必ず役立ちます。
※司法書士試験合格に必要な勉強時間については、こちらの記事で詳しく解説しています。
4-2.本業に支障が出る場合がある
働きながら司法書士試験を目指すと、本業に支障が出る場合もあります。
勉強に集中するあまり、仕事のパフォーマンスが下がってしまうことがあるからです。
特に、司法書士試験の直前期は、勉強に多くの時間を割く必要があります。
仕事の合間を縫って勉強を進めなければならないため、仕事への集中力が低下してしまうこともあるでしょう。
適度な休息も挟みつつ、メリハリをつけて勉強と仕事に取り組むことが大切です。
仕事中は仕事に集中し、勉強中は勉強に集中するなど、切り替えを意識しましょう。
本業に支障が出ないよう、仕事と勉強のバランスを取ることは簡単ではありません。
しかし諦めずに勉強を続ければ、努力は必ず報われます。
4-3.受験期間が長期化しやすい
働きながら司法書士試験を目指すと、受験期間が長期化しやすいという注意点もあります。
特に、独学で勉強する場合、数年かけても合格できない受験生が多いのが現状です。
受験期間が長期化すると、モチベーションを維持することが難しくなります。合格までの道のりが長く感じられ、途中で挫折しそうになることもあるでしょう。
また、受験期間が長引けば長引くほど、肉体的にも経済的にも負担が重くなっていきます。
受験期間の長期化を避けるためには、勉強の効率を上げることが重要です。
例えば、受験指導校の効率的なカリキュラムで学習を進めたり、プロ講師による洗練された講義を受講することで、勉強の効率を大幅に上げることができます。
実際に、独学で何年も不合格だった人が、プロ講師の指導の下で学習を開始したことで、その年の試験に合格できたというケースも珍しくありません。
働きながらの受験を考えている方は、効率的な学習方法を選択することで、受験期間の長期化を防ぐことができるでしょう。
5.司法書士試験に働きながら合格する方法
働きながら司法書士試験に合格するためには、限られた時間を有効活用することが必要です。
例えば、
・スキマ時間を活用する
・徹底的に勉強の効率化を図る
などの方法が効果的です。
それぞれ見ていきましょう。
5-1.スキマ時間を活用する
働きながら勉強をする場合、まとまった勉強時間を確保することが難しいかもしれません。
その場合は、通勤時間や休憩時間など、スキマ時間を活用することが効果的です。
例えば、通勤電車の中でテキストを読んだり、昼休みに問題集を解いたりするなど、短い時間でも集中して勉強することを心がけましょう。
日常のスキマ時間を活用することで、1日の勉強時間を少しずつ増やすことができます。
また、勉強しやすい環境を整えることも重要です。
合格者の中には、まとめの図表をスマホで撮影して何度も眺めたり、移動中に講義を倍速で繰り返し聞くことで、勉強時間の不足を補っていた人が多いようです。
5-2.勉強の効率を上げる
働きながら合格するためには、学習の効率を上げて、メリハリをつけて勉強することも不可欠です。
例えば、
・朝早く起きて勉強する
・ポモドーロ・テクニック(「25分の作業+5分の休憩」を繰り返す方法)を活用する
・間違えた問題だけをストックして繰り返す
・壁に重要項目や特殊な雛形を書いた紙を貼っておく
など、勉強の効率を上げる方法はいくつもあります。
自分に合った勉強方法を見つけ、工夫しながら日々の効率を上げていくことが、合格するためのポイントです。
限られた時間の中で、いかに効率的に学習を進められるかが重要だといえるでしょう。
6.働きながら司法書士試験に合格するために必要な勉強時間は?
司法書士試験の合格に必要な勉強期間は、個人差が大きいため一概にはいえません。一般的には1年から2年程度の期間が必要とされることが多いです。
しかし合格者の中には、わずか8ヶ月の勉強で合格した人もいれば、3年以上かけて合格する人もいます。
必要な勉強期間の長さは、それまでの学習経験や勉強時間、そして学習方法の効率性によって大きく異なるのです。
特に、働きながら司法書士試験を目指す場合、勉強効率を上げて、どこまで勉強時間を短縮できるかが合格のカギとなるでしょう。
例えば、独学ではなく、受験指導校のカリキュラムに沿って学習を進めることで、格段に効率的に知識を身につけることができます。プロ講師による的確な指導は、働きながら司法書士試験を目指す人にとって、大きな助けとなるでしょう。
司法書士試験に働きながら合格することは、決して無理なことではありません。
諦めず、効率的な学習を続けることで、着実に合格へ近づくことができます。
※司法書士試験に必要な勉強時間については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
7.【Q&A】働きながら司法書士を目指す上でよくある質問
7-1.働きながら司法書士試験に合格する人は少ない?
働きながら司法書士試験に合格する人はたくさんいます。
令和5年度の司法書士合格者のうち、約8割(79.1%)が30代〜50代でした。
司法書士試験は、努力が結果に繋がりやすい試験です。
仕事と両立することは大変ですが、諦めずに勉強を継続することで、確実に合格に近づけます。
7-2.仕事は退職した方が良い?
司法書士試験を目指すために、仕事を退職する必要はありません。
もちろん、受験に専念して合格する人もいますが、働きながら合格する人もいます。
働きながら受験するメリットも大きいので、自分の状況に応じて判断しましょう。
7-3.法律事務所に勤務していないと無理?
法律事務所以外で働きながら、試験に合格する人もたくさんいます。
無関係の業種で働きながら、司法書士試験にチャレンジする人は多いです。
7-4.働きながら「独学で」司法書士試験に合格できる?
働きながら「独学で」司法書士試験に合格することは不可能ではありません。
ただし多くの受験生は、受験指導校などを利用して学習しています。例えば、2023年度の司法書士試験では、合格者の「60%」が伊藤塾を利用していたというデータも出ています。
司法書士試験の合格率が「5%」程度しかないことも踏まえると、独学での合格はかなり難しいと言わざるを得ないでしょう。
7-5.働きながら司法書士になるには何年くらいかかる?
合格に必要な期間は、人によって異なります。
1年もかからずに合格する人もいれば、数年かけて合格できない人もいるからです。
必要な期間は、主に「勉強の質」に左右されます。受験指導校などを活用して質の高い勉強を継続できれば、働きながら短期間で合格することも十分に可能です。
7-6.司法書士を目指せる年齢の上限は?
司法書士を指せる年齢に上限はありません。
例えば、令和5年度司法書士試験合格者の最高年齢は「82歳」です。
いくつになっても、やる気さえあれば司法書士を目指すことができます。
7-7.未経験からでも司法書士として働ける?
未経験から司法書士に転職し、新たなキャリアをスタートさせた人は多いです。
実際、司法書士試験の合格者の平均年齢は「41歳」を超えており、多くの社会人が、未経験から司法書士試験を目指しています。
8.まとめ
最後に、今回のポイントを整理します。
◉ 働きながら司法書士試験を目指すのは無理ではない
◉ 働きながら勉強するからこそのメリットも大きい
◉ ただし難しいと感じる人が多いのも事実
◉ 合格には、勉強の効率化などの工夫が必要
◉ 受験指導校を利用すると、働きながらでも十分に合格できる
司法書士試験は、多くの受験生が働きながら受験する試験です。
仕事や家庭との両立に不安を感じる人もいるかもしれませんが、諦めずに努力すれば、着実に合格へ近づけます。
働きながら司法書士を目指したいという強い想いがある方は、ぜひ法律資格専門指導校である伊藤塾をご活用ください。
伊藤塾の司法書士試験対策講座は、合格者の6割が利用しているという確かな実績を持っています。
ぜひ、伊藤塾で新たな一歩を踏み出してみてください。その挑戦が、あなたの人生を変える大きな転機になるかもしれません