【2025年最新】法科大学院別・司法試験合格者数の推移|過去7年データで見る合格実績校はどこ?

法科大学院

2025年12月11日

法科大学院選びで最も重要な指標のひとつが、司法試験の合格実績です。

この記事では、過去7年間(令和元年度〜令和7年度)の法務省公式データをもとに、各法科大学院の合格者数推移を徹底分析します。

法科大学院在学中受験制度が導入され3年目を迎えた今、「どの法科大学院を選ぶべきか」という問いに対して、単年度のデータだけでなく中長期的な視点で判断することがますます重要になっています。

この記事を読めば、合格者数TOP10の法科大学院安定して合格者を輩出している大学院、そして近年躍進している大学院がすべてわかります。法科大学院選びの参考にしてください。

まずは結論から。直近の傾向を反映した過去7年間(令和元年度〜令和7年度)で、最も多くの合格者を輩出した法科大学院TOP10をご覧ください。

順位法科大学院7年間合計年平均
1位慶應義塾大法科大学院956人136.6人
2位東京大法科大学院896人128.0人
3位京都大法科大学院889人127.0人
4位早稲田大法科大学院863人123.3人
5位中央大法科大学院577人82.4人
6位一橋大法科大学院523人74.7人
7位神戸大法科大学院385人55.0人
8位大阪大法科大学院376人53.7人
9位同志社大法科大学院211人30.1人
10位東北大法科大学院188人26.9人

※参照:法務省司法試験法科大学院等別合格者数等より独自集計

この7年間では、同志社大と東北大がTOP10入りしており、直近の勢いが反映されたランキングとなっています。特に東北大は令和7年度に49人が合格し、大きく順位を上げています。

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1. 主要法科大学院の合格者数推移(直近7年)

令和7年度から令和元年度までの過去7年間における、主要法科大学院の合格者数推移です。

法科大学院令和7年令和6年令和5年令和4年令和3年令和2年令和元年7年計
慶應義塾大118人146人186人104人125人125人152人956人
東京大116人121人186人117人96人126人134人896人
京都大128人107人188人119人114人107人126人889人
早稲田大150人139人174人104人115人75人106人863人
中央大77人83人90人50人83人85人109人577人
一橋大61人60人121人66人64人84人67人523人
神戸大56人51人71人54人47人62人44人385人
大阪大48人72人78人51人47人34人46人376人
同志社大40人41人29人25人39人28人9人211人
東北大49人21人25人27人20人26人20人188人
名古屋大32人32人42人14人25人23人25人193人
明治大21人25人29人16人22人30人26人169人

※参照:法務省司法試験法科大学院等別合格者数等より、上位校および直近で実績を伸ばしている大学を抜粋・集計

令和5年度は法科大学院在学中受験が開始された初年度であり、在学中受験をする法科大学院3年生と修了生の実質2学年分が受験したため、東京大(186人)・京都大(188人)など上位校で合格者数が急増しました。

2. 過去7年平均ランキングと変動幅

単年の合格者数だけでなく、「毎年安定して合格者を出しているか」も法科大学院選びでは重要な指標です。
以下は7年平均と変動幅(最大−最小)を示した表です。

順位法科大学院7年平均最多最少変動幅安定度
1位慶應義塾大136.6人186人104人82人
2位東京大128.0人186人96人90人
3位京都大127.0人188人107人81人
4位早稲田大123.3人150人75人75人
5位中央大82.4人109人50人59人
6位一橋大74.7人121人60人61人
7位神戸大55.0人71人44人27人
8位大阪大53.7人78人34人44人
9位同志社大30.1人41人9人32人
10位東北大26.9人49人20人29人

安定度の目安:◎=変動幅30人以下、◯=変動幅80人以下、△=変動幅80人超

神戸大・東北大は変動幅が小さく、毎年安定した合格実績を示しています。

一方、東京大や京都大は「在学中受験」開始以降の合格者急増により変動幅が大きくなっていますが、これはポジティブな変動と言えます。上位層が制度変更の恩恵を最大限に受けている結果です。

3. 合格率で見る法科大学院ランキング(令和5〜7年度)

合格者「数」だけでなく、合格「率」も法科大学院選びでは重要な指標です。

令和5年度以降の在学中受験制度開始後の直近3年データを見てみましょう。

順位法科
大学院
令和7年
合格率
令和6年
合格率
令和5年
合格率
3年平均
1位京都大58.45%49.31%68.36%58.70%
2位慶應義塾大50.00%59.35%60.00%56.50%
3位一橋大47.66%48.78%67.22%54.60%
4位東京大50.00%47.45%59.05%52.20%
5位早稲田大46.15%42.12%44.73%44.30%
6位神戸大41.18%37.50%48.63%42.40%
7位中央大40.53%45.86%39.30%41.90%
8位大阪大28.57%40.68%42.86%37.40%
9位同志社大33.33%36.94%33.33%34.50%
10位東北大43.36%22.11%30.49%32.00%

※参照:法務省司法試験法科大学院等別合格者数等

各法科大学院の傾向

  • 京都大:3年平均58.70%で堂々のトップ。令和7年度も58.45%と高水準を維持しています。
  • 東北大:令和7年度に43.36%と大躍進。地方旧帝大の中で存在感を強めています。
  • 令和5年度は法科大学院在学中受験が開始された初年度であり、合格数とともに合格率も上位校は例年よりも伸びているようでした。

4. 受験ルート別の合格率比較(令和5〜7年度)

法科大学院ルートと予備試験ルートの違いを、直近3年間のデータと平均値で確認しておきましょう。

受験ルート年度受験者数合格者数合格率
予備試験
合格者
令和7年472人428人90.68%
令和6年475人441人92.84%
令和5年353人327人92.63%
平均433人399人92.00%
法科大学院
(在学中)
令和7年1,352人712人52.66%
令和6年1,232人680人55.19%
令和5年1,070人637人59.53%
平均1,218人676人55.79%
法科大学院
(修了者)
令和7年2,013人441人21.91%
令和6年2,072人471人22.73%
令和5年2,505人817人32.60%
平均2,197人576人25.75%

※参照:法務省司法試験法科大学院等別合格者数等

予備試験合格者の司法試験合格率は、3年平均でも92.00%と極めて高く、年度を問わず司法試験合格の王道ルートと呼ぶに相応しい圧倒的な結果を示しています。

一方、法科大学院ルートでは、在学中受験者の3年平均合格率が55.79%であるのに対し、修了者は25.75%と、倍以上の開きがあります。特に修了者の合格率は令和5年の32.60%から令和7年には21.91%へと大きく低下しており、苦戦が続いています。 また、法科大学院在学中の受験者数はここ3年で1,071人から1,352人へと約300人増加しており、司法試験合格の早期化と在学中受験へのシフトが加速していることがデータからも読み取れます。

このことから、司法試験の合否を左右するのは、法科大学院入学前にいかに高い実力を備えておくか、そして在学中にいかに短期決戦で合格を勝ち取るかという点にあると言えるでしょう。

5. 法科大学院別の司法試験合格者数から読み取れる5つの傾向

傾向① 慶應・東京・京都・早稲田の「4強」が圧倒的

直近7年間の累計でも、この4校はいずれも800人以上の合格者を輩出。合計で3,500人を超え、法曹界への主要ルートとしての地位は揺るぎません。

傾向② 在学中受験制度で「東京・京都」がさらに加速

令和5年度以降、特に京都大と東京大で単年合格者数が跳ね上がりました(京大188人、東大186人)。在学中受験制度の恩恵を最も受けているのがこの最上位層です。

傾向③ 中央大は底を打ち回復基調へ

令和4年度に50人まで減少した中央大ですが、直近では70〜80人台まで回復。変動幅は大きいものの、合格率も40%台に復調しており、「法科の中央」としての粘り強さを見せています。

傾向④ 東北大・同志社大がTOP10へ

過去7年で見ると、東北大(7年計199人)と同志社大(7年計211人)がTOP10に食い込んでいます。特に東北大は令和7年度に49人合格、合格率43%超と素晴らしい結果を残しました。

傾向⑤ 多くの法科大学院が募集停止

甲南大、青山学院大など、多くの法科大学院が募集を停止しています。法科大学院の二極化が進んでおり、実績のある上位校への集中がますます顕著になっています。

6. よくある質問(FAQ)

Q. 合格者数が最も多い法科大学院はどこですか?

A. 令和7年度単年では早稲田大法科大学院が150人でトップ。過去7年間の累計では慶應義塾大法科大学院が956人で最多です。

Q. 合格率が最も高い法科大学院はどこですか?

A. 令和7年度の合格率では京都大法科大学院が58.45%でトップです。3年平均(令和5〜7年度)でも58.70%で1位となっています。

Q. 在学中受験と修了後受験、どちらが有利ですか?

A. 圧倒的に在学中受験が有利です。令和7年度のデータでは、在学中合格率は約53%に対し、修了後は約22%です。法科大学院入学前からの十分な準備が、在学中受験での合格につながります。

Q. 地方の法科大学院でも司法試験に合格できますか?

A. はい、可能です。特に東北大は直近7年でTOP10に入る実績(計188人)を持ち、令和7年度には49人が合格、合格率43.36%を記録しています。

Q. 予備試験ルートと法科大学院ルート、どちらがおすすめですか?

A. 予備試験合格者の司法試験合格率は約90%と圧倒的ですが、予備試験自体の合格率は極めて低いです(3〜4%)。着実な合格を目指すなら、実績のある法科大学院(上位校)への進学が現実的な選択肢となります。ただし、大学在学中から予備試験の学習を進めておくことで、たとえ予備試験に合格できなくても、法科大学院在学中受験で高い合格率を達成できます。

Q. 法科大学院選びで重視すべき指標は何ですか?

A. 単年度の合格者数・合格率だけでなく、「中長期的な安定度」も重要です。過去7年間のデータを見ると、一橋大・神戸大・東北大は変動幅が小さく、毎年安定した実績を出しています。

Q. 在学中受験制度とは何ですか?

A. 令和5年度から導入された制度で、法科大学院の最終学年(3年次)在学中に司法試験を受験できる制度です。令和7年度は1,352人がこの制度を利用し、712人(52.66%)が合格しています。

7. 法科大学院別・司法試験合格者数の推移のまとめ

過去7年間のデータから、以下のことがわかりました。

◉合格者数で見る法科大学院選び

  • 合格者数TOP4(慶應・東京・京都・早稲田)は7年間で800人超えの圧倒的実績
  • 新TOP10には同志社大・東北大がランクイン
  • 令和7年度単年では早稲田大が150人でトップ

◉合格率で見る法科大学院選び

  • 合格率TOPは京都大法科大学院(3年平均58.70%
  • 上位4校(京都・慶應・東京・一橋)は3年平均で50%超

◉安定度で見る法科大学院選び

  • 安定度が高いのは神戸大・東北大(変動幅30人以下)
  • 東京大・京都大は変動幅が大きいが、在学中受験制度によるポジティブな変動

◉受験ルートから見る戦略

  • 予備試験ルートの合格率は90.68%で圧倒的
  • 在学中受験の合格率は52.66%、修了後は21.91%
  • 法科大学院入学前の準備が司法試験合格を大きく左右する

どの法科大学院を選ぶにしても、入学前からの十分な学習準備が司法試験合格への近道であることは、データが明確に示しています。

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著者:伊藤塾 司法試験科

伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。