司法修習のスケジュールは?合格発表から修了までの流れと給付金
法曹
【記事のポイント】
- 修習期間:司法修習は約1年間です。79期は2026年(令和8年)3月19日に採用発令され、2027年(令和9年)2月下旬に最終クールを終えます。
- 開始までの流れ:司法試験の合格発表から修習開始までは約4か月あり、採用選考の申込みと就職活動が同時に進みます。
- 修習給付金:基本給付金が月13万5,000円、住居給付金が月3万5,000円で、両方を受け取ると月17万円になります。返還義務はありません。
- 修習地の影響:集合修習と選択型実務修習の順序は修習地で入れ替わり、東京や大阪など11の修習地は集合修習が先になります。
- 二回試験:第70期から第76期までの7期を合計すると、採用者10,178人に対して不合格者は68人でした。
司法試験を受け終えて合格発表を待つ時期は、落ち着かないものです。修習はいつ始まるのか、その前に何をしておくべきか、給付金だけで生活できるのか。調べても期によって日程が違い、どれを信じてよいか判断しづらいのではないでしょうか。
この記事は、最高裁判所の第79期司法修習生採用選考申込手続の手引と採用選考要項、法務省の司法試験受験案内、日本弁護士連合会の弁護士白書をもとに整理しました。合格発表から修習開始までの動き、修了までの1年間、給付金と生活、就職と進路の順に解説します。
【目次】
1. 司法修習とは?いつから何年間受けるのか
司法修習とは、司法試験合格者が法曹資格を得るために受ける約1年間の実務研修です。79期は2026年3月19日に始まりました。
1-1. 司法修習とは何をする研修か
司法修習とは、司法試験合格者が裁判官・検察官・弁護士として働くために受ける約1年間の実務研修です。修習を終えて司法修習生考試に合格して初めて資格を得られます。
1-2. 司法修習の期間は約1年間
司法修習の期間は約1年間です。かつては2年間、その後1年6か月の時期もありました。現在は導入修習・分野別実務修習・選択型実務修習・集合修習の4クールを約1年で回ります。
第79期の手引も修習期間を「約1年間」と明記しています。ただしこの1年には、司法修習生考試の準備期間も含まれます。
(出典:最高裁判所「第79期司法修習生採用選考申込手続の手引」)
1-3. 司法修習は誰でも受けられるのか?
司法試験に合格しても、自動的に司法修習生になるわけではありません。合格後に最高裁判所の採用選考へ別途申し込む必要があり、これを逃すとその年度は参加できません。
最高裁判所は、申込期間を守らなかった場合は不採用となることがあると注意を促しています。
(出典:最高裁判所「司法修習生採用選考審査基準」)
※司法修習に行かない選択については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2. 合格発表から司法修習開始までのスケジュール
司法試験の合格発表から修習開始までは約4か月あり、11月の合格発表、11月中の採用選考の申込み、翌年3月の採用発令という順で進みます。
2-1. 司法試験の合格発表はいつあるのか?
2026年の司法試験は7月15日から19日に実施され、短答式の成績発表は8月6日、合格発表は11月11日午後4時頃の予定です。修習の動きはここを起点に始まります。
※司法試験の日程については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2-2. 司法修習生採用選考の申込みはいつか?
採用選考の要項は例年9月上旬に公表され、申込みは11月に行われます。79期は2025年11月12日午後5時から同月28日午後3時までが申込期間でした。
(出典:最高裁判所「令和7年度司法修習生採用選考要項」)
ただし、申込期間は毎年少し動きます。78期は2024年11月6日から22日までで、79期とは1週間近くずれていました。
2-3. 修習地はどうやって決まるのか?
修習地は、採用選考の申込時に出す希望をもとに最高裁判所が指定します。希望どおりとは限らず、集合修習の順序にも就職活動の動き方にも影響します。
第79期の手引には、東京や大阪など11の実務修習地と、それ以外の実務修習地が挙げられています。住居の確保は各自で行います。
(出典:最高裁判所「第79期司法修習生採用選考申込手続の手引」)
2-4. 合格発表から修習開始までの約4か月ですること
合格発表から修習開始までの約4か月は、採用選考の申込み、就職活動、事前課題が同時に進む期間です。例えば2026年11月に合格発表を迎える場合、11月中に採用選考の申込みが始まり、その前後で説明会や採用面接が動きます。
実際に、直近の78期・79期とも採用発令日(修習開始)は「翌年3月19日」で、合格発表から約4か月という間隔は一貫しています。
(出典:最高裁判所「令和6年度司法修習生採用選考要項」)
もっとも、修習が始まると移動にも時間にも制約がかかります。動けるうちに事務所訪問や説明会を済ませておくことが重要です。
| 時期 | 主な出来事 | 備考 |
| 2026年7月15日〜19日 | 司法試験の実施 | 2026年度司法試験の場合 |
| 2026年8月6日 | 短答式試験の成績発表 | 午後4時 |
| 2026年11月11日 | 司法試験の合格発表 | 午後4時予定 |
| 例年9月上旬 | 司法修習生採用選考 要項の公表 | 79期は2025年9月4日付 |
| 例年11月 | 司法修習生採用選考 の申込み | 79期は2025年 11月12日〜28日 |
| 翌年3月19日 | 採用発令・導入修習 の開始 | 78期・79期とも3月19日 |
3. 司法修習の開始から修了までの1年間
修習は4つのクールで進み、79期の日程は2026年3月19日から2027年2月下旬までです。

3-1. 導入修習は3月から4月にかけて行われる
導入修習は、実務修習の前に司法研修所で受ける講義と演習中心の研修です。79期は2026年3月19日から4月10日までの約3週間で、起案の基礎を身につけます
(出典:最高裁判所「第79期司法修習生採用選考申込手続の手引」)
なお、導入修習の前には事前課題が出されます。就職活動と重なる時期に取り組む点に注意が必要です。
3-2. 分野別実務修習で法曹三者の現場を回る
分野別実務修習は、配属先の裁判所・検察庁・法律事務所を順に回るクールです。79期は2026年4月14日から11月20日までで、修習全体で最も長い約7か月間です。
この期間は配属庁会での修習となり、司法研修所には戻りません。
(出典:最高裁判所「第79期司法修習生採用選考申込手続の手引」)
3-3. 選択型実務修習と集合修習は修習地で順序が変わる
分野別実務修習のあとは、選択型実務修習と集合修習を約1か月半ずつ受けます。順序は修習地で入れ替わり、東京・大阪など11地は集合修習が先、それ以外は選択型実務修習が先です。
第79期では、11地域が2026年11月下旬から2027年1月中旬まで集合修習、その後2月下旬まで選択型実務修習です。
(出典:最高裁判所「第79期司法修習生採用選考申込手続の手引」)
| 実務修習地 | 2026年11月下旬〜 2027年1月中旬 | 2027年1月中旬〜 2月下旬 |
| 東京、立川、横浜、さい たま、千葉、大阪、京都、 神戸、奈良、大津、和歌山 | 集合修習 | 選択型実務修習 |
| 上記以外の実務修習地 | 選択型実務修習 | 集合修習 |
3-4. 二回試験に落ちる人はどれくらいいるのか?
二回試験(司法修習生考試)の不合格者は近年きわめて少数です。第70期から第76期の7期合計で、採用者10,178人に対し不合格者は68人、割合にすると0.67%です。
第74期は採用者1,456人に対し不合格者5人、第75期は1,328人に対し6人、第76期は1,393人に対し6人でした。
(出典:法務省「司法修習生採用者数・考試(二回試験)不合格者数」)

| 修習期 | 司法修習生 採用者数 | 考試不合格者数 |
| 第70期 | 1,530人 | 16人 |
| 第71期 | 1,516人 | 16人 |
| 第72期 | 1,482人 | 8人 |
| 第73期 | 1,473人 | 11人 |
| 第74期 | 1,456人 | 5人 |
| 第75期 | 1,328人 | 6人 |
| 第76期 | 1,393人 | 6人 |
| 7期合計 | 10,178人 | 68人 |
先輩実務家の声
司法修習では、獲得目標を教えてくれません。目標に関する情報は小出しにされ、偏在しています。二回試験不合格によって一年を棒に振らないために、縦や横のネットワークを駆使して、情報を早い段階で得ることが必要です。
出典:伊藤塾「長尾浩行 先生」
※二回試験の内容と対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
4. 司法修習生の給与はいくらもらえるか?
司法修習生には基本給付金が月13万5,000円、住居給付金が月3万5,000円支給され、両方で月17万円になります。
4-1. 修習給付金は基本給付金と住居給付金で月17万円
修習給付金は、基本給付金・住居給付金・移転給付金の3種類です。基本給付金は給付期間ごとに13万5,000円、住居給付金は3万5,000円で、両方を満たせば月17万円です。
移転給付金は路程に応じた定額で、第79期は46,500円から141,000円の範囲です。
(出典:最高裁判所「司法修習生の修習給付金について」)
| 給付金の種類 | 金額 | 返還義務 |
| 基本給付金 | 一の給付期間につき 13万5,000円 | なし |
| 住居給付金 | 一の給付期間につき 3万5,000円 | なし |
| 移転給付金 | 路程に応じた定額(第79期 は46,500円〜141,000円) | なし |
| 修習専念資金 | 一貸与単位期間につき 10万円(扶養親族等がいる 場合は12万5,000円) | あり |
4-2. 修習専念資金は返還義務がある貸与制度
修習専念資金は、給付金だけで生活費が足りない場合の貸与制度です。一貸与単位期間につき10万円、配偶者や扶養親族がいる場合は12万5,000円で、返還義務があります。
返還は、通常修習期間が終了した月の翌月から5年を経過した後、10年以内に年賦で行います。
(出典:最高裁判所「司法修習生の修習専念資金の貸与等に関する規則」)
4-3. 司法修習中にアルバイトはできるのか?
原則としてできません。司法修習生には修習専念義務があり、許可なく兼職・兼業や兼学はできません。生活費が不足する場合は、許可申請を経て認められる余地があります。
第79期の手引は「許可を受けなければ兼職・兼業又は兼学をすることはできません」と記しています。採用日の前日までに退職・卒業しておくのが原則です。
(出典:最高裁判所「第79期司法修習生採用選考申込手続の手引」)
4-4. 修習給付金には確定申告が必要
基本給付金と住居給付金は、所得税法上の雑所得です。給与所得ではないため源泉徴収では完結せず、原則として自分で確定申告を行います。
第79期修習給付金案内も、両給付金が「所得税法上の『雑所得』に該当するため、確定申告の対象となります」と明記しています。
(出典:最高裁判所「修習給付金案内(第79期)」)
なお、住居給付金と移転給付金には届出の期限があります。住居は要件を満たしてから7日以内、移転は修習開始日から7日以内で、遅れると支給されません。
5. 司法修習と就職活動、修了後の進路
就職活動は修習開始前から動き出しており、修習修了者の約8割が弁護士になる一方、1割前後は修了直後に法曹三者として登録していません。
5-1. 就職活動はいつから始めればよいか?
志望する事務所の規模で時期が変わります。大規模な事務所は法科大学院在学中のインターンから選考が始まり、合格発表前に内定が出ます。一般の事務所は発表後から動きます。
伊藤塾の実務家レポートにも、修習前の合同説明会で入所先と出会った例や、修習開始前に就職先が決まった例があります。
もっとも、修習開始後でも遅くはありません。弁護修習先にそのまま入所した例や、修習中の委員会活動で出会った弁護士のもとへ入所した例もあります。
先輩実務家の声
5-2. 修習地が遠いと就職活動の進め方が変わる
修習地が就職先の候補地から遠いほど、就職活動の負担は上がります。移動の時間と費用がかかるうえ、修習の後半は日程が詰まり、動ける時期が限られます。
なお、修習地と就職先が一致する必要はありません。修習地の希望を出す段階で、就職先の候補地まで考えておくと動きやすくなります。
先輩実務家の声
当事務所に就職を決めたのは、司法修習が高知でしたので帰ってきたのが10月ごろで、そこから二回試験の準備になって、就活を始めたのが、二回試験が終わってからなんです。
出典:伊藤塾「松本利哉 先生」
5-3. 修習修了後の進路は弁護士だけではない
修習を終えた人の多くは弁護士になりますが、全員ではありません。第77期は修習終了者1,826人のうち弁護士1,455人、裁判官90人、検察官82人、いずれにも登録しない人が199人でした。
割合にすると、弁護士が79.7%、裁判官が4.9%、検察官が4.5%、その他が10.9%です。
(出典:日本弁護士連合会「弁護士白書2025年版 司法修習終了者の進路別人数」)
| 進路 | 第77期(2024年) | 割合 |
| 弁護士 | 1,455人 | 79.7% |
| 裁判官 | 90人 | 4.9% |
| 検察官 | 82人 | 4.5% |
| その他 | 199人 | 10.9% |
| 修習終了者 の合計 | 1,826人 | 100% |
5-4. 司法修習が向いている方と別の進め方を検討したい方
【向いている方】 合格した年にそのまま修習へ進む形は、法曹三者のどの道に進むか決めきれていない方に向いています。三者の現場を続けて見られるのは修習だけで、途中で志望を変える人もいます。
【他の選択肢も検討したい方】 一方、修習中の収入源は原則として給付金に限られ、兼業には許可が要ります。収入を落とせない方や転居が難しい方には、時期をずらす形もあります。修習を受けない限り法曹資格は得られないため、「いつ行くか」を決める話です。
※司法修習の制度そのものについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
6. 司法修習のスケジュールに関するよくある質問(FAQ)
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司法修習生の月額給付金は合計でいくらになりますか?
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基本給付金が月13万5,000円、住居給付金が月3万5,000円で、両方を受け取ると月17万円です。住居給付金は、自分で住宅を借りて家賃を払う場合に届出をすると支給されます。
修習地への転居時には、路程に応じて46,500円から141,000円の移転給付金も支給されます。
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80期の司法修習はいつから始まりますか?
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2026年8月時点で、80期にあたる2026年度の日程は公表されていません。最高裁判所は採用選考のページで、申込方法と申込期間を9月中旬頃に掲載予定と告知しています。
78期の採用発令日は2025年3月19日、79期は2026年3月19日でした。最高裁判所の公表を待つのが確実です。
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修習給付金と修習専念資金の違いは何ですか?
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修習給付金は返還が不要な給付、修習専念資金は返還義務のある貸与です。専念資金は一貸与単位期間につき10万円、配偶者や扶養親族がいる場合は12万5,000円です。
返還は、通常修習期間の終了月の翌月から5年を経過した後、10年以内に年賦で行います。
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司法修習中にアルバイトはできますか?
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原則としてできません。修習専念義務があり、許可を受けずに兼職・兼業や兼学はできません。生活費が不足する場合は、許可申請を経て認められる余地があります。
許可は修習の妨げにならない内容かで判断されます。収入を前提にした生活設計は避けたほうが安全です。
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二回試験に不合格になったらどうなりますか?
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翌年の司法修習生考試を再受験できます。第70期から第76期の7期合計では、採用者10,178人に対し不合格者は68人でした。
不合格になると入所時期が1年遅れます。集合修習までの起案訓練を積み上げておくことが基本です。
※二回試験の内容と対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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79期の二回試験の日程はいつですか?
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2026年8月時点で、第79期の司法修習生考試の日程は公表されていません。手引の記載は、選択型実務修習と集合修習が2027年2月下旬までという点までです。
推測による情報が出回ることがありますが、予定は公表された日程で確認してください。
7. 司法修習のスケジュールは合格発表からの逆算で決まる
司法修習は約1年間の研修で、司法試験の合格発表から採用選考の申込みを経て、翌年3月の採用発令で始まります。合格発表からの約4か月の使い方が結果を左右します。
- 79期は2026年3月19日に採用発令され、2027年2月下旬に最終クールを終える
- 基本給付金13万5,000円と住居給付金3万5,000円で月17万円が支給される
- 第70期から第76期の二回試験不合格者は、採用者10,178人に対し68人
- 修習終了者の約8割が弁護士に進み、1割前後は修了直後に法曹三者として登録しない
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