【2026年度】79期司法修習のスケジュールはどう変わる?修習生の就活や給与についても徹底解説
法曹
【記事のポイント】
- 修習開始時期:79期の司法修習は2026年(令和8年)3月19日に始まり、76期以前より約4か月遅い開始ですが、修習の内容や生活に大きな変化はありません。
- 日程変更:法科大学院在学中の受験が可能となり司法試験が7月実施へ移ったため、合格発表も司法修習開始も後ろ倒しになりました。
- 修習給付金:司法修習生には基本給付金が月13万5千円、住居給付金が月3万5千円支給され、いずれも返還義務はありません。
- 就活時期:合格発表から修習開始までが従来の約3か月から約5か月へと延び、修習前に時間をかけて就職活動を進められます。
- 二回試験:修了に必要な二回試験はほとんどの修習生が合格しており、万一不合格でも翌年に再受験できます。
2023年度(令和5年度)から法科大学院の在学中に司法試験を受験できるようになりました。その影響で司法試験や司法修習のスケジュールも変更されています。
スケジュール変更は司法修習にどのような影響を与えるのでしょうか?今までの修習生とは異なる準備が必要なのではと不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。
今回は、79期(2026年度)の司法修習の日程に触れたうえで、就職活動に与える影響や司法修習生の生活について解説します。日程変更に不安を抱えている方や司法修習生の生活について知りたい方は、ぜひご覧ください。
【目次】
1.司法修習とは?
司法修習とは、司法試験合格者が法曹資格を取得するために受ける研修のことです。日本では司法試験に合格してすぐに法曹資格を取得できるわけではなく、司法修習を完了して初めて法曹としての仕事に就くことができます。
司法修習は、給与を得ながら法曹としての実務を学ぶことができる貴重な機会です。司法試験の勉強とは異なり、司法修習では現実の事件に触れながら実務における法律の使い方を学ぶことができます。
司法修習の制度は、これまでにも大きな変更が行われてきました。かつては2年間であった修習の期間も現在では1年間となっています。しかし、司法修習で学ぶべき内容は変わりません。
今回のスケジュール変更があっても同様に、司法修習生としての生活や学ぶ内容に大きな変化はありません。司法試験に合格した方は、不安を感じることなく司法修習に臨みましょう。
2.司法修習の日程
ここでは、76期以前と79期(2026年度)の司法修習の日程について解説します。
司法修習の日程は、導入修習、分野別実務修習、選択型実務修習、集合修習の4つに分けられますが、これは79期も同じです。76期以前と79期の日程の違いは、開始時期が遅れるだけで基本的な内容の変更はありません。
2-1.76期までの日程
76期までは、9月上旬に司法試験の合格発表があり、11月下旬に司法修習がスタートするという日程でした。
76期の司法修習生は、2023年12月13日が修習終了日となり、弁護士であれば翌日の12月14日から職務を開始できます。
※76期の修習日程について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
2-2.79期の日程
79期の司法修習は、2026年3月19日(木)に開始します。76期以前の日程からは、開始時期が約4か月ほど遅くなっています。
司法修習の日程が変更されたのは、司法試験の制度に変更があったためです。2023年度の司法試験から、法科大学院生が在学中に司法試験を受験できるようになりました。そのため、例年5月に実施されていた司法試験の日程が法科大学院の授業期間中であるため、7月に変更されることになり、合格発表や司法修習の日程も変更されたのです。
司法修習の開始が3月下旬となるため、法科大学院の在学中に司法試験に合格した人は、卒業後すぐに司法修習生になることができます。
【79期の修習日程】
| 2026年3月19日(木)~4月10日(金) | 導入修習 | |
| 4月14日(火)~11月20日(金) | 分野別実務修習 | |
| 11月下旬~2027年1月中旬 | 集合修習 | 選択型実務修習 |
| 1月中旬~2月下旬 | 選択型実務修習 | 集合修習 |
司法修習を修了するための司法修習生考査(二回試験)の日程については、現在のところ発表されていません。過去の日程を参考にすると、3月上旬に試験が実施され、3月中に合格発表があるものと考えられます。
79期の司法修習生が司法修習を修了し、法曹資格を取得するのは2027年3月が予定されています。
3.司法修習の内容
司法修習の内容は、76期以前と77期以降で変更はありません。司法修習は、導入修習、分野別実務修習、選択型実務修習、集合修習の4つのクールに分かれています。
導入修習は、実務修習の開始前に事前課題の解説や起案の基礎を身に付けるための講義と演習を中心とした研修です。充実した実務修習を過ごすためには、導入研修のうちに修習生同士の交流を深めておくことをおすすめします。
分野別実務修習では、裁判所、検察庁、法律事務所においてそれぞれの実務を学ぶことができます。法曹三者それぞれの実務を体感できるのは、この機会以外にはありません。
選択型実務修習では、多くのプログラムの中から自分自身が選択したプログラムを受講できます。自分の法曹としての将来に有益なプログラムを選択するようにしましょう。
集合修習は、導入修習と同様に講義と演習を中心とした研修です。内容は、実践的な起案や模擬裁判で、二回試験対策に直結するものとなっています。
※司法修習の内容について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
4.77期以降の就職活動について
司法試験の合格者が増えたことや司法修習の日程が変更されたことで、就職活動への影響はあるのでしょうか。
まず、77期が対象となる2023年度の司法試験の合格者数は、2022年度の1,403人から1,781人と400人近く増加しました。これは、法科大学院在学中の受験が可能となったことで受験生の数が増加したことが原因と考えられます。実際、合格率は前年とほとんど変化していません。
また、現在の日程が定着し、合格者数の数は、2024年度は1592人、2025年度は、1581人と従来の人数程度に落ち着いています。
結果的に、合格者の人数による就職活動への影響は大きくはないと考えられます。
以下では、法律事務所の規模ごとに、日程変更による就職活動への影響について解説します。
4-1.大規模な大手法律事務所
四大法律事務所などと呼ばれる大規模な法律事務所は、法科大学院生の在学中にサマークラークを実施し、また、予備試験合格直後に事務所説明会やウィンタークラークを実施することにより、司法試験の合格発表前に内定を出しています。
大規模な法律事務所が司法試験の合格発表前に内定を出すという流れは、司法修習の日程が変更されても変わりはないでしょう。ただし、司法試験の日程が変更されたことで、サマークラーク(インターン)が実施される時期も前倒しになる可能性があります。実際、大規模な法律事務所の中には、サマークラークの時期を変更し、スプリングクラークを実施した事務所もありました。
いずれにしても、大規模な法律事務所への就職を目指す方は、司法試験を受験する前から就職活動を開始する必要があります。
4-2.一般の法律事務所
大規模な法律事務所以外については、合格発表後から司法修習の開始前までに説明会や採用をおこなう事務所が多いです。
東京弁護士会では、2022年以前は合格発表直後の9月下旬に実施していた就職合同説明会を、日程の変更に合わせて11月下旬に実施しました。多くの法律事務所が合同説明会の時期に合わせて採用活動を開始すると考えられるため、77期以降の就職活動についても従来と同じく合格発表直後から活発になると考えられるでしょう。
従来と比べて変化があるのが合格発表から司法修習の開始までの期間です。従来は9月から12月上旬までの3か月ほどだったものが、11月から3月下旬までの5か月ほどに延長されます。そのため、従来と比べると修習開始前に時間をかけて就職活動をおこなえるようになりました。
従来は、司法修習の開始後にも採用活動を継続する法律事務所がありました。その点は、今後も変わりはないと思われますが、修習開始前の活動期間が増えたことで、修習開始前に採用を決めてしまう法律事務所が増える可能性はあります。
一般の法律事務所への就職を目指す方は、司法試験の受験が終わったら就職情報を確認するようにして、希望する就職先の説明会や面接などに積極的に参加するようにしましょう。
5.司法修習生の生活
ここでは、司法修習生の生活について、次の3つのテーマで解説します。
◉司法修習生の給与
◉実務修習で学ぶべきこと
◉二回試験に不安を感じる必要はない
司法修習生としての生活に不安を感じる方もいらっしゃるでしょうが、多くの修習生は楽しく充実した毎日を過ごしています。心配せずに貴重な学びの機会を楽しんでください。
5-1.司法修習生の給与
司法修習生には、月額13万5,000円の基本給付金が支給されます。これは、司法修習生の修習給付金の給付に関する規則に基づくもので、現在のところ79期についても変更はありません。他には、月額3万5,000円の住宅給付金と転居した際の移転給付金も支給されます。
参考:裁判所「司法修習生の修習給付金の給付に関する規則」
さらに、司法修習生の給付金のみでは足りない方については、修習専念資金の貸与を受けることも可能です。
参考:裁判所「司法修習生の修習専念資金の貸与等について」
司法修習生には修習専念義務がありますが、修習給付金や修習専念資金を受けても、生活費が足りない場合は、修習に影響が出ない範囲でのアルバイトの許可申請を行うことで、別途収入を得ることも可能です。
参考:令和5年度司法修習生 採用選考申込書の記載要領|裁判所
5-2.実務修習で学ぶべきこと
実務修習では、法曹三者それぞれの実務を体験できます。たとえば、弁護士になる人にとっては、裁判官や検察官としての実務を体験できる最初で最後の機会となることがほとんどです。
実務修習では、座学で学んできた法律が実際の事件でどのように活用されるのかを学ぶことになります。それに加えて、法曹三者それぞれの視点で、自分とは違う立場での仕事ぶりを観察することもできます。たとえば、裁判修習では、裁判官の立場からどのような弁護士が優秀であるのかを知ることができるでしょう。
修習後の進路が決まっている人も、自分の進路先以外での修習で手を抜かないようにしてください。むしろ、弁護士志望でも、裁判官や検察官の意識を知るなど、自分の進路先とは違う立場で学ぶことのできる機会は、非常に貴重なものです。常に学ぶ姿勢でそれぞれの実務修習に臨むようにしましょう。
5-3.二回試験に不安を感じる必要はない
司法修習を終えても、二回試験に合格しなければ法曹資格を取得することはできません。しかし、二回試験は、ほとんどの修習生が合格できる試験です。万が一、不合格になったとしても翌年に再受験できます。
二回試験に特別な対策は必要ありません。主に集合修習で学んだことをしっかりと身に付けておけば、問題なく突破できるでしょう。
※二回試験について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
6. 司法修習スケジュールに関するよくある質問(FAQ)
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司法修習生の月額給付金は合計でいくらになる?
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司法修習生には基本給付金として月額13万5千円、住居給付金として月額3万5千円が支給されます。住居給付金は自ら住宅を借りて家賃を支払う場合に届出を行うことで支給されるため、両方を受給する場合は月額17万円となります。
これに加えて、修習地への赴任時には4万6,500円から14万1,000円の範囲で移転給付金が修習地に応じて支給されます。修習給付金は貸与制の修習専念資金と異なり、返還不要の給付制度です。
出典:裁判所「司法修習生の修習給付金について」
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二回試験の合格率はどれくらい?
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二回試験(司法修習生考試)の合格率は近年99%以上で推移しています。法務省の公表データによると、第73期は採用者1,473人に対し不合格者11人、第74期は採用者1,456人に対し不合格者5人と、ほぼ全員が合格している状況です。
ただし合格率の高さは、修習生が真剣に取り組んだ結果として実現しているものです。万が一不合格になっても翌年の再受験は可能ですが、3回連続で不合格となると法曹資格の取得は事実上困難になります。
出典:法務省「司法修習生採用者数・考試(二回試験)不合格者数」
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76期以前と79期の司法修習スケジュールはどう違う?
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76期以前は9月上旬の司法試験合格発表後、11月下旬に司法修習が開始されていました。79期は2026年3月19日に開始となり、76期以前と比較して開始時期が約4か月遅くなっています。修習期間は約1年間で変更はありません。
変更の理由は、2023年から法科大学院在学中の司法試験受験が可能となり、試験日程が5月から7月に変更されたためです。導入修習・分野別実務修習・選択型実務修習・集合修習の4クール構成は変わりません。
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修習給付金と修習専念資金の違いは?
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修習給付金は基本給付金・住居給付金・移転給付金の3種類からなる返還不要の給付制度です。一方、修習専念資金は給付金を受けても生活費が足りない場合に貸与される資金で、修習修了後に返還義務が発生します。両者は性質も金額も異なる別の制度です。
修習専念資金の貸与を受けると、約1年の修習期間で総額300万円超の借入となる場合もあります。生活設計に応じて、給付金のみで足りるか専念資金の貸与を申請すべきかを判断する必要があります。
出典:裁判所「司法修習生の修習専念資金の貸与等について」
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法科大学院在学中に司法試験に合格した人はいつから司法修習に参加できる?
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2023年から法科大学院在学中に司法試験を受験できるようになり、在学中合格者は法科大学院卒業後すぐに司法修習生として採用されます。79期の場合、2026年3月19日の修習開始までに法科大学院を修了している必要があります。
予備試験合格者や法科大学院修了後の合格者も同じ79期の司法修習に参加します。在学中合格者だけの特別なスケジュールはなく、全員が同じ4クール構成の修習を1年間受けます。
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司法修習生の身分は公務員と同じ?
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司法修習生は国家公務員に準じた身分として扱われますが、正確には公務員ではありません。最高裁判所から任命を受け、修習に専念する義務(修習専念義務)を負う立場で、社会保険は国民健康保険、年金は国民年金の第1号被保険者となります。
修習給付金は給与所得ではなく所得税法上の雑所得として扱われるため、原則として自分で確定申告を行う必要があります。家族の社会保険の被扶養者からも外れる手続きが必要です。
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司法修習中にアルバイトはできる?
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司法修習生には修習専念義務があるため、アルバイトは原則として禁止されています。ただし、修習給付金や修習専念資金を受けても生活費が足りない場合は、修習に支障が出ない範囲でアルバイトの許可申請を行うことで、別途収入を得ることが可能です。
許可申請は採用選考申込の段階で行うほか、修習開始後に申請することもできます。修習や勉強の妨げにならない時間帯・業務内容かどうかが判断基準となるため、安易な兼業は認められません。
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二回試験に不合格になったらどうなる?
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二回試験に不合格となった場合、翌年の二回試験を再受験できます。再受験のために司法修習生として再採用される仕組みがあり、不合格科目を中心に再度修習を経て試験に臨みます。ただし、3回連続で不合格になると司法修習生としての身分を失い、法曹資格を得ることができません 。
また、内定先の法律事務所がある場合、不合格により入所時期が1年遅れる影響があります。集合修習で扱う民事裁判・刑事裁判・検察・民事弁護・刑事弁護の5科目を確実に身につけることが、不合格回避の基本です。
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司法修習の就職活動はいつから始めるのが良い?
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就職活動の開始時期は志望する事務所の規模で異なります。四大法律事務所など大手は法科大学院在学中のサマークラークから始まり、司法試験合格発表前に内定が出ます。一般の法律事務所は合格発表後、修習開始までの期間に説明会や面接が活発化します。志望事務所の規模を早期に決め、適切な時期から準備することが重要です。
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司法修習の修習地はどう決まる?
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修習地は、司法修習生採用試験の応募時に提出する修習地希望(第 1 希望〜第 6 希望まで記入)をもとに、最高裁判所司法研修所が決定します。全国の地方裁判所所在地に配属され、東京・大阪など人気の修習地は希望者が多いため、第一希望どおりとならない場合もあります。配属地によって集合修習と選択型実務修習の実施順序が異なります。
東京・立川・横浜・さいたま・千葉・大阪・京都・神戸・奈良・大津・和歌山の修習地では「集合修習→選択型実務修習」、その他の修習地では「選択型実務修習→集合修習」の順となります。
7.【2026年度】79期司法修習のスケジュールのまとめ
司法修習のスケジュールが変更されても、修習の内容や修習生の生活に大きな変化はありません。就職活動についても、修習前の活動期間は長くなりますが、倍率や難易度に大きな変化はないものと考えられます。
司法修習の日程変更で不安を感じている方も、特に大きな変化はありませんので安心して司法修習に臨んでください。
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