二回試験とは?試験内容や不合格にならないための対策を解説
基本情報
【記事のポイント】
- 合格率:二回試験は合格率99%以上で、真面目に司法修習へ取り組めばほぼ全員が突破できる卒業試験です。
- 正式名称:正式には司法修習生考試と呼び、1年間の司法修習の最終月に実施されます。合格して初めて法曹資格を取得できます。
- 試験内容:民事裁判・刑事裁判・検察・民事弁護・刑事弁護の5科目を、1日1科目で5日間、各日7時間30分かけて受験します。
- 合格対策:対策の中心は集合修習の起案演習と白表紙の理解、基本を外さず時間内に書き上げることが合否を分けます。
- 不合格時:不合格なら再受験は翌年で、法曹キャリアの開始が1年遅れます。裁判官・検察官・大手法律事務所の内定は取り消されることになります。
法曹資格を得るには、司法試験に合格するだけでなく二回試験にも合格しなければなりません。
司法試験の後にもさらに試験があるの?
二回試験はどんな試験なのだろう?
いつから対策をすべきなのか?
などと、司法試験の勉強開始前から心配している方も少なくはないでしょう。
今回は、二回試験の試験内容や対策方法、注意点などをまとめて解説します。二回試験について心配な方は、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
1. 二回試験とは?
二回試験とは司法修習の最後に実施される卒業試験のことで、正式には司法修習生考試といいます。
二回試験(司法修習生考試)は、従来は毎年11月中旬から下旬にかけて実施されていました。しかし、司法試験の合格発表時期が11月、司法修習の開始時期が翌年3月へ変更されたことに伴い、第77期以降は実施時期も春へ移行しています。現在は、司法修習の最終段階となる3月上旬頃に二回試験が実施され、3月中に合格発表が行われる運用となっています。
弁護士や裁判官、検察官など法曹としての仕事を開始するには、司法試験に合格するだけでなく二回試験にも合格する必要があります。
※なお、司法修習について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
2. 二回試験はほとんどが合格する試験
二回試験について過度に心配される方もいますが、二回試験はほとんどの人が合格する試験です。二回試験に不合格となるのは毎年数人から十数人ほどで、合格率にすると99%以上となります。
出典:最高裁判所「司法修習生採用者数・考試(二回試験)不合格者数」
そのため、二回試験について心配し過ぎる必要はありません。
ただし、二回試験に合格できなければ新たに挑戦できるのは1年後です。つまり、法曹としての仕事を開始できるのが1年も遅れてしまいます。就職が決まっている方は、内定を取り消されてしまう可能性もあるでしょう。特に、裁判官や検察官、大手法律事務所の内定は、二回試験に不合格となれば確実に取り消されてしまいます。
二回試験は真面目に修習に取り組んでいれば合格できる試験です。しかし、不合格となってしまった場合には法曹としてのキャリアプランが全て崩れてしまう可能性もあるため真剣に取り組まなければなりません。
3. 二回試験の試験内容
二回試験の試験科目は、次の5科目です。
◉民事裁判
◉民事弁護
◉刑事裁判
◉刑事弁護
◉検察
日程は、1日1科目の5日間で、試験時間は10時20分から17時50分までと長丁場の試験となっています。
7時間30分の試験中は、各自でトイレや昼食休憩をとることもできます。終了時間よりも早く完成した場合には、時間前に帰宅することも可能です。
試験期間中は体調管理が何よりも重要です。1科目でも基準を下回ると不合格となってしまうため、5日間を万全の体調で望めるよう体調管理に努めましょう。
4. 二回試験の対策方法
二回試験の対策は、真面目に司法修習に取り組むことに尽きます。特に、1年間の司法修習の後半に実施される集合修習での起案作成は、二回試験対策に直結する内容です。
司法修習では、各科目で白表紙と呼ばれるテキストを使用します。二回試験合格のために求められる知識としては、白表紙の内容で必要十分です。白表紙の内容を確実に理解しておけば、知識面での心配はありません。
二回試験対策としては、司法試験対策と同様にアウトプットも重要です。集合修習で取り扱った起案の復習や、修習生の仲間と一緒に二回試験の過去問演習を行うなどして、起案の形式に慣れるようにしましょう。
集合修習が始まると、修習生の間では過去問のデータなどが出回ります。それを活用して仲間内での演習を重ねれば、対策としては十分です。二回試験は真剣に取り組めば問題のない試験ですが、甘く考えずにしっかり対策を行うようにしましょう。
5. 二回試験の注意点
二回試験は、どの科目も難易度の高い試験です。ただし、試験に合格するのには完璧な答案が求められている訳ではありません。
二回試験で絶対に外してはならない注意点は、次の3つです。
◉時間内に書き終える(紐で綴る時間は別途有り)
◉各科目の基本を押さえる
◉絶対に油断しない
かつての二回試験は、試験時間内に表紙と答案を紐で綴らないと、採点の対象外となり、それだけで不合格となってしまうため、「時間内に紐で綴る」ということが二回試験の絶対条件でした。
しかし、現在の二回試験では試験時間終了後に別途紐で綴る時間を設けています。そのため、起案を時間内に書き終えるという点のみが二回試験の注意点となります。
二回試験では、最終的な回答の正しさも重要ですが、それよりも重要なのは基本的な思考過程を示すことです。最終的な回答が想定とは異なるものでも、各科目の基本に従った思考過程が示されていれば不合格は避けられます。
試験内容が難しくても焦らずに、基本部分だけは間違いのないようにしましょう。絶対に外してはならない基本事項としては、次の事項が挙げられます。
◉民事弁護 原告と被告を間違える
◉刑事裁判 結論を無罪にする
◉刑事弁護 被告人の主張と反する主張をする(無罪主張なのに情状ばかり記載する
◉検察 結論を不起訴とする
最後に、二回試験を受けるに際して油断は禁物です。二回試験はほとんどが合格する試験ですが、それは全ての受験生が司法試験合格者だからです。司法試験合格者でも不合格となる可能性がある試験であることを肝に銘じて真剣に取り組むようにしてください。
6. 二回試験に関するよくある質問(FAQ)
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二回試験の合格率はどれくらいですか?
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二回試験(司法修習生考試)の合格率は、近年99%以上の高水準で推移しています。最高裁判所の公表資料では、第74期(令和2年度)の不合格者は5名、第75期(令和3年度)は6名、第76期(令和4年度)も6名にとどまり、ほとんどの修習生が合格しています。
ただし合格率が高い背景には、全受験者が司法試験合格者であることがあります。1科目でも基準を下回れば不合格となるため、5科目すべてで一定水準の答案が必要であり、油断は禁物です。
出典:最高裁判所「司法修習生採用者数・考試(二回試験)不合格者数」
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二回試験は1日あたり何時間で何日間実施されますか?
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二回試験は1日あたり7時間30分(10時20分から17時50分まで)の長時間試験を、1日1科目で5日間連続して受験します。試験科目は民事裁判・刑事裁判・検察・民事弁護・刑事弁護の5科目で、合計37時間30分にわたる長丁場の国家試験です。
試験中は各自の判断でトイレ休憩や昼食をとることができ、答案完成後は終了時刻前の退出も可能です。5日間を万全の体調で乗り切るための体調管理が、合否を左右する実務的なポイントとなります。
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二回試験と司法試験はどう違いますか?
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司法試験は法律家になるための知識と思考力を問う試験で、合格すると司法修習生になる資格が得られます。これに対し二回試験は、1年間の司法修習で習得した実務能力を問う卒業試験で、合格して初めて弁護士・検察官・裁判官の法曹資格を取得できます。
2025年度の司法試験合格率は41.20%(合格者1,581名)であるのに対し、二回試験は99%以上と数値だけ見れば対照的です。問われる能力の質が異なり、二回試験は実務起案の正確性と基本的な思考過程を重視する試験です。
出典:法務省「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等」
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二回試験の評価方式と判定基準はどうなっていますか?
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最終的な結論が想定と異なっていても、基本に従った思考過程が示されていれば不合格は避けられます。逆に、刑事裁判で無罪結論を出す、検察で不起訴の結論を出すといった基本を外すミスは致命的になります。
二回試験は、5科目について、「優・良・可・不可」(またはさらに細かい段階)で成績評価されます。各科目で「不可」がつくと、合格可能性が大きく下がり、実務上は「不可」を出さないことが安全策とされています。完璧な答案よりも、事件の整理・事実認定・法的論理のプロセスが基本に沿っているかが重視されます。
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二回試験の正式名称は何ですか?
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二回試験の正式名称は「司法修習生考試(しほうしゅうしゅうせいこうし)」です。司法修習の最終段階で実施される卒業試験で、最高裁判所の司法研修所が実施機関となります。試験会場は東日本では和光市の司法研修所、西日本では大阪の研修施設が用いられます。
「二回試験」という通称は、司法試験(一回目の国家試験)に続いて法曹資格取得のために受ける二度目の試験という位置づけに由来します。修習生にとっては法曹キャリアの最終関門となる試験です。
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二回試験はいつ実施されますか?
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二回試験は1年間の司法修習の最終月に実施されます。2025年3月に修習が開始された第78期では、2026年3月上旬に二回試験が実施され、3月中に合格発表が行われます。司法試験の合格発表時期と司法修習開始時期の変更に伴い、第77期以降の実施時期は従来の11月実施から春実施へと移行しました。
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二回試験に不合格となった場合はどうなりますか?
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二回試験に不合格となると、翌年の二回試験まで法曹資格を得られず、弁護士・検察官・裁判官としての業務を開始できません。再受験のために司法修習生として再採用される必要があり、最短でも法曹キャリアのスタートが1年遅れることになります。
就職内定への影響も深刻で、裁判官・検察官・大手法律事務所の内定は確実に取り消されます。一般法律事務所の内定も取消や延期となる可能性が高く、不合格は経済面・キャリア面の双方に大きな影響を及ぼします。
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二回試験で不合格になりやすい典型的なミスは何ですか?
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不合格となる典型的なミスは、各科目の基本を外す答案構成です。民事弁護で原告と被告を取り違える、刑事裁判で無罪結論を出す、刑事弁護で無罪主張なのに情状ばかりを記載する、検察で不起訴の結論を出すといった基本事項の誤りは致命的な評価につながります。
もう一つの典型は、時間内に起案を書き終えられないケースです。各科目とも100ページ前後の記録を読み込み、7時間30分以内に起案を完成させる必要があるため、時間配分のミスは答案未完成による不合格リスクに直結します。
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二回試験の対策はいつから何を始めれば良いですか?
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二回試験対策の中心は、1年間の司法修習に真摯に取り組むことです。特に修習後半の集合修習で実施される起案演習が二回試験対策に直結し、司法修習で配布される「白表紙」と呼ばれる公式テキストの内容を確実に理解すれば、知識面は十分カバーできます。
司法修習開始前から要件事実・刑事手続の基本書を読み込んでおくと、修習を有利にスタートできます。集合修習が始まると修習生間で過去問データが共有されるため、仲間内での起案演習を重ねて答案形式に慣れることも効果的です。
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二回試験合格後の法曹資格取得までの流れはどうなっていますか?
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二回試験の合格発表では、一般に不合格者の受験番号のみが司法研修所内に掲示され、結果は後日通知されます。合格者はその後、弁護士登録や裁判官・検察官への採用手続きに進みます。
弁護士志望者は、日本弁護士連合会が定める一斉登録日などを経て弁護士登録を行い、登録完了後に業務を開始します。裁判官・検察官志望者は、それぞれ最高裁判所・法務省の手続きを経て任官・任検します。
7. 二回試験の試験内容や不合格にならないための対策まとめ
二回試験は、真剣に取り組めば間違いなく合格できる試験となっています。司法修習の期間は、実務に出る前の大切な学びの期間です。修習期間はしっかりと学びの時間を取り、二回試験を確実に突破しましょう。
二回試験合格のためには、司法試験を受験する段階から基本を徹底的に学ぶことも重要です。
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2025年 予備試験合格者 452人中406名(89.8%)※2
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※1(講座内訳:入門講座640名、講座・答練321名、模試471名)
※2(講座内訳:入門講座228名、講座・答練131名、模試47名)
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