予備試験に大学は関係ない?大学別合格率データから見える本当の合格要因

基本情報

2025年12月24日

「東大や京大に行かないと、予備試験には受からないのでは?」

予備試験の受験を検討している方の中には、大学別合格率のランキングを見て、そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

確かに、法務省が公表している令和6年(2024年)度のデータを見ると、東京大学の合格率は16.6%、一橋大学は15.0%と、全体の合格率3.57%を大きく上回っています。一方で、受験者数が最も多い慶應義塾大学の合格率は10.5%、中央大学は3.8%にとどまっており、一見すると「大学で合否が決まる」ように見えるかもしれません。

しかし、結論から申し上げると、予備試験の合否に出身大学は関係ありません。

この記事では、大学別合格率のデータを正しく読み解きながら、なぜ大学によって合格率に差が生まれるのか、そして本当に合否を分けている要因は何なのかを、法務省の公式データに基づいて詳しく解説していきます。

予備試験合格を目指すすべての方に、この記事が「自分にもできる」という確信を持っていただくきっかけになれば幸いです。

※予備試験の合格率の詳細については、こちらもご覧ください。

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【目次】

1. 予備試験の大学別合格率データ【令和6年(2024年)度】

まずは、令和6年(2024年)度予備試験における大学別の合格状況を確認しましょう。

1-1. 予備試験の大学別合格率ランキング(上位15校)

順位大学名受験者数合格者数合格率
1東京大学465人77人16.60%
2一橋大学113人17人15.00%
3大阪公立大学28人4人14.30%
4京都大学188人24人12.80%
5金沢大学8人1人12.50%
6南山大学9人1人11.10%
6創価大学9人1人11.10%
8慶應義塾大学504人53人10.50%
9早稲田大学331人33人10.00%
10上智大学53人5人9.40%
11北海道大学67人5人7.50%
12岡山大学29人2人6.90%
13関西大学46人3人6.50%
14大阪大学95人6人6.30%
15神戸大学49人3人6.10%

出典:文部科学省「令和6年司法試験予備試験受験状況(大学生)」

このランキングを見ると、東京大学、一橋大学、京都大学といった難関国立大学が上位を占めていることがわかります。しかし、南山大学や創価大学、金沢大学といった地方大学・私立大学からも合格者が輩出されていることが確認できます。

1-2. 地方大学・私立大学からも279人が合格

上位校以外からも、毎年多くの合格者が輩出されています。令和6年(2024年)度のデータでは、大学在学中の合格者279人のうち、東大・京大・一橋・慶應・早稲田以外からも多数の合格者が出ています。

【地方国立大学からの合格者】

北海道大学(5人)、東北大学(3人)、名古屋大学(3人)、大阪大学(6人)、九州大学(2人)、岡山大学(2人)、広島大学(1人)、新潟大学(1人)、千葉大学(1人)、神戸大学(3人)、金沢大学(1人)

【私立大学からの合格者】

明治大学(4人)、同志社大学(4人)、関西大学(3人)、上智大学(5人)、青山学院大学(1人)、関西学院大学(1人)、中京大学(1人)、甲南大学(1人)、南山大学(1人)、創価大学(1人)

このように、予備試験の合格者は特定の大学に限られているわけではありません。出身大学に関係なく、正しい対策をすれば合格できる試験であることがデータからも明らかです。

※予備試験の大学別合格数の詳細については、こちらもご覧ください。

2. 予備試験の最終学歴別の合格率データ

次に法務省が公表している最終学歴別のデータを確認してみましょう。

最終学歴受験者数合格者数合格率
高校在学中35人3人8.57%
大学在学中3,716人279人7.51%
法科大学院在学中427人8人1.87%
高校卒業258人5人1.94%
大学卒業5,059人117人2.31%
法科大学院修了1,209人14人1.16%
全体12,569人449人3.57%

出典:法務省「令和6年司法試験予備試験口述試験(最終)結果」

データを確認すると「高校在学中」の合格率が8.57%という事実があります。大学在学中の7.51%を上回り、全体平均3.57%の約2.4倍という数字です。

前提として「高校在学中」の受験者数が35人と少ないことは考慮しつつも、合格者が例年出ており、「学歴」ではなく「学習歴(いつから勉強を始めたか)」が合否を分けているということです。高校生は大学受験を控えていない分、予備試験対策に集中でき、かつ柔軟な思考力を持っている時期に学習を開始しています。令和5年(2023年)度には、16歳(高校1年生)で史上最年少合格者も誕生しています。

一方、「大学卒業」後の合格率は2.31%、「法科大学院修了」後は1.16%と、学歴が高くなるほど合格率が下がる傾向にあります。これは、社会人になってからの学習時間の確保の難しさを反映していると考えられます。

※司法試験の受験資格・取得までの年数などの詳細については、こちらもご覧ください。

3. なぜ東大・京大の合格率は高いのか?3つの理由

東京大学の合格率16.6%、京都大学の合格率12.8%という数字は確かに高いです。しかし、これは「東大生だから頭が良い」という理由ではありません。合格率が高い本当の理由を3つの観点から分析します。

3-1. 理由①受験者の「本気度」が違う

東京大学や京都大学の法学部には、入学時点から法曹を志望している学生が多く集まっています。周囲に「予備試験を受けるのが当たり前」という雰囲気があり、大学1年生から計画的に学習を開始する文化が根付いています。

そのため、「とりあえず力試しで受けてみる」「今年はダメ元で」という「記念受験」層が少なく、本格的な対策をした受験生が多いのが特徴です。受験者全体の「本気度」が高いからこそ、結果として合格率も高くなるのです。

3-2. 理由②早い段階から予備校に通う文化がある

難関大学の法曹志望者の多くは、大学1〜2年生という早い段階から受験指導校(予備校)に通い始めています。伊藤塾の合格者データを見ても、在学中合格者の多くは大学1〜2年生から学習を開始しています。

予備試験は、短答式・論文式・口述式の3段階で構成される難関試験です。短答式試験の合格率21.86%、論文式試験の合格率17.45%、口述試験の合格率97.40%というデータからもわかるように、十分な準備期間を確保し、計画的に学習を進めることが合格への近道です。

つまり、「東大だから受かる」のではなく、「東大生は早くから対策を始める人が多いから受かる」のです。

3-3. 理由③情報とモチベーションを得やすい環境

難関大学には、すでに予備試験に合格した先輩が数多くいます。合格者から直接、効果的な勉強法、使用した教材、試験当日の心構えなどを聞くことができる環境は、大きなアドバンテージになります。

また、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境があることも、長期間にわたる学習のモチベーション維持に大きく貢献しています。ゼミやサークルを通じて情報交換し、互いに刺激し合いながら学習を進められるのです。

重要なのは、これらの「環境」は大学に依存するものではないということです。受験指導校を活用すれば、どの大学に通っていても、同じ情報、同じカリキュラム、同じ仲間のネットワークを手に入れることができます。

4. 「合格率の罠」に注意|データの正しい3つの読み方

大学別合格率のデータを見る際には、いくつかの「罠」に注意する必要があります。数字の表面だけを見ていると、本質を見誤ってしまう可能性があるからです。

4-1. 受験者数の母数が大きく違う

令和6年(2024年)度のデータを例に、中央大学と一橋大学を比較してみましょう。

大学名受験者数合格者数合格率
中央大学470人18人3.80%
一橋大学113人17人15.00%

合格者数は中央大学18人、一橋大学17人とほぼ同じです。しかし、合格率には約4倍の差があります。これは、中央大学の受験者数(470人)が一橋大学(113人)の約4倍もあるためです。

中央大学は法学部の伝統校として知られ、「多くの学生が法曹を目指して挑戦している大学」です。その中には、1年生で力試しに受験する学生や、準備段階の受験生も多く含まれています。単純な合格率の比較だけでは、大学の「実力」を正確に測ることはできないのです。

4-2. 「記念受験」を除くと実質合格率は変わらない

予備試験の受験者の中には、「今年は力試しで受けてみる」「来年の本番に向けて雰囲気を知りたい」「短答式試験だけでも経験しておきたい」という目的で受験する人が一定数います。

これらの「記念受験」層を除いた、1年以上の対策期間を経て本気で受験している層だけで比較すれば、大学による合格率の差は大幅に縮まると考えられます。重要なのは「どの大学か」ではなく「どれだけ準備したか」です。

4-3. 論文式試験こそが本当の勝負どころ

予備試験は3段階で構成されています。令和6年(2024年)度のデータを見ると、短答式試験の合格率は21.86%(2,747人/12,569人)、論文式試験の合格率は17.45%(462人/2,647人)、口述試験の合格率は97.40%(449人/461人)です。

特に注目すべきは、大学在学中の受験生の論文式試験合格率が36.29%(282人/777人)で推移しているという点です。これは全体平均の17.45%を大きく上回っています。つまり、短答式試験さえ突破できれば、大学生は比較的高い確率で最終合格を狙えるのです。

※予備試験の詳細については、こちらもご覧ください。

5. 予備試験の合否を分ける3つの要因

ここまでの分析から、大学別合格率の差は「大学そのもの」ではなく、「学習環境や準備状況の差」を反映しているに過ぎないことがわかりました。では、本当に合否を分けている要因は何でしょうか。

①学習開始時期

大学1〜2年、できれば高校生のうちから開始することができればベスト。高校在学中の合格率8.57%が早期スタートの優位性を証明しています。大学在学中(7.51%)と大学卒業後(2.31%)では3倍以上の差があります。

②正しい勉強法

大学の授業≠予備試験対策です。試験に最適化されたカリキュラムで学ぶことが重要です。できれば早い段階から受験指導校(予備校)に通うことをおすすめします。2024年予備試験合格者449人中405人(90.2%)が伊藤塾有料講座受講生でした。

③継続できる環境

予備試験は3,000〜10,000時間の学習が必要とされる長期戦です。仲間の存在、定期テスト・模試、講師サポートが継続の鍵となるでしょう。

「どの大学に入るか」よりも「いつ学習を始めるか」「どう学ぶか」の方が、はるかに重要です。

6. 地方大学・高校生から予備試験に合格するために

「東京の有名大学に通っていないから不利」と考える必要はまったくありません。むしろ、現代ではオンライン講座の充実により、地方にいても東京と同じ質の講義を受けることができます。

6-1. 戦略①オンライン講座で環境差を埋める

受験指導校のオンライン講座を活用すれば、地方にいながら東京の受験生と同じカリキュラム・講義を受けることができます。Web受講なら、自分のペースで繰り返し学習することも可能です。また、全国規模の模試を受けることで、自分の実力を客観的に把握し、全国の受験生の中での立ち位置を確認できます。

6-2. 戦略②できるだけ早くスタートする

先ほど述べたように、予備試験において最も重要なのは「学習開始時期」です。高校生の合格率8.57%、大学在学中の合格率7.51%、大学卒業後の合格率2.31%というデータが、早期スタートの重要性を如実に示しています。

大学1年生から、できれば高校生のうちから学習を始めることで、難関大学の受験生と同じスタートラインに立つことができます。早期スタートこそが、大学名による不利を帳消しにする最大の武器です。

6-3. 戦略③合格者の勉強法を真似る

予備試験・司法試験の合格者に共通しているのは、「正しい方法で学習している」ということです。独学で試行錯誤するよりも、すでに合格した先人の勉強法を学び、実績のあるカリキュラムに沿って学習を進める方が、はるかに効率的です。

受験指導校には、何千人もの合格者を輩出してきたノウハウが蓄積されています。伊藤塾では、2025年司法試験合格者1,581人中1,432名(90.6%)、2024年予備試験合格者449人中405名(90.2%)が有料講座の受講生でした。そのノウハウを活用することで、大学に関係なく、合格への最短ルートを歩むことができます。

7. 出身大学は就職・キャリアに影響するか?

「予備試験には受かっても出身大学で就職で不利になるのでは?」という懸念を持つ方もいるかもしれません。この点についても、事実に基づいて解説します。

7-1. 法律事務所の採用で重視されるポイント

法律事務所の採用において最も重視されるのは、司法試験の成績、人間性、コミュニケーション能力です。特に、予備試験を経由して司法試験に合格した場合、「難関試験を突破した実力の持ち主」として高く評価されることが多いです。

むしろ、出身大学よりも「予備試験合格」という実績の方が、採用担当者に強い印象を与えることがあります。予備試験合格者の司法試験合格率は90%を超えており、その実力は折り紙付きです。

※弁護士の詳細については、こちらもご覧ください。

7-2. 裁判官・検察官の任官は実力主義

裁判官や検察官を目指す場合も、最も重視されるのは司法試験の成績と司法修習での評価です。任官においては、出身大学よりも実力主義の傾向が強く、法曹としての適性や能力が何より重要視されます。

※裁判官の詳細については、こちらもご覧ください。

7-3. 弁護士として活躍するのに学歴は関係ない

弁護士として活躍できるかどうかは、出身大学ではなく、その人自身の能力と努力によって決まります。依頼者が弁護士を選ぶ際に重視するのは、専門性、実績、人柄です。地方大学出身で第一線で活躍している弁護士は数多くいます。独立開業、企業法務、国際案件など、活躍のフィールドは多岐にわたります。出身大学はキャリアの決定要因にはなりません。

※弁護士の詳細については、こちらもご覧ください。

8. 予備試験の大学別合格率のよくある質問(FAQ)

Q. 予備試験に大学は関係ありますか?

A. 関係ありません。予備試験は受験資格に学歴要件がなく、答案は完全匿名で採点されます。令和6年(2024年)度は南山大学、創価大学、金沢大学など様々な大学から合格者が輩出されています。大学別合格率の差は「学習環境や準備状況の差」を反映しているに過ぎません。

Q. 東大・京大の合格率が高いのはなぜですか?

A. 主に3つの理由があります。①受験者の本気度が高い(記念受験が少ない)、②大学1〜2年から予備校に通う文化がある、③合格者の先輩から情報を得やすい環境がある。これらは「大学の力」ではなく「環境の差」であり、受験指導校を活用すれば同じ環境を手に入れられます。

Q. 地方大学から予備試験に合格できますか?

A. できます。令和6年(2024年)度は北海道大学(5人)、東北大学(3人)、名古屋大学(3人)、九州大学(2人)、岡山大学(2人)など地方国立大学から多数の合格者が出ています。オンライン講座の充実により、地方でも東京と同じ質の講義を受けることが可能です。

Q. 高校生でも予備試験に合格できますか?

A. できます。令和6年(2024年)度は高校在学中の合格者が3名おり、合格率は8.57%でした。予備試験には受験資格の制限がなく、年齢・学歴を問わず誰でも受験できます。令和5年(2023年)度には16歳(高校1年生)で史上最年少合格者も誕生しています。

Q. 予備試験合格後、就職で出身大学は不利になりますか?

A. 不利になりません。法律事務所の採用では司法試験の成績、人間性、コミュニケーション能力が重視されます。むしろ「予備試験合格」という実績は高く評価され、予備試験合格者の司法試験合格率90%超という実力が証明されています。裁判官・検察官の任官も実力主義です。

Q. 予備試験に合格するために最も重要なことは何ですか?

A. 「学習開始時期」です。高校生の合格率8.57%と合格者が出ているように、早く始めた人ほど有利です。「どの大学に入るか」より「いつ学習を始めるか」の方がはるかに重要です。思い立った今日から始めることが、合格への第一歩です。

9. 予備試験の大学別合格率についてまとめ

この記事では、予備試験の大学別合格率データを分析し、「大学によって合格率に差が生まれる理由」と「本当に合否を分けている要因」について解説してきました。

◉この記事の5つのポイント
① 大学別合格率の差は「大学の能力」ではなく「学習環境や準備状況」を反映している
② 高校生の合格率8.57%と合格者が出ているように「学歴」より「学習開始時期」が重要
③ 本当に合否を分けるのは「学習開始時期」「正しい勉強法」「継続できる環境」の3つ
④ 地方大学・高校生でも、受験指導校を活用すれば同じ土俵で戦える
⑤ 最も重要なのは「いつ始めるか」、今日から始めることが合格への第一歩

予備試験は、学歴に関係なく、誰にでも法曹への道を開いてくれる試験です。令和6年(2024年)度のデータでも、高校生から社会人まで、様々なバックグラウンドを持つ449人が最終合格を果たしています。

「自分には無理かもしれない」と思う必要はありません。正しい方法で、早い段階から学習を始めれば、どの大学に通っていても、あなたにも合格の可能性は十分にあります。

伊藤塾では、「盤石な基礎」と「合格後を考える」を指導理念に、司法試験合格はもちろんのこと、合格後の活躍まで見据えたお一人おひとりへの丁寧なサポートで、受講生の皆様を全力で支えています。

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25年司法試験合格祝賀会

著者:伊藤塾 司法試験科

伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。