司法試験・予備試験は独学でも合格できる?弁護士になるための勉強法とは
予備試験
2025年10月31日
        
                            
                        司法試験・予備試験は、独学でも合格できるのでしょうか。
司法試験・予備試験は最難関の国家試験です。合格するには、多くの勉強時間を費やさなければなりませんが、それは独学でも可能なのでしょうか。
結論から言いますと、司法試験・予備試験に独学で合格することは不可能ではありませんが、非常に難しいと言えます。
この記事では、独学のメリット・デメリットを紹介したうえで、司法試験・予備試験に独学で合格することが難しい理由を解説します。
試験勉強を始めるに際して、勉強方法にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
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【目次】
1.司法試験・予備試験に独学で合格するのは難しい
司法試験に独学で合格するには、まず予備試験を突破して司法試験の受験資格を得なくてはなりません。
予備試験は、合格率が4%前後の難関試験です。予備試験に合格するには、司法試験本番に合格するレベルの学力が必要と言われています。さらに、予備試験の合格率は、法学部や法科大学院出身者以外だと1.5%前後にまで下がります。
法学部や法科大学院出身者以外でも、多くの方は受験指導校を利用しているため、純粋に独学で予備試験に合格した人はほとんどいないと言えるでしょう。
このとおり、数字だけを見ても、司法試験・予備試験に独学で合格するには極めて難しいことがわかります。
2.独学のメリット・デメリット
司法試験・予備試験の勉強を独学で行うことには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
2-1.独学のメリット
独学の最も大きなメリットは費用がほとんどかからないことです。
受験指導校を利用し、さらに法科大学院にも通うとなれば、場合によっては数百万円もの費用がかかるでしょう。
一方で、独学に必要な費用は、司法試験・予備試験の受験料と参考書などの書籍代のみです。費用の面を見ると、独学の方が何倍も安く済むことがわかります。
その他には、独学であれば自分の理解度に応じて学習量や学習ペースを調整できるというメリットもあるでしょう。受験指導校に通うとなれば、学習量や学習ペースをカリキュラムに合わせる必要が出てきてしまいます。
2-2.独学のデメリット
独学の最大のデメリットは、試験の合格に必要な勉強とそれ以外の勉強とを区別できないことです。
司法試験の試験範囲は膨大ですが、頻繁に出題される分野とほとんど出題されない分野は明確に区別できます。
独学では、その区別ができないため、試験にほとんど出題されない分野の勉強にも多くの時間を費やしてしまう可能性があります。また、知見が足りずに理解ができないという壁に当たった時に、その分野に必要以上の時間をかけてしまう可能性もあります。
司法試験・予備試験の勉強を独学で行っても、何をどの程度理解すれば合格に十分なのかがわからず、膨大な範囲の勉強がいつまでも終わらない状態となってしまうでしょう。
反対に、受験指導校で学ぶと、合格に必要十分な学習量、必要十分な学習到達度で学習を完了できることになります。
3.司法試験・予備試験に独学で合格するのはなぜ難しいのか?
第1章で、司法試験・予備試験に独学で合格することは難しいと述べましたが、反対に、受験指導校で学ぶと、合格に必要十分な学習量、必要十分な学習到達度で学習を完了できることになります。
この章では、独学での合格が難しい理由を具体的に解説してみたいと思います。
司法試験・予備試験に独学で合格するのが難しいと考える主な理由は、次のとおりです。
 ◉長丁場の試験での自己管理が難しい
 ◉学習の内容が専門的で理解が難しい
 ◉論文試験の自己評価が難しい
 ◉情報量で圧倒的な差が生じてしまう
以下では、それぞれの理由を詳しく解説します。
3-1.長丁場の試験での自己管理が難しい
司法試験に合格するには、2,000〜5,000時間程度の勉強が必要とされています。予備試験に合格するまでに最低でも1〜2年、司法試験に合格するまでにさらに1年間の勉強が必要です。
つまり、司法試験に独学で合格するには、最低でも2〜3年間は自己管理を徹底して勉強し続けなければなりません。自分だけの力でモチベーションを保ちながら、長期間の勉強を続けるのは非常に難しいことです。
さらに、当然のことながら、勉強時間を確保すれば合格できるというものでもありません。司法試験は試験科目も多く、試験範囲も膨大です。試験日から逆算して、試験範囲の勉強を全て終わらせるにはスケジュール管理も重要となります。
最終的な目標である司法試験の試験範囲は次のとおりです。
 ◉公法系科目(憲法・行政法)
 ◉民事系科目(民法・商法・民事訴訟法)
 ◉刑事系科目(刑法・刑事訴訟法)
 ◉選択科目(倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法(公法系)、国際関係法(私法系)のうち1科目)
いわゆる基本書や参考書と呼ばれる書籍をひと通り揃えたとしても、その分量に圧倒されてしまうことと思います。これだけ多くの科目について、さらに短答式試験・論文式試験の対策をひと通りこなすだけでも、相当の時間が必要となるのがおわかりいただけるでしょう。
司法試験に独学で合格するには、膨大な試験範囲の学習を試験日までに終えられる学習計画を自分で立てて、それをひたすらにこなしていく徹底した自己管理が必要となるのです。
試験範囲の狭い試験に短期間で挑戦するのであれば、徹底した自己管理を維持することも可能かもしれません。しかし、最低でも2〜3年間という長丁場の試験でそれを行うのは非常に難しいと言わざるを得ないでしょう。
3-2.学習の内容が専門的で理解が難しい
法律科目の学習は、高校生までの学習とは異なり、専門的な内容となります。そのため、基本書や参考書を読むだけでは理解が難しいです。
理解できない部分については、複数の参考書を読み比べるなどして学習を進めることになりますが、その方法ではどうしても時間がかかりますし、それでも理解できない部分も出てきてしまうでしょう。
理解できないものを丸暗記しても、知識として定着させるのは難しいです。司法試験の試験範囲は膨大で、丸暗記で対応できるものではありません。
さらに、法律科目の学習では、学説の理解が必要です。法律の議論には正解がなく、特定の論点について複数の学説が対立していることがあります。
複数の学説が対立する論点は、司法試験にも出題されやすい分野となりますが、特定の基本書だけで学習を進めると、論点について、それが論点であることも気付かずに、そこに書かれた学説を唯一の正解と理解してしまうこともあります。
つまり、独学では、内容を理解するのが難しいことに加えて、何が議論の対象(論点)であるのかを発見することも難しいのです。
3-3.論文式試験の自己評価が難しい
司法試験・予備試験に合格するには、主として短答式試験と論文式試験の2つの形式の試験を突破しなければなりません。
そのうち、短答式試験は、試験範囲は膨大ですが、選択肢のある試験であるため、自分自身でも正解不正解の判断ができます。一方で、論文式試験は、明確な正解のない試験です。問題文から論点を発見し、書く内容や分量を自分自身で調整しなくてはなりません。
論文式試験を突破するには、知識だけでなく、問題を分析する力と、論理的な文章を組み立てる力が必要とされます。つまり、問題文を理解し、正解を導き出す力があったとしても、それを論理的に伝える能力がなければ論文式試験には合格できません。
自分で作成した論文について、一定の論点と解答が記載されているか否かを確認することは、難しいことではありません。しかし、個々の論点についての記載量や記載内容が適切なものであるか、文章が論理的な順序で組み立てられているか、採点者に理解が伝わる内容となっているかは、自分自身では評価できないでしょう。
つまり、論文式試験では、自己採点が非常に難しく、自分自身では合格点の答案が書けているつもりでも、実際の試験では合格点にほど遠い結果であることは珍しいことではありません。論文式試験の学習は、独学が特に難しい分野です。
3-4.情報量で圧倒的な差が生じてしまう
司法試験・予備試験の勉強が独学では難しいとは言っても、多くの受験生が独学ならば、独学でも十分に合格を狙うこともできるでしょう。
しかし、司法試験・予備試験の受験生は、ほとんどが予備校を利用しています。
予備校では、試験問題を徹底的に分析し、試験合格のために必要な情報を惜しみなく提供しています。予備校を利用している受験生と独学の受験生とでは、知識だけではなく、試験に合格するのに必要なすべての情報量に圧倒的な差が生じてしまうのは当然のことでしょう。
司法試験・予備試験に合格するためには、近年の重要判例や法改正のポイントを押さえておくことも重要です。予備校では、試験での出題が予想される最新情報も随時フォローできますが、独学では、最新判例や法改正に気付かずに学習を進めてしまうことすらあるでしょう。
4.司法試験・予備試験の合格には予備校の利用がおすすめ
独学で合格するのは難しい司法試験・予備試験に合格するためには、予備校を利用するのがおすすめです。
予備校の利用をおすすめする主な理由は次のとおりです。
◉効率的な学習ができる
◉理解がしやすい
◉論文式試験の添削を受けられる
どれも、独学での合格が難しい理由の裏返し的な意味を持つものと言えるでしょう。以下では、個々の理由について詳しく解説します。
4-1.効率的な学習ができる
予備校では、過去の試験問題の分析結果から、試験合格のために重要な知識とそうでない知識とをメリハリをつけて学ぶことができます。
司法試験の試験範囲は膨大で、全てを完璧に学習することは難しいです。試験合格のためには試験に出る部分と出ない部分のメリハリをつけた学習が必要不可欠で、重要度を理解しながら学習を進められるのは予備校を利用する大きなメリットの1つと言えます。
さらに、各予備校の入門講座では、試験日から逆算して、合格までのカリキュラムが組み立てられています。試験科目の多い司法試験では、学習のスケジューリングも非常に難しいため、それを任せられるのも予備校の利用をおすすめする理由です。
4-2.理解がしやすい
予備校では、長年の指導経験から受験生が苦手とする分野とその理由を十分に把握しています。受験生が苦手とする、自学自習では理解しにくい分野も、丁寧にわかりやすい言葉で説明してくれるため、理解がしやすいです。
講義で理解ができなかったとしても、アフターフォローも充実しているため、自分が納得できるまで何度も質問して理解を深めることができます。
独学では理解できない分野はそのままにして先に進めなければならない場合もあるでしょうが、予備校を利用すれば、1つ1つしっかり理解しながら学習を進めることが可能です。
4-3.論文式試験の添削を受けられる
受験指導校では、論文式試験対策の講座や模試も実施しています。講座では、試験で評価される論文の書き方や思考方法を学ぶことができますし、答練や模試では丁寧な添削を受けることができます。
論文式試験に合格するには、採点者から評価される答案を書く必要があります。そのためには、自分で評価するのではなく、何度も添削を受けて、自己評価と実際の評価との開きを埋める作業が必要不可欠です。
5.まとめ
司法試験・予備試験に独学で合格することは不可能ではありませんが、非常に難しいと言えます。
正確な数字は発表されていないので不明ですが、完全に独学で合格する受験生はほとんど存在しないと言われてます。
費用の面での問題はあっても、試験に合格するには予備校を利用するのがおすすめです。独学での学習で時間を無駄にしてしまうのであれば、効率的に学習を進めるための費用は高額なものとは言えないでしょう。
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※1(講座内訳:入門講座698名、講座・答練337名、模試401名)
※2(講座内訳:入門講座231名、講座・答練126名、模試48名)
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