司法試験の合格者氏名や名簿は公表される?合格発表に関する質問にお答えします!

司法試験

2025年10月31日

司法試験合格者の氏名は、国の機関紙である「官報」にて公表されます。

官報は誰でも購入することができる国の新聞であり、販売されてから90日以内であれば、インターネット上で無料で閲覧することも可能です。

官報は、司法試験の合格者本人やその家族が、合格の記念として購入するケースが多いですが、売り切れてしまうと購入できなくなってしまうおそれもあるため、確実に購入するためには、あらかじめ購入日等をしっかり把握しておき、必要であれば事前予約をしておくことも重要です。

この記事では、司法試験合格者の氏名が掲載される「官報」について解説したうえで、司法試験合格発表に関するよくある質問についても回答していきます。

司法試験合格を目指している皆さんには、こうした情報を参考にしながら、ぜひ一日でも早く学びを始めていただきたいと思います。

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1.2025年(令和7年)度司法試験の合格発表の日時

2025年(令和7年)度司法試験の最終合格発表は、11月12日(水)午後4時におこなわれます。

2.2024年(令和6年)度司法試験の合格発表と結果について

2-1.合格発表の日時

2024年(令和6年)度司法試験の最終合格発表は、11月6日(水)午後4時に下記の方法にておこなわれました。(発表形式は、合格者の受験番号です。)

法務省のホームページ(令和6年司法試験合格者番号)

掲示板(法務省司法試験合格発表掲示板(日比谷公園側祝田橋 交差点付近)ほか7か所)
 ※ 各掲示場所においては、11月15日(金)午後5時まで掲示を行いました。 

なお、合格通知書兼成績通知書の発送は2024年(令和6年)11月15日(金)、合格証書授与については11月下旬に交付されました。(手続については合格通知書に記載)

参考:令和6年司法試験の合格発表日時等について

2-2.司法試験の結果について

2024年(令和6年)度司法試験の結果としては、受験者数3,779人に対して、合格者数が1,592人、合格率が42.13%となりました。

試験結果について、詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

3.司法試験合格者の氏名は「官報」で公表される

法務省ホームページや、各試験地の合格発表の掲示板では、実は受験番号しか表記されていません。

司法試験合格者の氏名は、例年、国の機関紙である官報に掲載されます。

官報には、合格者の氏名・試験地・受験番号が掲載されます。

3-1.官報とは

官報とは、国が発行する機関紙であり、政府や各府省が、国民に知らせる必要のある重大な事項を掲載するための新聞です。

司法試験合格者のほかにも、破産者の情報や法令、会社の組織変更に関する公告等の重大な情報が掲載されます。

また、司法書士や公認会計士、税理士、弁理士、不動産鑑定士、土地家屋調査士など、さまざまな国家資格の合格者の氏名も掲載されます。

3-2.官報の発売日はいつ? 

官報は、土曜・日曜・祝日・年末年始(12月29日~1月3日)以外は、毎日発行されています。

ただし、司法試験の合格者が掲載される官報は、毎年法務省から公表される日付に発売されるもののみとなっています。

2024年(令和6年)度の司法試験合格者が掲載される官報の発売日は、【令和6年11月27日】でした。

3-3.官報の購入方法や閲覧方法

官報は、各都道府県に設置されている「官報販売所」で購入することができます。
参照:国立印刷局「官報サービスセンター・官報公告等取次店一覧」

また、「インターネット版官報」であれば、直近90日前までのものであれば無料で閲覧することができます。
参照:国立印刷局「インターネット版官報」

なお、官報は国の機関紙という性質上、定期購読者向けの販売が中心となっており、部売りの官報は、基本的にはわずかな数量しか販売されません。

司法試験の合格者本人やその家族で、確実に官報を購入したいと考えるのであれば、当該官報発行日の5営業日前までに、各都道府県の官報販売所にて事前予約をしておくことをおすすめします。

3-4.官報に掲載されたら何年で消える?

官報に掲載された情報は、あとからバックナンバーを検索することができるため、半永久的にその情報は消えることなく、国会図書館のデジタルコレクションに保管されます。

ただし、司法試験合格者の氏名が掲載された官報が発行されるのはその時限りなので、官報が発売されるたびに自分の個人情報が掲載されるわけではありません。

3-5.官報に掲載されるデメリットとは?

官報に掲載される一番のデメリットは、自分の氏名、つまり個人情報が公表されてしまうことにあります。

司法試験に合格した証として公表され、しかも氏名だけの公表であったとしても、自分の個人情報が掲載されてしまうことに対し、抵抗がある方も多いでしょう。

しかし、官報を定期的にチェックしている人は少ないですし、そもそも司法試験合格者の氏名が官報に掲載されることすら知らない方も多いです。

不合格者の氏名が公表されるわけではないため、そこまで深刻に考える必要もないといえるでしょう。

3-6.予備試験の合格者の氏名も官報に載る?

予備試験合格者の氏名は、官報には掲載されません。

平成22年におこなわれた司法制度改革に関するパブリックコメントに対する法務省の回答によると、次の理由から、今後も予備試験合格者の氏名が官報に掲載される可能性は低いと考えられます。

【予備試験合格者の官報公告がされない理由】

・法科大学院生は大学院を修了しても氏名を公告されるわけではないので、それと同様に扱われるべき
・予備試験合格者は、新司法試験の受験資格を得られるだけ
・新司法試験に合格した段階で氏名を官報で公告すれば足り、予備試験の合格者を官報公告する必要はない
引用:司法試験法施行規則の一部を改正する省令案に対する意見募集の結果について |法務省

4.司法試験合格者は新聞にも載る?

司法試験合格者の氏名は、一般的にほとんどの新聞で掲載されませんが、一部の新聞によっては掲載しているところもあります。

全合格者の氏名(名簿)を公表しているところもあれば、その地域に在住する合格者の氏名のみ掲載しているところもあります。

(中国新聞デジタルでは、受験地別に全合格者氏名が公表されていますが、現在は有料会員のみ閲覧可能となっています。)

また、最年少合格者や最年長合格者等については、全国紙やネットニュースなどの記事で、氏名が報道されるケースもあります。

5.【FAQ】司法試験合格者に関するよくある質問

司法試験合格者に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

Q1.司法試験の最年少合格および最年長合格者は?

2024年(令和6年)度における司法試験合格者の最年少合格者は17歳、最年長合格者は70歳です。
参照:令和6年司法試験の採点結果|法務省

※こちらの記事も合わせてご覧ください。

Q2.合格者の平均年齢や受験回数は?

2024年(令和6年)度における司法試験合格者の平均年齢は「26.9歳」となり、現行の司法試験開始以来、最も若い年齢だった2023年(令和5年)度の「26.6歳」とほぼ変わらない結果でした。

司法試験の結果について|法務省

また、下記表の通り、令和元年の司法試験合格者のうち5回目の受験者は1回目の受験者の約6%だったのに対し、2024年(令和6年)度においては、5回目の受験者は1回目の受験者の1%にも満たないという結果となりました。

初回の受験で合格する割合が急増しており、受験回数に比例して合格者の数も少なくなっていく傾向が顕著となってきています。

【司法試験合格者の受験回数別人数】

司法試験受験資格
による受験回数
令和6年令和5年令和4年令和3年令和2年
1回目1,211人1,584人1,046人1,024人960人
2回目296人123人180人173人222人
3回目44人35人88人101人126人
4回目29人24人47人76人85人
5回目12人15人42人47人57人

司法試験の結果について|法務省

上記のように、2024年(令和6年)度の司法試験結果から、合格者の若年化、初回合格者の増加という傾向がより一層顕著となってきたことがわかります。

これらをふまえると、司法試験に合格するための最も重要な対策としては、できるだけ早いタイミングで勉強をスタートさせること、無駄のない効率的な勉強によって短期合格を狙うこと、この二点が欠かせない時代になったと言えるでしょう。

Q3.合格者の男女比は?

男女比においても、2024年(令和6年)度は、近年の傾向を強める結果となりました。

下記表の通り、女性の合格者の割合は年々高くなる傾向にありましたが、2024年(令和6年)度は前年を1ポイント近く上回り、3割を超え30.2%となりました。

【司法試験合格者の男女別人数と割合】

 男性合格者数
と割合
女性合格者数
と割合
令和6年1,111人
(69.8%)
481人
(30.2%)
令和5年1,257人
(70.6%)
524人
(29.4%)
令和4年1,014人
(72.3%)
389人
(27.7%)
令和3年1,026人
(72.2%)
395人
(27.8%)
令和2年1,083人
(74.7%)
367人
(25.3%)

司法試験の結果について|法務省

Q4.受験資格別合格者数は?

2023年(令和5年)以降は、法科大学院在学中の受験が可能となったことにより、在学中受験資格による合格者が数多く輩出される結果となっています。

【受験資格別合格者数】

 令和6年令和5年
法科大学院課程修了者471人817人
既修者法学部351人631人
既修者非法学部21人39人
未修者法学部72人99人
未修者非法学部27人48人

令和6年司法試験の採点結果|法務省

 令和6年令和5年
在学中受験資格者680人637人
既修者法学部569人548人
既修者非法学部42人30人
未修者法学部54人34人
未修者非法学部15人25人


 令和6年令和5年
予備試験合格者441人327人

司法試験の結果について|法務省

2024年(令和6年)度の合格者数は、法科大学院課程修了者471人、予備試験合格者441人に対し在学中受験資格者が680人と一番多い結果でした。

ただ、合格率を見てみると、下記表の通り、予備試験合格者92.84%、在学中受験資格者55.19%、法科大学院課程修了者22.73%という結果となっています。

【受験資格別受験者数・合格者数・合格率】

 受験者数最終
合格者数
令和6年
合格率
令和5年
合格率
司法試験全体3,779人1,592人42.13%45.34%
法科大学院合計3,304人1,151人34.84%40.67%
法科大学院課程修了者2,072人471人22.73%32.61%
在学中受験資格者1,232人680人55.19%59.53%
予備試験合格者475人441人92.84%92.63%

令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等|法務省

上記の結果からも、司法試験はもはや長期戦として挑むものではなく、できるだけ早期に勉強をスタートさせ、短期間での合格を目指すことが必勝法であると言えるでしょう。

Q5.合格者・合格率の高い法科大学院は?

2024年(令和6年)度の司法試験合格者数や合格率が高い法科大学院TOP3は次の通りです。

【合格者数TOP3】

1位    慶應義塾大法科大学院(146人)
2位 早稲田大法科大学院 (139人)
3位 東京大法科大学院  (121人)

【合格率TOP3】

1位  慶應義塾大法科大学院 (59.35%)
2位 ※愛知大法科大学院 (55.56%)
3位 京都大法科大学院 (49.31%)
※合格者数10人未満の法科大学院

なお、予備試験合格者の司法試験合格者数は441人、合格率は92.84%となっており、例年通り、すべての法科大学院を上回る結果となりました。

※TOP3以下の大学別ランキングはこちらの記事をご覧ください。

Q6.司法試験合格後の大まかなスケジュールを教えてください。

A. 合格発表後、最高裁判所への採用願を提出し、翌年3月頃から約1年間の「司法修習」が始まります。修習の最後に「司法修習生考試(二回試験)」に合格することで、正式に法曹資格を得られます。

Q7. 司法修習中は給料が出ますか?

A. 司法修習生には、修習に専念するための給付金として月額13.5万円(基本額)が国から支給されます。加えて、住居費がかかる場合は月額3.5万円を上限に加算支給されます。

Q8.「二回試験」と呼ばれる司法修習生考試の合格率はどのくらいですか?

A. 近年の合格率は毎年98%〜99%台で推移しており、非常に高い水準です。しかし、不合格になると法曹資格を得ることができず、再度受験する必要があります。

Q9.裁判官や検察官になるには、どうすればよいですか?

A. 司法修習を修了した者の中から、本人の希望、適性、修習中の成績などを基に選考されます。裁判官は最高裁判所が、検察官は法務省がそれぞれ採用(任命)します。

Q10.司法試験の受験資格を失った場合(5振アウト)、もう法曹にはなれませんか?

A.いいえ、受験資格を失った場合でも、再度「法科大学院の課程を修了する」または「予備試験に合格する」ことで、新たに司法試験の受験資格を得ることが可能です。

6.司法試験の合格発表に関するまとめ

Q1: 司法試験合格者の氏名はどこで公表されますか? 

A.司法試験合格者の氏名は、国の機関紙である「官報」にて公表されます。2024年(令和6年)度合格者の氏名は、2024年(令和6年)11月27日付の官報に掲載されました。

Q2.予備試験合格者の氏名も官報に掲載されますか? 

A.予備試験合格者の氏名は官報には掲載されません。これは、法科大学院生と同様の扱いとし、司法試験合格時に公告すれば十分という理由に基づいています。

Q3.2024年(令和6年)度司法試験の合格者数、受験者数、合格率はどのくらいでしたか? 

A.2024年(令和6年)度司法試験の結果は、受験者数3,779人、合格者数1,592人、合格率42.13%となりました。

Q4.2024年(令和6年)度司法試験合格者の平均年齢はどのくらいでしたか? 

A.2024年度(令和6年)度司法試験合格者の平均年齢は26.9歳でした。これは、現行制度開始以来最も若かった2023年度とほぼ変わらない結果です。

Q5.2024年(令和6年)度司法試験の最年少・最年長合格者は何歳でしたか? 

A.2024年(令和6年)度司法試験合格者の最年少は17歳、最年長は70歳でした。

Q6.2024年(令和6年)度司法試験における女性合格者の割合はどのくらいでしたか? 

A.2024年(令和6年)度司法試験における女性合格者の割合は30.2%となり、前年を約1ポイント近く上回り、増加傾向が強まりました。

Q7.2024年(令和6年)度司法試験で合格者数・合格率が高かった法科大学院はどこですか? 

A.2024年(令和6年)度の合格者数TOP3は、慶應義塾大法科大学院(146人)、早稲田大法科大学院(139人)、東京大法科大学院(121人)です。合格率TOP3は、慶應義塾大法科大学院(59.35%)、愛知大法科大学院(55.56%)、京都大法科大学院(49.31%)でした。

Q8.2025年(令和7年)度司法試験の最終合格発表はいつ行われますか?

2025年(令和7年)度11月12日(水)です。例年、午後4時に法務省ホームページにて発表されます。

Q9.司法試験の合格発表はどこでおこなわれますか?

法務省のホームページと法務省司法試験合格発表掲示板(日比谷公園側祝田橋交差点付近)ほか7か所です。

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著者:伊藤塾 司法試験科

伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。