2026年度(令和8年度)司法試験・予備試験の日程と試験制度改革を詳細解説
予備試験
2025年10月31日
        
                            
                        2004年(平成16年)4月、新しい法曹養成制度の中核を成すものとして、全国で法科大学院(ロースクール)が開校しました。
それに伴い、現行の司法試験が2006年(平成18年)にスタートし、旧司法試験が廃止された2011年(平成23年)に、新しく司法試験予備試験がスタートしました。
そして2023年(令和5年)、司法試験の受験資格に新たに変更が加えられ、司法試験・予備試験の日程も変更されることとなりました。
本記事では、2026年度(令和8年度)の司法試験・予備試験の変更日程と、その背景となった司法制度改革について最新の情報を解説します。
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【目次】
1. 2023年(令和5年)司法試験制度改革の概要
近年行われた司法試験制度改革には、以下の4つが挙げられます。
◉2019年の大学入学者より、大学法学部(3年間)と法科大学院(既習者コース2年)が連携した5年間の「法曹コース」がスタート
◉2022年から予備試験の論文式試験の「一般教養科目」が廃止され「選択科目(8科目から1科目選択)」に変更
◉2023年から法科大学院在学中に司法試験受験可能
◉2023年から司法試験と予備試験の試験日が変更
司法試験制度改革とは、2000年頃から行われた「司法制度改革」の内、司法制度を支える法曹の在り方の改革(人的基盤の拡充)である「法曹養成制度改革」の1つです。
2004年に質・量ともに豊かな法曹を確保するために、これまで司法試験による選抜によって行われていた法曹養成制度が、法学教育・司法試験・司法修習を有機的に連携させたプロセスの制度に大きく改革されました。
これにより、法曹(裁判官・検察官・弁護士)の登竜門となる司法試験の受験資格を得る道が、2つのコースに限定されることとなりましたが、2023年からは3つのコースに増えることになります。
以下に図にまとめましたので、今後の計画に役立ててください。
【法科大学院既修者コースから法曹へのプロセス(2023年以降)】
| 大学入学から | 学年 | 司法試験 | 司法修習〜法曹へ | 
| 1年目 | 大学(法学部)1年 | ||
| 2年目 | 大学(法学部)2年 | ||
| 3年目 | 大学(法学部)3年 | ||
| 4年目 | 大学(法学部)4年 | ||
| 5年目 | 法科大学院2年 | ||
| 6年目 | 法科大学院3年 | 7月司法試験受験 11月合格発表  | |
| 7年目 | 3月中旬〜1年間 司法修習 (二回試験) 法曹スタート  | 
【予備試験ルートから法曹へのプロセス(2023年以降)】
| 予備試験受験から | 予備試験 | 司法試験 | 司法修習〜法曹へ | 
| 1年目 | 7月短答式試験 9月論文式試験  | ||
| 2年目 | 翌1月口述試験 2月合格発表  | 7月司法試験受験 11月合格発表  | |
| 3年目 | 3月中旬〜1年間 司法修習 (二回試験) 法曹スタート  | 
【法曹コースから法曹へのプロセス(2023年以降)】
| 大学入学から | 学年 | 司法試験 | 司法修習〜法曹へ | 
| 1年目 | 大学(法学部)1年 | ||
| 2年目 | 大学(法学部)2年 | ||
| 3年目 | 大学(法学部)3年 | ||
| 4年目 | 法科大学院2年 | ||
| 5年目 | 法科大学院3年 | 7月司法試験受験 11月合格発表  | |
| 6年目 | 3月中旬〜1年間 司法修習 (二回試験) 法曹スタート  | 
上述の通り、司法試験の受験資格を得るためには、3つのコースがあります。
それぞれメリット・デメリットがあり、受験者の事情に合わせて選択することができます。
以下にメリット・デメリットを解説します。
| コース | メリット | デメリット | 
| 【2004年~スタート】 ①法科大学院ルート (ロースクール) 既修6年 (大学4年+法科大学院2年) 未修7年 (大学4年+法科大学院3年)  | 修了すれば確実に司法試験の受験資格が得られますが、在学中の予備試験の合格者が多く、有利であることが伺えます。 社会人でも通えるロースクールもあります。  | やはり、経済的負担が大きいことが挙げられます。 卒業後も、就職難で奨学金や司法修習中の貸与金(2011年~2017年)の返済に追い込まれるケースが、社会問題化しました。  | 
| 【2011年~スタート】 ②司法試験予備試験ルート 最短2年程 (受験資格無)  | 経済的事情などの理由により、法科大学院に通うのが困難な者に対する救済制度としてスタートし、受験資格がありません。 時間的・経済的負担が少なく、効率的に学習すれば、短期合格できるメリットがあります。 過去に予備試験で17歳、司法試験で18歳の最年少合格者が輩出されています。  | 予備試験は、試験科目(短答8科目・論文10科目)が多く、三次試験(短答・論文・口述)までの最終合格率が4%という最難関の国家試験です。 | 
| 【2019年~スタート】 ③法曹コース 5年 (大学3年+法科大学院2年)  | 法曹になるまでの時間的・経済的負担も軽減されます。 5年一貫型では、学部成績のみ=いわゆる「推薦」型で法科大学院入試を受けることができます。 法曹コースと似た制度である「早期卒業」「飛び入学」制度も大学を3年間で終えることができます。  | 「法曹コース」を設置している大学が限られていることです。 また、5年一貫型では、提携先の法科大学院にしか進学することができません。 法曹コースでは、大学3年での早期卒業を前提としているため、通常4年で取得するはずの単位を3年間で取得するため、かなりハイペースで進める必要がありますが、前倒しされるのは司法試験・予備試験の試験科目であるため、早期に学習をスタートをしていれば、単位取得成績要件は気になりません。  | 
2. 2026年度(令和8年度)の司法試験(本試験)の実施日程
2026年度(令和8年度)の司法試験の実施日程は下記の通りです。
【2026年度(令和8年度)司法試験実施予定表】
| 事項 | 期日 | 
| 試験公告 | 追って公表 | 
| 願書交付 | 自3月9日(月) 至4月2日(木)  | 
| オンライン願書受付 | 自3月9日(月) 至4月2日(木)  | 
| 紙願書受付 | 自3月19日(木) 至4月2日(木)  | 
| 試験実施 | 7月15日(水) 7月16日(木) 7月18日(土) 7月19日(日)  | 
| 短答式試験成績発表 | 8月6日(木) | 
| 合格発表 | 11月11日(水) | 
<受験地>
札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市、那覇市又はその周辺
なお、司法試験及び予備試験のデジタル化に伴い、2026年度(令和8年度)からCBT方式(パソコン受験)が開始されます。
その一環として、2025年度(令和7年度)までは出願手続きは紙の書類を郵送することのみでしたが、2026年度(令和8年度)からオンラインでの出願も可能になりました。
※パソコン受験(CBT方式)についての詳細は、以下よりご確認ください。
2-1.司法試験の概要(受験資格・科目)
<受験資格>
①法科大学院を修了していること
②予備試験に合格していること
③法科大学院の課程に在学する者であって,所定科目単位を修得しており,かつ,司法試験が行われる日の属する年の4月1日から1年以内に当該法科大学院の課程を修了する見込みがあることを当該法科大学院を設置する大学の学長が認定した者
※受験期間は、①②受験資格を取得した日後の4月1日から5年間、③最初に司法試験を受けた日の属する年の4月1日から5年間となっています。
<試験科目>
◎短答式試験(全175点満点)
憲法/20~25問程度・50点満点
民法/30~38問程度・75点満点
刑法/20~25問程度・50点満点
◎論文式試験(全800点満点)
公法系(憲法・行政法)/2問・各100点満点
民事系(民法・商法・民事訴訟法)/3問・各100点満点
刑事系(刑法・刑事訴訟法)/2問・各100点満点
選択科目 8科目から1科目選択 /2問・100点満点
〔倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際関係法(公法系)・国際関係法(私法系)〕
3. 2026年度(令和8年度)の予備試験の実施日程
2025年度(令和7年度)の予備試験の実施日程は下記の通りです。
【2026年度(令和8年度)司法試験予備試験実施予定表】
| 事項 | 期日 | 
| 試験公告 | 追って公表 | 
| オンライン 願書受付  | 2026年(令和8年) 2月16日(月)〜 3月13日(金)  | 
| 紙願書交付 | 2月16日(月)〜 3月13日(金) | 
| 願書受付 | 3月2日(月)〜 3月13日(金) | 
| 短答式試験実施 | 7月19日(日) | 
| 短答式試験合格発表 | 8月6日(木) | 
| 論文式試験実施 | 9月12日(土)〜 9月13日(日) | 
| 論文式試験合格発表 | 12月17日(木) | 
| 口述試験実施 | 2027年(令和9年)1月23日(土)〜 1月24日(日) | 
| 最終合格発表 | 2月4日(木) | 
<受験地>
①短答式試験
札幌市又はその周辺、仙台市又はその周辺、東京都又はその周辺、名古屋市又はその周辺、大阪府又はその周辺、広島市又はその周辺、福岡市又はその周辺
② 論文式試験
札幌市、東京都又はその周辺、大阪市又はその周辺、福岡市
③ 口述試験
東京都又はその周辺
3-1.予備試験の概要(受験資格・科目)
<受験資格>
特になし
<試験科目>
◎短答式試験(全270点満点)
 憲法(12問・30点満点)
 行政法(12問・/30点満点)
 民法(15問・30点満点)
 商法(15問・/30点満点)
 民事訴訟(15問・30点満点)
 刑法(13問・30満点)
 刑事訴訟(13問・30点満点)
 一般教養(20問選択式・60点満点)
◎論文式試験(全500点満点)
 公法系(憲法・行政法)/各1問・各50点満点
 民事系(民法・商法・民事訴訟法)/各1問・各50点満点
 刑事系(刑法・刑事訴訟法)/各1問・各50点満点
 法律実務基礎科目(民事・刑事)/各1問・各50点満点
 選択科目 8科目から1科目選択/ 1問・50点満点
 〔倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際関係法(公法系)・国際関係法(私法系)〕
◎口述試験(60点が基準点・57点から63点の間で採点)
 法律実務基礎科目(民事)
 法律実務基礎科目(刑事)
 法曹倫理
口述試験は、法的な推論・分析及び構成に基づいて弁論する能力を有するかを判定するために行われる、面接試験です。(リクルートスーツがベストでしょう。)
受験者1人に対して、主査・副査と呼ばれる2人の試験官がおり、パネルで出題される問題に質疑応答の形式で行われます。
六法(試験会場のもの)を参照しても問題ありませんが、暗記しているのが当然な事項もありますので、六法を参照せず回答できるよう条文中心の勉強をしておくことが重要となります。
口述試験については、法務省から出題テーマの発表はありますが、問題は公表されません。
そのため、問題内容を知りたいと思った場合、受験生の再現に頼らざるを得ない状況です。
4.まとめ
以上、2023年(令和5年)からの試験制度改革と2026年度(令和8年度)に実施される司法試験・予備試験の日程と試験内容について解説しました。
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2024年 司法試験合格者1,592人中 1,436名(90.2%)※1
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が伊藤塾有料講座の受講生でした。
※1(講座内訳:入門講座698名、講座・答練337名、模試401名)
※2(講座内訳:入門講座231名、講座・答練126名、模試48名)
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