
「地方は仕事がない」は嘘?理想の仕事を見つける5つの方法を紹介
キャリア
2025年10月08日


「地方には、どうせ良い仕事なんてないだろう…」と感じていませんか?
就職や転職を考えるとき、「キャリアを築くなら都会」「地方は仕事がない」と多くの人が考えてしまいます。
しかし、この「地方に仕事がない」というイメージは少し実態と違うかもしれません。
たとえば「有効求人倍率」でいえば、もっとも高いのは福井県です。次いで、富山県、香川県と続き、東京や大阪などの大都市はいずれも全国平均を下回っています。
つまり、数字上はむしろ地方のほうが「売り手市場」なのです。
では、なぜ多くの人が「地方には仕事がない」と感じるのでしょうか。そして、どうすれば地方で自分の希望する条件に合った仕事が見つかるのでしょうか?
本記事では、地方の仕事探しを真剣に考えている方に向けて、
- 「地方に仕事がない」と言われる本当の理由
- 地方で仕事をするメリット、デメリット
- 自分に合った仕事を見つける5つの方法
などを紹介するほか、収入やキャリアの不安を解消するための考え方もお伝えします。
この記事を読み終える頃には、「仕事がない」という地方へのイメージが消えて、地方で活躍するための具体的な道筋が見えてくるはずです。
地方で仕事を探している方は、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
1.「地方に仕事がない」は本当?
「地方には良い仕事がない」とよく言われますが、そのイメージは本当に正しいのでしょうか。
客観的なデータをもとに、なぜ「仕事がない」と言われるのか、地方のリアルな実情を見ていきます。
1-1. 実は、求人倍率は三大都市圏より地方の方が高め
少し意外かもしれませんが、仕事の探しやすさを示す「有効求人倍率」は、実は地方の方が高い場合が多いです。
たとえば、厚生労働省が令和7年7月に発表したデータでは、有効求人倍率がもっとも高かったのは福井県でした。
順位 | 都道府県 | 有効求人倍率 | |
トップ3 | 1位 | 福井県 | 1.89倍 |
2位 | 富山県 | 1.69倍 | |
3位 | 香川県 | 1.63倍 | |
全国平均 | ー | 1.22倍 | |
三大都市圏 | ー | 愛知県 | 1.26倍 |
ー | 東京都 | 1.09倍 | |
ー | 大阪府 | 1.04倍 |
(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年7月分)について」‐都道府県・地域別有効求人倍率(就業地別・季節調整値)(新規学卒者を除きパートタイムを含む)」)
福井県に次いで求人倍率が高かった地域をみていくと、富山県、香川県など、いずれも「地方」といわれている地域です。東京と大阪は全国平均も下回っています。
つまり、数字の上では「地方だから仕事がない」のではなく、むしろ地方のほうが求職者に有利な「売り手市場」とも言えるのです。
1-2.「地方に仕事がない」と言われる理由
では、求人自体は多いのに、なぜ「地方は仕事がない」と言われてしまうのでしょうか。
その理由はとてもシンプルです。あなたがこれまで培ってきたキャリアや、これから挑戦したい仕事と、地方にある求人の「種類」が合っていない、というミスマッチが起きているからです。
一般的に人気のある仕事、たとえば大企業やIT産業、クリエイティブな仕事は、どうしても都市部に集中しがちです。一方で地方の求人は、農業や林業などの生産業、建設業、医療・福祉といった分野が多くを占めています。
その結果、自分が希望する条件をすべて満たした仕事を探そうとしても、なかなか見つからない、という状況が生まれます。これが、「仕事はたくさんあるのに、やりたい仕事がない」と感じる本当の理由です。
2.地方で仕事をするメリット・デメリット
地方の求人とのミスマッチを踏まえ、改めて「自分は地方と都会、どっちで働くのが合っているのだろう」と考えた方もいるかもしれません。
都会でキャリアを追い求めるのか、それとも地方で仕事をするのか。そこに正解はありませんが、ご自身にとってより良い選択をするためには、両方のリアルを知っておくことが大切です。
2章では、地方で仕事をするメリットとデメリットを具体的に見ていきます。
2-1. 地方で仕事をするメリット
地方で働くメリットとしては、主に以下のような点が挙げられます。
・通勤のストレスが少ない
・家賃が下がる
・豊かな自然の中で働ける
ひとつずつ解説します。
2-1-1. 通勤のストレスが激減する
まず挙げられるのが、通勤のストレスが少ないことです。都市部では、朝の満員電車や交通渋滞などの通勤ストレスが当たり前ですが、地方に行くほどこういったストレスは少なくなります。
そもそも車通勤が基本の地域が多いですし、電車やバスを利用する場合も、都会のように満員で身動きが取れないということはほとんどありません。
さらに、地方では職場と住まいが近いケースが多いため、通勤時間も短くなります。
朝の時間、あるいは仕事後の時間を、より長く趣味や勉強などに充てられるのも、地方で仕事をするメリットでしょう。
2-1-2. 家賃が下がる
家賃を、大幅に抑えられることも地方で仕事をするメリットです。
土地や物件の価格が都市部よりも安いため、同じ予算でもより広く、快適なマンションを見つけられます。
たとえば、東京23区で1LDKの部屋を探すと10万円以上する物件がほとんどですが、地方都市であればその半額で済むケースが多いです。
2-1-3. 豊かな自然の中で働ける
都市の喧騒から離れ、豊かな自然に囲まれて暮らせることも、地方ならではのメリットです。
仕事終わりや休日、車で少し遠出するだけでも、海や山、川などにアクセスできます。
キャンプや釣り、登山といったアクティビティが好きな人にとっては、都心よりもよほど快適な環境といえるでしょう。
2-2. 地方で仕事をするデメリット
一方で、もちろんデメリットも存在します。
・収入が減る可能性が高い
・キャリアの選択肢が狭まりやすい
・刺激を感じにくい
それぞれ見ていきましょう。
2-2-1. 収入が低くなる可能性が高い
まず挙げられるのは、収入が低くなる可能性が高いことです。
令和6年に厚生労働省が行った調査によれば、平均賃金がもっとも高いのは東京で月額「約33万6千円」でした。一方で、もっとも低い宮崎県では「約21万6千円」と、その差は月に約12万円です。(出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」)
さらに、同調査によれば賃金が全国平均よりも高かったのは東京、神奈川、愛知、大阪府の4都府県のみと、いずれも三大都市圏と呼ばれるような地域です。
もちろん、すべての人の収入が都市部より低いわけではありませんが、同じ仕事内容なら、地方のほうが給与水準は低めと考えたほうがよいでしょう。
2-2-2. キャリアの選択肢が狭まりやすい
地方では、どうしても企業の数や種類が限られてきます。
そのため、キャリアチェンジを考えたり、さらに上のポジションを目指したりするときの選択肢も、都市部よりも少なくなります。
特に、専門的な知識を活かせる職種やクリエイティブな職種、管理職の募集は多くありません。一度仕事に就くと、同じ地域内で条件の良い会社に転職するのは簡単ではない、という現実もあります。
こういったデメリットも踏まえて、これまでのキャリアをどう活かし、これからどのように成長していきたいのかを考えておく必要があります。
2-2-3. 刺激を感じにくい
最新の流行や、自分とは違う価値観に触れるチャンスも都市部と比べて減ってしまいます。
そのため、常に刺激を感じて成長したいと考えている人にとっては、少し物足りなさを感じるかもしれません。
もちろんインターネットで情報は得られますが、実際に体験したり、直接人と会ったりする機会が少ないのは、地方のデメリットとなるでしょう。
3.地方で自分に合った仕事を見つける5つの方法
では、地方ではどうすれば自分に合った仕事が見つかるのか、具体的な方法を5つ紹介します。
・ハローワークを活用する
・民間の転職サービスを使う
・リモートワーク可能な都市部の企業を探す
・地域おこし協力隊に参加してみる
・開業・事業承継する
ひとつずつ見ていきましょう。
3-1. ハローワークを活用する
まず基本となるのが、全国各地にある「ハローワーク」の活用です。
ハローワークには、インターネットの求人サイトには載っていない、地域に密着した中小企業の求人情報が豊富にあります。特に地方では、昔から地元で信頼されているような優良企業の求人が掲載されていることも多いので、積極的に相談してみましょう。
なお、ハローワークでは現在住んでいる地域の管轄外の求人も紹介してもらえます。
そのため、Iターン・Uターンなどで地方への移住を考えている人も、まずは近くのハローワークに足を運んでみるとよいでしょう。
3-2. 民間の転職サービスを使う
ハローワークとあわせて活用したいのが、民間の転職サイトや転職エージェントです。
民間の大手のサービスは、全国の求人を幅広く扱っており、「Uターン・Iターン」特集などが組まれていることもあります。担当者に相談すれば、自分のキャリアに合った求人を提案してもらえるでしょう。
地方によっては、その地方に特化した転職サービスもあります。大手サイトにはない求人を紹介してもらえるケースもあるので、いくつか併用しながら情報収集を進めると、より多くの選択肢を検討できます。
3-3. リモートワーク可能な都市部の企業を探す
最近増えているのが、「地方に住みながら、都市部の企業で働く」というリモートワークの選択肢です。フルリモートOKの求人が見つかれば、地方の落ち着いた環境で暮らしつつ、都市部水準の給与やキャリアを維持できるでしょう。
ただ、週2〜3日のリモートワークを認めている企業はあっても、完全なフルリモートの企業はまだ多くありません。基本的には、IT・Web業界で働く人や、フリーランスとして仕事を受注できる人に適した選択肢です。
3-4. 地域おこし協力隊に参加してみる
UターンやIターンによる移住を考えているなら、「地域おこし協力隊」という制度もあります。
これは、都市部から地方に移住し、自治体の一員として地域の活性化活動に取り組むという方法です。
1年から3年ほどの任期中は給与が支給されるため、収入の心配をせず、地域に溶け込みながら自分の役割を見つけることができます。
活動を通して地域の人たちとの信頼関係を築けるため、任期が終わった後にそのまま定住したり、自分で事業を始めたりする人も多くいます。
3-5. 開業や事業承継をする
「やりたい仕事がないなら、自分で作ってしまう」という考え方もあります。地方には、地方ならではのビジネスチャンスがたくさんあります。
たとえば、農業などの生産業や、古民家を改装した民泊などの観光業などが考えられるでしょう。
ほかにも、医療・法律などの国家資格があれば、むしろ都市部よりも好条件で開業できるケースもあります。地方では、医師が不足する「医療過疎」や、法律家が足りない「司法過疎」などが問題となっているため、専門家は常に求められています。
さらに、必ずしもゼロから開業する必要はありません。後継者がいなくて困っている診療所や事務所も多いため、経営基盤を引き継ぐ「事業承継」という形で、自分の事業を始めることもできます。
4.【それでも仕事が見つからない方向け】地方で理想の仕事を見つけるための考え方
ここまで、地方で仕事を見つけるための具体的な方法を5つ紹介してきました。
しかし、これらの方法を試しても、給与や仕事内容、待遇など、すべての条件が揃った理想の仕事に簡単に出会えない、ということもあるでしょう。
そんなときは、少し視点を変えてみる必要があります。
ここからは発想を変えて、地方で理想の仕事を見つけるための、より積極的な考え方をお伝えします。
4-1. なぜ、理想の仕事に出会えないのか?
冒頭でもお伝えしたとおり、理想の仕事が見つからない根本的な原因は、地方に仕事がないからではありません。これまでお伝えしたように、地方にはたくさんの求人があります。
実際に地方で探すと、求人が見つからないというよりは、求人があっても内容に興味が持てなかったり、あるいはこれまでのキャリアを活かせる仕事が見つからないと感じる方が多いはずです。
つまり、「仕事がない」のではなく、「応募できる仕事のなかで、応募したい仕事が見つからない」というミスマッチが起きているのです。
4-2. 地方で活躍したいなら、新しいスキルも必要
このミスマッチを解決するために必要なのが、「今ある選択肢から選ぶ」という考え方から、「どこでも求められる人材になる」という考え方への、発想の転換です。
たとえば、他の人にはない専門的なスキルがあれば、働く場所や条件を自分で選びやすくなります。医師や弁護士といった資格職をイメージすると分かりやすいでしょう。医療、法律といった、全国どこでも必要とされるような専門性を身につければ、働き方の選択肢は劇的に広がります。
4-3. おすすめは法律系の国家資格
社会人が今から新しいスキルを身につけるなら、おすすめなのは「法律系の国家資格」です。
法律系の資格は医師などと違って、大学の専門学部に入って数年間通学する必要がないからです。法律業界の経験がまったくない方でも、働きながら勉強してキャリアチェンジを目指すことができます。
さらに、前の章でも少し触れましたが、地方では専門家が不足する「司法過疎」が問題となっています。法律の専門家は、人々の暮らしや財産を守るために不可欠なので、人が住んでいる限りニーズが絶えることはありません。
5.地方でも活躍できる!司法書士がおすすめな3つの理由
法律系資格には、弁護士・司法書士・行政書士など様々な資格がありますが、なかでも特におすすめしたいのが「司法書士」です。
なぜなら、司法書士は、これまで見てきた地方で働くデメリットを解消できる上、未経験でも目指しやすい、バランスのとれた選択肢だからです。
なぜ司法書士がおすすめなのか、その理由を3つの視点から説明します。
・売り手市場なので、仕事面の不安を解消できる
・地方でも働きやすく、Uターン・Iターンに適している
・未経験でも、働きながら挑戦できる
それぞれ見ていきましょう。
5-1.収入やキャリアの不安を解消できる
司法書士の魅力は、地方で働くデメリットである「収入」と「キャリア」の問題を、同時に解消できる点です。
まず収入面ですが、専門職として安定した収入が期待できます。
厚生労働省のデータによれば、司法書士の平均年収は「約765.3万円」とされており、これは日本の平均給与と比較しても高い水準です。
(出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag(司法書士)」※賃金(年収)は令和6年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
さらに、相続登記の義務化によって仕事も急増しており、全国的に司法書士が不足している「売り手市場」の状態が続いています。
伊藤塾では、毎年多くの合格者を送り出していますが、就職に困ったという声はほとんど聞きません。試験に合格すれば、比較的年齢が高めの方(50代以上)でもスムーズに採用されています。
経験を積めば独立開業もできるため、地方だからといってキャリアの行き詰まりを感じる心配はありません。
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5-2.地方でも働きやすく、Uターン・Iターンに適している
司法書士が扱う不動産の登記や相続、会社の設立などの仕事は、人が住み、経済活動がある場所ならどこでも必ず発生します。そのため、都市部に限らず、全国のあらゆる地域で活躍の場があります。
以下の図をご覧ください。

(出典:伊藤塾「仕事内容と試験制度について」)
これは、全国の司法書士と弁護士の地域分布を示したものです。
弁護士は都市部に集中する傾向がありますが、司法書士はより地域に密着した「まちの法律家」として、全国各地で住民の暮らしを支えています。
地元に戻って親の近くで働きたい(Uターン)という方や、好きな地域に住みたい(Iターン)という方にとっても、非常に相性が良い資格です。
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5-3.未経験でも、働きながら挑戦できる
司法書士は「人生逆転型」の資格と言われており、誰にでも広くチャンスがあります。
試験を受けるのに、学歴や年齢、実務経験などの制限は一切ありません。
法律の勉強をした経験がまったくない方でも、未経験から挑戦できます。
合格者の平均年齢も41.14歳と高く、社会人になってから勉強を始めて合格する人が大半です。
伊藤塾でも、多くの方が法律初学者から司法書士試験の勉強をスタートし、働きながら、あるいは家事・育児と両立しながら合格を掴んでいます。なかには、最短7ヶ月で合格した人もいるほどです。
地方でやりたい仕事が見つからないという方は、ぜひ司法書士資格の取得を真剣に検討してみてはいかがでしょうか。
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6.【体験談】地方開業の魅力~司法書士と行政書士、地方は需要の高まりを肌で感じます~
ここまで、地方の仕事として司法書士がおすすめなことを説明してきました。
しかし、理屈ではわかっても、「本当に地方で仕事があるのだろうか」「知らない土地で、どうやって人脈を作ればいいんだろう」といった、現実的な不安は残るものです。
そこで、実際に司法書士として地方で活躍されている本澤先生の体験談をご紹介します。
栃木県で開業されている本澤先生ですが、ここ最近、司法書士・行政書士に対する地方での需要の高まりを肌で感じられているそうです。
「地方開業は楽しい!」と語る本澤先生に、地方での人脈作りやお客様とのコミュニケーションの築き方について、リアルな声をお伺いしました。
7.司法書士試験を目指すなら伊藤塾がおすすめ
司法書士試験を目指すなら、ぜひ当コラムを運営する伊藤塾の「司法書士試験対策講座」をご活用ください。
伊藤塾は1995年の開塾から約30年にわたり、数多くの法律家を世に送り出してきた法律資格専門の受験指導校です。特に、司法書士試験をはじめとした最難関資格において、業界トップクラスの合格実績を誇っています。
伊藤塾で司法書士試験に合格しているのは、一部の限られた人だけではありません。
会社員としてフルタイムで働いていた方、海外で勉強していた方、家事・育児に追われていた方など、年齢、場所を問わず多くの方が伊藤塾で学び、合格を手にしています。
全国どこでも働けるようになりたい、その方法として司法書士に興味があるという方は、ぜひ一緒に頑張りましょう。伊藤塾があなたの司法書士試験合格を力強くサポートさせていただきます。
8.地方の仕事に関するQ&A
Q. 地域おこし協力隊の任期満了後、どのような進路を選ぶ人が多いですか?
A. 地域おこし協力隊の任期は1年から3年ほどで給与が支給されますが、任期満了後は、活動を通して築いた地域の人々との信頼関係を活かし、そのまま現地に定住する道を選ぶ人が多くいます。具体的には、そのまま自治体の職員になったり、地域に密着した課題解決型の事業を自分で立ち上げたりするケースが一般的です。
Q. 地方でキャリアの停滞を防ぐにはどうしたらよいですか?
A. 地方でキャリアの停滞を防ぐには、「今ある選択肢から選ぶ」という受動的な考え方をやめ、「どこでも求められる人材になる」という発想の転換が必要です。具体的には、法律や医療といった全国どこでも必要とされる専門的なスキルや国家資格を身につけることがおすすめです。
Q. 司法書士の事業承継に興味があるのですが、そのような案件はどうやって見つけることができますか?
A. 若手の司法書士にとって、ゼロから顧客を開拓する手間を省き、安定した基盤の上でキャリアをスタートできる事業継承は大きなチャンスです。
事業承継案件を見つけるための具体的な方法は以下のとおりです。
- 各都道府県の司法書士会への相談
- 士業専門のM&A仲介会社
- 後継者を探している事務所への就職(求人票に明記されていることがある)
- 司法書士会の研修会や支部の集まりへの積極的参加
- 他士業や金融機関からの紹介など
9.地方は仕事がない?理想の仕事を見つける方法まとめ
本記事では、地方の仕事に関する実態と、地方で理想の仕事を見つける方法について解説しました。
以下にポイントをまとめます。
◉地方の仕事に関する実態
- 「地方に仕事がない」というイメージが広まっていますが、客観的なデータを見ると、有効求人倍率は三大都市圏よりも地方の方が高い場合が多く、数字上はむしろ地方が「売り手市場」であると言えます。
- たとえば、令和7年7月のデータでは福井県が最も有効求人倍率が高く(1.89倍)、東京(1.09倍)や大阪(1.04倍)は全国平均(1.22倍)を下回っています。
- 「仕事がない」と感じる本当の理由は、地方の求人の種類(農業、林業、建設業、医療・福祉などが多い)と、求職者が希望する仕事(大企業、IT、クリエイティブなど都市部に集中しがちな仕事)との間にミスマッチが起きているためです。
◉地方で働くメリットとデメリット
- メリットとして、通勤のストレスが激減すること、家賃を大幅に抑えられること(東京23区の半額程度のケースも多い)、豊かな自然の中で働けることが挙げられます。
- デメリットとして、収入が低くなる可能性が高いこと(令和6年調査では東京と宮崎県で月約12万円の差がある)、キャリアの選択肢が狭まりやすいこと、刺激を感じにくいことが挙げられます。
◉地方で理想の仕事を見つける5つの方法
- 全国各地にあるハローワークを活用する(地域に密着した中小企業の求人が豊富)。
- 民間の転職サービスを使う(Uターン・Iターン特集や、地方に特化したサービスを併用する)。
- リモートワーク可能な都市部の企業を探す(IT・Web業界やフリーランスに適した選択肢)。
- Uターン・Iターンを考えている場合は「地域おこし協力隊」に参加してみる(任期中は給与が支給される)。
- 開業や事業承継をする(特に、国家資格があれば好条件で開業できるケースや、後継者不足の事業を引き継ぐ方法がある)。
◉理想の仕事を見つけるための発想の転換
- 地方で活躍するためには、「今ある選択肢から選ぶ」のではなく、「どこでも求められる人材になる」という考え方が重要です。
- 具体的には、医療、法律といった全国どこでも必要とされる専門的なスキルや国家資格を身につけることで、働き方の選択肢が劇的に広がります。
- 社会人が新しいスキルを身につけるなら、大学専門学部への通学が不要な法律系の国家資格が推奨されます。地方では法律の専門家が不足する「司法過疎」も問題となっており、ニーズは絶えません。
◉司法書士資格の推奨理由
- 法律系資格の中でも司法書士が特に推奨されます。未経験でも目指しやすく、地方で働くデメリット(収入やキャリアの不安)を解消できるバランスの取れた選択肢だからです。
- 収入・キャリア面:専門職として安定した収入が期待でき、平均年収は約765.3万円と高い水準です。また、相続登記の義務化などで仕事が急増しており、全国的に司法書士が不足している「売り手市場」です。
- 地方での働きやすさ:不動産の登記や相続など、司法書士の仕事は人が住む場所ならどこでも発生するため、全国のあらゆる地域で活躍の場があります。弁護士が都市部に集中するのに対し、司法書士は全国に分散しており、Uターン・Iターンに適しています。
- 挑戦のしやすさ:司法書士は「人生逆転型」の資格と言われ、学歴、年齢、実務経験の制限は一切なく、未経験から挑戦可能です。
地方で仕事を見つけ、キャリアを築くことは十分に可能です。特に司法書士のように全国どこでも通用する専門性を身につけることは、あなたの可能性を大きく広げます。
「全国どこでも働けるようになりたい」という目標を持ち、司法書士に興味を持たれた方は、ぜひ伊藤塾の「司法書士入門講座」をご活用ください。
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