なぜ退職代行モームリ社長は逮捕された?違法行為と弁護士・社労士の役割を徹底解説

キャリア

2026年2月、退職代行サービス「モームリ」を運営する株式会社アルバトロスの社長らが、弁護士法違反(非弁提携)の疑いで逮捕されました。

これまで「グレーゾーン」という言葉で曖昧にされてきた退職代行ビジネスの運営実態に対し、刑事罰の対象となる「違法行為」の疑いがあるとして、明確にメスを入れた形となります。この衝撃的なニュースは、安易に非専門の代行業者を利用することのリスクを浮き彫りにしました。

「退職を認めてもらえない」「会社から損害賠償をちらつかされる」「有給休暇を消化させてもらえない」……。こうしたトラブルを確実に防ぎ、未払い賃金などの権利もしっかり確保して次の職場へ向かうには、一体誰を頼るのが正しい選択なのでしょうか。

本記事では、今回の逮捕事件の背景を整理したうえで、弁護士や社会保険労務士といった「法律のプロ」と代行業者の決定的な違い、そして今、健全な職場環境を支える専門家として期待が高まっている社労士の役割について詳しく解説します。

【目次】

1. 退職代行サービス「モームリ」とは

退職代行サービス「モームリ」とは、退職の意思を本人に代わって会社に伝えるサービスです。2022年3月からサービスを開始しており、20〜30代を中心に、約16000人が利用していたとされています(2024年7月時点)。
(出典:PR TIMES「退職代行モームリ累計利用者15,934名分のデータ・利用された企業情報を公開」

退職代行業界では最大手の1つとして知られており、弁護士監修のもと、法律に沿った適切な業務を行っていると宣伝されていました。

2. 何が「違法」と判断されたのか

2026年2月3日、警視庁は、退職代行サービス「モームリ」を運営する株式会社アルバトロス(横浜市)の代表取締役・谷本慎二と同社従業員である妻を、弁護士法違反(非弁提携)の疑いで逮捕しました。

2-1. 不適切な「紹介料」の受領

報道によると、谷本容疑者は2023年3月頃から、退職代行を希望する利用者に対し、特定の弁護士を紹介し、その見返りとして、弁護士側から1件あたり約1万6500円の報酬(紹介料)を受け取っていた疑いが持たれています。(参照:朝日新聞

法律上、弁護士ではない者が報酬を得る目的で弁護士に事件をあっせん(周旋)し、その対価を受け取ることは厳格に禁じられています

(非弁護士との提携の禁止)
第二十七条 弁護士は、第七十二条乃至第七十四条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。

※第七十二条:(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
※第七十四条:(非弁護士の虚偽標示等の禁止)

(出典:e-gov 法令検索

容疑者は、これらの紹介料を「広告費」や「労働組合への賛助金」といった名目で処理することで、弁護士法による規制を回避しようとしていた疑いが持たれています。

2-2.「グレーゾーン」を盾にした運営の限界

「モームリ」はこれまで、労働組合と提携することで「団体交渉権」(※)を背景に交渉を行うという、業界で「グレーゾーン」とされてきた手法を強調し、メディアへの露出も積極的に行ってきました。
(※団体交渉権:労働者が労働組合を通じて、賃金や退職などの労働条件について、会社と対等な立場で話し合うために憲法で保障された権利)

 しかし、今回の立件は、ビジネスモデルの裏側で行われていた「弁護士との不適切な癒着(キックバック構造)」という、より悪質なコンプライアンス違反にメスが入ったことを意味しています。

3. なぜ「退職の代行」が罪になるのか?

「お金を払って、自分の代わりに退職を伝えてもらう」。一見すると、退職に悩む人を救う便利なサービスに思えます。しかし、そこには日本の司法制度が定める「厳格な独占業務のルール」が存在しています。

今回の逮捕劇の背景にあるのが、弁護士法第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)の規定です。

(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

(出典:e-gov 法令検索

3-1. 法律事務は「国家資格者」だけに許された独占業務

日本には、高度な専門知識と倫理観が求められる業務について、特定の国家資格を持つ者だけにその遂行を認める「業務独占」という制度があります。

「他人の法的なトラブル(退職、給料の未払い、損害賠償など)に介入して、報酬を得る」ことは、弁護士法により弁護士だけに許された権利です。

専門教育を受け、厳しい試験を突破し、さらに職務上の重い責任を負う「有資格者」が介入することで、初めて国民の権利と法的な安全性が守られます。

実態の不透明な「無資格の業者」が法的な交渉を行うことは、司法制度の根幹を揺るがすだけでなく、利用者が不当な不利益を被るリスクをはらんでいるため、法律で厳しく禁止されています。

3-2.「使者」と「代理人」の決定的な違い

これまで多くの退職代行業者は、「私たちは本人の意思をそのまま伝えるだけの使者(伝言役)なので、違法ではありません」と主張してきました。

しかし法律上、この「使者」と「代理人」の間には、以下の表の通り大きな違いがあります。


【退職代行業者の役割と法律上のルール】

役割具体的なやり取りの例法律上のルール
使者
(単なる
伝言)
本人が決めた「〇月〇日で
辞めます」というメッセー
ジを届けるだけ。
【適法】
特別な資格がなくても
認められる範囲。
代理人
(実質的
な交渉)
「有給を使わせろ」
「損害賠償は払わない」
など、条件の調整や法的な
反論を行う。
【違法(非弁行為)】
原則として弁護士免許
を持つ人だけに許され
ている業務。

報道によれば、今回の「モームリ」のケースでは、同社が単なる伝言役としての役割を越え、会社側とのやり取りの中で独自の判断に基づき、実質的な「交渉」や「法的な主張」を行っていた疑いが持たれています。

〇 適法とされる「使者」の範囲
 ●「本人が『〇月〇日に辞めます』と言っています」と、決まったメッセージを届けるだけ。
 ● 相手(会社)から何か反論されても、自分の判断で言い返したり、条件を調整したりはしない。

✕ 違法(非弁行為)となる可能性が高いケース
 ● 会社から「今辞められると損害が出る」と言われ、「法律的には賠償の必要はありません」と法的な反論をする。
 ●「有給休暇を全部使ってから辞めたい」と、会社と日程の調整や交渉を行う。
 ●「未払いの残業代を計算して請求してほしい」と、金銭的なやり取りを代行する。

4. 「モームリ」などの退職代行サービスはすべて違法?裁判例からみる判断ポイント

とはいえ、退職代行サービスのすべてが違法というわけではありません。
弁護士法第72条では、「その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない」とされています。

では、退職代行としてどのようなサービスを提供すれば非弁行為となりうるのか、違法性判断のポイントとなるのが、「その他一般の法律事件」の解釈です。

4-1. 退職代行の違法性が争われた裁判例

地裁レベルですが、実際に退職代行の違法性が争われた裁判例があります。
(東京地判令和2年2月3日判決)

この事件は、原告が被告(退職代行業者)に依頼して退職の意思を通知したところ、会社から
「あなたとの契約は、雇用契約ではなく業務委託契約である。したがって、民法627条(解約の自由)などのルールは適用されない」
と返答されたため、代行業務を中止して退職にいたらなかったというものです。

原告は、結局弁護士に依頼することになったため、代行業者に対して
「退職代行サービスは弁護士法第72条に違反しているため、契約は無効だ!」
として、サービス料金の返還請求訴訟を提起しました。

そして裁判で、「原告の利用した退職代行サービスが弁護士法第72条に違反しているのか」が争われることになったのです。

東京地方裁判所は、「その他一般の法律事件」の解釈を以下のように判示しました。

「その他一般の法律事件」に当たるといえるためには、法的紛議が顕在化している必要まではないが、紛議が生じる抽象的なおそれや可能性があるというだけでは足りず、当該事案において、法的紛議が生じることがほぼ不可避であるといえるような事実関係が存在することが必要であると解するのが相当である。(東京地判令和2年2月3日判決)

簡単にいえば、退職の意思を通知するだけなら問題ありませんが、通知する時点でトラブルになるのが明らかだったり(顕在化)、そのトラブルに口を出してしまったりすれば、非弁行為となりうるということです。

ちなみにこの事件では、原告(依頼主)と勤務会社の間に、「業務委託契約なのか、それとも雇用契約なのか」という紛争が生じた時点で、代行業者が業務を中止したため、非弁行為とはみなされませんでした。

4-2. 退職代行業者が合法となるケース・違法となるケース

上記の裁判例からも分かるとおり、民間業者が行っても「合法」とされるのは、あくまで「使者」に徹している場合です。

具体的には、
・依頼者の「辞めます」という意思を会社へ伝える
・会社からの返答を本人にそのまま伝える
・私物の返却や離職票の送付を会社に依頼する旨を伝える
といった行為です。

このようなメッセンジャー的行為をしている限りであれば、「法律事務」には該当しないため、無資格でも行えます。ただし、上記裁判例のように会社側が何らかの主張を持ち出した場合、それ以上の対応はできません。

あくまで一例ですが、東京弁護士会のホームページには、以下のような事例が非弁行為にあたるとして紹介されています。

【事例1】
本人の要望は、会社を辞めること、及びこれまで支払われていない残業代の請求でした。業者は、本人に代わって会社に対して伝えたところ、会社側は「もう辞めるのだから、残業代なんか支払わない」と主張しました。業者は残業代について「それは法律に違反する」「私が計算したところ●円になる」などと説明し、会社との話し合いの結果、残業代が支払われることになりました。

〔解説〕
 弁護士等でない者が、法律的な問題について、本人を代理して相手方と話をすることは非弁行為です。
 残業代は、労働基準法に基づき認められた労働者の権利です。そして、残業代の有無、具体的な金額の算定は、法律的な問題です。
 本事例では、業者は、本人に代わって、法律的な問題について話し合い(交渉)を行った結果、残業代が支払われることになっています。このような業者の行為は、非弁行為です。
(引用:東京弁護士会「退職代行サービスと弁護士法違反」)

5. 法律のプロ(弁護士・社労士)と退職代行サービスの違い

ここまで、退職代行サービスの違法性について見てきました。ただ、一般の方がどういったケースが非弁行為にあたるのかを見抜くのは至難の業です。
そこで重要になるのが、弁護士や社会保険労務士(社労士)といった法律の専門家です。

この章では、これらの国家資格者と民間業者で何が違うのかを見ていきます。

5-1. 退職代行サービスと弁護士の違い

弁護士の最大の強みは、依頼者の「代理人」として会社と交渉し、必要に応じて労働審判や訴訟まで一貫対応できる唯一の資格であることです。

「退職を認めない」「未払い残業代を支払わない」「有給休暇を使わせない」と会社側が強硬な姿勢を取った場合でも、法的根拠をもとに交渉し、会社が応じなければ法的手続きへ進むことで、問題解決に向けて大きな力を発揮します。

そのため、解雇トラブルや未払い賃金請求、パワハラ・労災など紛争がこじれる可能性が高いケースでは、弁護士への依頼が最適といえます。

一方で、弁護士に依頼する場合は費用が高くなる傾向があり、解決までに一定の時間がかかることがある点には注意が必要です。

5-2. 退職代行業者と社労士の違い

一方、弁護士以外で退職代行サービスと深く関わっているのが社労士です。

退職代行サービスは、必ずしも法律や労務に関する知識をもっているわけではありませんが、社労士は「人」にかかわる専門家です。特に、労働・社会保険法令などの特定分野については弁護士以上の専門性を有しています。退職トラブルの原因となる「ブラックな労働環境」や「未払い賃金」などの問題にも精通しています。さらに、就業規則が法律に違反していないか、残業代の計算は正しいか、といった判断もできます。

特定社会保険労務士なら、退職希望者の依頼を受けて、退職の意思を会社へ伝えることはもちろん、会社が「有給は使わせない」「残業代は払わない」といった主張をしてきた場合にも、訴訟外紛争解決手続(ADR)の場で代理人として会社と交渉することができます。
一方、弁護士は、会社との交渉や労働審判・訴訟といった法的紛争の解決に強みを持っています。

社労士は、就業規則の整備や残業代の計算、労働環境改善のサポートなど、退職トラブルの根本原因となる職場の課題に日常的に向き合う専門家であり、トラブルが深刻化する前の段階から、企業と働く人の双方に寄り添い、円満な解決へ導く役割を担えるのが社労士なのです。

次章では、このような労務トラブルを解決するために社労士にできることを見ていきます。

6. 労務トラブルの専門家として社労士にできること

労務トラブルの専門家として、社労士ができることは大きく3つに分けられます。

●退職者を減らすための職場環境の改善
●労働社会保険の手続き
●あっせんを利用した労使紛争の解決

それぞれ詳しく見ていきます。

6-1. 退職者を減らすための職場環境の改善

まずできるのが、退職者を減らすための職場環境の改善です。
人事労務管理の専門家として、労働者の労働時間を管理したり、優秀な人材の育成や確保を目的とした人事評価の制度をコンサルティングしたりして、職場環境そのものを改善していきます。

ほかに、職場環境を整えるための就業規則や労使協定の作成をするのも社労士の仕事です。
弁護士が「トラブルが起きてから」介入するのに対し、社労士は「トラブルが起きないように」会社の制度を整える役割を担っています。

※社労士の業務については、以下の記事で詳しく解説しています。

6-2. 労働社会保険の手続き

退職時には、失業保険や年金、健康保険の切り替えなど、さまざまな手続きが発生します。
こうした労働社会保険の手続きも、社労士だけに認められた独占業務です。
たとえば、失業手当の申請や、離職票の発行など、退職に関わるさまざまな手続きも社労士が扱っています。

6-3. あっせんを利用した労使紛争の解決

特定社会保険労務士(特定社労士)になれば、労使紛争の解決にも携われます。
特定社労士には、ADR(裁判外紛争解決手続)における「あっせん(※)」の場面などで、依頼者の代理人として交渉したり・和解契約を締結することが認められています。
(※あっせんとは、裁判をせずに、第三者(専門家)が間に入って、話し合いで労働トラブルを解決する仕組みのこと)

特定社労士が、ADR(裁判外紛争解決手続)として関わっていけるのは、以下のような個別労働関係紛争です。

◉賃金に関する紛争
・未払い残業代や賃金カットの不当性
・賃金や賞与が契約通り支払われない場合

◉ハラスメント問題
・職場でのパワハラ、セクハラ、いじめなどによる労働環境の悪化
・ハラスメント被害に対する企業の対応の不備

◉労働条件の変更
・就業規則や契約条件の一方的な変更によるトラブル
・労働時間の改定や配置転換に関する不満

◉退職や解雇に関する合意形成
・退職勧奨や希望退職の条件についての交渉
・退職後の競業避止義務や守秘義務の範囲

※特定社労士については、以下の記事で詳しく解説しています。

このように、予防と紛争解決の両面から、労働者や企業の悩みに向き合っていくのが社労士の役割です。

今回の退職代行サービス「モームリ」のような事件を知って労働問題に関心を持たれたなら、ぜひご自身が社労士になって労働問題の解決に携わるという道も検討してみてはいかがでしょうか。

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7. 危機感を持つ企業から、社労士へのオファーが増えている

退職代行サービスが話題になったことによる社会的関心の高まりは、社労士にとって追い風となっています。

退職代行モームリのデータによると、2025年の新卒利用者は前年比1.3倍の1,000人超。もはや「入社3年」どころか「3ヶ月」で辞める時代が現実になっています。そして、この事態に本気で危機感を持った企業は動きはじめています。

全国社会保険労務士会連合会の最新調査(2024年度)によると、社労士への依頼内容として「相談業務」が71.5%、「コンサル業務」が57.7%も増加しました。

企業が今求めているのは、もう単なる事務手続きの代行ではありません。「どうすれば人が辞めない組織を作れるか」という経営課題を解決できる専門家です。コンプライアンス(法令遵守)と人的資本経営への転換が求められる中、人事労務コンサルティングができる社労士へのニーズはかつてないほど高まっています

具体的には、就業規則の見直し、働きやすい環境整備の提案、採用・定着支援といった業務です。これらは試験勉強で学んでいる労働基準法や社会保険法の知識が土台となります。
つまり、試験勉強で覚える条文や判例の一つひとつが、将来、企業の組織づくりを支え、働く人の権利を守る武器に変わるのです。退職代行が必要ない職場を作る——それこそが、これからの社労士に期待されている役割のひとつなのです。

8. 社労士を目指すなら伊藤塾がおすすめ

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9. 退職代行に関するよくある質問

Q. 退職代行サービスはすべて違法ですか?

A. いいえ、すべてが違法というわけではありません。退職の意思を「伝えるだけ」なら合法です。ただし、会社との交渉や法的な主張を行うと非弁行為として違法になる可能性があります。

Q. 弁護士がいない退職代行業者は使わない方がいいですか?

A. 会社との交渉が予想される場合は、弁護士が運営する退職代行サービスの利用をおすすめします。単純な退職意思の伝達だけなら民間業者でも問題ありませんが、トラブルが生じた際に対応できません。

Q. 社労士は退職代行ができますか?

A. 社労士は退職の意思伝達に加え、一定範囲の退職サポートに関与することが可能です。さらに特定社労士であれば、退職条件の交渉や金銭請求などもADR(裁判外紛争解決手続)で行うことや、あっせん員として労使双方に事情や主張を訊きながら退職に伴う労使紛争を解決することが可能です。また、退職トラブルの予防として職場環境の改善コンサルティングもできます。

Q. モームリ以外の退職代行サービスも危ないですか?

A. 弁護士監修を謳っていても、実態として法的交渉を行っている業者は違法の可能性があります。利用前に、運営主体(弁護士・労働組合・民間業者)と対応範囲が「意思伝達のみ」か「交渉を含む」のかを確認することが重要です。

10. 退職代行モームリ事件についてまとめ

退職代行サービス「モームリ」運営会社社長らの逮捕は、退職代行を希望する利用者に対し、特定の弁護士を紹介し、その見返りとして報酬を受け取っていたという弁護士法違反(非弁提携)の疑いによるものです。さらに、弁護士法第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)についても違法行為を行っていた疑いがあり、現在捜査中です。

無資格者の退職代行サービスが合法となるのは、あくまで「退職の意思を伝えるだけ」の場合であり、会社との交渉や法的主張を行えば違法となります。

弁護士は交渉・訴訟まで対応できる一方、社労士は退職トラブルの根本原因である職場環境の改善や、あっせんを通じた紛争解決が可能です。退職代行が必要ない職場づくりこそ、これからの社労士に期待される役割です。

今回のモームリ事件が示したのは、労務問題に対する社会的関心の高まりです。企業は「人が辞めない組織づくり」を切実に求めており、人事労務コンサルティングができる社労士の需要はかつてないほど高まっています。

労働者の権利を守り、企業の成長を支え、より良い労働環境を作る——社労士は、働く人と企業の両方を幸せにできる、やりがいと将来性に満ちた国家資格です。

労働問題に関心を持った方は、ぜひ社労士として問題解決に携わる道も検討してみてください。

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伊藤塾 社労士試験科

著者:伊藤塾 社労士試験科

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