
司法書士を目指すと人生狂う?やめとけと言われる理由は?将来性についても解説
キャリア
2025年10月02日


司法書士の仕事に興味があり、試験にチャレンジして人生を変えたいと考える人にとって、資格取得に関するネガティブな意見は気になるところだと思います。
「人生狂う」「やめとけ・やめたほうがいい」「時間の無駄」など、ネガティブな意見を見つけてしまうと、本当に目指すべき資格なのかがわからなくなってしまい、勉強に身が入らなくなってしまうでしょう。
そこで、この記事では、司法書士にネガティブな意見がある理由について解説した上で、それでも司法書士を目指すべき理由について詳しく解説していきます。
【目次】
1.「司法書士を目指すと人生狂う」「やめとけ」と言われる理由とは?
「司法書士を目指すと人生狂う」「やめとけ」と言われる理由としては、主に次の3つが挙げられます。
① 試験が難しく途中で挫折しがち
② 独立開業で成功するのが難しい
③ AIの台頭により将来性がない
以下では、それぞれの理由について詳しく解説していきます。
1-1.試験が難しく途中で挫折しがち
「司法書士を目指すのはやめとけ」と言われる理由の1つは、司法書士試験の難易度の高さにあります。
司法書士試験は、法律系の難関国家資格と言われています。例年、合格率は5%前後で推移しているため、多くの方は「どうせ試験に受かるのは、もともと頭が良い人だけだ」とマイナスに考えてしまうことが多いのです。
試験科目は11科目で、出題範囲は多岐に渡るため、一通り試験範囲を勉強するだけでもある程度の時間が必要になります。
特に、社会人が働きながら合格を目指す場合には、通勤時間や仕事後に時間を作って勉強する必要があります。
人によっては勉強時間を作ることにストレスを感じてしまい、モチベーションを保つのが難しくなり、その結果、「やめとけ」と忠告したい心境になってしまうのかもしれません。
1-2.独立開業で成功するのが難しい
独立開業にチャレンジしたものの、失敗したり、成功するのは難しいと感じ挫折した人はゼロではないでしょう。そういった方々が「司法書士を目指すのはやめとけ」と忠告する場合もあります。
資格試験の勉強だけでは実務で必要な知識は身につけられないので、独立開業するには、司法書士事務所等で数年経験を積む必要があります。
一方で、経験を積んだからといって必ずしも経営が波に乗るわけではなく、インターネットを利用した集客の方法を考えたり、近隣の他士業への挨拶回りなどの地道な努力がなければ、顧客を獲得することすらままならないでしょう。
開業する以上、経営が波に乗らなければ廃業のリスクがあるのは避けられませんし、経営が安定するまでに時間がかかるケースも少なくありません。
これは、司法書士に限ったことではなく、どのビジネスにおいても言えることですが、独立開業したからといって、すぐに安定した経営ができるとは限りません。
むしろ、独立開業の難しさを「やりがい」として楽しめる人が開業して成功できる人と言ってもよいかもしれません。
※司法書士の独立開業については、こちらの記事で詳しく解説しています。
1-3.AIの台頭や人口の減少により将来性がない
急速に進むAI技術の発達により、司法書士の仕事がAIに奪われるのではないか、将来性がないのではないかと言われることがあります。
また、少子高齢化社会に伴い人口が減ることで、司法書士のメイン業務である不動産登記業務や相続関係の手続きそのものが減る可能性が示唆され、司法書士に将来性がないと言われる理由として挙げられます。
法律トラブルは弁護士に相談すべきと考えている人も多く、司法書士がどういう仕事をしているのかよくわからない方も大勢います。
司法書士という仕事への理解不足が、司法書士の未来は明るくないという誤解を招いていることにも繋がっている可能性が考えられます。
2.それでも司法書士を目指すべき理由とは?
以上の理由から「司法書士を目指すのはやめとけ」と言われていますが、下記に記載した通り、実際には司法書士は非常に魅力ある仕事であり、目指すべき価値の高い資格だと言えます。
① 勉強を継続できれば誰でも合格できる試験
② AIに全ての仕事を奪われることはない
③ 資格を活かして一般企業で稼ぐことも可能
④ 独立開業すれば年収1,000万円も夢じゃない
⑤ 時間に縛られず自由に働ける
⑥ 認定司法書士なら裁判にも携われる
⑦ ダブルライセンスで仕事の幅を広げられる
司法書士を目指すべき理由について、詳しく解説していきます。
2-1.勉強を継続できれば誰でも合格できる試験
司法書士試験は、毎日コツコツと勉強を継続できれば、誰でも合格できる試験です。
たしかに、合格率だけ見れば、特別な人しか合格できないような試験に感じるかもしれません。
しかし、合格率が試験の実態を表している訳ではなく、実際には、相当数の記念受験者がいることを考えると、実際の合格率はもっと高くなるものと考えられます。
また、合格者には様々なバックグラウンドを持つ人がいるのも事実で、難関大学や法学部出身でなくとも、司法書士として活躍している方はたくさんいらっしゃいます。
2023年(令和5年度)に行われた司法書士試験合格者の平均年齢が約41歳であることを見れば、社会人でも十分合格できる試験であることがわかるでしょう。
長期に渡る試験勉強を継続するのは簡単なことではありませんが、逆に言えば、1日1時間でもコツコツと知識を積み重ねることで、誰でも合格できる試験だと言えるのです。
※司法書士試験の合格率や難易度については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2-2.AIに全ての仕事を奪われることはない
AIに司法書士の仕事を奪われてしまうのではないかと不安に思う方も多いと思いますが、実際には、AIに司法書士の仕事全てを奪われてしまうことはありません。
たしかに、膨大なデータベースから裁判例を検索するなどの単純な事務作業については、将来的にAIの仕事になる可能性があり得るでしょう。
しかし、司法書士の業務は単純な事務作業だけではなく、専門知識と豊富な経験に基づく難しい判断が求められる仕事もたくさんあります。
特に、顧客の満足度を高めるためには、顧客が求めることを会話の中から察知し、それぞれのニーズに合わせて臨機応変に対応することが必要になります。
AIの台頭を脅威に感じるのではなく、AIをうまく活用して業務を効率化することにより、より質の高い業務を行えるようになるのです。
AIが普及したからといって司法書士の仕事全てが奪われることはなく、むしろAIとの共存次第で司法書士の業務範囲は無限に広がっていくと言えるでしょう。
※司法書士の将来性については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2-3.資格を活かして一般企業で稼ぐことも可能
司法書士の資格を取得すれば、資格を活かして一般企業の法務部で働くことも可能です。
難関国家資格である司法書士の資格を持っていれば、専門的な知識があることを客観的に示すことができます。
法律を使ってトラブルを解決に導くことができる司法書士有資格者は、どの会社でも確実に求められる人材です。
司法書士の資格をとったからといって、必ずしも司法書士として働く必要はありません。知識を活かして様々な業務に携わることができるのも、司法書士の大きな魅力の1つだと言えるでしょう。
2-4.独立開業すれば年収1,000万円も夢じゃない
司法書士として独立開業すれば、経営次第で年収1,000万円を目指すことも夢ではありません。
たしかに、独立開業した人が全員うまくいくわけではなく、人によっては集客がうまくいかず、独立してすぐに廃業に追い込まれてしまうケースもゼロではありません。
しかし、「2023年版 司法書士白書」のデータから廃業率を算出してみると、直近3年間の司法書士の廃業率は、毎年2%程度とかなり低いことがわかります。
司法書士は、弁護士ほど業務範囲が広くないので、「独立開業しても仕事がない」というイメージが先行してしまい、廃業する確率が高いと言われがちです。
しかし、令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されたことにより、司法書士の需要は増しています。
高齢化社会においては、成年後見人や相続関連など、司法書士の業務は今後ますます増加していくことが予想されます。
「街の法律家」として市民の社会生活に欠かせない法律業務を担っている司法書士の仕事は、常に安定した需要が見込まれるのです。
独立開業で成功するにはその分努力も必要になりますが、アイデア次第で収入を上げることも可能になるのが、司法書士の仕事の魅力の1つだと言えるでしょう。
2-5.時間に縛られず自由に働ける
独立開業することで、時間に縛られず自由に働けることも、司法書士の大きな魅力の1つです。
決められた時間に出社し、毎日決められた仕事を淡々とこなすことに嫌気が指している人も多いと思います。司法書士として独立開業すれば、出社時間も仕事内容も自分が思うように決めることができます。
もちろん、経営がうまく行かなければ廃業に追い込まれてしまうので、開業当初は寝る間も惜しんで仕事をしなくてはいけないこともあるでしょう。
一方で、一度軌道に乗ってしまえば、勤務時代と比べてかなり自由な時間が取れるようになります。
自宅で開業すれば、毎朝満員電車に揺られて通勤するストレスもなくなります。
自分のライフスタイルに合わせて仕事ができるのは、ワークライフバランスを重視する近年の働き方にも合っていると言えるのです。
2-6.認定司法書士なら裁判にも携われる
司法書士試験後に、研修と試験を受けて認定司法書士になると、裁判において依頼者の代理人になることもできるようになります。
認定司法書士ができる裁判業務は、140万円以下の簡易裁判所で行われる事件の代理業務に限られますが、弁護士と同じように裁判を行えるようになるのも、司法書士の大きな魅力の1つです。
裁判業務までできるのであれば、相続登記の依頼を受けた際に、その後の裁判が必要になるトラブルについてもワンストップで対応できるので、集客しやすくなるというメリットもあります。
弁護士のメイン業務である裁判業務に携われるのは、他の士業にはない大きな特徴だと言えるでしょう。
※認定司法書士については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2-7.ダブルライセンスで仕事の幅を広げられる
不動産登記や会社登記がメインの司法書士が、弁護士や公認会計士、税理士などの他の資格を取得することで、仕事の幅を大きく広げることができます。
ダブルライセンスやトリプルライセンスで働けば、他の司法書士との差別化を図ることができ、集客に繋がりやすくなります。
会社登記をした後に会社と従業員とのトラブルを解決する依頼を受けたり、相続登記後に遺産分割協議の仲介に入ったり、相続税に関するアドバイスをしたりと、依頼者のニーズに合わせて様々な業務を行えるようになります。
様々な資格を活かして自分の価値をアピールできれば、企業の役員として経営に参画することも可能です。
型にハマらず、自分の努力とアイデア次第で様々なフィールドの仕事ができるのも、司法書士の資格を取得する大きなメリットになります。
※司法書士のダブルライセンスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
3.後悔しないためにも受験指導校で効率の良い学習を
勉強に費やした時間を確実に合格に結びつけたいのであれば、受験指導校を活用して効率の良い勉強を行うのがお勧めです。
司法書士試験は、年齢・学歴問わず誰でも合格できる試験です。自分で最善の勉強方法を選択できるのであれば、独学で試験に合格することも不可能ではありません。
しかし、司法書士試験の試験範囲は膨大です。自分独りで試験に出題される可能性のある範囲を効率良く勉強するのは難しく、得点には結びつかない無駄な勉強をしてしまう恐れがあります。
また、法律初学者にとって、参考書を読んだとしてもその内容を理解するまでにも時間がかかってしまい、最悪の場合「わかったふり」をして勉強を進めてしまう可能性があります。
働きながら合格を目指す社会人受験生にとって、貴重な時間を無駄にすることはできません。試験範囲を効率良く勉強し、当日の試験で効率良く得点するためには、受験指導校の提供する合格に特化したテキストと質の高い講義を受けるのが1番です。
試験までのスケジュール管理やモチベーションの維持など、独りでは難しい部分を受験指導校にサポートしてもらえるため、合格まで一直線に走り抜けることが可能となるのです。
4.まとめ
試験の難易度や独立開業で成功する難しさなどから、「人生狂うからやめとけ」と言われることもある司法書士。
しかし、司法書士試験は、勉強の方向性さえ間違えなければ学歴や年齢関係なく誰でも合格できる試験であり、将来的に仕事が奪われてしまうこともありません。
むしろ、令和6年4月からスタートした相続登記の義務化などの法改正に伴い、今後ますます重要性が増していくと考えられます。
受験指導校を活用すれば、1年もかからずに合格できる可能性も十分あるため、興味があるのなら、是非とも目指すべき価値のある資格だと言えるでしょう。
もし、司法書士試験にチャレンジするのなら、時間を有効に活用し最短での合格を目指すためにも、受験指導校の利用を検討してみることをお勧めします。