弁護士の仕事がなくなる?AIの登場による弁護士の将来性を徹底解説
法曹
【記事のポイント】
- 将来性: 弁護士の仕事はAIにすべて奪われることはなく、AIを活用すれば活躍の場をむしろ広げられます。
- 得意分野: 契約書のリーガルチェックや過去の裁判例にもとづく賠償額の算定など、定型的な調査や作業はAIが得意とします。
- 人の領域: 交渉の駆け引きや依頼者との信頼関係づくり、倫理的な受任判断は、人にしかできない弁護士の中核業務です。
- 研究知見: 野村総合研究所の2015年(平成27年)試算では、交渉や説得など社会的知性が必要な職業はAIに代替されにくいと整理されています。
- 必要スキル: 今後はコミュニケーション力やAI活用力、専門分野の深さが、弁護士の差別化要因になるでしょう。
近年、急速なAI(人工知能)技術の発達によって、これまで人間が行ってきた仕事の一部をAIがこなせるようになってきました。
AIは、「論理的思考」と「知識の活用」という側面について、人間よりも遥かに迅速かつ正確に仕事をこなすことができます。
そのため、今までは高度な知的産業であり、資格を持った専門家以外では代替不可能と思われていた弁護士についても、将来的にAIによって仕事が奪われてしまうのではないかと危惧されています。
弁護士になることを夢見る方にとっては、将来的に弁護士の仕事がなくなってしまうのではないかと、不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
このコラムでは、AIの登場による弁護士の将来性や、AIとの共存の仕方、今後弁護士がAIに仕事を奪われない方法について解説していきます。
最後まで読んでいただければ、「弁護士の将来性は明るく、AIに仕事を奪われることがなく、むしろAIを利用して困っている人を助けることができる」とわかっていただけると思います。
【目次】
1. AIの登場によりさまざま仕事がAIで代替可能に
AIは、効率的で迅速かつ正確な事務処理能力を持ち、さまざまな問題について最適な方法で処理をすることができるため、経済活動の生産性を大きく向上させることが期待されています。
そのため、単純作業や定形作業をAIが代替するようになっていくと考えられています。
野村総合研究所の2015年のレポートではありますが、10〜20年後には日本の労働人口の約 49%がAI等で代替可能になるという結果が出ています。
参照:日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に
すでに私たちの日常生活においても、「ルンバ」等のお掃除ロボットや自動車の自動運転など、さまざまな場面でAIが活用されています。
AIが代替可能な仕事や業務は以下のような業務になります。
| AIが代替できる仕事とは? |
| ✔︎システム化が可能な単純作業 ✔︎スピードや正確性が求められる作業 ✔︎膨大な情報を扱う作業 ✔︎一貫性を持った情報処理が必要とされる業務 |
| AIに仕事を奪われる可能性のある職業 |
| ・電話オペレーター ・データ入力や管理などの単純作業 ・事務職全般 ・経理職全般 ・スーパーやコンビニの店員 ・ホテルのフロントマン ・飲食店のウエイター ・銀行員 ・工場の作業員 ・タクシー運転手 ・電車の運転手 など |
ここに挙げた職業はあくまでも一例で、AIに仕事を奪われるおそれのある職業がほかにもたくさんあります。
労働力の減少が叫ばれる中、人工知能やロボット等を活用して労働力を補完しようとした結果、それが人間の仕事を奪うことに繋がっていくのです。
2. 弁護士の仕事もAIに取って代わられる?
それでは、弁護士の仕事も今後AIに取って代わられてしまうのでしょうか。
弁護士の仕事内容から考えていきましょう。
2-1. そもそも弁護士の仕事とは?
難関国家資格である司法試験に合格した人だけが就くことのできる、法律のプロフェッショナルである弁護士ですが、その業務内容は多岐にわたり、法律事務所で勤務し、困っている方の相談を聞くだけでなく、社員として企業の法務部で働いたり、国や地方公共団体で法律を創る側に回ったりするなど、働き方の多様化も進んでいます。
弁護士としての仕事内容には、主に以下のようなものがあります。
| 弁護士としての仕事内容 |
| ✔︎法律の相談を受け、相談内容を詳細にヒアリングする ✔︎相談内容を解決するため、裁判例の調査や裁判所提出書類を作成する ✔︎相手との交渉や裁判で代理人として活動する ✔︎契約書文面の精査(リーガルチェック)や新製品サービスなどが 法的に問題ないかをチェックする |
事務作業を含めればほかにもたくさんの業務がありますが、基本的には以上4つの業務を軸に活動していくことになります。
※弁護士の仕事内容について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
2-2. 弁護士の仕事のうちAIができる仕事とは?
弁護士の主な仕事のうち、AIができる仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。
AIの得意な仕事は、単純作業や大量の情報を素早く正確に処理する仕事です。それを念頭において考えると、以下の2つの業務はAIが処理するのに向いている業務であるといえるでしょう。
①. 契約書のリーガルチェック
契約書は基本的に書かれている文言が定型化されていて、契約内容によりある程度の雛形が決まっています。
そのため、契約書の型をAIが判別することにより、人間では見逃してしまうような契約書の抜けや漏れを素早く見つけることができます。
実際に契約書チェックにAIを導入している企業も存在しており、契約書をチェックするリソースを大幅に削減することができるため、大量の契約書をチェックしなければいけない状況であっても、時間も労力も無駄なく作業をすることができるでしょう。
その一方で、契約書を取り交わすのはAIではなく「人」であり、その時の状況に応じて契約書の内容を臨機応変に変更する必要があります。
そのため、AIによる内容の正確性のチェックだけでなく、感情を持っている「人」同士で最終的なチェックをする必要があるといえるでしょう。
②. 過去の判例から賠償金を算出する
弁護士が損害賠償金を計算する場合には、法律や過去の裁判例と今回のケースを照らし合わし、合理的な金額を算出します。
学習機能を備えているAIであれば、膨大な量の裁判例を照合することで、人間よりも遥かに早く、賠償金の算出を行ってくれるでしょう。
しかし、実際に弁護士が相手に損害賠償を請求する場合、交渉の駆け引きを行うことで最終的に落ちつくであろう金額を想定して賠償金を決めます。
そのため、契約書のリーガルチェックと同じく、AIによって算出された賠償金をもとにして、最終的には人間が実際に請求する金額を決めていくことになるでしょう。
2-3. AIでは弁護士の仕事をすべて代替することはできない
契約書や損害金の算出の件でもわかるように、弁護士の業務は、最終的に人間同士の駆け引きや戦術により、臨機応変な対応を求められるものです。
この点、AIでは代替不可能な仕事の種類として、以下のようなものが挙げられます。
◉新しいものを作り上げるクリエイティブな仕事
◉企業の経営や運営など、従業員のモチベーションを含め、あらゆる情報を加味しながら柔軟な判断が必要になる仕事
◉人間同士のコミュニケーションが重要視される仕事
◉AIを開発したり、活用したりする仕事
弁護士は、既存の判例にもとづき、今回の事例であればどのような請求をするのがベストなのかを考え、交渉しながらベストな解決方法を模索していく仕事です。
基本的に、相談内容ごとに全く同じ事例は存在しないため、そういった意味では事案ごとにそれぞれの解決策を見つける必要があるクリエイティブな仕事であると言えます。
また、弁護士と依頼者は、どのような解決を希望するのかを、常にコミュニケーションをとりながら模索していくことになります。
法律や判例の知識を駆使する事だけではなく、人間同士で信頼関係を築く事が重要視される弁護士の仕事すべてを、AIが代わりに行うことは難しいと言えるでしょう。
3. 人工知能弁護士「Ross」・Baker & Hostetler弁護士事務所
2016年、法令調査用人工知能「Ross」が、アメリカの大手弁護士事務所であるBaker & Hostetlerと契約し、世界初の人工知能弁護士が誕生しました。
このRossは、従来のAIの機能に加え、対話で質問に答える機能が搭載されており、人間と同じように質問を投げかければ、膨大な法律の資料を瞬時に検索し、より関連度の高い回答をくれます。
新しい判例も学習対象となっており、使えば使うほど知識を学習していく高度なAIを搭載しています。
そのため、今まで判例や法律関係の資料の調査にかけていた時間を短縮し、効率の良い業務をすることが期待されています。
3-1. ほかにもいくつかの法律事務所でAIが導入されている
近年、AIを導入し、業務効率を図る法律事務所が増えてきています。
たとえば、いくつかの法律事務所が、以下のようなシステムを導入しています。
| 法律事務所 | 導入AI | サービス内容 |
| AsiaWise 法律事務所 | LeCHECK | ・専門知識が必要な契約書の自動ビュー ・契約書の作成サポート ・契約書雛形提供 ・契約書管理 ・英文契約書のレビュー・和英訳 など |
| 弁護士法人 ラグーン | AI-CON Pro | ・過去の契約書と比較し、不足している部分 や誤っている部分を自動で判別し、契約書 に潜んでいるリスクを検知する ・修正案の提示 など |
| 吉田総合 法律事務所 | LegalForce | ・契約書に抜けや漏れかまないかを確認し、 契約書に潜むリスクを瞬時に検知する ・修正案の提示 ・契約書の雛形や過去の契約書の検索機能 ・条文ごとに契約書を検索できる機能 など |
| 桃尾・松尾・難波 法律事務所 | T-4OO | ・AIによる高精度の自動翻訳 ・社内用語も自動で翻訳に反映してくれる |
契約書のチェックや英文契約書の翻訳など、AIが得意な業務を任せることにより、弁護士はほかにしなければならないことに時間を使う事ができます。
AIを効率よく活用する事で、業務の質や業務効率の改善を図ることができるのです。
3-2. AI弁護士VS人間弁護士
2023年3月、アメリカにおいてAI弁護士である「DoNotPay」が、弁護士の資格を持たずに弁護士業を営んでいるとして、集団訴訟を提起されました。
人ではない人工知能が、実際の法廷で是非を問われるというのは今までに前例がなく、歴史的な裁判になる事は間違いありません。
今後、AIがどのくらい法律の世界に関与できるようになっていくのか、裁判の行方が注目されています。
4. 法曹界でのAIの将来性|弁護士とAIの共存
法曹の世界でも、先ほどあげた契約書のチェックや英文契約書の和訳、膨大な法的資料や裁判例を照合し、基礎となる賠償金の算定を行うなどの仕事は、今後AIがメインでおこなっていくようになる可能性が高いです。
しかし、弁護士の仕事は資料を検索することだけではありません。お互いの感情や思惑が交錯し合う複雑な交渉をAIが行うのはまだまだ難しいですし、合理的な知識があるだけでは、裁判でこちらの希望通りの結果をもたらす事はできないでしょう。
また、AI弁護士がもし今後普及したとしても、人間としての付き合いができないAIとは、依頼者も信頼関係を築くことは難しいでしょう。
もちろん、AIを導入する事で、仕事の質や業務効率が良くなる事は間違いありません。
むしろ定型的な契約書の作成や一次チェックなどの事務作業にかけていた時間が削減されるので、より弁護士らしい仕事に注力することができることで、プラスとして捉えています。
そのため、弁護士としては、AIに対して脅威を感じ、仕事を奪われてしまうのではないかと考えるのではなく、AIをどのように有効活用すべきかを考えていくべきでしょう。
5. 弁護士が仕事を奪われないためには
それでは、弁護士としての仕事をAIに奪われないようにするためには、どのような能力を身につけるべきなのでしょうか。
5-1. 依頼者に親身に寄り添い信頼関係を築く
弁護士は、困っている人を、法律をもって助ける事ができる法律のプロフェッショナルです。
依頼者の不安を取り除き、信頼関係を築くためには、親身になって相談を聞き、どのように問題を解決すべきかを、依頼者に寄り添いながら考えてあげることのできる弁護士であることが必要です。
依頼者の精神的な不安を取り除いてあげる事ができるのは、「人」でしか行うことができない重要な仕事です。
今後は、法的な対応能力だけではなく、依頼者とのコミュニケーション能力も意識して活動していく必要があると言えるでしょう。
5-2. AIを積極的に活用する
AIを有効活用し、AIが得意な仕事を任せることでリソースを削減し、これまで時間的制約により十分な時間を割くことのできなかった顧客対応業務などに時間や人手を割く事ができるようになります。
どんなに新しい技術も、結局のところ使うのが人である以上、業務のすべてがAIに取って代わられてしまう事はありません。
新しい技術であるAIを排除するのではなく、業務効率を上げるためにはAIをどのように活用したらいいのか、その知識をつけて、積極的にAIを使っていく姿勢が重要になってくるでしょう。
5-3. コミュニケーション能力を高め、営業に力を入れる
どの事務所もAIを取り入れ、法的な対応力や知識に差がなくなってくると、ほかの弁護士よりも多くの依頼者と契約を交わすためには、積極的に営業活動をする必要も出てくるでしょう。
営業活動には当然、コミュニケーションスキルが重要になってきます。
近年の弁護士の増加もあいまって、今後は営業活動にも力を入れていく必要があると言えるでしょう。
5-4. 専門性の高い弁護士になる
他の弁護士との差別化を図るためには、専門性を身につけ、他の弁護士では対応できない分野の知識や経験を積む事も必要になってくるでしょう。
労働・離婚・相続・企業法務・知的財産・ネットトラブル・国際事件など、どんなジャンルでいいので、この分野であれば他の弁護士に負けないと思えるくらいの専門性を身につけ、自身の付加価値を高めていくことが重要であると言えるでしょう。
6. 弁護士の将来性
AIが登場することにより、仕事が奪われてしまうのではなく、AIをうまく活用する事で、より弁護士としての業務の幅が広がっていくと考えられます。
AIの普及が社会で広まれば広まるほど、依頼者と相互のコミュニケーションを取る事ができる弁護士の需要は高まっていくでしょう。
法律事務所に勤務するだけではなく、インハウスローヤーや、国や地方公共団体の職員など、弁護士としての活躍の場は年々広がっています。
AIの登場により、弁護士の将来はむしろ今よりも明るくなっていくでしょう。
7. 弁護士の将来性に関するよくある質問(FAQ)
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弁護士の数は今後も増え続けますか?
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日本の弁護士数は2000年の司法制度改革以降、毎年増加が続いており、日本弁護士連合会(日弁連)が公表する弁護士白書2025年版でも右肩上がりの推移が確認できます。司法試験合格者数も近年1,500人前後で安定しており、当面は増加基調が続く見込みです。 ただし、ピーク時期の予測は研究機関により異なります。AI技術の普及と並行して弁護士数も増えることから、専門分野の細分化と業務分業が一層進むと考えられます。
出典:日本弁護士連合会「弁護士白書2025年版」(資料1-1-2 弁護士数)
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2015年に野村総合研究所が発表した「日本の労働人口の49パーセントがAIに代替可能」という試算に、弁護士は含まれますか?
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野村総合研究所と英オックスフォード大学のオズボーン准教授らが2015年12月に公表した共同研究では、国内601種類の職業を対象に代替確率を試算し、弁護士はコンピュータによる代替可能性が「低い」職業に分類されました。創造性や社会的知性、複雑な対人折衝が求められる職業は、技術的な完全代替が困難とされたためです。 もっとも、これは10〜20年後の予測であり、生成AIの急速な進展により業務の一部はすでにAI支援に置き換わっています。完全代替は難しいまま、業務構成の組み替えが進行しています。
出典:野村総合研究所「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」
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弁護士と司法書士・行政書士では、AIによる影響の受け方に違いはありますか?
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弁護士は訴訟代理・刑事弁護・複雑な交渉など独占業務の範囲が広く、AIによる完全代替は困難とされます。一方、司法書士は登記や書類作成、行政書士は許認可申請書類の作成が中心で、定型業務の比率が相対的に高いため、AI支援ツールの導入が進みやすい領域があります。 ただし、いずれの士業も「人による最終判断」と「対面でのコミュニケーション」を要する業務が残るため、AIに完全に取って代わられる構造ではありません。受任判断や倫理的検討は人が担う前提が共通します。
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AIによる契約書レビューや法律相談は、弁護士法72条の非弁行為に該当しますか?
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法務省は2023年(令和5年)8月、AIを用いた契約書関連業務支援サービスについて、弁護士法第72条との関係を整理したガイドラインを公表しました。一定の条件下では非弁行為に該当しないと整理されていますが、報酬を得て特定の法律事件について法的判断を提供する場合は違反の可能性が残ります。 弁護士が補助的にAIを業務で活用する範囲は問題ないと整理される一方、弁護士資格を持たない事業者によるAIサービスは引き続き慎重な運用が必要とされています。
参考:法務省「AI等を用いた契約書関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」
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「弁護士は将来性がない」と言われる理由は何ですか?
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「将来性がない」とされる主な理由は、弁護士数の増加による競争激化、AIによる業務代替への不安、若手弁護士の就職難の3点に集約されます。実際には、企業内弁護士(インハウスローヤー)の需要拡大、地方の弁護士不足、国際法務や知的財産、サイバー法務などの新領域拡大により、活躍の場はむしろ広がっています。 将来性の有無は「全体平均」では測れず、専門性とコミュニケーション能力を備えた弁護士には需要が拡大している点に注意が必要です。
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弁護士の仕事内容のうち、AIで代替されにくいものは何ですか?
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代替されにくい業務の代表は、依頼者との信頼関係構築と詳細なヒアリング、交渉の駆け引きと戦略立案、法廷での弁論と裁判官への説得、倫理的判断を伴う受任の可否判断、新規論点に対する独自解釈の構築です。膨大な情報処理ではなく、人としての判断・共感・創造性を要する仕事が中心です。 AIは事務作業の効率化や調査の補助には有用ですが、最終的な意思決定と責任の所在は弁護士本人にあるため、人による業務遂行が前提となります。
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「弁護士は食えない」「やめとけ」と言われますが、実際はどうですか?
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「食えない」と言われる背景には、独立直後の弁護士の収入格差や就職先選択肢の限定がありますが、日本弁護士連合会の統計では、企業内弁護士の増加、社員弁護士の安定収入、地方の弁護士需要の高まりなど、収入を確保する道は多様化しています。 「食えない・やめとけ」は一面の真実を含みつつも、専門性を磨き需要のある分野に進めば十分な収入を得られる職業です。属性や勤務形態によって実態が大きく異なるため、一律の評価では実情をつかめません。
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AI時代に、若手弁護士の就職や独立は厳しくなりますか?
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AI時代の若手弁護士の就職は、定型業務の自動化により従来型の「下積み実務」が縮小する一方、企業内弁護士の採用拡大やリーガルテック企業の弁護士需要など、新しい就職先が増えています。日本弁護士連合会も若手弁護士のキャリア支援を継続しています。 独立については、AIツールを活用した小規模事務所運営の選択肢が広がり、ニッチ分野での独立がしやすくなった面もあります。AIを活用する力が新たな差別化要因となっています。
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これから弁護士を目指す人がAI時代に意識すべきスキルは何ですか?
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意識すべきスキルは、依頼者と信頼関係を築くコミュニケーション力、AIツールを業務に組み込む情報リテラシー、守秘義務と情報セキュリティへの理解、特定分野での専門性、新しい論点に対応する柔軟な学習姿勢の5つです。日本弁護士連合会は2023年にAI戦略ワーキンググループを設置し、2025年9月には「弁護士業務における生成AIの利活用等に関する注意事項」を公表しました。 法律知識だけでなくAI時代特有のスキルを早期から意識し、学習計画を立てることが、長期的な活躍につながります。
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AI時代に需要が高まる弁護士の専門分野はどこですか?
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需要が高まる代表分野は、企業法務(M&A、コンプライアンス、契約交渉)、知的財産・特許訴訟、サイバーセキュリティ・データ保護、国際法務・クロスボーダー案件、AI・テクノロジー関連法務(AI規制、著作権、データガバナンス)です。いずれも事案ごとに新規論点が生まれ、AIの定型処理だけでは対応できない領域です。 分野選びの際は、自身の関心と、その分野で求められる継続的な学習負荷を踏まえて選択することが重要です。早期からインターンや実務経験を積み重ねることが推奨されます。
8. AIの登場による弁護士の将来性まとめ
このコラムでは、AIの登場による弁護士の将来性について、解説しました。
たしかに、AIの登場により、すでにさまざまな仕事がAIによって行われていることを考えると、弁護士の仕事もAIに奪われてしまうかもしれないと心配になるかもしれません。
しかし、ここでみてきたように、実際はその逆であることがご理解いただけたかと思います。弁護士の仕事は、その性質上AIがすべての業務を行うことはできません。
従来、多くの手間や労力がかかっていた定形作業についてはAIを有効活用することで、これまで時間を使う事ができなかったほかの重要な業務に注力することが可能になります。
仕事を奪われるわけではなく、事務作業が軽減され、より弁護士として働きやすい環境が整うという視点でみることが大切です。
弁護士の仕事の幅は今後ますます広がっていくことが予想されるため、弁護士の将来を心配する必要はなく、今後も目指すべき職業のひとつであると言って良いでしょう。
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