法科大学院の夜間コースor予備試験?社会人にはどちらのルートがおすすめなのか詳細分析
予備試験
【記事のポイント】
- 推奨ルート:社会人の司法試験挑戦には予備試験ルートが推奨される。2025年度(令和7年度)の合格率は予備試験経由が90.68%、法科大学院修了ルートが21.91%で、法務省公表データで約4倍の差がある。
- 開講校数:夜間コースを開講する法科大学院は全国2校(筑波大学・日本大学)のみ。いずれも首都圏に所在し、地方在住の社会人が物理的に通学できる選択肢はきわめて限られる。
- 修了年数:全日制と同じ単位数の取得が修了要件のため、欠席が重なると6年以上の在籍となる場合もある。
- 学費水準:夜間コースの学費は全日制と同水準が基本で、筑波大学では授業料年額804,000円(2025年4月時点)。在籍が長期化すると総負担額が全日制と同等かそれ以上になるケースもある。
- 学習目安:予備試験合格を目指す社会人の目安は週15時間・最低2年間の継続。平日2時間・土日合計5時間のスキマ時間設計が長期継続のカギとなる。
「社会人が仕事をしながら通学できる法科大学院ってある?」
「仕事と受験を両立させるにはどうしたらいいの?」
「社会人が法曹を目指す場合、法科大学院ルートか予備試験ルートかどっちがいいんだろう」
など、社会人で司法試験を目指そうと考えている人にとって、このような悩みはつきものです。
法曹になるためには司法試験に合格する必要がありますが、司法試験を受験するためには法科大学院課程を修了するか、予備試験に合格する必要があります。
勉強する時間が限られている社会人受験生の場合、仕事との関係で通学できるか、どちらの方が合格率が高いのかなど、法科大学院と予備試験どちらのルートで司法試験に挑戦しようか、迷ってしまうこともあるかと思います。
結論からお話しすると、社会人の方が司法試験合格を目指すにあたり、予備試験ルートをおすすめしています。
本記事では、なぜ予備試験ルートをおすすめするのか、仕事と受験の両立について詳しく解説していきます。
【目次】
1. 社会人が法科大学院ルートを目指すには
法科大学院は、未修者コースと既修者コースの2コースに分かれています。
未修者、既修者と聞くと、法律を勉強したことのある法学部出身者が既修者コース、法学部出身者以外の方が未修者コース、と感じるかもしれませんが、必ずしもそういうわけではなく、法学部出身者でも未修者コースを受験することができますし、また、法学部出身者以外の方でも、既修者コースとして入学することが可能です。
通常、既修者コースでは2年間、未修者コースでは3年間、法科大学院で授業を受けることになるため、法学部出身者でも時間をかけてじっくり勉強したい人は未修者コースを選択する事もあるようです。
逆に、なるべく早めに受験資格を得て司法試験を受験したい場合には、既修者コースを選択することになるでしょう。
ただし、既修者コースよりも1年長く法科大学院で勉強できる未修者コースの方の方が合格率が高いかというとそういうわけでもなく、年度によって変わります。(令和7年(2025年)度司法試験では、既修者コースの合格率21.9%に対し、未修者コースの合格率は22.6%)
もちろん、司法試験の上位合格者の中には、法学初学者から未修者コースを経て司法試験を受験する純粋未修者と呼ばれる方もこれまでもいました。
そのため、どちらのコースに進むのがいいかはその人の学習状況により変わってくるため、現状の自分の学習状況を把握し、司法試験合格から逆算して自身の進むべきコースを選択する事が重要になります。
また、社会人であれば、仕事を休んで平日昼に通学しなければならない全日制の法科大学院ではなく、夜間コースを併設している法科大学院に入学する方が現実的な選択かもしれません。
しかし、夜間コースを設置している法科大学院の数は全国に2校と非常に少なく、コースによっては3年以上かけて全行程を修了するような場合もあるため、全日制で法科大学院に入学するよりも修了までに長い時間がかかってしまうこともあります。
仕事をしながら法科大学院に通う事を考えると、仕事が終わったあとに講義を受けることができる夜間コースを検討してみるのが、現実的な選択かもしれません。
2. 夜間コースがある法科大学院は?
◉筑波大学法科大学院
◉日本大学大学院法務研究科
通信専門の法科大学院はありませんが、夜間コースがある法科大学院は全国に2校あり、日本大学法科大学院・筑波大学法科大学院の2校となります。
夜間コースだからといって、全日制のコースのカリキュラムと何か特別な違いがあるわけではありません。
全日制のコースで行うカリキュラムを、夜間の時間帯や土曜日に集中的に行うことで、時間的に制限のある受験生であっても授業を履修しやすくしているのがその特徴となります。
ただし、講義の時間が全日制の場合よりも限られていることから、通常よりも長い年数をかけて法科大学院を修了することになります。
3. 夜間コースがある法科大学院の基本情報
それでは法科大学院の夜間コースについて、基本的な情報を確認していきます。
3-1. 夜間コースの入試は全日制と同じ?
◉入試の形式
夜間コース特有の試験が用意されているわけではなく、全日制の場合と同じ入試問題を受験することになります。
既修者コースであれば各法律科目の論文問題、未修者コースであれば小論文になります。
ここで、法科大学院の入試の現状を見てみると、定員割れしている法科大学院がかなり多いことに気付くかもしれません。
しかし、いくら定員割れしているからといっても、法科大学院の求める一定の水準に達していない受験生を合格させるわけではありません。
そのため、受験生としては、夜間コースで志願者数が少ないから、受験すれば誰でも合格することができる、と油断しないようにしっかり入試対策をする必要があります。
◉過去問の重要性
法科大学院の入試を考えている場合には、まずは志望校の過去問を解いてみるところからはじめてみましょう。
法科大学院の入試においてはもちろんのこと、司法試験の勉強においても、過去問というのは一番にあたるべき最重要問題であり、志望校が出題する問題の水準を知ることは、これからの勉強の指針を決めるうえでの最重要事項です。
時間に余裕があれば、過去問を解いたうえで、信頼できる大学の先生や先輩、予備校の添削指導を利用して答案を客観的に評価してもらい、答案の改善点やアドバイスをもらうのがいいのですが、時間がないのであれば、少なくとも試験問題を事前に確認することくらいは最低限するようにしましょう。
とくに、時間に限りがある社会人受験生としては、予備校に通いながら、法科大学院の入試やその先の司法試験を見据えて効率よく学習を進めることをおすすめします。
3-2. 学費はどれくらいかかるの?
夜間コースだと学費が安くなると考えがちですが、基本的に法科大学院の夜間コースの学費は、全日制と同じ金額で設定されているところが多いようです。
夜間コースの学費を通常のコースと比べて低く設定している学校もありますが、在籍年数が長くなるため、結果的には通常のコースの学費とほとんど変わりはありません。
3-3. 講義のスケジュールはどうなるの?
夜間コースの場合、通常平日18時頃から1~2コマと土曜日に授業を受けることになります。
それでは、社会人の方が法科大学院の夜間コースに通った場合、どのようなスケジュールになるのでしょうか。一日の具体例を確認してみましょう。
| 【平日】 | |
| 行動 | 時間 |
| 起床・勉強 | 6時~7時30分 |
| 出勤準備・出勤・勉強 | 7時30分~9時 |
| 仕事 | 9時~13時 |
| お昼休み・勉強 | 13時~14時 |
| 仕事 | 14時~18時 |
| 通学・勉強 | 18時~18時30分 |
| 授業 | 18時30分~21時 |
| 勉強 | 21時~22時 |
| 帰宅 | 22時~23時 |
| 就寝 | 23時~24時 |
| 【土曜日】 | |
| 行動 | 時間 |
| 起床・勉強 | 7時~8時 |
| 通学準備・勉強 | 8時~9時 |
| 授業 | 9時~18時 |
| 帰宅・夕食 | 18時~20時 |
| 勉強 | 20時~23時 |
| 就寝 | 23時~24時 |
人それぞれライフスタイルは違うため、起床時間や勤務時間などにズレは出てきますが、おおむねこのような生活リズムになるでしょう。
法科大学院の夜間コースに通う社会人にとって、もっとも難しい課題となるのは、勉強時間をどれだけ確保できるかというところにあるでしょう。
通勤時間や通学時間などのスキマ時間、自主学習の時間など、仕事以外の時間でどれだけ勉強できるかが試験合格の鍵となってきます。
また、夜間コースだからといって、修了するのに必要な単位数が少なくなるわけではありませんので、全日制と同じだけの単位を取得する必要があります。
そのため、仕事の都合などで授業に欠席してしまい、その結果単位を取得できないなんてことになると、法科大学院を修了するまでの期間が延びてしまうことになるでしょう。
職場環境によっては決まった時間に講義を受ける事が難しい事もありますし、例えば小さいお子様がいる場合には、毎日講義を受けるのは実質的に難しい事も多いかと思います。
空いた時間に少しでも勉強時間を確保するために、とくに平日は睡眠時間が少なくなりがちかもしれません。
土曜日も、朝から夕方まで講義があることを考えると、自分の自由な時間を確保することは基本的に難しいと考えておく必要があります。
日曜日に法科大学院の授業はないため、ある程度自分の時間を作る事は可能ですが、生活に関することなど身の回りの事をして、残った時間は勉強時間に充てている受験生が多く、全日制の法科大学院生や専業の受験生などに比べて、時間に余裕がない場合が多いでしょう。
3-4. 修了までにかかる期間はどれくらい?
修了するためには全日制と同じだけの単位が必要であること、全日制であれば平日9時~18時前後まで行っている授業の時間数を確保するのが難しいことなどから、修了までに要する期間は長くなる傾向にあります。
たとえば、日本大学であれば、法学未修者は4年、法学既修者は3年に延長される長期履修学生制度が採られていたりします。
場合によっては6年以上在籍することになることもあるため、短期で司法試験の受験資格を得たいと考える方にとっては、法科大学院の夜間コースはおすすめできないものとなってしまうでしょう。
3-5. 夜間コースのある法科大学院の司法試験合格率
夜間コースのある法科大学院の司法試験合格率はどれくらいなのでしょうか。
令和7年(2025年)度に置けるそれぞれの合格率を確認してみましょう。
(※全日コースの学生も含めた数値になります。)
| 大学名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 筑波大学法科大学院 | 68人 | 12人 | 17.65% |
| 日本大学法科大学院 | 104人 | 21人 | 20.19% |
令和7年(2025年)度の法科大学院ルートでの司法試験合格者の平均合格率が21.9%であることを考えると、筑波大学はそれほど低い合格率ではないといえます。
夜間コースの法科大学院を選択する際には、司法試験の合格率も考慮するとよいでしょう。
4. 社会人が司法試験に合格するためには法科大学院と予備試験、どっちがおすすめ?
司法試験の受験資格を得るためには法科大学院課程を修了するか、予備試験に合格する必要がありますが、社会人が司法試験を目指す場合にはどちらを選択するのがいいのでしょうか。
働きながら授業を受ける事ができる法科大学院の夜間コースを選択することが、社会人受験生にとっては現実的な選択であるように思えるかもしれませんが、現実的には、社会人の方が司法試験合格を目指すためのルートとしては、予備試験ルートが主流になっています。
これは、どちらのルートを選択するかの判断基準で重要になるのが、司法試験の受験資格を得たあとに司法試験に合格することができるのか、という点になるからです。
令和7年(2025年)度の司法試験の合格率をみてみると、法科大学院の場合既修者コース修了生の合格率が21.9%に対し、未修者コースの場合は22.6%となっています。
さらに法科大学院によってもかなり合格率に差が出てきています。
一方で、予備試験ルート(予備試験合格から司法試験)からの司法試験合格率は90.68%となっていて、法科大学院ルートでの合格率とはかなり差があることがわかるでしょう。
もちろん、法科大学院の夜間コース・未修者コースに通い、法曹になるために相応しい授業を受けたあとで、司法試験に合格することが不可能であるとは言えません。
しかし、「司法試験に合格する」という最終的な目標がある以上、合格率に極端な差があることは無視できませんし、法科大学院を修了して司法試験受験資格を得たとしても、現実的に5回のチャンスの間に合格できる保証はありません。
もしも、法科大学院を卒業したあとに5回司法試験を受験しても合格できなかった場合には、再度法科大学院に入り直すか、予備試験に合格する必要があるのです。
そのため、受験資格のある5年5回の受験の間に合格することが出来ればいいやと考えるのではなく、予備試験に向けて勉強する中で確固たる土台を築いたうえで、一発で司法試験に合格する準備をしておくことこそが、最終的に「司法試験に合格」するという目標を達成することにつながるのです。
5. 社会人で予備試験に合格するためには?
社会人が司法試験合格を目指すのであれば、最低でも勉強期間2年、1週間あたり15時間程度の勉強時間が必要になってくるでしょう。
これは、平日に1日2時間、土日あわせて5時間程度の勉強時間が必要になる計算になります。
法科大学院の学生や専業の受験生ほど勉強時間を確保できない社会人受験生は、他の働きながら司法試験に合格された方々と同じように、起床後出勤までの時間や、移動時間、休憩時間から帰宅後就寝までの時間など、生活の中で確保できるスキマ時間を上手く勉強時間に充てることで、勉強時間を確保する必要があります。
もちろん、スキマ時間で反復学習を行う事は大事ですが、予備試験の天王山でもある論文試験を突破するためには、過去問を中心としたアウトプットの訓練をする時間の確保も必要不可欠であるといえます。
論文を書く際には、できれば机に向かいながら論文を書く必要があるため、ある程度まとまった時間を確保する必要があります。しかし、もし時間の確保が難しい場合には、答案構成を行う20分程度の勉強時間を積み重ね、週に15時間以上の学習時間が確保できるならば、2年間でも十分に予備試験の合格を目指すことができます。
もし、1週間に15時間の学習時間を確保できないのであれば、2年での短期合格は難しいといえるでしょう。
社会人受験生の場合、仕事の都合やご家庭の事情など、さまざまな事情から勉強時間に増減が出てしまうこともあるでしょう。
予備試験の勉強は基本的に長期に渡ることが多く、毎日無理をした勉強の計画を立ててしまっては、途中で挫折してしまうことになりかねません。
たとえ1~2か月勉強から離れてしまっても、リカバリーができるような時間設定が重要です。
勉強時間はあくまでも目安にして、自分の無理のないペースで効率良く勉強を進めるようにしましょう。
※社会人の試験勉強スケジュールについて詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
6. 社会人の法科大学院夜間ルートと予備試験に関するよくある質問(FAQ)
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法科大学院の夜間コースは全国にいくつありますか?
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夜間コースを開講している法科大学院は2026年現在、筑波大学法科大学院と日本大学大学院法務研究科の2校に限定されます。福岡大学は2024年度入学者選抜以降の夜間募集を一時停止しており、通信制の法科大学院は現在も存在しません。所在地はいずれも首都圏のため、地方在住の社会人が物理的に通学できる選択肢はかなり限定的です。遠方からの通学が困難な社会人は、予備試験ルートと通信講座の組み合わせが現実的な学習体制となります。
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法科大学院夜間コースの学費は全日制と比べて安くなりますか?
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夜間コースの学費は全日制と同じ水準で設定されている場合がほとんどで、安くなるとは限りません。筑波大学法科大学院の場合、入学料282,000円・授業料年額804,000円(2025年4月時点)で、夜間コースを履修して長期履修制度を使うと在籍年数が延びる分、総額負担は全日制と同等かやや増えるケースもあります。一方で入学料・授業料の免除制度や教育訓練給付金、提携金融機関の教育ローンといった経済的支援制度の活用も可能で、申請要件を満たせば負担軽減につながります。
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社会人にとって法科大学院夜間コースと予備試験ルートはどちらがおすすめですか?
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社会人には予備試験ルートが推奨されます。法務省公表の2025年度司法試験では予備試験合格者の司法試験合格率が90.68%、法科大学院修了者の合格率は21.91%で、4倍以上の差が出ています。夜間コースは通学拘束と修了までの長期化があり、合格までの確実性と総コストを比較した場合、予備試験合格に向けた学習に集中する方が社会人の限られた時間を最大限に活かせます。法科大学院ルートを選んだ場合も、入学前から予備試験レベルの学習を進めることで在学中受験(合格率52.66%)の合格可能性が大きく高まります。
出典:令和7年司法試験の結果について
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法科大学院夜間コースの入試内容や合格率は全日制と異なりますか?
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入試問題自体は夜間コース専用のものは用意されておらず、既修者コースは法律科目の論文、未修者コースは小論文という全日制と同じ問題形式で受験します。司法試験合格率も法科大学院全体の集計で公表され、夜間コースのみを切り出した数値は公表されていません。2025年度司法試験では筑波大学法科大学院全体17.65%、日本大学法科大学院全体が20.19%という結果でした。定員割れの法科大学院も存在しますが、合格水準に達していない場合は不合格となるため、入試対策を軽視すべきではない点に注意が必要です。
出典:令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等
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通信制の法科大学院や、完全オンラインで修了できる法科大学院はありますか?
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通信制または完全オンラインで修了できる法科大学院は2026年現在、日本国内には存在しません。夜間コース設置の2校でも、対面授業への出席を前提とするカリキュラム設計が基本となります。遠方在住・転勤が多い社会人など、通学そのものが困難な場合は、受験資格に学歴・年齢の制限がない予備試験ルートを通信講座で学習するのが最も現実的な選択となります。予備試験ルートは時間的・地理的な制約から解放される点が、社会人にとって最大の利点です。
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30代・40代から社会人が予備試験に挑戦しても合格できますか?
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年齢に関する制限はなく、30代・40代から予備試験合格を経て司法試験合格を達成している社会人も毎年複数存在します。予備試験には受験資格・年齢上限・学歴要件が一切なく、職務経験を法律実務基礎科目や口述試験の場面で活かせる側面もあります。実務で培った文書作成経験や論理的思考は、論文式試験の答案構成にも応用が利きます。一方で学習時間の確保が最大の課題となるため、開始時点から「週15時間以上を継続できる生活設計」をセットで考えることが重要です。
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社会人が予備試験合格までに必要な勉強時間はどれくらいですか?
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社会人が予備試験合格を目指す場合、最低でも2年の学習期間と1週間あたり15時間程度の学習時間が目安となります。これは平日に1日2時間、土日に合計5時間程度の積み上げに相当し、この水準を確保できないと2年での短期合格は現実的でなくなります。週15時間未満しか確保できない場合は、3年以上の長期計画に組み替える方が合理的です。論文式試験の対策には机に向かう20分以上のまとまった時間も必要なため、答案構成だけでもまとまった時間を週末に確保する設計が効果的です。
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仕事をしながら法科大学院夜間コースに通う場合、どのような生活スケジュールになりますか?
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平日は6時頃に起床して出勤前後の通勤時間を学習に充て、9時から18時頃まで勤務した後、18時30分から21時まで授業を受け、帰宅後に1時間程度の復習を行うのが典型的なリズムです。土曜日は朝9時から夕方18時まで授業が組まれる場合が多く、自由時間は実質的に日曜日のみとなります。通勤時間・昼休み・帰宅後のスキマ時間の活用が、講義以外の自主学習時間を確保するカギです。家族との時間や体調管理も含めて持続可能なリズムを設計しないと、修了前に挫折するリスクが高まります。
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夜間コースの修了に長い期間がかかるのはなぜですか?
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夜間コースは全日制と同じ単位数の取得が修了要件として求められる一方、講義時間が平日夜間と土曜日に集中するため、未修者は4年・既修者は3年などの長期履修学生制度を利用するケースが一般的です。仕事や家庭の事情で授業欠席が重なると単位取得が遅れ、6年以上の在籍となる場合もあります。「夜間コースだから単位が少ない」ということはなく、修了要件は全日制と同等水準である点を、入学前に正しく理解しておく必要があります。
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社会人が予備試験を目指すのは無理だと言われる理由は何ですか?
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「無理」と言われる主な根拠は、予備試験全体の合格率が4%前後と低く、社会人は専業受験生に比べて学習時間の確保が難しい点にあります。ただし合格率の低さは「受験資格がなく誰でも受験できる」という制度設計から生じる数字で、十分な学習時間と適切な教材・指導体制が揃えば社会人の合格事例は毎年継続的に出ています。2025年度司法試験でも公務員・会社員・自営業など多様な職種の社会人が予備試験ルートで合格しており、「無理」という言説は受験前提を踏まえずに合格率だけを切り出した評価と言えます。
7. 社会人の司法試験合格には予備試験ルートが現実的な選択
仕事をしながら司法試験合格を目指す社会人は、法科大学院夜間コースと予備試験ルートを合格率と修了年数の両面から比較することが重要です。2025年度の合格率は予備試験ルートが90.68%、法科大学院既修者ルートが21.91%と4倍以上の差があり、学習時間が限られる社会人にとってこの数字は選択の根拠として重みを持ちます。
最後に、今回の記事のポイントをまとめます。
- 夜間コースを開講する法科大学院は全国2校(筑波大学・日本大学)のみで、いずれも首都圏に所在するため、地方在住者が物理的に通える選択肢は限られる。
- 夜間コースの修了年数は全日制より長くなる傾向があり、日本大学では未修者コース4年・既修者コース3年の長期履修制度が標準的な在籍モデルとなっている。
- 夜間コースの学費は全日制と同水準で設定される場合がほとんどで、在籍年数が延びると総額負担が全日制と同等かそれ以上になるケースもある。
- 予備試験合格を目指す社会人の目安は週15時間・最低2年間の継続。通勤・昼休みのスキマ時間と週末の論文対策時間を組み合わせた設計が長期継続のカギとなる。
法科大学院夜間コースへの進学を検討しているなら、まず志望校の過去問で現在地を確認することが出発点となります。予備試験ルートを選択した社会人は、週15時間を無理なく確保できる生活設計を先に組み立てることが、長期の学習継続につながります。
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