行政書士の入管業務とは?3名の実務家が語るやりがいと難しさ
キャリア
【記事のポイント】
- 業務内容:在留資格の申請書類の作成と出入国在留管理局への取次ぎを担う仕事です。
- 報酬目安:手続き1件あたり数万円から十数万円が目安で、帰化など高単価の手続きもあります。
- 将来性:在留外国人は412万人と過去最高を更新し、これからの行政書士にとって有望な分野です。
- 始め方:まず申請取次行政書士になり、実務を経験のなかで身につけていくのが王道です。
- 実例:集客・語学・専門性をめぐる現場の声を、第一線の行政書士が語ります。
外国人が増え続ける日本で、在留資格の手続きを支える行政書士の仕事に関心を持つ方は少なくありません。とはいえ、入管業務とは具体的に何をするのか、本当に食べていけるのか、自分にも始められるのか、わからないことも多いのではないでしょうか。
この記事では、日本行政書士会連合会の公的データなどをもとに、入管業務の仕事内容・報酬の目安・将来性・始め方を解説します。あわせて、入管業務の第一線で活躍する行政書士3名の声から、集客の工夫や語学との向き合い方、仕事のやりがいといった現場のリアルをお伝えします。
【目次】
1. 行政書士の入管業務とはどのような仕事か?
行政書士の入管業務とは、外国人が日本で暮らすための在留資格について、申請書類の作成や出入国在留管理局への取次ぎを行う仕事です。
在留資格の手続きは、書類をそろえれば誰でも通るものではありません。一人ひとりの事情に合った資格を見極め、日本で暮らす理由を入管に適切に伝える必要があります。こうした見極めと書類作成には専門知識が必要です。そのため、行政書士が、外国人やその家族、外国人を雇う企業と、出入国在留管理局との間に入って手続きを支えています。
1-1. 行政書士の入管業務で扱う在留資格とは?
入管業務で扱う在留資格は、「活動に応じた資格」と「身分・地位に応じた資格」の2種類に大きく分かれます。
| 区分 | どのような資格か | 主な在留資格の例 |
| 活動に応じた 在留資格 | 日本で働く・学ぶなど 特定の活動をするため の資格 | 技術・人文知識・国際業務 (会社で働く技術者・通訳 など)、技能(調理師など) 経営・管理(会社の経営者 ・管理者)、留学(留学生) |
| 身分や地位に 応じた在留資格 | 日本人の家族であるなど 本人の身分に基づく資格 | 日本人の配偶者等、永住者 定住者 など |
1-2. 入管業務の中心となる3つの手続き
入管業務の中心となるのが、在留資格にかかわる次の3つの手続きです。それぞれ、「認定」「変更」「更新」と呼ばれ、外国人の状況によって、どの手続きを行うかが決まります。
| 手続き (通称) | どのような ときに行うか | 対象者 |
| 在留資格認定 証明書交付申請 (認定) | 新たに在留資格 を得るとき | 海外にいる 外国人 |
| 在留資格変更 許可申請 (変更) | 持っている在留 資格を別の資格 に変えるとき | 日本にいる 外国人 |
| 在留期間更新 許可申請 (更新) | 同じ在留資格の 期間を延ばす とき | 日本にいる 外国人 |
このほかにも、日本で生まれた外国人の子などが対象となる「在留資格取得許可申請」といった手続きがありますが、中心となるのは認定・変更・更新の3つです。
実際の相談では複数の手続きが組み合わさることもあります。たとえば短期滞在で来日中の外国人が日本人と結婚した場合、いったん認定を経てから変更へ進むなど、状況に応じた判断が必要になります。
2. 入管業務で活躍する国際行政書士3名のリアル
入管業務で活躍する3名の行政書士から、集客・差別化・専門性という3つの角度から、仕事のリアルを見ていきます。
依頼はどう来るのか、語学力は差別化になるのか、どんなやりがいがあるのか。伊藤塾の「明日の行政書士講座」に登壇した3名の実務家の話をもとに、入管業務の実際をお伝えします。
(※以下は各講演の内容を要約・再構成したもので、一部、わかりやすさのために表現を調整・補足しています。ご本人の発言をそのまま引用したものではないため、正確な内容は各登壇動画をご確認ください。)
2-1. 紹介が9割・山口先生が語る入管業務の集客
1人目に紹介するのは、東京の小岩で国際業務(入管業務)を専門とする山口拓朗先生です。
【伊藤塾】第134回 明日の行政書士講座 「下町の国際系行政書士~出会いから繋がりへ~」
① 入管業務の依頼は、どこから来るのか?
山口先生の事務所では、依頼の95%以上が紹介によるもので、飛び込みの依頼はほとんどないそうです。
広告に頼らずとも依頼が絶えないのは、紹介の連鎖があるからだといいます。一人の依頼者の手続きを誠実にやり遂げると、その依頼者の満足が知人や家族へと伝わり、次の相談につながっていきます。
この紹介の連鎖があるからこそ、山口先生の事務所では、宣伝らしい宣伝をしなくとも、依頼が絶えない状態が実現できているそうです。
② なぜ入管業務では、紹介による依頼が多いのか
入管業務で紹介が多いのは、依頼者の多くが外国人どうしのつながりのなかで暮らしているからです。
山口先生の事務所では、あるフィリピン料理店のオーナーから相談を受けたことをきっかけに、フィリピン人コミュニティへと依頼が広がっていったといいます。
一人の依頼を誠実にやり遂げると、その評判が次々と口コミで伝わっていきます。同じ国の出身者の間では、こうした頼りになる専門家の評判が驚くほど早く伝わっていき、なかには「名刺をケースで頂戴」と言ってくるようなお客様もいるそうです。
こうした広がりの結果、山口先生の事務所では顧客の約8割をフィリピン人が占めるまでになったといいます。
③ 一つの出会いが、次の依頼につながる
山口先生は、一つの出会いを大切にすることが、その人の周囲へと次々に依頼を広げていくといいます。
たとえば、山口先生の事務所ではフィリピン人の方から会社設立の相談を受けた際、雑談のなかで「友人が半年前に離婚した」とお客様が漏らしたことがあったそうです。
山口先生はそこで、日本人の配偶者として在留資格を持っている外国人が離婚後に必要な手続きに気づきます。すぐに友人に連絡を取ってもらうと、案の定、在留資格の期限が迫っているのに何も手をつけていなかったそうです。
この山口先生の気づきによって、その友人は直前で申請して在留資格を守ることができました。そして結果的に、会社設立の相談者、離婚した友人、そして付き添いで来た友人まで全員が、山口先生の依頼者になったそうです。
こういった、一つの出会いを大切にするという姿勢が新たな依頼を広げていくのです。

出典:伊藤塾YouTube「【伊藤塾】第134回 明日の行政書士講座 「下町の国際系行政書士~出会いから繋がりへ~」」
2-2. 語学と法律の掛け算・横山先生が語る行政書士の差別化戦略
2人目に紹介するのは、東京の日本橋茅場町で、主に中国語を使って入管業務に取り組む横山晋先生です。
【伊藤塾】第138回 明日の行政書士講座 「中国語を使った行政書士の入管業務についての一考察」
① 語学力は入管業務でどう活きるのか?
横山先生によれば、語学には依頼者の心理的な負担をやわらげるという効用があるといいます。行政書士が日本語だけで対応すると、外国人の依頼者はどうしても高圧的な印象を受けてしまい、ともすれば横柄な態度だと受け取られてしまいます。しかし外国語で話そうとすれば、それだけで行政書士の立ち位置が下がることになり、双方のバランスが取れるというのです。
現在、横山先生の事務所では中国系の顧客の半数が日本語をほとんど話さない方だといいます。こういった方に中国語で直接説明できるからこそ取り組めていることも、色々あるそうです。

出典:伊藤塾YouTube「【伊藤塾】第138回 明日の行政書士講座 「中国語を使った行政書士の入管業務についての一考察」」
② 入管業務にはどれくらいの語学力が必要なのか?
入管業務で必要な語学力は、「ビジネスレベル」の語学力だと横山先生は言います。そして意外なことに、雑談ができる日常会話レベルよりも、仕事で使うビジネスレベルのほうが、習得のハードルは低いそうです。
横山先生の言う「ビジネスレベル」とは、仕事で使う決まった言い回しに対応できれば十分、というレベルの語学力です。たとえば、入管業務でいえば、在留資格の名称や申請の要件など、実際に使う言葉はある程度決まった範囲にとどまります。そのため、決まったフレーズを覚えて、よくある質問への答えを用意しておけば対応できます。
これが、仮に映画の感想を語り合うような日常会話であれば、話題が際限なく広がっていくため、特定の言葉だけ覚えていても対応はできません。
一見すると逆に見えますが、実は入管業務で求められる語学力というのはハードルが高いものではない、と横山先生は語ります。

出典:伊藤塾YouTube「【伊藤塾】第138回 明日の行政書士講座 「中国語を使った行政書士の入管業務についての一考察」」
③ 語学力と法律知識の掛け算が、行政書士としての希少性になる
横山先生が大切にされているのが、「才能の掛け算」という考え方です。
横山先生は、法学部の出身ではなく、中国語を専門的に学んだわけでもありません。そのため、行政書士としてのスキルも中国語も、それぞれ単体では凡庸だと語ります。しかし、その二つを掛け合わせたときに、希少性が生まれたといいます。
一つの分野で抜きん出るのは限られた人にしかできませんが、平凡な要素でも掛け合わせれば、戦える場所が見えてきます。大切なのは、ずば抜けた才能を一つ持つことではなく、すでに持っているものをどう組み合わせるかを考えることです。
中国語ができなければ行政書士を続けてこられなかった、と横山先生は振り返ります。
2-3. 専門性で結果が変わる・栗栖先生が語る入管業務のやりがい
3人目に紹介するのは、フィリピン関連の案件を中心に、年間500件を超える依頼を受ける栗栖 好朗先生です。
【伊藤塾】第121回 明日の行政書士講座「フィリピン人からの受任案件、毎年500件以上!!渉外戸籍及び入管業務から知る行政書士業務の本質」
① 入管業務は担当する行政書士の専門性によって結果が変わるのか?
栗栖先生は、入管業務では同じような事案でも行政書士によって結果が変わるといいます。
これは、入管の審査が「前例があれば通る」というものではないからです。他の許認可申請とは異なり、同じような事案でも、説明の仕方や担当する審査官の考え方によって結果が変わるのが、入管業務の特殊性だといいます。
これが入管業務の面白い部分でもあり、高い専門性が要求される要因ともいえます。
② 入管業務に求められる専門性とは何か?
入管業務で求められる専門性とは、条文や判例、入管が示す審査の基準を用いて、許可されるべき理由を主張する力です。
たとえば在留資格の更新や変更では、許可するに足りる「相当の理由」があるかどうかが問われます。この判断のよりどころとして、最高裁の判例や、入管が内部で用いる審査の基準を引用し、なぜ許可されるべきかを書面で丁寧に立証していきます。
審査官に対して、「相当性の判断が入る余地はなく、事実認定だけの羈束行為であって、審査官の裁量が働く余地はない、と行政書士の側から強く主張していく必要がある」と栗栖先生は語ります。
③ 専門性が高いからこそやりがいがあり、それに見合った報酬を得られる
高い専門性が求められるからこそ、入管業務は報酬に見合う手応えのある仕事になります。
ここで紹介した栗栖先生が専門とするのは、結婚や離婚、認知など、外国人の身分関係にもとづく在留資格の手続きです。その人の家族や人生に直接かかわる案件が多く、なかには、制度の壁が立ちはだかる難しい相談もあるといいます。
もちろん簡単な仕事ではありません。しかし、「だからこそ奥が深く、やりがいがあり、それに見合った報酬(高額な報酬)を得られるお仕事だ」と栗栖先生は語ります。
3. 行政書士の入管業務の報酬はどれくらいか?
入管業務の報酬は手続きの種類で幅があり、更新は5万円台、認定・変更は10万円前後、帰化は10万円台後半が目安です。手続きごとの金額は以下のとおりです。
| 手続き | 平均額 | 最も多い価格帯 (最頻値) |
| 在留資格認定 証明書交付申請 (就労資格) | 約120,000円 | 110,000円 |
| 在留資格変更 許可申請 (就労資格) | 約103,000円 | 110,000円 |
| 在留期間更新 許可申請 (就労資格) | 約56,000円 | 55,000円 |
| 永住許可申請 | 約145,000円 | 100,000円 |
| 帰化許可申請 (被雇用者) | 約188,000円 | 150,000円 200,000円 |
出典:日本行政書士会連合会「令和7年度報酬額統計調査の結果」
報酬額統計では、在留資格の手続きが資格の区分ごとに集計されています。上の表の認定・変更・更新は、いずれも企業からの依頼が多い就労資格の数値です。永住許可は身分にかかわる資格の手続きにあたります。
なお、統計が示すのはあくまで平均的な水準です。こうした相場をふまえつつ、実際には行政書士ごとに異なった値付けをしていくことになります。
たとえば、2章で紹介した横山先生の事務所では、報酬は依頼者の国籍ごとではなく、更新や変更といった手続きのパターンごとに設定しているそうです。料金は着手金と成功報酬の二段階に分けるのが基本で、案件の見通しに応じて調整していると言います。
※行政書士の年収については、こちらの記事で詳しく解説しています。
4. 在留外国人412万人と過去最高、行政書士の入管業務の将来性は高い
在留外国人の増加を就労資格がけん引しており、企業からの申請依頼が今後も継続的に見込めます。
2025年(令和7年)末の在留外国人数は412万5,395人で、初めて400万人を超えて過去最高となりました。前年末からの増加数は35万6,418人、率にして9.5%にのぼります。この増加は在留資格によって偏りがあり、なかでも就労にかかわる資格が伸びをけん引しています。
(出典:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」)
企業が外国人を雇うための「特定技能」は前年末から約10万6千人、「技術・人文知識・国際業務」が約5万7千人増えました。こうした就労資格の伸びは、企業からの申請依頼が今後も続くことを示しています。
在留外国人が増えれば、新たな在留資格の取得だけでなく、その後の更新や変更、家族の呼び寄せなど、関連する手続きも継続的に生まれます。一人の外国人とのつながりが複数の手続きへ広がりやすいことは、2章で見た紹介中心の依頼構造とも重なるといえるでしょう。
5. 行政書士が入管業務を始めるには?
入管業務を始めるには、まず申請取次行政書士になることが必要です。
ここでは、入管業務に取次資格が必要な理由、研修だけでは身につかない実務の力、経験の浅いうちに注意したい違法な依頼の3点を順に見ていきます。
5-1. なぜ申請取次行政書士になる必要があるのか?
申請等取次者の資格を得なければ、書類の作成までしかできないからです。
在留資格にかかわる申請は、本人出頭が原則です。そのため、行政書士が書類を作成しても、実際に手続きを進めるには、外国人本人が地方出入国在留管理局へ出向いて提出する必要があります。
この例外が、「申請等取次制度」です。行政書士が申請等取次者(申請取次行政書士)になると、本人の出頭が原則として免除されます。そのため、書類の作成だけではなく、本人の申請の取次ぎまで扱えるようになります。(出典:出入国在留管理庁「申請等取次制度」)
申請取次行政書士になるには、所属する行政書士会を通じて地方出入国在留管理局に届け出るとともに、日本行政書士会連合会が実施する研修を受け、届出済証明書の交付を受けることが必要です。
5-2. 申請取次研修だけで実務がこなせるようになるのか?
個々の事案にどう対応するかという実務の力は、申請取次の研修だけでは身につきません。
研修で学ぶのは、申請を取り次ぐための基礎的な知識であり、実際には求められる書類や立証の仕方は案件ごとにまるで異なるからです。そのため、研修を終えただけで個別の案件に対応できるようにはなりません。
では、どのように実務を覚えていけばよいのか。一般的なのは、自分で事務所を開いてから、一件ずつ手がけて覚えていく方法です。最初は判断に迷う場面も多いですが、先輩に相談したり、書籍や入管が示す審査の基準で確かめたりしながら進めるうちに、知識が身についていきます。そのほか、入管業務を扱う行政書士事務所に勤めて経験を積んだり、勉強会に参加したりしながら、知識を補っていく人もいます。
5-3. 入管業務で注意すべき違法な依頼とは?
入管業務には、ときに違法な申請への誘いが紛れ込むことがあり、特に経験の浅いうちは注意が必要です。
とくに気をつけたいのが、申請者本人ではない第三者から持ちかけられる依頼です。国際業務を手がける吉尾一朗先生によれば、申請取次の資格を得ると、友人が結婚するので書類を作ってほしい、本人は忙しいのでサインだけでよい、といった電話がかかってくることがあるそうです。東京の小岩で国際業務を手がける山口拓朗先生も、間に入る人物が中間マージンを求めてくることがあると語ります。
(出典:伊藤塾YouTube【行政書士実務講座】吉尾一朗先生×山口拓朗先生による国際業務コラボイベント「興味を持って、 正しく恐れる実務のハナシ!」)
そして、さらにやっかいなのが、こうした依頼が必ずしも露骨な形で来るわけではない点です。あからさまな誘いなら気づけますが、自然な相談の形をとって現れることも少なくありません。
こうした依頼を見抜くために、山口先生は、申請者本人と必ず直接会って話すことを大切にしているといいます。間に立つ人物を通さず本人と向き合えば、事情に食い違いがないかを確かめられるためです。本人と話すことを渋る相手とは、取引をしないそうです。
このような現場での判断力も含め、入管業務には経験のなかで培っていく力が多くあります。こうした力を独力で身につけるには時間がかかりますが、第一線で活躍する実務家から学ぶことで、効率よく身につけられます。
伊藤塾では、入管業務を含む行政書士実務の全体像や業務の流れ、案件を判断するための考え方を学ぶ講座として「行政書士実務講座」を提供しています。実務に不安や戸惑いを感じている方は、ぜひご活用ください。
※講座の雰囲気は、こちらの紹介動画からご覧いただけます。
6. 行政書士の入管業務に関するよくある質問(FAQ)
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ビザと在留資格は違うのですか?
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ビザと在留資格は別のものです。ビザ(査証)は、外国人が日本に入国する前に、海外の日本大使館や領事館で発給を受けるもので、入国するための鍵のような役割を持ちます。一方、在留資格は、日本に滞在して活動するための法的な資格です。日常会話では入国から滞在までをまとめて「ビザ」と呼ぶことが多いですが、法律上、両者は別の制度です。行政書士が入管業務で主に扱うのは在留資格にかかわる手続きです。(出典:外務省「ビザ(査証)」)
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ビザ申請も行政書士が行うのですか?
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ビザ(査証)そのものの申請は、海外にいる外国人本人が現地の日本大使館や領事館に対して行うものであり、行政書士の業務には含まれません。行政書士が担うのは、その前提となる在留資格認定証明書の交付申請など、日本国内の出入国在留管理局に対する手続きです。
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就労系と身分系の在留資格は何が違うのですか?
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就労系は、日本で行う仕事の内容にもとづいて与えられる在留資格です。技術・人文知識・国際業務や経営・管理などが当てはまり、認められた範囲の活動しかできません。身分系は、日本人の配偶者や永住者など、本人の身分や地位にもとづく在留資格で、活動内容に制限がありません。どちらを扱うかで、求められる書類や立証のしかたが変わります。
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ピンクカードとは何ですか?
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ピンクカードとは、申請取次行政書士であることを示す届出済証明書の通称です。カードの色がピンクであることから、実務上こう呼ばれています。
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申請取次研修は、いつから受講でき、いつ実施されていますか?
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申請取次の研修は、行政書士として登録し、行政書士会に入会した会員になってから受講できます。行政書士試験に合格しただけの段階では受講できません。
新たに申請取次業務を始める方が対象の事務研修会は、年に数回実施されています。2026年度(令和8年度)は、新規向けの事務研修会が6月、9月、11月に受講期間が設けられています。ビデオ・オン・デマンド方式のため、受講期間内であれば自宅や事務所で、いつでも何度でも受講できます。
(出典:日本行政書士会連合会「申請取次関係研修会の開催について」)
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申請取次研修を受講するために、費用はいくらかかりますか?
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申請取次の研修の受講料は、新規向けの事務研修会が30,000円(税込)、更新向けの実務研修会が15,000円(税込)です。新たに申請取次業務を始める場合は、事務研修会の受講料がかかります。
(出典:日本行政書士会連合会「申請取次関係研修会の開催について」)
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英語ができないと入管業務はできませんか?
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英語ができなくても入管業務はできます。在留資格にかかわる手続きで使う用語や説明は、ある程度パターンが決まっているため、必要な範囲で意思疎通ができれば対応は可能だからです。日本語でやり取りできる依頼者も少なくありません。
ただし、語学ができると対応できる依頼者の幅が広がります。語学は必須ではありませんが、自分の専門性と組み合わせれば、ほかの行政書士との差別化につながります。
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入管業務は危険ですか?
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入管業務そのものが危険なわけではありません。ただし、申請者本人ではない第三者から、偽装就労や偽装結婚といった違法な申請を持ちかけられることがあり、知らずに関わると資格を失いかねません。こうした依頼を見極めて断ることが大切です。
特有のリスクがあることは事実ですが、第三者を介した不自然な依頼を避け、本人確認を徹底する姿勢を保てば、過度に恐れる必要はありません。
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入管業務は儲かりますか?
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取り組み方しだいですが、安定した収入を得ている行政書士はいます。帰化のように比較的単価の高い手続きがあるうえ、一人の依頼者から更新・変更・家族の呼び寄せと手続きが続くことも多く、関係が長く続きやすいのが入管業務の特徴です。
※行政書士の収益を増やす戦略については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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入管業務は本だけでも学べますか?
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入管業務の基礎的な知識は、書籍からも学べます。入管法の解説書や、申請書類の記載例をまとめた実務書が市販されています。
ただし、実際の案件は事情が一件ずつ異なるため、本の知識だけで個別の対応まで身につけるのは簡単ではありません。また、不正な申請への誘いといった、実際に案件を手がけて初めて直面するリスクもあります。
一人で覚えようとするのではなく、経験のある行政書士に相談したりしながら身につけていくのが現実的です。
7. 行政書士の入管業務は専門性が武器になる成長分野
行政書士の入管業務は、在留外国人の増加を背景に、需要が広がり続ける分野です。手続きの正確さだけでなく、依頼者との信頼関係や積み重ねた専門性が成果を左右し、続けるほど強みが育っていきます。
- 入管業務は、在留資格の申請書類の作成と出入国在留管理局への取次ぎを担う仕事で、認定・変更・更新が手続きの中心となる。
- 依頼は人づての紹介でつながることが多く、語学力や専門性が他の行政書士との違いを生む。
- 報酬は手続きごとに幅があり、更新は5万円台、認定や変更は10万円前後、帰化は10万円台後半が目安となる。
- 在留外国人は2025年末に412万人を超えて過去最高となり、就労資格を中心に手続きの需要が続いている。
- 業務を始めるには申請取次行政書士になることが必要で、実務は経験を通じて身につけていく。
これから入管業務を専門にするか迷っている方は、まず在留資格の全体像と手続きの流れをつかむとよいでしょう。すでに学習を進めている方は、実務家が判断を積み重ねる過程に目を向けると、次の一歩が見えてきます。
入管業務の実務を体系的に学びたい方に向けて、伊藤塾では「行政書士実務講座」を開講しています。実務への第一歩を踏み出す助けとして、ぜひご活用ください。