敷金礼金なしはやめたほうがいい?デメリットを避けて賢く物件を選ぶコツ
不動産の費用・お金
「初期費用が安くて助かるけど、本当に大丈夫なのかな…。」
「敷金・礼金がないのには、何か裏があるのでは?」
こんな不安を抱えつつも、初期費用の安さに惹かれて敷金・礼金なしの物件を探している方も多いのではないでしょうか。
そんな方に向けて、この記事でお伝えしたいポイントは以下の3つです。
● 初期費用の安さが最優先なら、敷金・礼金なしは賢い選択
● ただし、敷金・礼金なしの物件ならではのデメリットも多い
● 特に、契約書の内容(不利な特約がないか)は必ず確認が必要
この記事では、敷金・礼金なし物件のメリット・デメリットをできる限りフラットな視点で取り上げつつ、デメリットを避けて賢い物件選びをするためのポイントを、わかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、敷金・礼金なしの物件を選んでいいのか、それとも避けるべきなのか、正しく判断できるようになります。
【目次】
1. 敷金・礼金なし物件はやめたほうがいい?
冒頭でもお伝えしたとおり、とにかく「初期費用を安くする」というのが最優先なら、敷金・礼金なしの物件に絞って探すのは賢い選択です。
敷金の相場は家賃の1〜2ヶ月分、礼金の相場も家賃の1〜2ヶ月分程度なので、仮に家賃7万円なら14〜28万円ほど初期費用が安くなります。
一方で、「なぜその物件は敷金・礼金をゼロにしているのか」という点も考える必要があります。物件によっては、入居者が集まりにくい不人気物件のため、初期費用を下げて募集しているというケースもあるからです。
予算に余裕があるなら敷金・礼金にこだわるのではなく、メリット・デメリットの両面を理解したうえで自分に合った物件を選ぶことが大切となります。
次章から、そのために知っておくべきメリット・デメリットを順に紹介していきます。
2. 敷金・礼金なし物件のメリット2つ
まずは、敷金・礼金なしの物件のメリットを確認していきましょう。
- 入居時の初期費用を大幅に抑えられる
- 敷金の返還トラブルに巻き込まれるリスクがない
2-1. 入居時の初期費用を大幅に抑えられる
最大のメリットは、入居時の初期費用を大幅に抑えられることです。
賃貸物件に入居するときには、仲介手数料なども含め、一般的には家賃の5〜7ヶ月分の初期費用がかかります。家賃7万円の物件なら35〜49万円程度の出費となるため、これだけの金額を用意するのが難しいという人も多いでしょう。
一方で、敷金・礼金なしの物件なら、家賃が同じ7万円の場合、14〜28万円ほど初期費用を抑えられます。まとまったお金を用意できない方はもちろん、転勤や進学で短期間だけ住む方も選びやすくなります。
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2-2. 敷金の返還トラブルに巻き込まれるリスクがない
敷金の返還トラブルに巻き込まれるリスクがない点もメリットです。
退去時に不当な原状回復費用を請求された場合、敷金ありの契約では「預けたお金から差し引かれる前に取り戻す」という交渉が必要になります。一方、敷金なしの場合は「この請求は本当に妥当か」を事前に確認・判断してから支払いに応じることができるため、交渉上の立場が有利になりやすいというメリットがあります。
ただし、正当な請求に対しては当然支払い義務が生じます。契約書や重要事項説明の内容をしっかり確認したうえで、請求の妥当性を見極めることが大切です。
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3. 敷金・礼金なし物件のデメリット3つ
続いて、敷金・礼金なしの物件のデメリットを紹介します。
- 室内や周辺の環境に注意が必要な物件もある
- 入居者に不利な特約が入っているリスクがある
- 家賃・管理費が高い可能性がある
3-1. 室内や周辺の環境に注意が必要な物件もある
1章でも触れたとおり、敷金・礼金をゼロにしている物件の中には、下記のような問題があり入居者が集まらないため初期費用を下げて募集しているケースもあります。
- 築年数が古く設備が劣化している
- 水回りにカビや汚れが目立つ
- 日当たりが悪い
- 治安が悪い など
空室を埋めるために入居審査の基準が緩く、共用部分のゴミの放置や夜間の騒音など、住人のマナーに問題がある物件も存在します。
もちろんすべての物件が該当するわけではありませんが、「人気のある物件はわざわざ敷金・礼金をゼロにする必要がない」という視点は持っておきましょう。
3-2. 入居者に不利な特約が入っているリスクがある
契約内容に、借主にとって不利な特約が盛り込まれているケースもあります。
特に注意したいのが原状回復費用の扱いです。原状回復費用は、本来、経年変化や通常損耗は貸主負担とするのが原則ですが、敷金ゼロ物件のなかには「通常損耗・経年変化を含めて借主負担とする」という条項が入っている物件があります。
特約が有効な場合、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」よりも特約が優先されるため、初期費用で浮いた金額以上の支払いが発生するリスクがあります。
※「原状回復特約」が有効になる条件は、以下の記事で詳しく解説しています。
3-3. 家賃・管理費が高い可能性がある
敷金・礼金をゼロにする代わりに、月々の家賃や管理費に上乗せして回収するケースがあります。
たとえば、同じエリア・同じ間取りの物件が家賃6万円(敷金1ヶ月・礼金1ヶ月)で募集されているのに対し、敷金・礼金なしの物件が家賃7万円で募集されているとします。この場合、2年間住むと家賃の差額だけで24万円になり、初期費用で浮いた12万円を大きく上回ります。
トータルでみれば、「敷金・礼金なし=お得」とは限らないのです。
4. 敷金・礼金なし物件で失敗しないためのチェックポイント
ここまで解説したとおり、敷金・礼金なしの物件には「初期費用が大幅に安くなる」というメリットもありますが、「契約内容などに注意が必要」というデメリットもあります。
4章では、これらのデメリットを回避して失敗のない物件選びをするためのポイントを解説していきます。
- 契約書の特約・重要事項説明などを確認する
- 周辺物件との家賃相場を比較する
- 内見のタイミングで室内及び周辺の環境をチェックする
4-1. 【最重要】契約書の特約・重要事項説明などを確認する
まず大切なのが、契約書や重要事項説明書の内容をしっかりと読み込むことです。
これらの書面には、家賃だけでなく、契約期間、更新の条件、解約時の手続き、原状回復の範囲、退去時の費用負担といったルールが記載されています。
賃貸物件のトラブルの多くは、この契約書や重要事項説明書の内容をよく読んでいなかったことに起因します。必ず署名前に内容を確認してください。
特に以下の点は入念にチェックしましょう。
- 原状回復に関する特約(通常損耗・経年変化まで借主負担になっていないか)
- 短期解約違約金(「1年以内の解約で家賃○ヶ月分」など)
- ハウスクリーニング、エアコンクリーニングなどの費用負担
- その他、借主に不利な費用負担の条項がないか
これらをチェックするだけでも、退去時に想定外の出費が発生するリスクを大幅に減らすことができます。
4-2. 周辺物件との家賃相場を比較する
次に大切なのが、周辺物件と家賃相場を比較することです。
敷金・礼金なしの物件には家賃や管理費が割高に設定されているケースがあります。不動産ポータルサイトなどで、同じエリア・間取り・築年数の物件を検索して、相場よりも高い金額になっていないかを確認してください。
特に長く住む予定の方ほど、この観点は重要になります。仮に敷金・礼金がかかっても、月々の家賃が安ければトータルの支払い総額は少なくなるからです。初期費用の安さだけではなく、入居から退去までのトータルコストで考えましょう。
4-3. 内見のタイミングで室内及び周辺の環境をチェックする
最後に大切なのが、物件を自分の目でチェックすることです。
先ほども解説したとおり、敷金・礼金なしの物件には室内や周辺の環境に何らかの問題がある物件も含まれている可能性があります。内見のタイミングで部屋の中はもちろん、共用部分や周辺環境まで含めて確認しましょう。
内見でチェックしたいポイント
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ)にカビや汚れ、老朽化がないか
- 日当たりや風通しは十分か
- ゴミ捨て場や駐輪場が適切に管理されているか
- 郵便受けにチラシが溢れている部屋が多くないか
- エントランスの掲示板に騒音やルール違反に関する注意喚起がないか
- 最寄り駅からの道のりや周辺の雰囲気に問題はないか
5. 敷金・礼金以外にも、知識不足で誤った判断をしてしまうケースは多い
ここまで、敷金・礼金なしの物件のメリット・デメリットと、契約前に確認すべきポイントを解説してきました。初期費用の安さだけで判断するのではなく、契約内容や家賃相場、室内及び周辺の環境までトータルで見ることが大切だとお分かりいただけたかと思います。
不動産賃貸では、このような敷金・礼金に関するものだけではなく、他にも知識がないばかりに失敗してしまうケースが数多くあります。
5-1. 実際に発生している不動産賃貸のトラブル事例
国民生活センターには、毎年3万件を超える不動産賃貸に関する相談が寄せられており、さまざまなトラブル事例が報告されています。
- 敷金礼金不要のアパートを退去したら、契約書の記載と異なるエアコン清掃代や入居前からあったフローリングのキズの修繕費用まで請求された。
- アパートを退去した際、自分では通常損耗だと思う箇所の修繕費用や、契約書に記載のない費用を請求され納得できない。
- 敷金礼金不要のアパートを退去した際にシャワーヘッドの交換費用を請求され、入居時から不具合があったと伝えたが証拠がないと言われた。 など
引用:国民生活センター「住み始める時から、「いつか出ていく時」に備えておこう!-賃貸住宅の「原状回復」トラブルにご注意-」
また、最近では物価上昇に伴って、家賃の値上げに関するトラブルも急増しています。
東京都の相談窓口に寄せられた賃料値上げに関する相談件数は、令和4年度から令和6年度のわずか2年間で3倍以上に増加しているそうです。
いずれも、
「すべての入居者にお願いしています。」
「オーナーが変わったので条件が変わります。」
といったもっともらしい理由を付けて請求されます。実際には法的根拠のない請求でも、知らずに受け入れてしまう人が後を絶ちません。
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5-2. 正しい判断をするには知識武装が必要
こうしたトラブルで損をしないためには、「不動産に関する法律知識」が必要です。
ただ、不動産に関する法律知識は、学校の授業で教わる機会がありません。自分から学ばない限り、知らないままになってしまいます。
「知っているか」それとも「知らないか」。それだけで数十万円・数百万円単位の差が生まれることも珍しくないのです。
人生のなかでは、賃貸契約や退去時の精算だけでなく、不動産の相続、マイホームの購入や売却など、大きなお金が動く場面が何度も訪れます。
損をせずに正しい判断をするには、自ら学んで知識を身につけるしかありません。
6. 人生で必要な不動産知識をトータルで学べるのが宅建士
こうした不動産の知識を体系的に学べるのが、宅建士(宅地建物取引士)という国家資格です。不動産業界で働く人のための資格と思われがちですが、
- 実用的な知識が身につく
- 就職・転職などのキャリアアップにつながる
といったメリットがあるため、業界を問わず年間20万人以上が受験する人気の国家資格となっています。
6-1. 宅建士試験で学ぶ知識は実生活で役立つものばかり
宅建士試験では、この記事で解説した契約書の特約の読み方や重要事項説明の仕組みはもちろん、借地借家法や建築基準法、不動産取引に関する法律など、賃貸・売買を問わず不動産に関わるあらゆる場面で必要となる知識を学びます。
- 賃貸契約で注意すべき法律上のルール
- 借地借家法に基づく借主の権利
- 重要事項説明で確認すべき項目とその意味
- 相続が発生したときの不動産の扱い など
5章で紹介したようなトラブルに対しても、宅建士の学習で身につく知識があれば「この請求はおかしい」「この条件は法律的にどうなのか」と自分で判断できるようになります。
6-2. 国家資格なので、就職や転職にも有利!
宅建士は、不動産取引の現場に欠かせない国家資格です。
不動産取引を行う業態の会社では、事務所ごとに従業員5人に1人以上の割合で宅建士を設置することが義務づけられています。宅建士が不足すると法令違反となり、最悪の場合は業務停止処分を受けるおそれもあります。
そのため、求人市場での宅建士ニーズは非常に高く、「宅建士有資格者歓迎」「資格手当あり」とされている求人も多いです。
実生活で役立つだけでなく、キャリアの面でも間違いなくプラスになる資格です。
7. 宅建士試験を目指すなら伊藤塾
「宅建士、ちょっと気になるかも…」と思っても、「法律なんて勉強したことないし…」「勉強する時間もないし…」という方におすすめなのが、法律資格の指導で30年以上の実績をもつ伊藤塾の「宅建士合格講座」です。
7-1. 現役宅建士による楽しい講義で、実際に使える知識が身につく
伊藤塾の宅建士講座が目指しているのは、「色々と楽しくなる講座」です。
宅建士、行政書士、司法書士として最前線で活躍している法律家が、現場のリアルなエピソードもふんだんに盛り込みつつ、あなたが自分ごととして学べるように楽しい講義を展開していきます。独学では続かなかったという方も、伊藤塾の宅建士講座なら楽しく学べること間違いなしです。
7-2. 1コマ約30分だからスキマ時間でも知識が積み上がる
仕事で時間がないという方も心配はいりません。
伊藤塾の講義は、スキマ時間でも学べるようにすべて1コマ約30分で設計されています。さらに、倍速機能を使えば1コマ約15分で視聴することも可能です。
いつでもスマホから受講できるので、忙しい社会人でも通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を使って勉強を進められます。
7-3. 合格に必要なものがすべて揃って39,800円!追加費用は一切かかりません
伊藤塾の宅建士合格講座は、合格に必要なものがすべてセットになって39,800円(税込)です。オリジナルテキスト、厳選過去問集、直前予想模試、スキマ学習に使える問題演習アプリ「It’s D」、さらにスクーリングやオンライン質問会まで、教材とサポートがすべて含まれています。
追加費用は一切かかりません。この講座だけで、無理なく合格を目指せます。
8. 敷金・礼金に関するよくある質問
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そもそも敷金・礼金とはなんですか?
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敷金とは、賃貸物件を借りるときに貸主に預けるお金のことです。家賃の滞納や退去時の原状回復費用に充てられ、使われなかった分は退去時に返還されます。礼金とは、貸主へ謝礼として支払うお金です。法律上の定義はなく、返還されません。
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なぜ敷金・礼金なしで募集している物件があるのですか?
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多いのは、敷金・礼金を設定すると入居者が見つからないというケースですが、物件によっても異なります。
なかには「保証会社への加入を条件にしている」という理由で敷金をゼロにしている物件もありますし、UR賃貸住宅(旧:日本住宅公団)のようにそもそも礼金は取らないという会社もあります。
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敷金は全額返ってくるのですか?
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全額とは限りませんが、大部分が返還されるのが一般的です。
敷金からは、主に退去時の原状回復費用が差し引かれますが、通常損耗・経年変化(普通に生活していて生じる汚れや劣化)は、貸主が修繕費用を負担します。そのため、故意に壁を傷つけたなどの事情がなければ、差し引かれる金額は少額で済むことが多いです。※こちらの記事も多くの方に読まれています。
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敷金・礼金以外にも、初期費用を安くする方法はありますか?
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あります。たとえば、仲介手数料の安い不動産会社を選ぶ、閑散期(4〜8月頃)に物件を探して礼金の値下げ交渉をする、火災保険を自分で安いプランに切り替える、見積もりの不要なオプション費用を外してもらうといった方法があります。
※以下の記事でさらに詳しい方法を紹介しています。
9. 【まとめ】敷金礼金なし物件のメリット・デメリットと選び方
本記事では、敷金・礼金が不要な賃貸物件のメリットとデメリットを比較し、賢く部屋探しをするためのコツを解説しました。
以下にポイントをまとめます。
- 敷金・礼金なし物件のメリット
入居時の初期費用を大幅に抑えられる点や、退去時における敷金の返還トラブルに巻き込まれるリスクがない点が挙げられます。 - 敷金・礼金なし物件のデメリット
人気がなく住環境が悪い物件が含まれる場合があることや、借主に不利な原状回復特約が盛り込まれているリスク、また月々の家賃・管理費が割高に設定されている可能性があります。 - 失敗を避けるための必須チェックポイント
契約書や重要事項説明書を入念に読み込んで特約を確認すること、周辺の家賃相場と比較してトータルコストを見極めること、内見時に水回りや共用部分などの住環境を自分の目で確認することが最重要です。 - トラブル回避には知識武装が必要
不当な退去費用の請求や家賃値上げなどの賃貸トラブルから身を守り、損をしない正しい判断をするためには、自ら学んで不動産に関する法律知識を身につけることが不可欠です。
賃貸契約はもちろん、将来のマイホーム購入や相続など、大きなお金が動く場面で損をしないためには、宅建士(宅地建物取引士)の学習を通じて実用的な法律知識を身につけることが非常に有益です。
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