社労士択一式で点数が伸びない人へ|科目別の得点戦略と勉強法を伊藤塾が解説

試験対策

「択一式、時間が全然足りなかった…」
「勉強したはずなのに、本番で選択肢を絞りきれない…」

社労士試験の択一式は5択形式ですが、7科目70問を210分で解く事務処理能力が求められます。一見シンプルに見えて、点数が伸びない受験生が多いのには理由があります。

その原因は、「暗記型の勉強」のままだからです。

近年は条文や判例に加え、ガイドラインや通達など、テキストに載っていない範囲からの出題も増加しています。すべてを暗記することはもはや不可能であり、合格ラインを超えるには「制度趣旨から正誤を判断する理解型の勉強」への切り替えが必要です。

この記事では、法律資格指導30年の伊藤塾が、択一式の特徴から科目別の得点戦略、未知の問題に対応するための勉強法のコツまで徹底解説します。

【この記事で分かること】
● 択一式の試験構造と、近年の出題傾向の変化
●「社会保険で稼ぎ、労働科目で守る」科目別得点戦略
● 未知の問題でも選択肢を絞れる「制度趣旨」思考の鍛え方
● 本番で時間切れにならないための演習法

この記事を読めば、択一式で何を優先すべきか、どう勉強すれば得点が伸びるかが分かります。択一式の得点を伸ばしたい方は、ぜひ最後までお読みください。

1. 社労士試験の択一式とは?

社労士試験の択一式とは、5つの選択肢から正しいもの(または誤っているもの)を1つ選ぶ形式の試験です。7科目・各10問の計70点満点で、試験時間は210分(3時間30分)です。

《択一式の概要》
 ● 試験時間:210分(3時間30分)
 ● 出題数:7科目×各10問=計70問(70点満点)
 ● 合格基準点:合計6〜7割以上かつ各科目4点以上

1-1. 択一式で出題される科目

択一式で出題されるのは、以下の7科目(各10問・合計70問)です。

科目問題数
労働基準法及び労働安全衛生法10問
労働者災害補償保険法(徴収法を含む)10問
雇用保険法(徴収法を含む)10問
労務管理その他の労働に関する一般常識
及び社会保険に関する一般常識
10問
健康保険法10問
厚生年金保険法10問
国民年金法10問

※社労士試験で出題される科目は、以下の記事で詳しく解説しています。

1-2. 合格基準点(合格点)は6〜7割が目安

択一式の合格基準点(合計点)は概ね6〜7割が目安です。
合計点に加え、各科目でも「10点中4点以上」を取る必要があります。1科目でも4点を下回ると不合格となるため、苦手科目を作らないことが重要です。
(※稀に、一部の科目に救済措置が実施されて基準点が3点になる場合があります。)

《合格点基準点の推移》

年度総得点の基準各科目の基準
2025年度
(令和7年度)
42/70各科目4点以上
※雇用保険のみ
3点以上
2024年度
(令和6年度)
44/70各科目4点以上
2023年度
(令和5年度)
45/70各科目4点以上

出典:
社会保険労務士試験オフィシャルサイト|第57回(令和7年度)社会保険労務士試験の合格基準及び正答
社会保険労務士試験オフィシャルサイト|第56回(令和6年度)社会保険労務士試験の合格基準及び正答
社会保険労務士試験オフィシャルサイト|第55回(令和5年度)社会保険労務士試験の合格基準及び正答

2. 社労士試験の択一式の特徴

択一式は、知識に加えて事務処理能力が問われること、ガイドラインや通達などからも出題されることの2つが大きな特徴です

  • 知識だけではなく、事務処理能力が問われる
  • 条文・判例だけでなく、ガイドラインや通達からも出題される

2-1. 知識だけではなく、事務処理能力が問われる

択一式試験は、法律の知識だけではなく、事務処理能力も問われる試験です。
210分で合計70問を解くので、1問あたりにかける時間は約3分しかありません。
1肢あたりに換算すると約36秒で正誤を判断する必要があります。

さらに、最近は問題冊子が60ページを超えることも珍しくなく、長文の事例問題も増えています。法律の知識はもちろん大切ですが、普段の勉強から問題を素早く読み解く力も鍛えておかなければ、時間内に解ききれません。

1つの選択肢の中に複数の論点が混ざっていることも多く、何が正しくて何が誤りなのかを瞬時に見極める力が求められます。

2-2. 条文・判例だけでなく、ガイドラインや通達からも出題される

法律の条文や判例だけでなく、ガイドラインや通達などからの細かい出題がされるのも、近年の択一式の特徴です。
たとえば2025年度の試験では、雇用保険法で行政手引きからの出題がありました。
行政手引き自体が1,500ページ以上あるため、テキストでもすべてはカバーしきれません
(出典:伊藤塾 社労士講座Law to Switch #3.5「特別編 本試験をふり返る! 合格にむけての試験戦略」受験した人からも「テキストに載っていなかったため、対応できなかった…」という声が多くありました。
こうした出題範囲すべてを暗記するのは不可能です。未知の問題に出くわしたときにどう対応するかも合否を分けるポイントになります。

3.  おすすめの択一式の得点戦略

択一式で合格ラインに乗るための基本戦略は、社会保険科目で得点を稼ぎ、労働科目は基本を確実に押さえて守ることです。

3-1. 社会保険科目を得点源にしよう

択一式では、社会保険科目(健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法)を得点源にするのがセオリーです。

社会保険科目は、労働科目に比べて難易度の変動が小さく、しっかりと勉強すれば安定して得点しやすい傾向があるからです。実際に2025年度の試験でも、労働科目が軒並み難化した一方で、社会保険科目は標準的な難易度にとどまっていました。
さらに、健康保険法と厚生年金保険法、国民年金法と厚生年金保険法のように、科目同士で制度の重なりが多いのも強みです。1つの知識が複数の科目に効くため、効率よく得点力を伸ばせます。

伊藤塾の渡辺講師は、受験生時代に12月から毎日、年金科目に取り組んでいたそうです。(出典:伊藤塾 社労士講座Law to Switch #3.5「特別編 本試験をふり返る! 合格にむけての試験戦略」社会保険科目はできるだけ早い時期から着手して、安定した得点源に仕上げておきましょう。

3-2. 労働科目は基本を固めよう

一方、労働科目(労基・安衛、労災、雇用、一般常識)は「守りの科目」です。
年度による難易度の変動が大きいため、難問を取りにいくよりも、基本的な問題を確実に拾うことを優先しましょう。2025年度の試験でも、雇用保険法の難易度が高く、補正(救済措置)が入っていました。

もっとも、難しいと言われる年でも基本的な知識で解ける問題は含まれています。そのため「どの問題は基本知識で解けるのか」、逆に「どの問題は深追いせず飛ばすべきなのか」の見極めがポイントとなります。

難問に時間を取られて、基本問題を落とすのが一番避けるべきパターンです。日頃から正確な知識を積み上げて、取れる問題を確実に取りましょう。

4. 択一式で合格ラインを超えるための勉強法のコツ3選

択一式で合格点を取るためのコツは、

  • 制度趣旨を意識した勉強をする
  • 「仮に正しかったら、制度として成り立つか?」という視点をもつ
  • タイムリミットを決めて演習する 

の3つです。それぞれ詳しく解説します。

4-1. 制度趣旨を意識した勉強をする

本番で知らない問題が出たときに必要なのは、「この制度は何のためにあるのか(制度趣旨)」から考える力です。細かい条文を覚えていなくても、制度の目的や役割を理解していれば、選択肢を絞ることができます。

伊藤塾では、行政書士・司法書士試験科を担当する平林講師が、実際にこの力を武器に社労士試験に挑戦しています。年金科目の勉強が間に合わなかったため、日頃の法律指導で培った「制度趣旨から正誤を判断する力」をふんだんに使って本試験に臨んだところ、「この目的の制度なら、この選択肢はありえない」といった推測で、複数の問題に正答できたそうです。

Youtube社労士講座特別編

出典:伊藤塾YouTube|社労士講座Law to Switch #2「特別編!令和7年度 社労士本試験ふり返り」

社労士試験は、かつて暗記中心の試験と言われていましたが、最近は制度全体として理解しているかを問う方向に変わっています。日頃の学習から制度趣旨を意識しておくことが、本番で未知の問題に対応する力につながります。

4-2. 「仮に正しかったら、制度として成り立つか?」という視点をもつ

過去問や問題演習で迷ったとき、「仮にこの選択肢が正しかったら、現実的に成り立つか?」と考えるクセをつけておきましょう。
たとえば、2025年度の労災保険法では「特別加入団体として承認を受けるためには、市町村ごとに事務所を設ける必要がある」という選択肢が出題されました。日本にある市町村の数を考えれば、民間団体にそれを求めるのは現実的に不可能です。このように、常識的に考えて無理がある選択肢は、知識がなくても消去できます。
この視点は本番だけでなく、日頃の演習から意識しておくことで自然と身につきます。明らかにおかしい選択肢を1つ消去できるだけでも、正答率は大きく上がります。

4-3. 「1科目20分」などのタイムリミットを決めて問題演習する

択一式では時間管理も合否に直結します。普段の演習から、科目ごとに制限時間を決めて解くトレーニングをしておきましょう。
伊藤塾の渡辺講師は、受験生時代に「1科目20分」というリミットを設定していたそうです。(出典:伊藤塾 社労士講座Law to Switch #3.5「特別編 本試験をふり返る! 合格にむけての試験戦略」時間内に解ききれない問題は後回しにして、まずは全科目に目を通す。解けなかった問題は、最後の見直し時間で改めて考える。
この流れを普段から決めておくことで、本番でも難問に引っ張られてパニックになるのを防げます。こういった時間配分の感覚は、一朝一夕では身につきません。演習や模試などで時間を計って解く習慣をつけておきましょう。

5. 社労士試験を目指すなら伊藤塾がおすすめ

ここまで択一式の得点戦略や勉強法のコツを紹介してきましたが、社労士試験は出題範囲が広く、合格までに必要な学習時間は1,000時間ともいわれます。
科目ごとの戦略を立て、制度趣旨を理解し、時間管理まで身につけるとなると、独学ですべてをカバーするのは簡単ではありません。本気で合格を目指すなら、ぜひプロの力を頼ってください。

5-1. 徹底的にこだわり抜いた「伊藤塾」品質の講義

伊藤塾は、法律系資格の受験指導校として30年の実績を持つ指導校です。
単なる暗記ではなく「制度趣旨から考える力」の養成にこだわった講義は、第4章で紹介した思考法をまさに体系的に学べる内容になっています。
近年の社労士試験で求められている「理解力」「現場での応用力」を徹底的に鍛え、試験本番に直結する得点力を養成する講義です。

5-2. 2025年度(令和7年度)本試験で的中!30年のノウハウが凝縮されたテキスト

伊藤塾が30年かけて培ってきたノウハウは、教材にも反映されています。
2025年度の社労士試験では、国民年金法の選択式5問中3問が伊藤塾のテキストからそのまま出題されました。
出題ポイントを的確に押さえたテキストで、効率よく合格に必要な知識をインプットできます。
(出典:第57回(令和7年度)社会保険労務士試験講評・雑感

社労士講座テキスト

5-3. 社会人受験生のために開発した独自アプリ「問題演習アプリ It’sD」

働きながら受験する社会人にとって、限られた時間でいかに演習量を確保するかは大きな課題です。
この課題を解決するために、伊藤塾では「問題演習アプリ It’sD」という、スマホでいつでも一問一答や五肢択一の演習ができるツールを開発しました。講義直後は一問一答で内容を復習し、直前期は五肢択一形式でひたすら演習を行うなど、学習開始直後から試験直前まで、皆さまの勉強を強力にサポートします。

6. 社労士試験の択一式に関するよくある質問

択一式と選択式の違いは何ですか?

択一式は5つの選択肢から正しいもの(または誤っているもの)を1つ選ぶ形式で、選択式は文章中の空欄に適切な語句を当てはめる穴埋め形式です。そのほか、科目数・試験時間・基準点も異なります。

 択一式選択式
出題数7科目・計70問8科目・計40問
試験時間210分80分
科目別の基準点10点中4点以上5点中3点以上

※選択式の詳細は以下の記事で詳しく解説しています。

択一式の出題傾向はどうなっていますか?

択一式の出題を大まかに分類すると、難問が2〜3割、標準レベルが5割、基本レベルが2割程度となるのが例年の傾向です。つまり、基本と標準レベルの問題を中心に正解していけば、7割は確保できる計算になります。

択一式は過去問だけで対策できますか?

過去問だけでは不十分です。択一式では条文や判例に加え、ガイドラインや通達など毎年出題範囲が広がる傾向にあります。過去問で出題形式や頻出論点をつかむことは重要ですが、それに加えて法改正情報や制度趣旨の理解も欠かせません。

7. 【まとめ】社労士試験の選択式について

この記事では、社労士試験の択一式について解説してきました。最後に、この記事のポイントをまとめます。

  • 社労士試験の択一式は7科目・70問・210分で、合格基準は合計6〜7割かつ各科目4点以上
  • 単純な5択に見えても、1問あたり約3分・1肢あたり約36秒しかなく、事務処理能力(速読・即判断力)が求められる
  • 近年はガイドラインや通達などテキスト外の範囲からの出題が増加しており、全暗記での対応は現実的ではない
  • 得点戦略は「社会保険科目(健保・厚年・国年)で稼ぐ、労働科目は基本を守る」が基本セオリー
  • 勉強法のコツ①:制度趣旨を意識して理解することで、未知の問題でも選択肢を絞れる推論力が育つ
  • 勉強法のコツ②:「仮にこれが正しかったら制度として成り立つか?」という視点で、知識がなくても消去法が使える
  • 勉強法のコツ③:普段の演習から「1科目20分」などのタイムリミットを設定し、本番での時間配分感覚を養う
  • 択一式の合格には、暗記型から理解型の学習への切り替えが不可欠

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伊藤塾は、司法試験をはじめとする法律資格の指導で30年以上の実績を持ち、圧倒的な合格実績を誇る受験指導校です。そのノウハウを結集した「伊藤塾メソッド」により、単なる暗記ではなく、試験会場や現場で未知の問題に対応できる「法的思考力」や「応用力」を養うことができます。

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伊藤塾 社労士試験科

著者:伊藤塾 社労士試験科

社会保険労務士資格を保有する講師・合格経験者で構成された専門チームが監修・執筆しています。合格率6〜8%という難関試験について、10科目17試験の合格基準・頻出法改正・科目別ボーダーラインまで、実務に精通した専門チームが正確にお届けします。