弁護士になりやすい大学はどこ?司法試験と予備試験の合格者数からランキング形式で紹介

基本情報

予備試験や司法試験の合格者数・合格率は、大学ごとに大きな差があります。弁護士になりやすい、司法試験に受かりやすい大学はどこなのでしょうか。

この記事では、令和6年の予備試験・司法試験の結果をもとに、弁護士になりやすい大学をランキング形式で紹介します。合格者の多い大学や法科大学院を目指す上での注意点も解説しますので、大学や法科大学院を選ぶのに迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

1. 弁護士になるための方法

弁護士になりやすい大学を紹介する前提として、弁護士になる方法について簡潔に説明します。弁護士になるには、次の2つのルートがあります。

◉予備試験ルート
◉法科大学院ルート

弁護士になるための司法試験を受験するには、予備試験に合格するか、法科大学院を修了(在学中受験も可能)しなくてはなりません。

予備試験には受験資格が一切なく誰でも受験することができますが、毎年の合格者数は450人ほどで合格率は3〜4%ほどの難関試験です。法科大学院の修了生の人数は、ここ数年は1300人ほどで推移しています。

令和6年の司法試験では、受験予定者数4,026人のうち、予備試験合格者が478人、法科大学院の修了生、在学中受験の受験生が3,548人で、法科大学院ルートの受験生が9割以上を占めるという結果でした。
参照:令和6年司法試験受験予定者|法務省

司法試験の受験生の割合から見ると、弁護士を目指す多くの人は、法科大学院ルートでの司法試験合格を目指していることがわかります。

ただし、司法試験の合格率は、予備試験合格者の方が圧倒的に高くなっています。令和6年の司法試験では、法科大学院出身者の合格率が34.8%であったのに対し、予備試験合格者の合格率は、92.8%でした。
参照:令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等|法務省

法科大学院ごとでも合格率に大きな差があるため、司法試験合格の可能性を高くするには、予備試験ルートや司法試験の合格率が高い法科大学院への入学を目指すべきです。

2. 弁護士になりやすい大学ランキング

ここでは、令和6年の予備試験・司法試験の合格者数・合格率について、大学・法科大学院別のランキングを示したうえで、それぞれを併せた総合ランキングを紹介します。

弁護士になりやすい大学はどこなのかを判断するための1つの材料としてご活用ください。

2-1. 予備試験の合格者数・合格率の大学別ランキング

令和6年の予備試験で(出願時)大学生の合格者数、合格率それぞれの上位10校は、次のとおりです。

順位大学名受験者数合格者数
1東京大学465人77人
2慶應義塾大学504人53人
3早稲田大学331人33人
4京都大学188人24人
5中央大学470人18人
6一橋大学113人17人
7大阪大学95人6人
8北海道大学67人5人
8上智大学53人5人
10明治大学105人4人
10同志社大学91人4人
10大阪公立大学72人4人

順位大学名受験者数合格率
1東京大学456人16.6%
2一橋大学113人15.0%
3大阪公立大学28人14.3%
4京都大学188人12.8%
5慶應義塾大学504人10.5%
6早稲田大学331人10.0%
7上智大学53人9.4%
8北海道大学67人7.5%
9大阪大学95人6.3%
10同志社大学91人4.4%

参照:令和6年司法試験予備試験受験状況(大学生)|法務省
※合格率の順位は合格者が4名以上の大学を選定

※令和6年の予備試験結果について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。

2-2. 司法試験の合格者数・合格率の法科大学院別ランキング

令和6年の司法試験における合格者数、合格率それぞれの上位10校は、次のとおりです。

順位法科大学院名受験者数合格者数
1慶應義塾大法科大学院246人146人
2早稲田大法科大学院330人139人
3東京大法科大学院255人121人
4京都大法科大学院217人107人
5中央大法科大学院181人83人
6大阪大法科大学院177人72人
7一橋大法科大学院123人60人
8神戸大法科大学院136人51人
9同志社大法科大学院111人41人
10九州大法科大学院107人37人

順位法科大学院名受験者数合格率
1慶應義塾大法科大学院246人59.35%
2愛知大法科大学院9人55.56%
3京都大法科大学院217人49.31%
4一橋大法科大学院123人48.78%
5東京大法科大学院255人47.45%
6中央大法科大学院181人45.86%
7早稲田大法科大学院330人42.12%
8大阪大法科大学院177人40.68%
9神戸大法科大学院136人37.50%
10同志社大法科大学院111人36.94%

参照:令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等|法務省

※司法試験の結果による法科大学院ランキングについて詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。

2-3. 総合ランキング

ここでは、予備試験と司法試験の合格者数、合格率を総合して、弁護士になりやすい司法試験に受かりやすい大学をランキング形式で紹介します。

順位は、予備試験の合格者数、予備試験の合格率、司法試験の合格者数、司法試験の合格率の4つの項目について、それぞれの順位の合計値が低い大学から順に並べています。

総合
順位
大学名予備試験
合格者数順位
予備試験
合格率順位
司法試験
合格者数順位
司法試験
合格率順位
合計点
1慶應義塾大学25119
2東京大学113510
3京都大学444315
4早稲田大学363719
4一橋大学627419
6中央大学5115627
7大阪大学796830
8同志社大学101091039
9上智大学87141443
10北海道大学88161749

参照:令和6年司法試験予備試験受験状況(大学生)|法務省
※予備試験合格率の順位は合格者が4名以上の大学を選定
参照:令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等|法務省

※各法科大学院について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。

3. 合格者の多い大学・法科大学院を目指す上での注意点

合格者の多い大学・法科大学院では周囲に学習仲間が多く存在するため、司法試験を目指しやすいことは確かです。しかし、その大学・法科大学院に入学さえすれば、司法試験に合格するわけではありません。入学する大学や法科大学院を選ぶ際には、次の3つの点にも注意してください。

◉合格率や合格者数だけで大学・法科大学院を選ばない
◉大学・法科大学院の入学は最終目標ではない
◉大学在学中から司法試験対策を開始する

それぞれの内容について詳しく解説します。

3-1. 合格率や合格者数だけで大学・法科大学院を選ばない

大学や法科大学院を選ぶ際には、合格率や合格者だけでなく、各大学のカリキュラムや特徴も考慮すべきです。

特に、法科大学院は、独自のカリキュラムを提供しているところも多くあります。定員が多い法科大学院と少人数制の法科大学院では、教授や学生同士の関係や学習環境などに大きな違いがあるでしょう。

どの大学・法科大学院で学ぶのが合っているのかは、人それぞれです。合格率や合格者数だけを見るのではなく、その大学での学習環境が自分に合っているのかも考えてみるようにしましょう。

3-2. 大学・法科大学院の入学は最終目標ではない

弁護士を目指すのなら、大学や法科大学院への入学は通過点に過ぎません。大学・法科大学院で何をするのかという過程が重要です。

ランキングの高い大学に入学さえすれば司法試験に合格できるというものではありません。大学の学部や法科大学院の授業だけで司法試験に合格できる人は、ほとんどいないのが現実です。予備試験や司法試験に合格する人の多くは、授業のペースに合わせるのではなく、教科書や受験指導校などを利用して、法律の勉強を進めています。

良い大学に入学しても、入学しただけで満足していると予備試験や法曹コースでの進学を目指す受験生に置いて行かれてしまうでしょう。大学・法科大学院への入学はスタートラインと考えて、授業以外の学習にも力を入れるようにしてください。

3-3. 大学在学中から司法試験対策を開始する

大学在学中の予備試験合格を目指す人は当然のこと、法曹コースやランキングの高い法科大学院を目指す人も大学在学中から司法試験対策を開始しましょう。

予備試験や司法試験対策は、法曹コースに重要な学部成績の向上や法科大学院の入試対策にも役立ちます。優秀な学部成績を残し法科大学院入試で好成績を出せば、特待生として法科大学院に入学できるので学費の負担も軽くなります。

必ずしも予備試験を受験する必要はありませんが、法科大学院進学者の多くが大学在学中に予備試験を目指して学習を進めています。予備試験受験生と同程度の学習をしなければ、法科大学院入学時点ですでに学力差がついてしまい、将来的な司法試験合格は厳しいものとなるでしょう。

司法試験に合格する人の多くは、法科大学院に入学してから司法試験対策を開始したのではなく、大学在学中から予備試験を目指すことにより、実質的に司法試験対策の学習を積み重ねています。大学在学中から予備試験に挑戦できるレベルの学習をして、法曹コースや法科大学院入試を簡単に通過できる状態になれば、周囲との学力の差をつけられることなく、司法試験受験時の合格の可能性は高くなるでしょう。

予備試験は難しいという理由で、法曹コースや法科大学院を逃げ道としてはいけません。予備試験を受験しない場合でも、大学在学中から司法試験対策を視野に入れ学習を開始して、法科大学院入学までには司法試験に向けたひと通りの学習を終えておきましょう。

4. 弁護士になりやすい大学に関するよくある質問(FAQ)

2024年度の予備試験で、大学生の合格率が最も高かった大学はどこですか?

2024年度の予備試験において、大学生の合格率が最も高かったのは東京大学で、受験者456人のうち77人が合格し、合格率は16.6%でした。次いで一橋大学15.0%、大阪公立大学14.3%と続きます。
出典:法務省「令和6年司法試験予備試験受験状況(大学生)
合格率順位は合格者が4名以上の大学を対象に算定されており、合格者数の絶対数では慶應義塾大学(53人)・早稲田大学(33人)が上位に入るなど、合格率ランキングと合格者数ランキングでは順位が入れ替わる点に注意が必要です。

2024年度の司法試験で合格率が最も高かった法科大学院の合格率は?

2024年度の司法試験において法科大学院別の合格率1位は慶應義塾大法科大学院で、受験者246人中146人が合格し、合格率は59.35%でした。2位は京都大法科大学院(49.31%)、3位は一橋大法科大学院(48.78%)です。
出典:法務省「令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等
なお合格者数の絶対数では早稲田大法科大学院(139人)・東京大法科大学院(121人)が上位となっており、合格率ランキングと合格者数ランキングでは上位校の顔ぶれが異なります。どちらの指標も参考にしながら進学先を検討することが大切です。

予備試験ルートと法科大学院ルートとでは、司法試験の合格率にどのくらいの差がありますか?

2024年度の司法試験では、予備試験合格者の合格率が92.8%であるのに対し、法科大学院出身者(在学中受験を含む)の合格率は34.8%でした。両者の間には約58ポイントの差があり、受験生の母集団の質の違いが大きく影響しています。
出典:法務省「令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等
予備試験は合格率3〜4%の難関であり、合格者はもともと高い学習水準にあるため司法試験でも高い合格率となります。ただし法科大学院ルートでは上位校ほど合格率が高く、進学先の選択も重要な判断材料になります。

弁護士を目指す場合、法学部と他の学部とでは有利・不利がありますか?

法律上は学部・学歴を問わず予備試験の受験も法科大学院への出願も可能です。ただし法学部では民法・刑法・商法などの基礎法律科目を体系的に学べるため、司法試験科目との重複が大きく、学習のスタートラインで有利になりやすい面があります。 理工系・経済系など法学部以外の出身者が予備試験に合格した例も多数あります。学部の違いよりも「いつから・どれだけ集中して法律学習を積んだか」が合否を左右する最大の要因です。

予備試験に年齢制限や学歴制限はありますか?大学在学中でも受験できますか?

予備試験には受験資格が一切なく、年齢・学歴・学部を問わず誰でも受験できます。大学在学中であれば1年生・2年生の段階からでも受験可能であり、高校生や社会人も同様に受験資格を持ちます。 ただし合格率は毎年3〜4%程度、合格者数は450人ほどと難関であるため、受験資格がないことを活かして早期から計画的に学習を進めることが求められます。大学在学中から挑戦することで、合格した場合に法科大学院ルートよりも早期に司法試験受験資格を得られる点も大きな利点です。

法科大学院に入学するために必要な条件(学部・学歴など)は何か?在学中でも司法試験を受験できますか?

法科大学院への入学条件は「大学を卒業していること(またはこれと同等以上の学力を有すること)」であり、法学部以外の出身者でも入学可能です。多くの法科大学院では法律科目・適性試験・小論文などの独自入学試験が課されます。また法科大学院在学中の司法試験受験も認められています。 法律知識のある方が選ぶ既修者コース(標準2年制)と、初学者向けの未修者コース(標準3年制)に分かれている法科大学院がほとんどです。法学部出身や学部在籍中から法律学習を積んだ方は既修者コースを選ぶことで修了期間を1年短縮でき、早期の司法試験受験につながります。

ランキング上位の大学・法科大学院に入学できなかった場合、弁護士になるのは難しいですか?

ランキング上位の大学・法科大学院への進学が叶わなかった場合でも、弁護士になることは十分に可能です。2024年度の司法試験合格者の中には、総合ランキングの上位10校以外の大学・法科大学院出身者が多数含まれています。入学後の学習量と継続的な努力が合否を決定づける最も重要な要因です。 周囲に学習仲間が多い点では合格者数の多い大学・法科大学院が恵まれた環境と言えますが、受験指導校や通信講座を活用することで学習環境を補完することが可能です。大学・法科大学院への入学を通過点と捉え、入学後の学習に全力を注ぐ姿勢が弁護士合格への近道です。

法科大学院の学費はどのくらいかかるか?特待生制度はありますか?

法科大学院の学費は国立・私立で大きく異なります。国立大学の法科大学院は文部科学省省令で授業料が定められており比較的安価です。私立法科大学院の年間授業料は90万〜130万円程度が目安とされる場合が多く、既修者コース(2年制)と未修者コース(3年制)でも総費用が異なります。
なお、多くの法科大学院には特待生制度が設けられており、入学試験での優秀な成績者に対して授業料の減額・免除が適用されます。大学在学中から予備試験対策レベルの学習を積み、法科大学院入学試験で高い学力を示すことが特待生選抜の重要な要素となります。

大学在学中はいつから司法試験対策を始めるべきですか?

弁護士を目指すなら大学入学直後から対策を始めることが理想的です。大学在学中に予備試験に挑戦できるレベルの学習を積んでおくことは、法曹コースの成績向上や法科大学院入学試験の対策にも直結します。在学中に予備試験対策の学習を進めることで、法科大学院入学時点での周囲との学力差を防ぐことができます。

社会人や高卒の方でも弁護士を目指せるか?大学に進学しないルートはありますか?

受験資格のない予備試験ルートを活用すれば、社会人・高卒・大学未卒の方でも司法試験の受験資格を取得できます。予備試験に合格した上で司法試験を受験するルートは、学歴や年齢に一切制限がなく、弁護士を目指せる唯一の学歴不問ルートです。 働きながら学習時間を確保することは大きな課題ですが、通信講座やオンライン学習の活用によって仕事と学習を両立させている受験生も多数います。

5. 弁護士になりやすい大学のまとめ

ランキングの高い大学に入学すれば、周りの学生と切磋琢磨して司法試験に合格する可能性も高くなるでしょう。ですが、ランキングの高い大学に入学しても、入学後の努力を怠れば司法試験の合格は難しくなります。

司法試験の合格を目指すなら、できる限り早くから司法試験対策を開始するのが重要です。目標とする大学に入学できなかった人でも、入学後の学習次第で逆転合格の可能性は十分にあります。

そこで司法試験対策を開始するには、受験指導校の利用がおすすめです。伊藤塾の本科生コースでは、法律科目の基礎から応用までをひと通り学べます。ここでの学習は、予備試験合格を目指す方はもちろんのこと、法曹コースやランキングの高い法科大学院の入学を目指す人にも有益なものです。

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著者:伊藤塾 司法試験科

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