社労士と行政書士のダブルライセンスとは?創業から事業承継まで伴走する専門家の働き方

先輩実務家の声

社労士と行政書士のダブルライセンスとは?創業から事業承継まで伴走する専門家の働き方

【監修:髙谷桂子先生 行政書士・社会保険労務士 / 髙谷行政書士事務所・髙谷社会保険労務士事務所 代表】

社会保険労務士の資格を活かす道を考えるとき、「行政書士もあわせて取れば、仕事の幅は広がるのだろうか」と気になる方は多いはずです。一方で、二つの資格をどう組み合わせ、現場でどう役立てるのかは、なかなか具体的に見えてきません。

本記事では、伊藤塾「明日の社労士講座」第3回、髙谷行政書士事務所・髙谷社会保険労務士事務所の代表 髙谷桂子先生の講演を元に、社労士と行政書士のダブルライセンスで「実際に何ができ、どう働くのか」を、創業から事業承継までの伴走型支援という切り口で整理します。二つの資格がなぜ補い合うのか、顧問とスポットの組み合わせがなぜ事務所経営を安定させるのか、子育てと両立しながら開業する道筋まで、公的データと現役の社会保険労務士・行政書士の視点をもとにたどります。どの資格を選ぶかではなく、選んだ先の働き方を知りたい方に向けた内容です。

1. 社労士と行政書士のダブルライセンスとは何か?

社労士と行政書士のダブルライセンスとは、労働・社会保険の専門家と街の身近な法律家という二つの国家資格を併せ持ち、会社の「人」と「許認可」の両面を一人で支えられる状態を指します。
ダブルライセンスとは、性質の異なる二つの資格を組み合わせ、片方だけでは届かない領域までサービスを広げる働き方です。社労士と行政書士の場合、扱う相手は同じ「会社」でありながら、関わる場面が重なりません。だからこそ、二つをつなぐと支援の幅が大きく広がります。

1-1. 髙谷桂子先生とはどのような社労士か

髙谷桂子先生は、髙谷行政書士事務所・髙谷社会保険労務士事務所の代表を務める行政書士・社会保険労務士です。行政書士と社会保険労務士のダブルライセンスを軸に、会社の「許認可」と「人」の両面を一人で支え、創業から事業承継までの伴走型支援を中心に活動しています。

同先生は、まず行政書士として独立し、のちに社会保険労務士を加えてきました。経済産業省が中小企業に推奨する知的資産経営を業務の土台に据え、手続きの代行にとどまらず、会社の見えない強みを引き出す支援を続けています。なお、妊娠中に開業し、子育てと両立しながら専門家の道を歩んできた点は、これから資格取得を考える読者の参考になる歩み方です。

髙谷先生がダブルライセンスへ進んだのは、行政書士のスポット業務で感じた物足りなさがきっかけでした。単発の仕事は、終われば次の接点まで間が空きます。会社と長く関わりたいという思いが、継続的に支援できる社会保険労務士業務と結びつき、今の伴走型のスタイルにつながりました。

1-2. 社労士と行政書士はそれぞれ何をする資格?

社会保険労務士の業務は、社会保険労務士法第2条で定められています。大きく分けて、申請書・届出書などの作成と提出代行・事務代理を行う1号業務、賃金台帳や就業規則といった帳簿書類を作成する2号業務、そして労務管理や社会保険に関する相談・指導を行う3号業務の三つです。このうち1号と2号は、社労士だけが報酬を得て行える独占業務にあたります。
出典:社会保険労務士法第2条(e-Gov法令検索) 

※詳しくはこちらの記事もあわせてご覧ください。

一方の行政書士は、官公署に提出する許認可などの書類を作成し、その提出を代理したり、契約書を作成したりする資格です。建設業や飲食店の許可、会社設立、遺言・相続など、暮らしと事業に身近な手続きを幅広く扱うことから、「街の身近な法律家」とも呼ばれます。

1-3. なぜ社労士と行政書士は相性がよいのか?

二つの資格が補い合うのは、会社の成長に沿って出番が連続するからです。会社を立ち上げる入口では、行政書士が定款の作成や許認可を担います。事業が軌道に乗り、人を雇い始めると、今度は社労士の労働・社会保険手続きや就業規則づくりが必要になります。つまり、設立から雇用、運営へと進む流れに、二つの資格がリレーのように並びます。

髙谷先生は、行政書士の仕事の特徴をこう語ります。

髙谷桂子 先生

行政書士はスポット業務が多いんですね。許認可を取ったら、次は決算変更届までお客様と会う機会がなかったりします。
出典:伊藤塾 YouTube「明日の社労士講座【第3回】社労士と行政書士のダブルライセンスによる伴走型支援~創業から事業承継まで相談される専門家になるために~

許認可のような単発の仕事は、終われば次の接点まで間が空きます。せっかく設立の段階で出会っても、その後の事業の様子を見守りにくい——この物足りなさが、継続的に関わる社労士業務と結びつく動機になりました。手続きの入口を行政書士が、人にまつわる継続的な支援を社労士が担うことで、一人の専門家が会社に長く伴走できるようになります。

2. ダブルライセンスで何ができるのか?創業から事業承継までの伴走型支援

ダブルライセンスでできるのは、会社の創業期・成長期・事業承継期という各段階の課題に、一人の専門家が切れ目なく寄り添う「伴走型支援」です。
伴走型支援とは、一つの手続きを終えたら関係も終わる「点」のサービスではなく、会社の歩みに沿って課題を一緒に解決し続ける「線」の支援です。創業・成長・承継という三つの段階で、ダブルライセンスがどう活きるのかを順に見ていきます。

2-1. 創業期、販路開拓と資金繰りの壁に寄り添う

創業したばかりの経営者が何につまずくのかは、公的な調査で見えてきます。日本政策金融公庫が2024年(令和6年)に公表した「2024年度新規開業実態調査」によると、開業時に苦労したことは「資金繰り、資金調達」が59.2%で最も多く、次いで「顧客・販路の開拓」が48.1%、「財務・税務・法務に関する知識の不足」が36.7%でした。
出典:日本政策金融公庫総合研究所「2024年度新規開業実態調査」 

髙谷先生自身も、開業当初は同じ壁に直面したと振り返ります。そのうえで、こう続けます。

髙谷桂子 先生

経営者・中小企業はこうした課題を抱えている、ということを把握しておけば、それをサポートできる専門家になれば、需要はいくらでもあると理解できます。
出典:伊藤塾 YouTube「明日の社労士講座【第3回】社労士と行政書士のダブルライセンスによる伴走型支援~創業から事業承継まで相談される専門家になるために~

ここがダブルライセンスの強みです。会社設立や許認可、融資のサポートは行政書士として、人を雇うときの労働・社会保険の手続きは社労士として担えます。創業者がつまずきやすい資金や販路、手続きの不安に、入口から幅広く応えられるという、その総合力が、創業期の伴走を可能にします。

販路開拓を支えるには、まず自分自身が経営者との関係づくりを実践しておくことが力になります。髙谷先生は、名刺交換の会に通うのではなく、3か月から6か月かけて地域の経営者と一緒に学ぶ塾に通ったといいます。また、互いの事業計画を語り合ううちに地域での信頼と認知が育ち、それが今の仕事にもつながったと振り返ります。販路開拓に近道はなく、関係を重ねることが土台になるという経験は、創業期の経営者に寄り添うときの説得力になります。

2-2. 成長期、知的資産経営で見えない強みを磨く

会社が成長段階に入ると、手続きだけでは足りなくなります。ここで髙谷先生が業務の土台に据えているのが、経済産業省が中小企業に推奨する「知的資産経営」という考え方です。

経済産業省は、知的資産を「人材、技術、組織力、顧客とのネットワーク、ブランド等の目に見えない資産」で、企業の競争力の源泉となるものと説明しています。特許やノウハウといった知的財産だけでなく、組織や人材まで含めた強みの総称です。こうした固有の知的資産を認識し、組み合わせて活用し、収益につなげる経営が知的資産経営と呼ばれます。
出典:経済産業省「知的資産・知的資産経営とは

知的資産は、よく氷山にたとえられます。水面の上に出ている資本金や従業員数は、数値で測れる資産です。これに対して、水面下に隠れた技術やノウハウ、人材、経営理念、コミュニケーション力といった強みは、数字には表れません。けれども、この見えない部分を磨くことが、会社の成長や価値の向上に結びつきます。髙谷先生は、その難しさをこう語ります。

髙谷桂子 先生

経営者においても、業績向上・価値向上につながる強み(知的資産)に気づくのは、難しいんですね。
出典:伊藤塾 YouTube「明日の社労士講座【第3回】社労士と行政書士のダブルライセンスによる伴走型支援~創業から事業承継まで相談される専門家になるために~

さらに、この手法を士業の仕事に取り入れた理由をこう語ります。

知的資産経営という経営手法を行政書士業務に取り入れれば、継続的にお客様をサポートできるのではないでしょうか。
出典:伊藤塾 YouTube「明日の社労士講座【第3回】社労士と行政書士のダブルライセンスによる伴走型支援~創業から事業承継まで相談される専門家になるために~

数字に表れない強みは、経営者本人ですら気づきにくいものです。だからこそ、その棚卸しを手伝い、強みを伸ばす事業計画づくりまで支える。髙谷先生はこれを業務のベースに置き、行政書士・社労士の手続き業務と一体で提供しています。手続きの代行で終わらず、会社の価値づくりまで踏み込むことが成長期の伴走の中身です。

2-3. 事業承継期、将来を見据えて引き継ぎを支える

会社の歩みの先には、事業承継という大きな節目があります。中小企業庁の2025年「中小企業白書」によると、中小企業の経営者年齢の水準は依然として高く、60歳以上の経営者が過半数を占めています。後継者不在率は緩やかに下がっているものの、個人企業では約4割が自らの代での廃業を考えているという状況です。
出典:中小企業庁「2025年版中小企業白書」令和6年度(2024 年度)の中小企業の動向 第9節 事業承継 

承継には、許認可の引き継ぎや相続といった行政書士の領域と、従業員の雇用や労務の引き継ぎという社労士の領域が同時に絡みます。両方を一人で見渡せるダブルライセンスは、この場面で力を発揮します。髙谷先生は、伴走するからこそ見える景色をこう表現します。

髙谷桂子 先生

目の前の許認可の要件を確認するだけでなく、将来を見据えて企業と関わることができる。これは本当に大きなメリットだと思います。
出典:伊藤塾 YouTube「明日の社労士講座【第3回】社労士と行政書士のダブルライセンスによる伴走型支援~創業から事業承継まで相談される専門家になるために~

創業から関わってきた専門家は、会社が何年後にどんな姿を目指しているのかを把握しています。そのため、承継の準備も早い段階から一緒に描ける。点の手続きではなく線の関係だからこそ、引き継ぎという最終局面まで支えられるのです。

3. なぜ顧問とスポットの組み合わせで事務所経営が安定するのか?

社労士の顧問契約による継続収入と、行政書士のスポット業務による単発収入を組み合わせることで、収入の波が小さくなり、事務所経営が安定しやすくなるからです。

3-1. 顧問契約がもたらす継続収入

社労士の業務のうち、労務管理や社会保険の相談・指導にあたる3号業務は、毎月の顧問契約という形で続くことが多い領域です。人にまつわる相談は一度きりでは終わらないため、継続的な関係になりやすいからです。髙谷先生は、この収益の性質をこう説明します。

髙谷桂子 先生

社会保険労務士はお客様と顧問契約を結び、毎月決まった金額の報酬をいただいています。これが事務所を安定させる収益体系になっています。
出典:伊藤塾 YouTube「明日の社労士講座【第3回】社労士と行政書士のダブルライセンスによる伴走型支援~創業から事業承継まで相談される専門家になるために~

毎月一定の報酬が入る顧問契約は、売上の土台を支えます。月ごとの変動が大きい士業の収入にとって、この安定した基盤があることは経営の安心につながります。

3-2. スポット業務が広げる接点

一方の行政書士業務では、建設業や産業廃棄物、飲食店の許可、遺言・相続、融資のサポートといった単発の仕事が入ってきます。一件ごとの報酬は大きくなりやすく、新しい経営者と出会うきっかけにもなります。継続の顧問契約と単発のスポット業務がかみ合うことで、収入の波がならされ、経営が安定しやすくなります。働き方による年収の違いは、こちらの記事も参考になります。

髙谷先生は、この組み合わせの意味をこうまとめます。

髙谷桂子 先生

ダブルライセンスは、業務をワンストップで行えるだけでなく、事務所経営においても安定した運営ができる。この点がメリットだと思っています。
出典:伊藤塾 YouTube「明日の社労士講座【第3回】社労士と行政書士のダブルライセンスによる伴走型支援~創業から事業承継まで相談される専門家になるために~

二つの資格は、サービスの幅を広げるだけでなく、収益の安定という経営面でも支え合います。これが、ダブルライセンスを「働き方」として選ぶ理由になります。

4. AIの時代にダブルライセンスはどう活きるのか?

定型の手続き業務がデジタル化で効率化される一方、二つの資格をまたいで経営に踏み込む相談支援は、人にしか担えない価値として残るからです。
近年は、行政機関への申請手続きの電子化が進み、定型の作業はデジタルの力に置き換わりつつあります。髙谷先生は、この変化を早くから感じてきたと語ります。

髙谷桂子 先生

ITやAIの波が押し寄せ、簡単な手続き業務はそうした技術に取って代わられてきています。
出典:伊藤塾 YouTube「明日の社労士講座【第3回】社労士と行政書士のダブルライセンスによる伴走型支援~創業から事業承継まで相談される専門家になるために~

だからこそ、手続きの先にある支援が問われます。髙谷先生は、これからの士業には「手続き業務に加えて、もう一歩踏み込んだサポートが必要なのではないか」と考え、知的資産経営にもとづく伴走を続けてきました。複数の資格で会社全体を見渡し、経営の課題に一緒に向き合う仕事は、機械で置き換えにくい領域です。どの資格をどう組み合わせるかという視点は、こちらの記事でも整理しています。あわせて読むと、自分に合う組み合わせを考えやすくなります。

5. 子育てしながら社労士・行政書士として開業できる?

預け先の確保や周囲のサポートを工夫すれば、子育て期でも開業は十分に可能です。実際に妊娠中に開業し、両立してきた専門家もいます。
「子どもが小さいうちは開業は難しいのでは」と迷う方は少なくありません。この点で参考になるのが、内閣府が2007年に策定した「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」です。憲章は、目指すべき社会を「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」と定義しています。
出典:内閣府「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」 

髙谷先生は、妊娠中に行政書士として開業しました。当時いちばん大変だったのは預け先の確保だったといいます。その壁を、考え方を変えて乗り越えました。

髙谷桂子 先生

頼れるところはとことん頼ろうと考え方を変えました。家族はもちろん、ママ友、自治体など、周囲の方に支えていただきながら子育てをしました。
出典:伊藤塾 YouTube「明日の社労士講座【第3回】社労士と行政書士のダブルライセンスによる伴走型支援~創業から事業承継まで相談される専門家になるために~

セミナー講師を務めるときは、主催者の了解を得て、赤ちゃんの頃の息子を会場に同伴したこともあったそうです。子育てと仕事は時間的にも体力的にも大変だった一方で、両方にやりがいがあり、充実していたと振り返ります。実際、先ほどの新規開業実態調査でも、開業者に占める女性の割合は25.5%と調査開始以来最も高くなりました。働き方を選べる時代に、子育て期の開業は十分に現実的な選択肢です。
出典:日本政策金融公庫総合研究所「2024年度新規開業実態調査」 

6. 相談される専門家になるために大切なこと

大切なのは、経営者が困ったときに真っ先に顔が思い浮かぶ存在になること。日頃の接点とコミュニケーションの積み重ねが、その信頼関係を育てます。
資格や知識をそろえても、それだけでは選ばれません。髙谷先生は、専門家として大切なことをこう語ります。

髙谷桂子 先生

経営者が困ったときに、髙谷さんに相談してみようと思い出してもらえるか。経営者の頭に、皆さんの顔が浮かぶかどうか、なんですね。
出典:伊藤塾 YouTube「明日の社労士講座【第3回】社労士と行政書士のダブルライセンスによる伴走型支援~創業から事業承継まで相談される専門家になるために~

顔が浮かぶ関係は、日々の小さな接点から生まれます。月に一度の訪問や電話で、経営者だけでなく担当者や従業員とも言葉を交わす。その積み重ねが信頼になり、価格だけでは比べられない関係につながります。創業から事業承継まで伴走するダブルライセンスは、この信頼を築くのに向いた立ち位置にあります。

髙谷先生のように、実務経験を積んだ専門家の歩みは、これから資格を目指す方の道しるべになります。伊藤塾の「明日の社労士講座」では、現役の社労士が自身の経験を語っています。

7. 社労士と行政書士のダブルライセンスについてよくある質問(FAQ)

開業時に多くの人がつまずく課題は何ですか?

「2024年度新規開業実態調査」では、開業時に苦労したこととして「資金繰り、資金調達」が59.2%、「顧客・販路の開拓」が48.1%、「財務・税務・法務に関する知識の不足」が36.7%と報告されています。資金と販路、手続きの知識が共通の壁といえます。
出典:日本政策金融公庫総合研究所「2024年度新規開業実態調査」 

中小企業の経営者の高齢化はどの程度進んでいますか?

 2025年版の「中小企業白書」によると、中小企業では60歳以上の経営者が過半数を占めています。個人企業では約4割が自らの代での廃業を考えており、事業承継への備えが大きな課題になっています。
出典:中小企業庁「2025年版中小企業白書」令和6年度(2024 年度)の中小企業の動向 第9節 事業承継 

社労士と行政書士はどちらを先に取ればよいですか?

どちらが先でも、二つは補い合います。会社の入口を担う行政書士から始める人も、人の支援を軸にする社労士から始める人もいます。難易度や年収の比較は、税理士・中小企業診断士との違いを解説した各記事もあわせてご確認ください。

ダブルライセンスと一つの資格だけの働き方は何が違いますか?

一つの資格では、関われる場面が限られます。二つを併せ持つと、会社設立から雇用、運営、承継までを一人で見渡せます。サービスの幅と、収益の安定の両面で違いが出ます。

ダブルライセンスに実務経験は必要ですか?

必須ではありませんが、実務での経験は信頼の土台になります。事務所での修行や、セミナー・研修を通じて経営者と関わる中で、相談に応える力が育っていきます。

知的資産経営とは何ですか?

経済産業省によると、人材・技術・組織力・顧客とのネットワーク・ブランドなど、目に見えない強みを認識し、組み合わせて活用し、収益につなげる経営です。中小企業に推奨されている考え方で、士業の伴走支援とも相性がよいとされます。
出典:経済産業省「知的資産・知的資産経営とは

AIで社労士・行政書士の仕事はなくなりませんか?

定型の手続き業務は効率化が進みます。一方、二つの資格をまたいで経営の課題に踏み込む相談支援は、AIには代替しにくい領域です。手続きの先にある価値づくりが、これからの専門家の役割になります。

子育て中でも開業できますか?

預け先の確保や周囲のサポートを工夫すれば可能です。内閣府の憲章も、子育て期を含む人生の各段階に応じた多様な生き方を掲げています。妊娠中に開業し、両立してきた専門家の例もあります。

顧問契約とスポット業務はどう使い分けますか?

人にまつわる継続的な相談は、社労士の顧問契約として毎月続く形になりやすいです。許認可や相続などの単発の仕事は、行政書士のスポット業務として扱います。両者を組み合わせると収入が安定しやすくなります。

創業から事業承継まで一人で支えられますか?

ダブルライセンスなら、創業期の許認可・手続きから、成長期の労務や強みづくり、承継期の引き継ぎまでを一貫して支えられます。必要に応じて司法書士や税理士と連携しながら、窓口として伴走する形が現実的です。

8. ダブルライセンスは働き方を広げる選択肢

社労士と行政書士のダブルライセンスは、どちらの資格が上かを競うものではありません。会社の入口を担う行政書士と、人の継続的な支援を担う社労士が補い合い、創業から事業承継まで一人で伴走できるというその働き方にこそ価値があります。手続きの代行を超えて、見えない強みを引き出し、経営者に寄り添う専門家を目指せます。

最後に要点をまとめます。

  • 行政書士のスポット業務と社労士の顧問業務が、会社の成長段階に沿って補い合う
  • 継続収入と単発収入の組み合わせで、収入の波が小さくなり経営が安定しやすい
  • 知的資産経営や日頃の接点を通じて、相談される専門家としての信頼を築ける

※伊藤塾 「明日の社労士講座【第3回】社労士の今後の需要と将来性~社労士の現業とさらなるニーズの高まり~」の動画はこちらをご覧ください。

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伊藤塾 社労士試験科

著者:伊藤塾 社労士試験科

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