予測困難な時代(VUCA時代)を生き抜くために必要な3つの力を解説

キャリア

VUCA時代に会社員が備えるべき力は「代替できない専門性」「変化への適応力」「個人への信用」の3つです。2025年に約18,000人(うち7割が黒字企業)が早期退職した現実が示すように(東京商工リサーチ)、今から動き始めることが最も現実的な対策になります。

「黒字でもリストラ」というニュースを見て、自分は大丈夫だろうかと感じた方は少なくないはずです。大手企業に勤めていても、定年まで同じ会社で働き続けられる保証はなくなりました。終身雇用が崩れた時代に、何をどう備えればよいのか、具体的な答えを持てている人はまだ多くないのが現実です。

本記事では、VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)時代に個人が備えるべき3つの力を整理したうえで、その力を今から身につける手段として、受験資格なしで社会人が働きながら目指せる法律系の国家資格を紹介します。司法書士・行政書士・社労士の特徴の比較と、実際に伊藤塾で合格した3名の声もあわせて解説します。

【目次】

1.  予測困難な時代(VUCA時代)とは

VUCAとは、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の4つの頭文字を取った言葉で、「先行きが読めない時代」を指します。

2016年の世界経済フォーラム(ダボス会議)で「VUCAワールド」という言葉が使われたことで世界的に広まり、現在では日本の経済・ビジネス領域でも定着しています。以下では4つの要素をそれぞれ解説します。

1-1. Volatility(変動性)とは何か|急速な変化が業界を塗り替える時代

Volatility(変動性)とは、市場・技術・価値観が短期間で大きく変わる状態のことです。

世界経済フォーラム(2016年)がこの概念を提唱して以降、日本でも産業構造や働き方の変化スピードが加速しており、数十年かかっていた変化がわずか数年で進む状況が常態化しています。

この変化加速を象徴するのが生成AIの台頭です。OpenAIがChatGPTを公開した2022年以降、資料作成・翻訳・コード生成といった業務が急速にAIに代替され始めました。これはインターネット登場時と同等以上の産業変化を、より短期間で引き起こしている事例といえます。

ただし、変動性の高さはすべての業種に均等に影響するわけではありません。法的手続きや対人業務など、変化の速度が比較的緩やかな領域も存在します。

変動性と並んでVUCA時代を特徴づけるのが、次に解説するUncertainty(不確実性)です。

1-2. なぜ5年後の仕事を予測できないのか|Uncertainty(不確実性)が増す理由

Uncertainty(不確実性)とは、先の予測が立てづらく備えようがない状態のことです。

2022年のChatGPT公開(OpenAI)は、その典型例です。資料作成・翻訳・コード生成など人が担ってきた業務が突然置き換わり始め、5年後にどの仕事が主流になるかは専門家にも断言できない状況が続いています。

世界経済フォーラムの「仕事の未来レポート(2023年版)」によると、2027年までに8,300万件の雇用が消滅する一方、6,900万件の 新たな雇用が創出されると予測されています。増える仕事と 減る仕事が並走するなかで、「この職種なら安全」という 単純な判断が通用しない状況が続いています。

なお、不確実性はネガティブな面だけではありません。新しい仕事が生まれるという側面もあり、変化に対応できる人材にとっては機会にもなります。

不確実性に加え、原因が複雑に絡み合うComplexity(複雑性)も、現代の予測困難さを深めています。

1-3. Complexity(複雑性)|複数の要因が絡み合い単純な予測が成立しない

Complexity(複雑性)とは、複数の原因が絡み合い、単純な因果関係では説明できない状態のことです。

現在の働き方を左右する要因だけでも、生成AIの進化・人口減少による人手不足・円安や金利の変動・環境規制・消費者の価値観の変化が同時に動いており、一つの業界の将来を単純に予測することはできません。

たとえば、少子化による人手不足は「AI導入の追い風」になる一方、AIの普及は「雇用を減らす要因」にもなります。この2つは同じ時代に同時に起きているため、「AIが来るから安心」とも「AIが来るから危険」とも単純には言えません。世界経済フォーラム「仕事の未来レポート(2023年版)」が示すように、増える仕事と減る仕事が並走する構造がその象徴です。

ただし、複雑性が高い環境では「一つの専門領域を深く持つ人材」の価値が相対的に上がります。複雑な問題を整理できる専門家への需要は、むしろ高まる方向にあります。

複雑性と並んで現代を特徴づけるのが、情報があっても正解が見えないAmbiguity(曖昧性)です。

1-4. 情報があっても正解が見えない時代|Ambiguity(曖昧性)とは

Ambiguity(曖昧性)とは、情報があっても解釈が一つに定まらず、正解の形が見えにくい状態のことです。

生成AIやWeb3といった新領域では、サービスの評価軸・法制度・ビジネスモデルがまだ固まっておらず、専門家の間でもポジティブな意見とネガティブな意見が併存しています。情報量が増えるほど判断に迷う場面が増えるのが、VUCA時代(予測困難な時代)の特徴です。

曖昧性の高さを示す具体例として、生成AIに関する各国の規制動向があります。EUはAI規制法(AI Act)を2024年に施行した一方、日本は「まず活用を促進する」方針を取るなど、同じ技術に対して各国の判断が分かれています。正解が国・機関によって異なる状況では、個人が「何を信じて動けばよいか」を自分で判断する力が求められます。

なお、曖昧性への対処として有効なのは「完全な正解を待たずに動く」姿勢です。変化が速い時代において、情報が揃うまで判断を保留し続けることは、機会損失につながるリスクがあります。

以上の4要素が重なり合うVUCA時代に、具体的にどのような変化が起きているかを次章で整理します。

2. 予測困難な時代(VUCA時代)には何が起こる?

VUCA時代には、予測困難な出来事の頻発・既存業界を覆すサービスの登場・年功序列と終身雇用の崩壊という3つの変化が同時進行で起きています。2025年だけで約18,000人が早期退職(東京商工リサーチ)し、そのうち約7割が黒字企業からの募集でした。「大手に入れば安泰」という前提は、すでに過去のものになっています。

2-1. なぜ予測できない出来事が続くのか|変化が加速するVUCA時代の構造

予測できない出来事が続く根本的な理由は、技術革新・社会変化・経済変動が互いに影響し合いながら同時進行しているからです。2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大では、世界規模で在宅勤務への移行が数週間以内に起き、2022年のChatGPT公開(OpenAI)では資料作成・翻訳・コード生成などの業務が突然AIに代替され始めました。

世界経済フォーラム「仕事の未来レポート(2023年版)」によると、2027年までに約8,300万件の雇用が消滅し、約6,900万件の新たな雇用が生まれると予測されています。増える仕事と減る仕事が並走しており、「この職種なら安全」という単純な判断が通用しない状況が続いています

ただし、変化のスピードはすべての業種に均等に影響するわけではありません。法的手続きや対人業務など、変化の速度が比較的緩やかな領域も存在しており、どの分野に身を置くかが重要な判断になります。

予測困難な出来事の頻発と並んで、既存の業界構造そのものを覆すサービスの登場も、VUCA時代の大きな特徴です。

2-2. 業界の常識を覆すサービスが次々と登場する|自分の仕事が消える現実

既存の業界構造を根本から変えるサービスが、短期間で次々と登場しています。音楽業界では2006年のSpotify登場以降CDショップが急激に減少し、映像業界では2015年前後からNetflix・YouTubeがテレビ・レンタルビデオに取って代わりました。自分が働いている業界から顧客が消えることは、特定の業種だけの問題ではなくなっています。

新しいサービスが市場を取る速度は、インターネット登場時と比べてさらに短期化しており、業界の常識が数年で塗り替わるペースが続いています。

なお、業界が変わること自体は必ずしも個人の脅威ではありません。新しいサービスが登場する分野では、それに対応できる人材への需要も同時に生まれます。

業界変化と並んで、会社員が直接的に影響を受けるのが、次に解説する年功序列・終身雇用の崩壊です。

2-3. 黒字企業でもリストラが起きる時代|終身雇用が崩れた現実を数字で見る

年功序列や終身雇用も、今の時代の会社員には通用しなくなっています。
2025年には、パナソニックホールディングスが国内外で約12,000人、日産自動車が世界で約20,000人、三菱電機がグループで約4,700人の早期・希望退職を発表するなど、大手企業の大型リストラが相次いでいます。しかも、募集企業43社のうち約7割は黒字企業であり、業績が好調でも大胆に人員を減らす「黒字リストラ」が定着しつつあるのです。
(出典:東京商工リサーチ「2025年『早期・希望退職募集』は1万7,875人、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に」

「大手企業に入れば安泰」「定年まで同じ会社で働く」というのは、もはや当たり前ではありません。

ただし、早期退職はすべての企業で起きているわけではありません。成長産業・人材需要の高い職種では採用を積極的に続けている企業も多く、「どの会社にいるか」より「何ができるか」が問われる構造に変わりつつあります。

では、こうしたVUCA時代を生き抜くために、会社員は具体的に何を備えればよいのでしょうか。次章で3つの力を整理します。

3. 予測困難な時代(VUCA時代)を生き抜くために必要な3つの力

VUCA時代を生き抜くために会社員が今から備えるべき力は、「代替できない専門性」「変化に対応する適応力」「自分個人に対する信用」の3つです。世界経済フォーラム「仕事の未来レポート(2023年版)」が示すように、2027年までに約8,300万件の雇用が消滅する一方で新たな雇用も生まれており、この3つの力を持つ人材への需要は高まっています。

3-1. AIに代替されない専門性をどう身につけるか|VUCA時代に求められる深い知識

代替できない専門性とは、AIや他者では簡単に置き換えられない深い知識・技能のことです。

世界経済フォーラム「仕事の未来レポート(2023年版)」によると、2027年までに最も需要が伸びる職種の上位には「専門的知識を持つ技術職・専門職」が並んでおり、特定領域に深く精通した人材への需要は今後も高まる方向にあります。

AIが得意とするのは、定型的なデータ処理・パターン認識・文章生成です。一方、法律や制度に基づく最終判断・長年の経験に裏付けられた意思決定・倫理的責任を伴う判断は、現時点ではAIに代替できません。経済産業省「AI時代の人材政策に関する研究会報告書(2019年)」も、「高度な専門性と創造性を持つ人材の価値は今後さらに高まる」と指摘しています。

ただし、専門性は一度身につければ終わりではありません。法改正・技術革新によって、同じ分野でも求められる知識の内容が変化するため、継続的なアップデートが必要です。

専門性と並んで重要なのが、時代の変化そのものに対応する適応力です。

3-2. 一つのスキルだけでは生き残れない時代|変化に対応する適応力とは

変化に対応する適応力とは、時代の変化に応じて働き方や学ぶ分野を柔軟に切り替えていける力のことです。世界経済フォーラム「仕事の未来レポート(2023年版))」は、企業が従業員に求めるスキルの上位に「適応力・柔軟性」「学習意欲・継続学習」を挙げており、一度身につけたスキルだけで生き続けられる時代は終わりつつあります。

リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(2025年)」によると、雇われて仕事をしている人の自己啓発実施率は約34%にとどまっており、変化への備えを実際に行動に移せている人はまだ少数派となっています。仕事終わりの資格学習・休日のスキル習得・副業への挑戦など、小さな行動の積み重ねが、長期的な適応力の差を生みます。

なお、適応力は「何でも器用にこなす器用貧乏」とは異なります。専門性を軸に持ちながら、周辺領域に柔軟に広げていく「T字型」の成長が、VUCA時代には最も有効とされています。

専門性と適応力に加え、どの環境でも自分を活かすために欠かせないのが、次に解説する個人への信用です。

3-3. 会社の看板がなくなっても評価される|個人への信用を在職中から積む理由

自分個人に対する信用とは、「〇〇会社の〇〇」ではなく「〇〇個人」として評価される状態のことです。厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」によると、令和6年の転職者数は約492万人に上り、1つの会社で定年まで働き続けるキャリアはすでに多数派ではありません。会社の外でも通用する信用を在職中から積み上げることが、いざというときの選択肢を広げます。

個人への信用として機能するものには、人間関係・専門スキル・国家資格などがあります。なかでも国家資格は、試験という第三者の基準によって専門性が客観的に証明されるため、転職・独立・副業のいずれの場面でも、初対面の相手に信用を示しやすい手段です。有資格者と名乗るだけで、センシティブな個人情報の提供や複雑な手続きを任せてもらえる場面が生まれるのは、資格が持つ社会的信用の蓄積によるものです。

ただし、資格さえあれば信用が自動的に生まれるわけではありません。資格は信用の「入口」であり、その後の実績・人間関係の積み重ねが信用を定着させます。

では、この3つの力を今から現実的に身につける手段として、何が選択肢になるのでしょうか。次章でその答えを解説します。

4. VUCA時代を生き抜く手段として法律系の国家資格が有効な理由

会社の看板に頼れない時代に、個人として何を武器にするべきか。 その現実的な答えの一つが、法律系の国家資格です。 

例えば、司法書士・行政書士・社労士などはいずれも業務独占が法律で 保障されており、「AIに代替されにくい専門性」「社会変化に 対応する適応力」「個人への信用」の3つを同時に備えられる 手段として機能します。

4-1. なぜ法律系の国家資格がVUCA時代に有効なのか|3つの力と独占業務の関係

法律系の国家資格がVUCA時代に有効な理由は、有資格者 にしか認められない「業務独占」が法律で保障されており、AIや無資格者では代替できない専門領域が制度として確立されているからです。

業務独占の具体例として、不動産登記申請を業として行えるのは司法書士のみ(司法書士法第3条・第73条)、官公署に提出する書類作成を業として行えるのは行政書士のみ(行政書士法第1条の2)と法律で定められています。

さらに、法務省が2024年4月1日から相続登記の申請を義務化するなど、社会変化のたびに法律系資格者の仕事は拡大しています。

ただし、業務独占があるからといって仕事が自動的に生まれるわけではありません。資格取得後に実務経験を積み、顧客からの信頼を得る努力が必要な点は、他のキャリアと変わりません。

業務独占以外にも、法律系資格がVUCA時代に適している理由として、社会人が現実的に目指せる入口の広さがあります。

4-2. 社会人が今から目指せる現実的な選択肢|受験資格なしで働きながら合格できる

司法書士・行政書士はいずれも受験資格の制限がなく、年齢・学歴・職歴に関係なく誰でも受験できます。

医師・看護師など医療系資格のように大学や専門学校への通学が必須な資格とは異なり、通信講座や独学で学びながら在職中に合格を目指せる点が、法律系資格の大きな特徴です。

他のキャリアチェンジの選択肢と比較すると、法律系資格の入口の広さが際立ちます。IT系エンジニアへの未経験転身は、30代以降で採用面のハードルが上がる傾向があります。一方、司法書士・行政書士・社労士などはいずれも年齢による受験制限がなく、40代・50代での合格・開業事例も多数あります。伊藤塾の合格者データでも、在職中に学習を進めて合格した社会人が多数を占めています。

ただし、社労士については、「①学歴条件」「②実務経験」「③厚生労働大臣が認めた国家試験合格」のいずれか1つを満たす必要があるという受験資格要件がありますので、受験を検討する前に、自分が要件を満たしているか確認しておくことが必要です。

※社労士の受験資格については、こちらの記事で詳しく解説しています。

具体的にどの資格を選べばよいかについては、司法書士・行政書士・社労士それぞれの特徴を次の節で解説します。

4-3. 司法書士・行政書士・社労士の特徴を比較する|それぞれの独占業務と需要の違い

VUCA時代に対応できる代表的な法律系国家資格として、司法書士・行政書士・社労士の3つがあります。社会変化に伴って各資格の需要は拡大しており、3資格それぞれに異なる強みがあります。

2025年度の合格率は、司法書士5.21%(法務省)・行政書士14.54%(行政書士試験研究センター)・社労士5.5%(厚生労働省)です。

独占業務は、司法書士が登記・供託・簡裁訴訟代理、行政書士が官公署への書類作成・提出代理、社労士が労働社会保険手続・労務相談と、それぞれ異なる領域をカバーしており、3資格とも自分の 専門領域は法的に守られた状態でキャリアを築くことができます。

なお、社労士のみ受験資格が設けられていますので、注意が必要です。

 司法書士行政書士社労士
受験資格なしなしあり※1
合格率
(2025年度)
5.21%14.54%5.5%
独占業務登記・供託・
簡裁訴訟代理
官公署への書類
作成・提出代理
労働社会保険
手続・労務相談
特徴登記のスペシャ
リスト。相続登
記の義務化で需
要拡大中
扱える業務範囲
が広く、副業や
小規模開業との
相性が良い
人事労務のスペ
シャリスト。
顧問契約で安定
収入

※1 社労士は大学卒業、行政書士資格の取得など、所定の受験資格要件があります。
(出典:法務省「令和7年度司法書士試験の最終結果について」、一般財団法人行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」、厚生労働省「第57回社会保険労務士試験の合格者発表」)

※各資格の詳細は以下の記事で詳しく解説しています。

5. VUCA時代に法律系資格で人生の選択肢を広げた合格者3名の声

ここでは、VUCA時代の働き方に課題を感じて、伊藤塾にて法律系資格に挑戦し合格した3名の体験談を紹介します。3名はそれぞれ異なる年代・職業・受験動機を持ちながら、共通して「代替できない専門性」「変化への適応力」「個人への信用」の3つの力を、合格によって手に入れることができました。

5-1. 勤務先の倒産不安から司法書士を目指した|松上 星斗さん

合格者の声

2020年春頃、新型コロナウイルスが全国に蔓延しはじめ学校が休校になるなど、世の中がこれからどうなってしまうのだろう、そのような不安を抱えていました。

万が一にでも自分の勤務先が倒産してなくなってしまったらどうしよう、そうなったらどうやって暮らしていけばいいのだろう。そうだ、司法書士のライセンスを手に入れることができればいざという時の再スタートも比較的容易なんじゃないか、難しい試験だからこそより社会的に評価されるし再スタートしやすいのではないか。」

こうした経緯から私は司法書士試験を受験することにしました。
(出典:2022年 司法書士合格「松上 星斗さん」)

【この合格者から学べるポイント】
コロナのような予測できない事態は、誰にでも起こり得ます。いざという時の再スタートに備えて、今から資格という選択肢を作っておく発想は、将来に不安がある人にとって現実的な対策になります。

5-2. 大企業勤務から「手に職」を求めて司法書士を目指した|鈴木 春彦さん

合格者の声

私は法学部卒でもなくどこにでもいる平凡な会社員でした。当時はメーカーの営業職として待遇も安定しておりましたが、一方で文系の私にとって技術者(理系)の力を借りなければ製品の設計やトラブルを解決できないことはある意味ストレスフルな状況でした。

大企業で数年に一度、転勤があり、その都度キャリアがリセットされるような感覚もありました。また、性格的に大きな組織で働くことがあまり好きではなく、極力人に縛られずに生きていきたいという思いもありました。

「文系の自分でも、手に職を持ってやればやるほど実力が上がるような世界はないか。本当の意味で人から感謝される仕事はないか」と考えたとき司法書士という資格に出会いました。
(出典:2023年 司法書士合格「鈴木 春彦さん」)

【この合格者から学べるポイント】
大企業勤務で待遇に不満はないものの、「このまま続けていて自分に何が残るのか」と感じている人にとって参考になる事例です。安定とキャリアの積み上げは、必ずしもイコールではありません。

5-3. 人生100年時代を見据えて行政書士を目指した|白井 美紀さん

合格者の声

人生100年時代と言われる中、将来にわたって社会に貢献できる職業がないか、コロナ禍もあり自分のキャリアを振り返った時に、上司に相談をした所、将来に渡り新しい職・新しい仕事が増える一方で「やりたいだけでは事業が成立するとは限らない」事に気づかされました。
そこで自分なりに調べ、許認可の必要性、携われる為の資格である行政書士という職業に出会い目指す事を決めました。
(出典:2022年 行政書士合格「白井 美紀さん」)

【この合格者から学べるポイント】
「定年まで」ではなく「人生100年」の時間軸でキャリアを考えると、選ぶべき職業の基準が変わります。「やりたいだけでは事業が成立しない」という気づきは、自分のやりたさと、社会的に成立する仕事の条件を切り分けて考えるヒントになります。

6. 予測困難な時代(VUCA時代)に関するよくある質問(FAQ)

VUCAは何と読むのですか?

「ブーカ」と読みます。Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の4つの頭文字を取った造語です。

予測困難な時代(VUCA時代)はいつから始まったのですか?

VUCAという言葉は、1990年代後半にアメリカ軍の軍事用語として生まれました。2010年代以降は経済・ビジネスの分野でも使われはじめ、2016年の世界経済フォーラム(通称ダボス会議)で「VUCAワールド」という言葉が使われたことで、世界的に認知が広まりました。

法律系の資格は働きながら合格できますか?

はい、合格できます。司法書士・行政書士・社労士のいずれも、社会人として働きながら合格する人が大半です。

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必要な勉強時間はどれくらいですか?

資格によって異なります。一般的な目安として、司法書士は約3,000時間、行政書士は約600〜1,000時間、社労士は約800〜1,000時間とされます。ただし個人差が大きく、正しい方法で勉強すれば、これより短い時間で合格する人もいます。

※こちらもあわせてお読みください。

法学部出身でなくても合格できますか?

はい、合格できます。司法書士・行政書士はいずれも受験資格 がなく、学部や学歴に関係なく誰でも受験できます。(社労士 のみ大学卒業または行政書士資格取得などの受験資格要件があります。)実際の合格者には、文系・理系を問わず多様な バックグラウンドの方がおり、法学部出身でないから合格に時間がかかるといった傾向はありません。

AIで資格者の仕事はなくなりませんか?

現時点ではなくならないと考えられています。定型的な書類作成の一部はAIによって効率化されていますが、法律や制度に基づいて最終的な責任を負う判断は、有資格者にしか認められていません。AIは資格者の仕事を奪うのではなく、業務を補助する ツールとして活用される方向に進んでいます。

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独学でも合格できますか?

独学で合格する人もいますが、社会人にはハードルが高い傾向があります。法改正のキャッチアップ、学習スケジュールの管理、出題傾向の分析をすべて自分で行う必要があり、仕事と並行する社会人にとっては大きな負担になります。学習効率を重視する場合は、通信講座や受験指導校の活用が現実的な選択肢になります。

7. VUCA時代を生き抜く3つの力と法律系資格の選択肢

本記事では、予測困難なVUCA時代を生き抜くために会社員が備えるべき3つの力と、その手段としての法律系国家資格について解説しました。要点を以下にまとめます。

【VUCA時代の現実】
2025年だけで約18,000人が早期退職し、そのうち約7割が黒字企業からの募集でした(出典:東京商工リサーチ)。「大手に入れば安泰」という前提はすでに過去のものです。

【会社員が備えるべき3つの力】
・代替できない専門性:AIや他者では置き換えられない深い知識・技能
・変化への適応力:時代に合わせて学び続け、働き方を柔軟に切り替える力
・個人への信用:会社の看板を外しても評価される状態を在職中から作る

【3つの力を同時に身につける現実的な手段】
法律系の国家資格(特に、司法書士・行政書士・社労士)は、業務独占が法律で保障されており、3つの力を同時に身につけられる選択肢です。受験資格に制限がない資格も多く(社労士は一部要件あり)、社会人が働きながら合格を目指せる点が大きな特徴です。

VUCA時代に備える第一歩として、自分に合った資格を検討してみてはいかがでしょうか。
各資格の詳細は伊藤塾コラムの専用記事でも解説していますので、ご覧ください。

伊藤塾 司法書士試験科

著者:伊藤塾 司法書士試験科

司法書士資格を保有する講師・合格経験者で構成された専門チームが監修・執筆しています。合格率3~4%という難関試験について、法律系資格指導で培った約30年のノウハウをもとに、試験分析・学習戦略・合格者の実体験を正確にお届けします。